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第1章 ヒーロー見参
8話 目覚めた先は御主人様の家だった
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「──パルム!?」
スクエは勢い良く起き出す。
「夢か……」
昔の苦い記憶を見たせいかスクエは汗をビッチョリと掻いていた。
「確か……あのノラとか言う女に殴られて気を失ったんだよな……」
スクエはベットの様な所で寝かされていた様だ。
周囲を見回すと無造作に物が色々と置いてあり、率直に言うと、とても汚かった。
「あの女、物を片付けられない人種だな」
今にも崩れ落ちて来そうに積み上げられている物達。
だが、不思議とぴったりと嵌っているのかグラグラしたりはして無かった。
「ベット部分以外足の踏み場もねぇーじゃねぇーかよ……」
スクエはまだ痛む腹部を撫でながら起き上がり部屋を慎重に歩き回る。
「よく分からない物ばかりあるな」
スクエが住んでいた場所では見た事の無い物ばかりで溢れかえっている。
「こんなの何に使うんだ?」
そんな風に部屋を見て回っていると部屋の扉が開く。
「おや? ──起きた様だな少年」
そこには白衣に身を包み真っ赤に燃える目にそれを少し暗くしたワインレッド色のサラサラの長い髪を後ろに結んだノラが現れた。
「──お前!?」
腹部を殴られた事を思い出しスクエは身構える。
「はは、安心しろ──あんな真似はもうしないから」
「どうだか──」
警戒を解かずに少しずつ距離を取る様にジリジリと部屋の隅に移動する。
「おいおい、気を付けてくれよ? そこには貴重な物が置いてあるんだから」
ノラはスクエが警戒している事などお構い無しに──まるで友達に話し掛ける気軽さでスクエに注意をする。
「少年、色々と聞きたい事があるんだ、居間に移って話でもしようではないか」
「話だと……?」
「あぁ、君は他の人間達と違う様だからな色々聞かせてくれ」
ノラの言葉にスクエは考える。
──俺も、この状態は何が何やら分からねぇ……この女を利用して状況を探るか?
チラッとノラの目を見るとノラは首を傾げながら微笑む。
「どうした?」
「い、いや……」
どうやら、女性と付き合った事の無いスクエは長い時間ノラの顔を見れない様だ。
「で、どうだ少年──話を聞かせてくれるか?」
「あぁ──俺も色々聞きたい事があるし、分かった」
スクエのぶっきらぼうな返答にノラは目を細めて口角を上げて笑う。
「やはり──さぁさぁこの私が人間である少年にお茶を淹れてやろうじゃないか」
「はぁ──何言っているんだ?」
ノラの言葉に首を傾げながらも部屋を出て居間に向かった二人。
「そこに座っててくれ」
そう言うとノラは更に他の部屋に歩いて行く。
そしてスクエはノラに言われた通り椅子に腰を掛けて改めて居間の様子を見る。
「ここの部屋は綺麗にしているんだな」
先程の部屋とは打って変わって物が少なく、あるのは机に今スクエが座っている椅子くらいで、後は特に物が無い為、そこまで広く無い居間であるが──とても広い空間の様に感じる。
「待たせたな少年」
コップに注いだお茶を持って来たノラはスクエの前にだけコップを置き自身の前には、とても綺麗な長細い宝石みたいなのを置く。
「さぁ、飲んでくれ」
ノラに勧められるがままにお茶を飲む。
「──ブッッまず!?」
「あはは、そうだろそうだろ。自分で言うのもアレだが私は発明以外何も取り柄が無いからな」
スクエの口からボタボタと水滴が流れるのを見て笑っている。
──この女、頭大丈夫か?! いきなり殴って来るわ、不味いと知っててお茶を出してくるわ……
スクエの視線を受け止めて尚笑っていたノラだが次第に収まって来たのか一度、一息入れた後に机に置いてあった長細い宝石を──まるでタバコを吸うみたいに先っちょに口を付けて息を吸う。
「ふぅ……純度が悪いんじゃ無いか?」
独り言の様に呟きながら再び吸う姿を見てスクエが質問する。
「それなんだ?」
「ん? それとは?」
「お前が今吸っている宝石みたいな奴だよ」
スクエの言葉に最初は何を言っているのか分からない様な表情をしていたノラであったが少し考えてスクエの質問に解答する。
「あぁこれか──もしかしてこの存在を少年は知らないのか?」
「知らねぇーから聞いているんだろ?」
早く教えろと言う様な視線を送るスクエに対してノラはブツブツと呟く。
「ますます、面白い……」
「あ? ──何か言ったか?」
「いや、何も──そういえばコレの正体だったな」
ノラがスクエの前に置く。
「こいつはノーブルメタルと言うものだ」
──ノーブルメタルって確か、あの時の競売で言ってた……
「コイツはとても高価な物でな私達にとっての趣向品だな」
「趣向品……?」
「あぁ、私達は人間みたいにご飯は必要無いがその分充電が必要でな──普通に充電するだけでも事足りるが、このノーブルメタルの場合は私達に取っては味もするし、吸うとリラックスも出来て、更には充電もされるからな、趣向品でありながら実用的でもあって結構高価なんだよ」
──やべぇ……コイツ本物だわ……本当に頭おかしい奴だ……何言っているか全く分からねぇ……
「いやー、私達にとって充電中はあまりにも無防備でな気分の良い物では無いんだよ──だから意識を失う充電を嫌う者が多いな」
ノラはスクエが失礼な事を思っているとはつゆ知れずペラペラと話し続けていたがスクエからの反応が無い事に気が付く。
「ん? ──どうした?」
「どうしたもこうしたも、お前が話している内容の半分も理解出来ねぇーよ……」
「半分もだと……? ──少年は一体どんな田舎から捕まって奴隷にされたんだ……?」
どうやら二人は会話が噛み合わない様でノラも少し不思議そうにしている。
「少年──君はどこの生まれだ?」
スクエは勢い良く起き出す。
「夢か……」
昔の苦い記憶を見たせいかスクエは汗をビッチョリと掻いていた。
「確か……あのノラとか言う女に殴られて気を失ったんだよな……」
スクエはベットの様な所で寝かされていた様だ。
周囲を見回すと無造作に物が色々と置いてあり、率直に言うと、とても汚かった。
「あの女、物を片付けられない人種だな」
今にも崩れ落ちて来そうに積み上げられている物達。
だが、不思議とぴったりと嵌っているのかグラグラしたりはして無かった。
「ベット部分以外足の踏み場もねぇーじゃねぇーかよ……」
スクエはまだ痛む腹部を撫でながら起き上がり部屋を慎重に歩き回る。
「よく分からない物ばかりあるな」
スクエが住んでいた場所では見た事の無い物ばかりで溢れかえっている。
「こんなの何に使うんだ?」
そんな風に部屋を見て回っていると部屋の扉が開く。
「おや? ──起きた様だな少年」
そこには白衣に身を包み真っ赤に燃える目にそれを少し暗くしたワインレッド色のサラサラの長い髪を後ろに結んだノラが現れた。
「──お前!?」
腹部を殴られた事を思い出しスクエは身構える。
「はは、安心しろ──あんな真似はもうしないから」
「どうだか──」
警戒を解かずに少しずつ距離を取る様にジリジリと部屋の隅に移動する。
「おいおい、気を付けてくれよ? そこには貴重な物が置いてあるんだから」
ノラはスクエが警戒している事などお構い無しに──まるで友達に話し掛ける気軽さでスクエに注意をする。
「少年、色々と聞きたい事があるんだ、居間に移って話でもしようではないか」
「話だと……?」
「あぁ、君は他の人間達と違う様だからな色々聞かせてくれ」
ノラの言葉にスクエは考える。
──俺も、この状態は何が何やら分からねぇ……この女を利用して状況を探るか?
チラッとノラの目を見るとノラは首を傾げながら微笑む。
「どうした?」
「い、いや……」
どうやら、女性と付き合った事の無いスクエは長い時間ノラの顔を見れない様だ。
「で、どうだ少年──話を聞かせてくれるか?」
「あぁ──俺も色々聞きたい事があるし、分かった」
スクエのぶっきらぼうな返答にノラは目を細めて口角を上げて笑う。
「やはり──さぁさぁこの私が人間である少年にお茶を淹れてやろうじゃないか」
「はぁ──何言っているんだ?」
ノラの言葉に首を傾げながらも部屋を出て居間に向かった二人。
「そこに座っててくれ」
そう言うとノラは更に他の部屋に歩いて行く。
そしてスクエはノラに言われた通り椅子に腰を掛けて改めて居間の様子を見る。
「ここの部屋は綺麗にしているんだな」
先程の部屋とは打って変わって物が少なく、あるのは机に今スクエが座っている椅子くらいで、後は特に物が無い為、そこまで広く無い居間であるが──とても広い空間の様に感じる。
「待たせたな少年」
コップに注いだお茶を持って来たノラはスクエの前にだけコップを置き自身の前には、とても綺麗な長細い宝石みたいなのを置く。
「さぁ、飲んでくれ」
ノラに勧められるがままにお茶を飲む。
「──ブッッまず!?」
「あはは、そうだろそうだろ。自分で言うのもアレだが私は発明以外何も取り柄が無いからな」
スクエの口からボタボタと水滴が流れるのを見て笑っている。
──この女、頭大丈夫か?! いきなり殴って来るわ、不味いと知っててお茶を出してくるわ……
スクエの視線を受け止めて尚笑っていたノラだが次第に収まって来たのか一度、一息入れた後に机に置いてあった長細い宝石を──まるでタバコを吸うみたいに先っちょに口を付けて息を吸う。
「ふぅ……純度が悪いんじゃ無いか?」
独り言の様に呟きながら再び吸う姿を見てスクエが質問する。
「それなんだ?」
「ん? それとは?」
「お前が今吸っている宝石みたいな奴だよ」
スクエの言葉に最初は何を言っているのか分からない様な表情をしていたノラであったが少し考えてスクエの質問に解答する。
「あぁこれか──もしかしてこの存在を少年は知らないのか?」
「知らねぇーから聞いているんだろ?」
早く教えろと言う様な視線を送るスクエに対してノラはブツブツと呟く。
「ますます、面白い……」
「あ? ──何か言ったか?」
「いや、何も──そういえばコレの正体だったな」
ノラがスクエの前に置く。
「こいつはノーブルメタルと言うものだ」
──ノーブルメタルって確か、あの時の競売で言ってた……
「コイツはとても高価な物でな私達にとっての趣向品だな」
「趣向品……?」
「あぁ、私達は人間みたいにご飯は必要無いがその分充電が必要でな──普通に充電するだけでも事足りるが、このノーブルメタルの場合は私達に取っては味もするし、吸うとリラックスも出来て、更には充電もされるからな、趣向品でありながら実用的でもあって結構高価なんだよ」
──やべぇ……コイツ本物だわ……本当に頭おかしい奴だ……何言っているか全く分からねぇ……
「いやー、私達にとって充電中はあまりにも無防備でな気分の良い物では無いんだよ──だから意識を失う充電を嫌う者が多いな」
ノラはスクエが失礼な事を思っているとはつゆ知れずペラペラと話し続けていたがスクエからの反応が無い事に気が付く。
「ん? ──どうした?」
「どうしたもこうしたも、お前が話している内容の半分も理解出来ねぇーよ……」
「半分もだと……? ──少年は一体どんな田舎から捕まって奴隷にされたんだ……?」
どうやら二人は会話が噛み合わない様でノラも少し不思議そうにしている。
「少年──君はどこの生まれだ?」
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