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第11章
475話
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ラバの剣による攻撃は俺の大剣を小型の内部へと食い込まさせた。
すると、先程までレギュに攻撃をしていた小型がビクンと身体をのけ反らす。
「ラバッ、もう一度だ!」
「はいッス!」
振り下げた剣を再び頭まで振り上げ後に再び振り下ろす。
「いいぞ!」
ラバが剣を振り下ろす度に、俺の大剣は徐々に小型の体内に食い込んでいく。
流石に我慢の限界なのか小型はレギュでは無く俺達に対して攻撃を繰り広げて来る。
そんな小型の攻撃を俺はラバの補助をしながら二人で避ける。そして避けた後は再びラバの攻撃によって俺の大剣が身体に突き刺さる。
そして、何度も攻撃を繰り返し、とうとう小型を倒す事に成功する。
小型は地面に倒れた後も暫くは起きあがろうとしていたが、動く度にトドメを刺すつもりで攻撃を加えた。
「ふぅ……終わったぜー」
「疲れたッス……」
俺達は小型を倒した後、あまりの疲労感に地面に座り込んでいると。
「二人共大丈夫ですか? それにしても良く私達で倒せましたね!」
この中で一番疲れるであろう役目をしていたレギュは未だに元気が有り余っている感じだ。
「全く息が切れてないのかよ……」
「ば、バケモンッスね……」
流石に俺も、いつ攻撃を受けるか分からない小型との対戦は緊張感などで通常の倍以上は疲れたぜ……
それなのにレギュは息切れすらしていない。ラバでは無いが体力に関しては本当にバケモンだな。
そんな事をレギュの顔を見ながら考えていると、ベムが近付いてくる。
「みんな、ご苦労……」
「あ、ベムさんもお疲れ様です」
「うん……皆んな、怪我は無い……?」
ベムはレギュとラバの身体を見回して怪我が無いか確認する。
「あはは、ベムさんくすぐったいです」
「ふふ……我慢して……」
本当の妹の様にベムはレギュの事を思っている為、怪我が無いが念入りにチェックしている様だ。
「次はラバ……」
「は、はいッス!」
ラバの身体が震える。恐らく、好きなベムに触って貰える事に感動しているのだろう。
「ラバ……震えているけど……戦い、怖かったの……?」
どうやら、ラバの震えは小型との戦いによるものだと勘違いしたベム。
「い、いえッ。大丈夫ッス!!」
「無理はしちゃ……だめだよ……?」
「はいッス!」
ベムはラバの確認が終わり、最後にこちらに向かって来た。
「デグの棒も怪我は無い……?」
「デグの棒じゃ、ねぇ! 怪我は無いから安心してくれ」
「別に心配なんてして無い……それよりも一発くらい食らえば良いとかえ思ってた……」
「──ッお前ね……」
ベムは冗談だと不敵な笑みを浮かべる。
「デグ、取り敢えずここから離れた方がいいと思う……」
「あぁそうだな。モンスター達がここに集まって来るかもしれねぇーしな」
「うん……」
小型を倒した俺達は全員に怪我が無いかを確認した後に直ぐにその場を離れる。
大分離れた頃にラバが口を開いた。
「デグさん、ドワーフの村に行ったら、直ぐに剣の稽古を付けて欲しいッス!」
目をキラキラさせて話しかけて来るラバ。
「い、いきなりどうした?」
「自分、さっきの戦いで何か気分が高揚したッス!」
今まで、村などではモンスターの戦闘にラバを参加させて来なかった為、ラバにとっては今回が初めてのモンスター討伐になる。
「ラバさん、頑張ってましたもんね!」
「はは、レギュありがとうッス! でも、レギュも凄かったッスよ!!」
「あぁ、それは俺も思った。良くあんなに避けられたものだ」
俺とラバの言葉に少し照れながら顔を赤くする。
「えへへ、自分でも分かりませんが、なんとかなりました」
「レギュは凄い……いいこいいこ……」
「も、もうー。ベムさん、私は子供じゃ無いですよ?」
レギュは満更でも無い様子でベムに頭を撫でられていた。そして、そんな二人の様子を羨ましそうに見ているラバ。
「ふぁ……、安心したら急激に眠気が来たぜ」
「仮眠の途中だったからしょうがないですよねー」
「今日は早めに寝床の準備をしよう……」
俺達が欠伸を噛み殺していると、いきなりラバが大声を上げた。
「皆さん、今回の件は本当に申し訳無かったッス!」
腰を90度に折り曲げて来て頭を下げるラバ。
「おい、ラバ頭を上げろ。俺達は別に怒ってもないからよ」
「そうですよ、ラバさん! 眠くなるのはしょうがないですよ!!」
「ラバは悪く無い……」
「で、でも……」
自分の居眠りの所為で、小型に追いかけられる事になった事を、ラバは相当申し訳無さそうにしているが、そもそもラバは、まだ若いし経験も浅いのでしょうがない。
その事を知っている為、ベムも怒って無い。レギュの場合は単純に気にしてないのだろう。
それから、俺達はより一層、慎重にジャングルを進み、なんとかドワーフの村に辿り着くことが出来た……
すると、先程までレギュに攻撃をしていた小型がビクンと身体をのけ反らす。
「ラバッ、もう一度だ!」
「はいッス!」
振り下げた剣を再び頭まで振り上げ後に再び振り下ろす。
「いいぞ!」
ラバが剣を振り下ろす度に、俺の大剣は徐々に小型の体内に食い込んでいく。
流石に我慢の限界なのか小型はレギュでは無く俺達に対して攻撃を繰り広げて来る。
そんな小型の攻撃を俺はラバの補助をしながら二人で避ける。そして避けた後は再びラバの攻撃によって俺の大剣が身体に突き刺さる。
そして、何度も攻撃を繰り返し、とうとう小型を倒す事に成功する。
小型は地面に倒れた後も暫くは起きあがろうとしていたが、動く度にトドメを刺すつもりで攻撃を加えた。
「ふぅ……終わったぜー」
「疲れたッス……」
俺達は小型を倒した後、あまりの疲労感に地面に座り込んでいると。
「二人共大丈夫ですか? それにしても良く私達で倒せましたね!」
この中で一番疲れるであろう役目をしていたレギュは未だに元気が有り余っている感じだ。
「全く息が切れてないのかよ……」
「ば、バケモンッスね……」
流石に俺も、いつ攻撃を受けるか分からない小型との対戦は緊張感などで通常の倍以上は疲れたぜ……
それなのにレギュは息切れすらしていない。ラバでは無いが体力に関しては本当にバケモンだな。
そんな事をレギュの顔を見ながら考えていると、ベムが近付いてくる。
「みんな、ご苦労……」
「あ、ベムさんもお疲れ様です」
「うん……皆んな、怪我は無い……?」
ベムはレギュとラバの身体を見回して怪我が無いか確認する。
「あはは、ベムさんくすぐったいです」
「ふふ……我慢して……」
本当の妹の様にベムはレギュの事を思っている為、怪我が無いが念入りにチェックしている様だ。
「次はラバ……」
「は、はいッス!」
ラバの身体が震える。恐らく、好きなベムに触って貰える事に感動しているのだろう。
「ラバ……震えているけど……戦い、怖かったの……?」
どうやら、ラバの震えは小型との戦いによるものだと勘違いしたベム。
「い、いえッ。大丈夫ッス!!」
「無理はしちゃ……だめだよ……?」
「はいッス!」
ベムはラバの確認が終わり、最後にこちらに向かって来た。
「デグの棒も怪我は無い……?」
「デグの棒じゃ、ねぇ! 怪我は無いから安心してくれ」
「別に心配なんてして無い……それよりも一発くらい食らえば良いとかえ思ってた……」
「──ッお前ね……」
ベムは冗談だと不敵な笑みを浮かべる。
「デグ、取り敢えずここから離れた方がいいと思う……」
「あぁそうだな。モンスター達がここに集まって来るかもしれねぇーしな」
「うん……」
小型を倒した俺達は全員に怪我が無いかを確認した後に直ぐにその場を離れる。
大分離れた頃にラバが口を開いた。
「デグさん、ドワーフの村に行ったら、直ぐに剣の稽古を付けて欲しいッス!」
目をキラキラさせて話しかけて来るラバ。
「い、いきなりどうした?」
「自分、さっきの戦いで何か気分が高揚したッス!」
今まで、村などではモンスターの戦闘にラバを参加させて来なかった為、ラバにとっては今回が初めてのモンスター討伐になる。
「ラバさん、頑張ってましたもんね!」
「はは、レギュありがとうッス! でも、レギュも凄かったッスよ!!」
「あぁ、それは俺も思った。良くあんなに避けられたものだ」
俺とラバの言葉に少し照れながら顔を赤くする。
「えへへ、自分でも分かりませんが、なんとかなりました」
「レギュは凄い……いいこいいこ……」
「も、もうー。ベムさん、私は子供じゃ無いですよ?」
レギュは満更でも無い様子でベムに頭を撫でられていた。そして、そんな二人の様子を羨ましそうに見ているラバ。
「ふぁ……、安心したら急激に眠気が来たぜ」
「仮眠の途中だったからしょうがないですよねー」
「今日は早めに寝床の準備をしよう……」
俺達が欠伸を噛み殺していると、いきなりラバが大声を上げた。
「皆さん、今回の件は本当に申し訳無かったッス!」
腰を90度に折り曲げて来て頭を下げるラバ。
「おい、ラバ頭を上げろ。俺達は別に怒ってもないからよ」
「そうですよ、ラバさん! 眠くなるのはしょうがないですよ!!」
「ラバは悪く無い……」
「で、でも……」
自分の居眠りの所為で、小型に追いかけられる事になった事を、ラバは相当申し訳無さそうにしているが、そもそもラバは、まだ若いし経験も浅いのでしょうがない。
その事を知っている為、ベムも怒って無い。レギュの場合は単純に気にしてないのだろう。
それから、俺達はより一層、慎重にジャングルを進み、なんとかドワーフの村に辿り着くことが出来た……
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