460 / 492
第10章
459話
しおりを挟む
「オラッ! これでも喰らいやがれ!」
「アタック!」
俺達を追い掛けて来る小型に対して──それも一番前を行く小型に向かってリザードマン五人が攻撃する。
その攻撃に対して、俺は赤いラインを敷いてサポートする。
「よ、よっしゃー! 小型のやろうにダメージを与えてやったぜ!!」
「オメェーじゃ無くて、俺の攻撃が効いたんだよ!」
グインの説得により、俺の作戦を受け入れたリザードマン一同は、五人と五人の二つのグループに分けた。
そして、交代で小型に攻撃を与えていく事にしたのだ。
「よし、一旦こっちに集まってくれ!」
俺の言葉に一班がすぐ様、集まって来る。
「アトスさん、アンタはやっぱりすげぇーな!」
「あぁ、アトスさんがサポートしてくれると、小型にも簡単に剣が突き刺さるよ」
今まで、モンスターに対して攻撃を通した事が無かったリザードマン達が興奮した面持ちで話しかけて来る。
「ふふ、なんて言っても私達のお兄さんだからね! 当たり前だよ!」
「ほっほっほ。流石アトス殿ですな」
「貴方達は、アトス様を崇めなさい」
俺が褒められているのに、何でこの三人が偉そうにしているんだよ……
俺は三人を無視して、リザードマン達に話し掛ける。
「今の調子で、少しずつ小型達にダメージを追わせていく。次は二班頼む」
「「「「「おう!」」」」」
俺の合図と共に、先程とは違う小型に向かって五人は一斉に襲い掛かり、一撃を入れる。
「アタック! 一撃を入れたら直ぐに離脱だ!」
俺の指示通り、リザードマン達は欲張る事なく、小型を一度攻撃すると、直ぐに此方に戻って来る。
リザードマン達の攻撃を受けた小型達はダメージを負っている為、先程と同じスピードでは走れない様で、少しずつ周りの小型達から遅れ始めていた。
「よしよし、これは別に倒さなくても大丈夫そうだな」
「ふむ。確かにそうですな──この調子で残りの18体に対してもダメージを負わせれば、このスピードでも十分逃げ切れそうですな」
「よし、どんどんモンスター達に攻撃していくぞ!」
俺の張り上げた声の倍の大きさでリザードマン達が返事をする。
そして、後は同じ様に、淡々とモンスター達を攻撃していき、数を減らしていく。
「アタック! 離脱だ!」
一体減る。
「アタック! 次!」
また、一体減る。
「アタック!」
そして、合計20回程繰り替して、とうとう俺達を追い掛けて来るモンスター全体にダメージを負わせる事に成功する。
「すごーい! 本当に小型達の追い掛けるスピードが遅くなった!」
「ほっほっほ。これであれば、後は走っているだけで引きなせますな」
「流石、アトス様です」
皆んなが言う様に、ダメージを負った小型達はみるみるスピードが落ちて行き、今では、かなり遠い位置に居る。
「す、すげぇ……俺達だけでモンスターに、これだけのダメージが与えられるのかよ……」
「バッカ! 俺達だけじゃねぇーよ。アトスさんのサポートあってだろう? でも、確かに俺達がここまで出来るなんて思わなかったよな……」
リザードマン達は、自身達がここまでモンスターと渡り合えるとは思って居なかった様で、驚きを隠せないでいる。
それから俺達は暫く移動を続けて、安全そうな場所を見つけて休む事にした。
「ふむ。モンスターの気配自体はあっちこちでしますが、一先ず大丈夫そうですな」
「よかったー。流石に疲れたよー」
リガスの言葉にロピがその場に座り込む。そんな様子を見て、リザードマン達も次々と糸が切れた様に地面に座り込んだのであった。
「ほっほっほ。皆さんだらしないですぞ? 少し走っただけではないですか?」
「リガスの言う通り、もっと体力を付けるべき」
戦闘狂の二人はケロリとした様子だな……
「あ、あはは、流石にあの二人と比べたらキツいよねー」
「全くだ──俺も体力ある方だと思ったが、あの二人は異常だろ」
別に俺やロピが体力が無いわけではない。
現にリザードマン達の半数以上が座り込んだ後に、そのまま地面に寝っ転がり、肩で息をしているくらいだ。
そんな周りの様子を見ているとグインとトッポが近づいて来た。
「アトス様、流石です。貴方のお陰で、また助かりました」
「アトスさん、あんたやっぱり凄かったんだな!」
「いやいや、俺はサポートしただけだから、大した事はしてないよ」
俺の言葉が謙遜だと思ったのか、二人はそれ以上口を開かず、笑って居た。
本当にサポートしただけなんだがな……
「お兄さん、これからどうするのー?」
グイン達と話していると背後からロピが声を掛けて来た。
「グイン達が見つかった事だし、このまま村に帰るぞ」
「分かったー! でも、帰れるかなー?」
後は、村に向かうだけだが、小型達に追い掛けられていたので大分奥まで来てしまった様だ。
そして、この後、先程よりも更に大変な目に遭うとはこの時、思わなかった……
「アタック!」
俺達を追い掛けて来る小型に対して──それも一番前を行く小型に向かってリザードマン五人が攻撃する。
その攻撃に対して、俺は赤いラインを敷いてサポートする。
「よ、よっしゃー! 小型のやろうにダメージを与えてやったぜ!!」
「オメェーじゃ無くて、俺の攻撃が効いたんだよ!」
グインの説得により、俺の作戦を受け入れたリザードマン一同は、五人と五人の二つのグループに分けた。
そして、交代で小型に攻撃を与えていく事にしたのだ。
「よし、一旦こっちに集まってくれ!」
俺の言葉に一班がすぐ様、集まって来る。
「アトスさん、アンタはやっぱりすげぇーな!」
「あぁ、アトスさんがサポートしてくれると、小型にも簡単に剣が突き刺さるよ」
今まで、モンスターに対して攻撃を通した事が無かったリザードマン達が興奮した面持ちで話しかけて来る。
「ふふ、なんて言っても私達のお兄さんだからね! 当たり前だよ!」
「ほっほっほ。流石アトス殿ですな」
「貴方達は、アトス様を崇めなさい」
俺が褒められているのに、何でこの三人が偉そうにしているんだよ……
俺は三人を無視して、リザードマン達に話し掛ける。
「今の調子で、少しずつ小型達にダメージを追わせていく。次は二班頼む」
「「「「「おう!」」」」」
俺の合図と共に、先程とは違う小型に向かって五人は一斉に襲い掛かり、一撃を入れる。
「アタック! 一撃を入れたら直ぐに離脱だ!」
俺の指示通り、リザードマン達は欲張る事なく、小型を一度攻撃すると、直ぐに此方に戻って来る。
リザードマン達の攻撃を受けた小型達はダメージを負っている為、先程と同じスピードでは走れない様で、少しずつ周りの小型達から遅れ始めていた。
「よしよし、これは別に倒さなくても大丈夫そうだな」
「ふむ。確かにそうですな──この調子で残りの18体に対してもダメージを負わせれば、このスピードでも十分逃げ切れそうですな」
「よし、どんどんモンスター達に攻撃していくぞ!」
俺の張り上げた声の倍の大きさでリザードマン達が返事をする。
そして、後は同じ様に、淡々とモンスター達を攻撃していき、数を減らしていく。
「アタック! 離脱だ!」
一体減る。
「アタック! 次!」
また、一体減る。
「アタック!」
そして、合計20回程繰り替して、とうとう俺達を追い掛けて来るモンスター全体にダメージを負わせる事に成功する。
「すごーい! 本当に小型達の追い掛けるスピードが遅くなった!」
「ほっほっほ。これであれば、後は走っているだけで引きなせますな」
「流石、アトス様です」
皆んなが言う様に、ダメージを負った小型達はみるみるスピードが落ちて行き、今では、かなり遠い位置に居る。
「す、すげぇ……俺達だけでモンスターに、これだけのダメージが与えられるのかよ……」
「バッカ! 俺達だけじゃねぇーよ。アトスさんのサポートあってだろう? でも、確かに俺達がここまで出来るなんて思わなかったよな……」
リザードマン達は、自身達がここまでモンスターと渡り合えるとは思って居なかった様で、驚きを隠せないでいる。
それから俺達は暫く移動を続けて、安全そうな場所を見つけて休む事にした。
「ふむ。モンスターの気配自体はあっちこちでしますが、一先ず大丈夫そうですな」
「よかったー。流石に疲れたよー」
リガスの言葉にロピがその場に座り込む。そんな様子を見て、リザードマン達も次々と糸が切れた様に地面に座り込んだのであった。
「ほっほっほ。皆さんだらしないですぞ? 少し走っただけではないですか?」
「リガスの言う通り、もっと体力を付けるべき」
戦闘狂の二人はケロリとした様子だな……
「あ、あはは、流石にあの二人と比べたらキツいよねー」
「全くだ──俺も体力ある方だと思ったが、あの二人は異常だろ」
別に俺やロピが体力が無いわけではない。
現にリザードマン達の半数以上が座り込んだ後に、そのまま地面に寝っ転がり、肩で息をしているくらいだ。
そんな周りの様子を見ているとグインとトッポが近づいて来た。
「アトス様、流石です。貴方のお陰で、また助かりました」
「アトスさん、あんたやっぱり凄かったんだな!」
「いやいや、俺はサポートしただけだから、大した事はしてないよ」
俺の言葉が謙遜だと思ったのか、二人はそれ以上口を開かず、笑って居た。
本当にサポートしただけなんだがな……
「お兄さん、これからどうするのー?」
グイン達と話していると背後からロピが声を掛けて来た。
「グイン達が見つかった事だし、このまま村に帰るぞ」
「分かったー! でも、帰れるかなー?」
後は、村に向かうだけだが、小型達に追い掛けられていたので大分奥まで来てしまった様だ。
そして、この後、先程よりも更に大変な目に遭うとはこの時、思わなかった……
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界転移~治癒師の日常
コリモ
ファンタジー
ある日看護師の真琴は仕事場からの帰り道、地面が陥没する事故に巻き込まれた。しかし、いつまでたっても衝撃が来ない。それどころか自分の下に草の感触が…
こちらでは初投稿です。誤字脱字のご指摘ご感想お願いします
なるだけ1日1話UP以上を目指していますが、用事がある時は間に合わないこともありますご了承ください(2017/12/18)
すいません少し並びを変えております。(2017/12/25)
カリエの過去編を削除して別なお話にしました(2018/01/15)
エドとの話は「気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ」にて掲載させてもらっています。(2018/08/19)

オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)

転移術士の成り上がり
名無し
ファンタジー
ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる