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第11章
473話
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「み、皆さん申し訳無いッス……」
「いいから、今はとにかく走る……」
「ベムさんの言う通りですよ、ラバさん! 今は逃げましょう!」
俺達は現在、小型に追われている。
「ここまで、モンスターには良い感じに遭遇しなかったんだけどな。ちくしょうッ」
シクさんと別れてから、結構な日にちが経っていたが、俺達は一度もモンスターと遭遇はしなかった。
それは、レギュとベムのお陰である。二人が居ればモンスターをいち早く見つけられる為、うまい具合に遭遇せずに出来ていた。
しかし、今回は完全に俺の判断ミスだった。チラリとラバの方に視線を向けると、今にも泣きそうな表情を浮かべながら前を向いて走っている。
事の発端は夜に起きた。
全員で一斉に寝るのは危険な為、俺達は一人を見張りとして、後の三人は寝る様にしていた。
その際に、数時間毎に見張りを交代する様にしてそれぞれ睡眠を取っている。
そして、モンスターに追われる様な事態が起きた原因はラバの見張りであった。
これまで、この様な長い旅をした事が無かったラバ。恐らく少しずつ疲労が蓄積していたのだろう、見張りの際に少しだけ、うたた寝をしてしまった様で、気が付いた時には遅かった。
最初に気がついたのはレギュであった。いきなり、飛び跳ねて寝ている俺達を文字通り叩き起こす。
俺が起きた時には既に小型が少し遠目から視認出来る距離まで近付いており、完全に俺達を狙っている事が分かる。
それからは、ひたすら逃げ続けている状況だ。
「デグ、どうする……?」
「小型は一体だが……」
俺はレギュとラバを一瞬だけ見る。
「このメンバーじゃ、流石に危険過ぎるな」
「私もそう思う……」
後二人、手練れが居れば倒す事を考えていたが、戦闘経験が浅いレギュとラバの二人では小型と戦うのは危険過ぎる。
「クソッ、強くなる前に、同じ状況になっちまったな」
「これは試練……私達なら乗り切れる……」
後ろを振り向くと、100メートルくらい後ろをピッタリとくっ付いて追ってくる小型。
小型と言えど、俺達から比べれば、かなり大きい。それなのに小型は器用に木を避けながら追ってくる。
「デグさん、ベムさん、これからどうするつもりですかッ?」
レギュの質問に俺とベムは黙り込む。
「とにかく……今は逃げるしか無い……」
「分かりましたッ! 私は体力だけは自信があるので、疲れたら私が運びますので言ってください!」
「ふふ……レギュは頼もしい……」
自分で言うだけあって、レギュは本当に体力がある。あの時、シクさんと逃げている時でさえもレギュだけは、まだまだ余裕があったくらいだ。
だが、問題はラバである。
「はぁはぁ」
「ラバ、大丈夫か?」
「はいッス! まだ、余裕あるので問題無いッス!」
確かに、俺達に比べて呼吸は荒いが、まだ平気そうだな……だけど、それも時間の問題だろう。
モンスターとの距離感は付かず離れずを保っている。
本当はこのまま引き剥がしたいが、俺達にはそこまでのスピードが無い。
「身体能力の低さに嫌になるぜ」
「弱音を吐かない……」
「そうですよ! 心が折れたら、そこで終わりですよ!」
それから、俺達は更に半日程小型から逃げ回る。
「はぁはぁ」
「ラバ……大丈夫……?」
「はぁはぁ、だ、大丈夫ッス……」
これは、無理そうだな。ラバは肩で息をしている。
むしろ、良くここまで走っているくらいだ。
「デグ……そろそろ、ラバが……」
「あぁ。そうだな、こうなったら戦うしかねぇーな」
「勝てる……?」
ベムの言葉に後ろの小型を見る。特に変わった所も無い小型だ。
しかし、噂で聞いた所に寄ると、モンスターの中には知能を持ったモンスターもいる様だが、コイツは違うだろうな?
「そんな事、考えている暇はねぇーか」
ラバはいつ足を止まっても良いくらい疲れ果てている。
「皆んな、良く聞け。これ以上逃げてもラバが保たないから、戦おうと思うが良いか?」
俺の言葉にベムとレギュが頷くが、ラバは違った。
「デグさん……はぁはぁ、自分なら大丈夫ッス。だからこのまま逃げましょう」
自分の所為で、モンスターに追われて、自分の所為でモンスターと戦わないと、いけないこの状況にラバは申し訳ないとの感情でいっぱいの様だ。
「ラバ、気にしないで……どうせ、このままでも体力が切れるだけ……」
「そうですよ! ここは、小型を倒しちゃいましょう! それか、私が運んでこのまま逃げますか?」
レギュがこちらを見ながら確認して来る。
「それでも、良いがどうせ戦うなら、まだ体力のある、今のうちに戦った方がいいだろう」
「分かりました!」
こうして、俺達は後ろから追って来ている一体の小型を倒す事にした
「いいから、今はとにかく走る……」
「ベムさんの言う通りですよ、ラバさん! 今は逃げましょう!」
俺達は現在、小型に追われている。
「ここまで、モンスターには良い感じに遭遇しなかったんだけどな。ちくしょうッ」
シクさんと別れてから、結構な日にちが経っていたが、俺達は一度もモンスターと遭遇はしなかった。
それは、レギュとベムのお陰である。二人が居ればモンスターをいち早く見つけられる為、うまい具合に遭遇せずに出来ていた。
しかし、今回は完全に俺の判断ミスだった。チラリとラバの方に視線を向けると、今にも泣きそうな表情を浮かべながら前を向いて走っている。
事の発端は夜に起きた。
全員で一斉に寝るのは危険な為、俺達は一人を見張りとして、後の三人は寝る様にしていた。
その際に、数時間毎に見張りを交代する様にしてそれぞれ睡眠を取っている。
そして、モンスターに追われる様な事態が起きた原因はラバの見張りであった。
これまで、この様な長い旅をした事が無かったラバ。恐らく少しずつ疲労が蓄積していたのだろう、見張りの際に少しだけ、うたた寝をしてしまった様で、気が付いた時には遅かった。
最初に気がついたのはレギュであった。いきなり、飛び跳ねて寝ている俺達を文字通り叩き起こす。
俺が起きた時には既に小型が少し遠目から視認出来る距離まで近付いており、完全に俺達を狙っている事が分かる。
それからは、ひたすら逃げ続けている状況だ。
「デグ、どうする……?」
「小型は一体だが……」
俺はレギュとラバを一瞬だけ見る。
「このメンバーじゃ、流石に危険過ぎるな」
「私もそう思う……」
後二人、手練れが居れば倒す事を考えていたが、戦闘経験が浅いレギュとラバの二人では小型と戦うのは危険過ぎる。
「クソッ、強くなる前に、同じ状況になっちまったな」
「これは試練……私達なら乗り切れる……」
後ろを振り向くと、100メートルくらい後ろをピッタリとくっ付いて追ってくる小型。
小型と言えど、俺達から比べれば、かなり大きい。それなのに小型は器用に木を避けながら追ってくる。
「デグさん、ベムさん、これからどうするつもりですかッ?」
レギュの質問に俺とベムは黙り込む。
「とにかく……今は逃げるしか無い……」
「分かりましたッ! 私は体力だけは自信があるので、疲れたら私が運びますので言ってください!」
「ふふ……レギュは頼もしい……」
自分で言うだけあって、レギュは本当に体力がある。あの時、シクさんと逃げている時でさえもレギュだけは、まだまだ余裕があったくらいだ。
だが、問題はラバである。
「はぁはぁ」
「ラバ、大丈夫か?」
「はいッス! まだ、余裕あるので問題無いッス!」
確かに、俺達に比べて呼吸は荒いが、まだ平気そうだな……だけど、それも時間の問題だろう。
モンスターとの距離感は付かず離れずを保っている。
本当はこのまま引き剥がしたいが、俺達にはそこまでのスピードが無い。
「身体能力の低さに嫌になるぜ」
「弱音を吐かない……」
「そうですよ! 心が折れたら、そこで終わりですよ!」
それから、俺達は更に半日程小型から逃げ回る。
「はぁはぁ」
「ラバ……大丈夫……?」
「はぁはぁ、だ、大丈夫ッス……」
これは、無理そうだな。ラバは肩で息をしている。
むしろ、良くここまで走っているくらいだ。
「デグ……そろそろ、ラバが……」
「あぁ。そうだな、こうなったら戦うしかねぇーな」
「勝てる……?」
ベムの言葉に後ろの小型を見る。特に変わった所も無い小型だ。
しかし、噂で聞いた所に寄ると、モンスターの中には知能を持ったモンスターもいる様だが、コイツは違うだろうな?
「そんな事、考えている暇はねぇーか」
ラバはいつ足を止まっても良いくらい疲れ果てている。
「皆んな、良く聞け。これ以上逃げてもラバが保たないから、戦おうと思うが良いか?」
俺の言葉にベムとレギュが頷くが、ラバは違った。
「デグさん……はぁはぁ、自分なら大丈夫ッス。だからこのまま逃げましょう」
自分の所為で、モンスターに追われて、自分の所為でモンスターと戦わないと、いけないこの状況にラバは申し訳ないとの感情でいっぱいの様だ。
「ラバ、気にしないで……どうせ、このままでも体力が切れるだけ……」
「そうですよ! ここは、小型を倒しちゃいましょう! それか、私が運んでこのまま逃げますか?」
レギュがこちらを見ながら確認して来る。
「それでも、良いがどうせ戦うなら、まだ体力のある、今のうちに戦った方がいいだろう」
「分かりました!」
こうして、俺達は後ろから追って来ている一体の小型を倒す事にした
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