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第1章 ヒーロー見参
11話 スクエは異世界の文明に驚く!
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スクエが寝ている部屋の扉がゆっくりと開く──しかしスクエは未だに熟睡中だ。
「ふふ、寝姿は可愛いじゃ無いか」
ノラは赤く長い髪を後ろに縛りポニーテールの様な形を作っていた。
そしてスクエの寝姿を覗き込む。
「おっと、いかんいかん──スクエ起きろ朝だぞ」
「うーん……」
モゾモゾしながらもスクエは起き出す。
「おはよう、スクエ」
「あぁ……おはようノラ」
「人間はご飯が必要だからな作っといたぞ?」
「──いや、要らないや」
「ふふ、嘘だ。そんなもんは作ってない」
「なんなんだよ……」
ノラの言葉に疲れを見せるスクエだがベットから起き出して居間に向かう。
「これからは自分の食う物は自分で作りたまえ──しかし私は寛大な主人だからな金はちゃんと渡すし、それも使い放題だ」
そう言うとお金の入った袋をスクエに投げてよこす。
「お、おっと──投げるなよ……」
「ナイスキャッチじゃないか」
「てか、この世界にも金があるなら、なんで奴隷買う時は金じゃ無かったんだ?」
「ノーブルメタルの方が価値があるからな──我々からしたら金の大半はノーブルメタルに使って、残りをイナメントのメンテナスや購入資金に使うだけだからな」
ノラは思い出した様に付け加える。
「あぁ、後は更に残った金で奴隷の食べ物を買うくらいだな」
「やっぱり人間の存在価値は最下位なんだな……」
「まぁ……な……」
少し申し訳無さそうにしている。
「ま、まぁ──中にはヒューマンバトルの為にスキルを買うリプレス達も居るからな」
「スキル?」
「ん? あぁ……今は気にしないで良い」
そして、気分を変える様にしてノラは口を開く。
「それでは今から外を案内してやろう──明日からは自分でご飯などを買うんだぞ?」
外出用の服はいつも同じなのかノラは白衣に袖を通す。
「それとスクエはこれを着ろ」
そう言って渡されたのは昨日と同じ全身真っ白の服だった。
「えー、今日もかよ」
「それは、奴隷専用の服でな本来奴隷はその服しか着せてはいけない事になっている──まぁ、家の中では奴隷に色々な服を着せて楽しむ奴もいると聞くがな」
ノラは表情を少し崩す。
「あぁ、それと外に出た場合は奴隷らしくしとけ」
「なんでだよ?」
「スクエが人間三原則の効力が効かないなんてバレたら色々厄介な奴らに狙われるぞ?」
ノラは脅す様な目付きでスクエに言い放った。
「こ、怖い事言うなよ……」
「いや、これは本当だリプレスにも色々な奴がいるからな──外に出た場合だけは気を付けて欲しい」
「あぁ……分かった」
「宜しい。それでは行こうとしようでは無いか」
優しい笑みでスクエに微笑むとノラは元気よく家の扉を開けて外に出る。
「ま、待ってくれよ!」
やはり、まだノラの美しい顔に慣れないのかスクエは見詰められるだけで顔を赤らめてしまう──それを知っているのかノラも敢えてスクエの顔を凝視する事がある。
「ほら、早く来い置いていくぞ?」
「ノラが早いだけだろ──ってすげぇーな!?」
慌てて外に出た瞬間にスクエは驚愕する。
「ん? 何が凄いんだ?」
スクエが何故驚いているのか分からないノラはスクエを不思議そうに見る。
「い、いや……この光景が……」
家を出た瞬間に目の間に広がる光景は、なんと言い表せば良いかと誰かに聞かれたら誰もがこう答えるだろう──大都会と……
「ロボットが自分達の意思で動いているくらいだから技術とか発達しているとは思ったが、こんなに凄い光景だとは思わなかった……」
スクエの目の前には首が疲れるくらい高いビルが立ち並んでいた。かと言って日本の都会みたいに建物が密集し過ぎて圧迫感があるわけでも無く草木など──緑も多く見られる。
「これがアクアス……」
「お? この国の名前をもう覚えたのか、凄いじゃないか」
ノラの言葉なんて耳に入ってこないくらいスクエは周りを観察するのに必死だ。
すると、前から何かが近付いて来る。
「ドローン……?」
スクエが様子を見ているとノラの目の前で止まる。
「ノラ様、お届け物です」
「あぁ、いつもの所に置いといてくれ」
「かしこまりました」
そう言ってドローンみたいなロボットは荷物を家の回収ボックス的な所に入れて他の所に飛んでいく。
「ノラ……あれ、なんだ?」
「ん? ──あぁ、アレがイナメイトだ」
「意思を持たないロボット……」
「そうだ」
そんなスクエを見てノラは微笑みながら話し掛ける。
「おいおい、まだ家を出て五歩も歩いて無いぞ?」
「い、いや──凄過ぎてな……」
スクエが以前住んでいた世界の何処かに行けば同じくらい高いビルなどはあるかもしれないが、そのビルが多数建っている上に空を見上げると先程のドローン型のイナメントが無数に空を行き来していた。
「ほら、いくぞ」
「あぁ……」
生返事で返しノラの後について行くスクエであったが顔は常に色々な方向に向けている。
少し歩くと大きい路に抜けた。
「えっと……人間のご飯などが売っているエリアがあった筈だがどこだったかな……?」
ノラは頭に人差し指をトントンと一定のリズムで叩き思い出そうと目を瞑っている。その間もスクエは周りを見る。
「こんな大きい路があるのに人通りが少なんだな?」
「──ん? ここは全然大きくなんか無いぞ?」
そう言ってノラは再び足を動かす。
「こっちだついて来い」
──これで大きく無いのか……? どう見ても日本で行ったら大通りと言って問題無いくらいの大きさはあるぞ……
「おぉ、あったあった」
「?」
ノラの言葉に視線を移すと、そこにはお祭りなどで良くある屋台が並んでいた。
「ほら、あそこに人間達のご飯が売っている買ってきて良いぞ?」
「俺だけでか?」
「私が行くと人間達が気を使うからな──せめてこういう場だけは私みたいなリプレスはいない方がいいだろ」
そう言って、ノラは少しその場から離れる。
そんなノラを見たスクエは前を向き朝ご飯を買いに屋台が建ち並ぶ場所に向かって歩き出す。
「ふふ、寝姿は可愛いじゃ無いか」
ノラは赤く長い髪を後ろに縛りポニーテールの様な形を作っていた。
そしてスクエの寝姿を覗き込む。
「おっと、いかんいかん──スクエ起きろ朝だぞ」
「うーん……」
モゾモゾしながらもスクエは起き出す。
「おはよう、スクエ」
「あぁ……おはようノラ」
「人間はご飯が必要だからな作っといたぞ?」
「──いや、要らないや」
「ふふ、嘘だ。そんなもんは作ってない」
「なんなんだよ……」
ノラの言葉に疲れを見せるスクエだがベットから起き出して居間に向かう。
「これからは自分の食う物は自分で作りたまえ──しかし私は寛大な主人だからな金はちゃんと渡すし、それも使い放題だ」
そう言うとお金の入った袋をスクエに投げてよこす。
「お、おっと──投げるなよ……」
「ナイスキャッチじゃないか」
「てか、この世界にも金があるなら、なんで奴隷買う時は金じゃ無かったんだ?」
「ノーブルメタルの方が価値があるからな──我々からしたら金の大半はノーブルメタルに使って、残りをイナメントのメンテナスや購入資金に使うだけだからな」
ノラは思い出した様に付け加える。
「あぁ、後は更に残った金で奴隷の食べ物を買うくらいだな」
「やっぱり人間の存在価値は最下位なんだな……」
「まぁ……な……」
少し申し訳無さそうにしている。
「ま、まぁ──中にはヒューマンバトルの為にスキルを買うリプレス達も居るからな」
「スキル?」
「ん? あぁ……今は気にしないで良い」
そして、気分を変える様にしてノラは口を開く。
「それでは今から外を案内してやろう──明日からは自分でご飯などを買うんだぞ?」
外出用の服はいつも同じなのかノラは白衣に袖を通す。
「それとスクエはこれを着ろ」
そう言って渡されたのは昨日と同じ全身真っ白の服だった。
「えー、今日もかよ」
「それは、奴隷専用の服でな本来奴隷はその服しか着せてはいけない事になっている──まぁ、家の中では奴隷に色々な服を着せて楽しむ奴もいると聞くがな」
ノラは表情を少し崩す。
「あぁ、それと外に出た場合は奴隷らしくしとけ」
「なんでだよ?」
「スクエが人間三原則の効力が効かないなんてバレたら色々厄介な奴らに狙われるぞ?」
ノラは脅す様な目付きでスクエに言い放った。
「こ、怖い事言うなよ……」
「いや、これは本当だリプレスにも色々な奴がいるからな──外に出た場合だけは気を付けて欲しい」
「あぁ……分かった」
「宜しい。それでは行こうとしようでは無いか」
優しい笑みでスクエに微笑むとノラは元気よく家の扉を開けて外に出る。
「ま、待ってくれよ!」
やはり、まだノラの美しい顔に慣れないのかスクエは見詰められるだけで顔を赤らめてしまう──それを知っているのかノラも敢えてスクエの顔を凝視する事がある。
「ほら、早く来い置いていくぞ?」
「ノラが早いだけだろ──ってすげぇーな!?」
慌てて外に出た瞬間にスクエは驚愕する。
「ん? 何が凄いんだ?」
スクエが何故驚いているのか分からないノラはスクエを不思議そうに見る。
「い、いや……この光景が……」
家を出た瞬間に目の間に広がる光景は、なんと言い表せば良いかと誰かに聞かれたら誰もがこう答えるだろう──大都会と……
「ロボットが自分達の意思で動いているくらいだから技術とか発達しているとは思ったが、こんなに凄い光景だとは思わなかった……」
スクエの目の前には首が疲れるくらい高いビルが立ち並んでいた。かと言って日本の都会みたいに建物が密集し過ぎて圧迫感があるわけでも無く草木など──緑も多く見られる。
「これがアクアス……」
「お? この国の名前をもう覚えたのか、凄いじゃないか」
ノラの言葉なんて耳に入ってこないくらいスクエは周りを観察するのに必死だ。
すると、前から何かが近付いて来る。
「ドローン……?」
スクエが様子を見ているとノラの目の前で止まる。
「ノラ様、お届け物です」
「あぁ、いつもの所に置いといてくれ」
「かしこまりました」
そう言ってドローンみたいなロボットは荷物を家の回収ボックス的な所に入れて他の所に飛んでいく。
「ノラ……あれ、なんだ?」
「ん? ──あぁ、アレがイナメイトだ」
「意思を持たないロボット……」
「そうだ」
そんなスクエを見てノラは微笑みながら話し掛ける。
「おいおい、まだ家を出て五歩も歩いて無いぞ?」
「い、いや──凄過ぎてな……」
スクエが以前住んでいた世界の何処かに行けば同じくらい高いビルなどはあるかもしれないが、そのビルが多数建っている上に空を見上げると先程のドローン型のイナメントが無数に空を行き来していた。
「ほら、いくぞ」
「あぁ……」
生返事で返しノラの後について行くスクエであったが顔は常に色々な方向に向けている。
少し歩くと大きい路に抜けた。
「えっと……人間のご飯などが売っているエリアがあった筈だがどこだったかな……?」
ノラは頭に人差し指をトントンと一定のリズムで叩き思い出そうと目を瞑っている。その間もスクエは周りを見る。
「こんな大きい路があるのに人通りが少なんだな?」
「──ん? ここは全然大きくなんか無いぞ?」
そう言ってノラは再び足を動かす。
「こっちだついて来い」
──これで大きく無いのか……? どう見ても日本で行ったら大通りと言って問題無いくらいの大きさはあるぞ……
「おぉ、あったあった」
「?」
ノラの言葉に視線を移すと、そこにはお祭りなどで良くある屋台が並んでいた。
「ほら、あそこに人間達のご飯が売っている買ってきて良いぞ?」
「俺だけでか?」
「私が行くと人間達が気を使うからな──せめてこういう場だけは私みたいなリプレスはいない方がいいだろ」
そう言って、ノラは少しその場から離れる。
そんなノラを見たスクエは前を向き朝ご飯を買いに屋台が建ち並ぶ場所に向かって歩き出す。
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