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あの、都市伝説が再び……

エピローグ

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空から太陽が消えて月が出ている夜に一人の女性がパソコンでネットサーフィンをしている。

「あぁーあ、なんか面白い事ないかなー」

 少女は大学生なのか、難しそうな教則本などが机などに置かれている。

「えーと、どれも見た事あるのばかりだー」

 椅子の背もたれに体重を預けて、少女は部屋の天井を見上げる。

 すると、アラーム音がパソコンから鳴った。

「ん?」

 どうやら、メールが届いた様である。

「誰からだろう?」


件名:こんな都市伝説を知っていますか?

「なんだこれ? 迷惑メール?」

 メールには、URLが貼り付けてあった。

「うわ、怪しい……けど面白そうだなー」

 女性は気になる様でURLをクリックする。

【都市伝説マサオさん。眠れない夜のお供にどうぞ】


貴方は、【マサオさん】と言う都市伝説を知っていますか?

 マサオさんは、山奥にある廃れた村に家族四人で暮らしていました。その村にはマサオさん達以外にも住んでいて30人規模の村であったらしい……。

 村から見たマサオさん家族は多少問題がありつつも幸せな家庭に写っていました。マサオさんは気弱だが優しく村人からの頼みを断れず何かと頼まれる事が多かったが村人からは頼れる存在として認識されていた。奥さんは美人で人当たりも良く、娘はいつも近所に挨拶する出来た子だったと言う。

 だがマサオさん家族には問題がいくつもあった……。

 まず一つ目は息子である。息子は生まれた時から心に病を持って生まれてきた……。彼は成長しても同世代の子供達に出来る事が彼には出来なかったのだ。それもあってか、妻は息子を溺愛した。だが、息子は成長するに連れて残酷な面が出て来てしまったのだ……。
 それは昆虫達を捕まえてはハサミで胴体を切り刻むのであった。その光景を見た村人は彼から自分達の子供を遠ざけた。

 そして二つ目は妻による暴力である。標的はマサオさんと娘の二人。妻は外でのストレスと息子の世話で受けるストレスを二人にぶつけたのである。気弱なマサオさんは抵抗せずに暴力を受け入れる。そしてまだ幼い娘も抵抗出来るはずも無く妻からの暴力を受け入れるしか無かった……。

 そんなある日の事である。夜に何やら物音が聞こえマサオさんは気になり様子を見た。

 なんと息子が妻の指を笑いながら切断していたのだ……。

 だがマサオさんは慌てる事無く息子からハサミを取り上げて、妻の口に突き刺したのだ。それは何度も何度も突き刺し、まるで今までの鬱憤を晴らすかの様に突き刺す。近所では気弱な主人という印象だがこの時のマサオさんの表情は顔に血を受けながらも笑っていた……。

 そしてマサオさんは、そのハサミで隣で妻の指を食べていた息子の口にも突き立てのである。それも何度も何度もだ。マサオさんの表情は更に恍惚とした様子になり娘の寝室に行き口目掛けて何度も何度も突き立てたのだ……。

 家族全員を殺したマサオさんは立ち上がり家を出て隣の家に行き家族達と同じ様に刺し続け殺し、次々と他の家に行き殺し回った……。

 そして、マサオさんは村人全員を殺し最後に自分の口にハサミを突き刺し自殺した……。


 舞台となった村は現在も廃村として存在するが、過去にその様な事件があったという事実は無い。

 そしてここ最近【マサオさん】の都市伝説を聞いた若者の間で度胸試しが流行っている。それは舞台になった村に行きキャンプする事である。
 キャンプの用意をしているとマサオと言う優しそうな中年が現れると言う。そして自分の家を寝床に提供してくれるが次の日に起きると若者の一人が口にハサミを突き立てられて死んでいるのが見つかったそうだ。

 すぐに警察に連絡しようとするが連絡が繋がらず、村から出ようとするが村から出られず、そして次の日にはもう一人同じ状態で殺されるのが見つかる。どんどんと口にハサミを突き立てられて、最後には全員死体事消える。

 そして事件は明るみに出ずに、マサオさんは次の獲物を村で待っていました……


 本来なら、ここで終わる筈だった都市伝説でしたが、最近新しい話が加わりました。

 マサオさんは、他の獲物を村に呼び込みました、その獲物達は年齢もバラバラ、住む場所も仕事も性別もバラバラな男女が集まりマサオさんの都市伝説を調べる為に舞台となる村にキャンプしにきました。

 もちろん、マサオさんの絶好の獲物です。マサオさんは参加者に紛れて一人ずつ殺し回りました……

 男女のグループはもちろん恐怖し混乱し逃げ出します。
 ですが、何故か村からは出られません。ここまでは前回と同じでしたが、参加者の一人の青年が全てを変えました……

 青年はマサオさんを倒す為に立ち向かいました。その間、何人もの死人が出ましたが、最後の最後にはマサオさん倒す事に成功し生き残った皆で喜び合いました。

 ですが、マサオさんの都市伝説はここでは終わりませんでした……

 マサオさんは、倒される前に自分の家族である、アケミ、ソラタ、ハルカに自分の力を分け与えました。
 その影響で三人はマサオさんと同じ力を手に入れて人間を殺し回り、世間を騒がせます。

 そんな時、又もやマサオさんを倒した青年が立ち上がります。
 青年は仲間とマサオさんの娘であるハルカに協力して貰い人間を殺し回っていたアケミとソラタを倒す為に立ち向かいました。

 青年の仲間は次々と殺され、青年の心はボロボロです。ですが、殺されていった仲間達の為に青年は必死に目の前の事に集中して何とかアケミとソラタを倒しました……

 ですが、まだ都市伝説は終わりません……

 なんと、青年に協力していたハルカが青年を殺しました。そして生き残ったはのは女の子が一人……

 何故かハルカは女の子を生かしてその場から消えました。ですが、ハルカは今でも、あの村に居ると少女は言います。そして、都市伝説という餌に釣られてやって来る人間達を待っているらしいです……


 ここまで、読んで頂きありがとうございました。
 この都市伝説が本当か嘘か分かりませんが、今度オフ会をしようと思っています。興味がある方は、下記のURLから参加お待ちしております。
 いきなり、怪しいメールを送ってしまい申し訳ございません。それも演出の一つとお考え下さい。
 
 それでは、参加お待ちしております。


「気持ち悪……」


 読み終わった少女は無意識にURLをクリックすると、そこにはちゃんとしたホームページになっていた。

「あ、本当だ。なんか怪しい感じだったけどホームページの方はちゃんとしてしているじゃん」

 そこには、都市伝説だけでは無く、他にも色々な事を扱っているサイトの為、女性は安心した様だ。

「今、夏休みで暇だし参加してみようかな!」

 軽い気持ちで女性は参加登録を済ませた。

「どうせなら、彼氏と一緒にいこうかな! 旅行気分でいいかも!」

 考えれば考える程良い案だと思う女性は、どんどん心が躍る様にウキウキしている様だ。

 そして、またパソコンからアラーム音が鳴る。

「あ、早速登録完了のメールだ」


件名:オフ会の参加ありがとうございます

 今回、都市伝説マサオさんのオフ会に参加して頂きありがとうございます。
 日程などが決まり次第メールにてお送りさせて頂きますので、お待ち下さい。


「よーし、彼氏にも登録させよう!」

 すると、更に一通メールが届く。

「ん? なんだこれ」


件名:ごめんなさい

ワタシ、シッテイルヨ?
都市伝説ハ、アルンダヨ……?


「うわ……これも、なんかの演出……?」

 こうして、また若者達はあの村に向かうのであった……


 
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