過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第11章

478話

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「デグさん、おはようッス! 朝ですので起きて下さいッス」

 隣から、朝だと言うのに元気いっぱいのラバが俺を起こす為に大声をあげる。

「ふふ、デグさんは結構お寝坊さんなんですね」
「レギュ……この男は一人で起きれないお子様なの……」
「そうなんです?」
「うん。歳だけ無駄に取った……小さい子供……」

 ベムの心を突き刺す様なナイフの様な言葉に俺は堪らず起き上がる。

「──ッベム、それは言い過ぎだろ?!」
「……起きた」

 俺が起き上がるのを見て、ベムはレギュとラバにドヤ顔をする。

「ベムさん凄いです……あんなに熟睡していたデグさんが直ぐに起きちゃいました」

 感心する様な眼差しでベムを見るレギュ。

「ベムさん凄いッス! 自分がどんなに頑張ってもなかなか起きてくれないデグさんをこんなに早く起こせるなんて、尊敬するッス!」

 二人に尊敬されて気分が良いのか、ベムは自身の腰に両手を乗せて小さく肩を揺らして笑っている。

「この男の面倒を見るのは本当に大変……二人共良く頑張っている……」

 クソッ……言いたい放題言いやがって。
 悔しい気持ちをベムに向かって吐き出したいが、半分くらいは当たっている為、言うに言えない状況だ。

 そんなこんなしている内に、俺の前には朝ごはんが準備されていた。

「これは、レギュが作ったのか?」
「はい! 早めに目が覚めたので皆さんの分の朝食を準備していました!」
「レギュは本当に良い子……」
「えへへ。ベムさんに頭撫でて貰うの気持ちいいです」
「なら、もっとしてあげる……」

 一通り、レギュを撫で回したベムは、朝食を食べる為に姿勢を整える。

「それじゃ、レギュに感謝してご飯を食べよ……」
「どうぞどうぞ。大した物作れなくて申し訳ありませんが」
「ううん。レギュの作った料理ならなんでも美味い……」

 ベムはレギュにベタ惚れな為、基本何をしても、褒める。そんな様子を見ているとアトスの事を思い出すな……

 あの時も、ベムはアトスの事を溺愛しており、アトスには何をされても怒らないだろうし、アトスの事を目に入れても平気な程可愛がっていたっけな……

 アトスと別れて、かなり経つがちゃんと無事だろうな……アトス……?

 俺は一度空をを見つめる。ドワーフの村はジャングル内にあるため、上を見渡すと木々の葉などがあり、少しだけ薄暗いが、今日も良い天気の様だ。

「よし、ご飯食ったら、武器でも見に行くか」
「デグに賛成……昨日は宿探しで全然見れなかった……」
「私、武器見に行くの楽しみです!」
「自分もッス! デグさん、自分はどんな武器にすれば良いッスか?!」

 若い二人はキラキラした目線で俺の方を見て、今にでも走り出しそうである。

「はは、まぁ、落ち着けよ。とりあえず飯を食べようぜ? 別に武器は逃げたりしねぇーしよ」
「分かりました!」
「分かったッス!」

 二人は本当に楽しみな様で、かき込む様にして朝食を口一杯に放り込むのであった。
 二人に急かされる様にして、俺とベムをご飯をかき込むと、早速武器を見に昨日同様に村の奥に進んでいく。

「うわー、武器屋が沢山ありますね!」
「この一本道は全部武器屋ッスか?!」

 俺達は、武器が売っている場所の入り口まで足を運んだ。
 そこには、長い一本道の両脇に所狭しと武器屋が立ち並んでいたのだった。

「デグさん、手前の武器屋さんは、とても大きい建物になっていますね!」

 レギュの指さした店は、このドワーフの村の中で一番大きいのでは無いかと思う様な立派な建物が建っていた。

 だが、ここの武器は金銭的に買えなさそうだな……

 店に入る前から分かる……この店の商品は高い……

 俺の心配を他所に三人は大きな店に入る為歩き出す。

「お、おい。別の店の方が──」

 俺が、他の店に入ろうと話し掛けようとした時には既に三人は店に入る為に歩き出していた。

「──さぁ二人共……お店に入ろう……」

 ベムが二人の背中を押して店に入っていく。俺は慌てて三人に続けて店内に入ると、そこには見事な武器の数々が売られていた。

「こりゃ、すげぇ……ぜ」
「うん……こんな凄い武器が有れば、私達も少しは強くなれる……」
「あぁ……そうだ──ッおぅ?!」

 俺は、見事な武器を眺めながら視線を値札の方に移していくと、そこには俺が想像した以上の値段が記載されていた。

 むりむり、この値段は無理だ……。さすがのベムも武器の値段に驚いたのか、いつもより目が見開いていた。

「デグ……ここは私達に合わないみたい……」
「だな」

 店内を自由に見廻っている二人を呼び、店を出ようと思った時、店内の奥から怒鳴り声の様な音が聞こえてきた。

「おい、テメェ!」
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