過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第11章

476話

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「うわー、皆さん皆さん! あそこに見えるのがドワーフの村なんですか?」

 シクさんやネーク達から離れて一体どれくらいの日々が経過したか分からないが、俺達はやっとドワーフの村を見つける事が出来た。

 レギュやラバはドワーフの村の入り口を見ただけで大騒ぎしているが、気持ちは分かる。

「これまで、ずっと野宿だったからな……やっとゆっくり寝れそうだぜ」
「流石に疲れた……水浴びも早くしたい……」

 若い二人と違い、歳を多少食っている俺達は、なんとも年寄りくさい気持ちになっている。

「これが……老いというものか?」
「デグの棒と一緒にしないで欲しい……私はまだまだ若い……」
「嘘つけッ! お前もさっき疲れたとか言ってたじゃねぇーかよ!」
「言ってない……」

 ベムは俺の視線から逃れる様に、そっぽを向く。

 クソッ……俺だけ老ぼれ扱いしやがって……

「デグさん、ベムさん、早く行きましょう!」
「そうッスよ! 早く行って武器を買うッス!」

 あれだけ、ジャングルを歩き回り、野宿をしたと言うのに二人は元気いっぱいであり、早々とドワーフの村に向かって歩を進める。

 ちくしょ……二人と俺の違いは、気持ちの差なのか?!

 俺は若い二人に少しでも若さという物を分けて貰おうと、二人のペースに合わせる様に歩き出そうとすると……

「デグ……二人に合わせても若さは取り戻せ無い……」
「う、うるせ……よ……」

 バレてやがる……

 自身の思考をベムに読まれている事が無性に恥ずかしくてなり、俺はラバやレギュよりは遅く、だけどもベムよりは早くと言った、なんとも中途半端は速さで歩き始めた。

 そんな俺の様子をベムは可笑しそうに笑っているのが、また無性に恥ずかしさを感じさせる。

「もう、お二人とも遅いですよ!」
「そうッス!」

 俺とベムがドワーフの村の入り口に到着すると、先に待っていた二人が苦言を漏らした。

「悪い悪い」
「デグが疲れたって言ったから、仕方なく付き合ってた……全く……歳は取りたくないね……」
「オメェーも俺と変わらないだろうッ?!」

 俺とベムの口論を若い二人は、また始まった……と言う様な表情で見ており、そんな視線に気が付いた俺は咳払い一つで誤魔化す事にした。

「オホンッ! さて、村の中に入るか」

 俺達四人は村の入り口を通り、中に入っていく。

 入って直ぐに気が付いた事は、さまざまな種族が居る事だ。

「なんか、色々な人がいますね?」
「本当ッス。自分、こんな色々な種族を見たのは初めてッス!」

 物珍しそうに二人はキョロキョロと辺りを見回していた。

「デクさん、ここに居る皆さんはここに野宿しているんですか?」

 レギュの言う通り、周りを見てみるとあらゆる人間が野宿の準備をしていたり、既に何ヶ月もこの村に居るのか、ちょっとした簡易型住居を構えているもの達までいる。

「恐らく、村の深部で野宿するのは、許されないが、村の入り口付近であれば許されているんだろう」
「なんだか、ドワーフってケチクサイッスね……」
「ラバ……そんな事無い……」

 ベムの言葉にレギュとラバが首を傾げる。

「こうやって柵の内側で野宿させて貰うだけでも、私達からしたら助かる……」
「ベムの言う通りだ。ここであれば纏まって居るから、見張りも手分け出来るしな」

 周りを見ると、人間族の住処より強固では無いものの、立派な柵で村全体が覆われている様だ。

「た、たしかに……見張りを分担出来るのはかなりいいッスね」

 ラバはこの前の出来事で見張りの重要性を嫌と、言うくらい思い知ったので、この光景に感心している様子だ。

「デグさん、私達も今夜はここで野宿するんですか?」
「うーん、折角だし今夜はどこかの宿に泊まりてぇーな」
「デグに賛成……」

 レギュとラバの二人は野宿でも大丈夫だと言うが俺とベムが、それを許さなかった。

「とにかく、まずは宿でも探すか」

 俺が村の更に奥に進もうと歩き出そうとすると、レギュが辺をキョロキョロと見回している。

「レギュ……どうかした……?」
「ベムさん、なんか人間族が全然いませんね?」

 レギュの言葉に俺達全員は辺りを見回す。

 たしかに、獣人族やリザードマンなど色々な種族が居るのだが、何故か人間族は見当たらなかった。

「本当ッスね。自分達みたいな人間族が全然いないッス」
「今はどうでもいい……早く、ゆっくり休みたい」
「そ、そうッスね」

 ベムは余程疲れているのか、一人で先にどんどん進んでいった。
 そんなベムを見て、俺達も慌てて追いかける。

 だが、俺達が宿を取れる事は無かった……
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