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第10章
448話
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俺達は禁止区域に入った時より、更に慎重になってグイン達の足跡が消えた場所まで戻っている。
リガスが言うには、モンスターの気配がどんどん近付いて来ている様だ。その為、グイン達の足跡の場所まで一度戻り、何も手掛かりが無いなら、一度村に戻る事にした。
「先生……」
チルがグインを心配して、不安そうな表情を浮かべる。
「チル、きっと大丈夫だ……今は手がかりを探す事だけに集中しろ」
「はい……」
チルには大丈夫だと言ったが、足跡が消えている事から、何かがあった事は明確だ──無事で居てくれよ……?
「皆さん止まってください」
「リガス様、どうされましたか? あと少しですよ?」
「この先にモンスターが居ます」
「「「「──ッ!?」」」」
リガスの言葉に緊張感が走る。
「リガス、何体居るか分かるか?」
「分かりませぬ」
俺の質問に首を振るリガス。そんなリガスを見て皆んながどうするか考え始める。
「アトス様……前みたいに気に登りましょう」
「木か?」
「はい。木の上を移動すれば気付かれない筈です」
「そう……だな……」
このまま、進むよりかは、気に登った方が見つかりにくいだろう──それに、村に帰るには、どっちにしろこちらの方向に行かないとダメだしな。
チルの意見を取り合えれて、俺達は木の上を移動する。
俺達四人は、以前に経験した事があるので特に問題無かったが、案内役として付いてきたリザードマンは、木の移動に慣れていない様で、何度か落ちかけていた。
「み、皆さん、流石ですね。こんな足場の悪い所を良くそんなスピードで走れるものだ」
「ほっほっほ。慣れですぞ?」
「そうだよー! 慣れれば直ぐだよー!!」
「集中すれば問題無い」
リガス達三人は木の上を移動する為のアドバイスなどをしていた。
案内役程では無いが、俺も木の上の移動は苦手である。
皆んなが案内役に教えているコツなどを盗み聞きするのであった。
そして、足跡の場所に到着した俺達は、木の上から見た光景が信じられなかった……
「な、なんだよアレ……」
「お、お兄さん、こんな事あるの……?」
「リガス、あれ何しているの?」
「ふ、ふむ。長い事生きて来た私ですが、これまでに見た事が無い光景ですな……」
俺達四人は、それぞれ見たまんまの感想を口から溢す。案内役なんて開けた口が塞がらない様だ。
一体目の前には何が起きているというと、そこには二体の小型が居たのである。
だが、ただ普通の小型が二体居るわけでは無かった。
「アトス様、あれ何をされているんですか?」
チルは小型達が何をしているか、分からない様子である。しかし、チル以外の者達はモンスターが何をしているか、何となく把握する……
「お、お兄さん……モンスターってあんな事するの……?」
「わ、分からねぇ……こんなの初めてだよ」
その光景は、一体の小型にもう一体の小型が上に被さっていた──そう、それはまるで交尾する様に……
「リガスは、アレの事何か知っているか?」
「いえ、知りませぬ。まさかモンスターが、その様な行為をするなんて……」
皆んなが驚くのも無理は無い、モンスターが交尾をするなんて、チルから習った事も無いし、これまでの旅でも聞いた事なんて無いぞ……?
モンスターは俺達に気付く様子も無く、ひたすら行為に耽っていた。
そんな、モンスターの行為が何をしているか、未だ理解出来ないチルが姉に尋ねる。
「姉さん、モンスターは何をしているの?」
「──えっ?! えーっとね……アレはね……」
「うん?」
妹に、何で説明していいか分からないロピはしどろもどろしながら答える。
「チ、チルちゃんには、まだ少し早いかな……? あ、あはは……」
「なんで?」
「と、とにかく今はその話は無し! 帰ったら教えてあげるから!」
「……分かった」
緊迫した状況であり、グインを助けたい気持ちが強い、チルは納得して再度モンスターに視線を向ける。
「ふぅ……」
一方、ロピの方は安堵した溜息を漏らして、妹同様にモンスターに視線を向ける。
「アトス殿、どうします?」
「うーん、向こうは俺達のことを気が付いて無いし、このまま様子を見よう」
「ふむ。そうですな──どっちにしろ村に帰るにも此処を通るしかありませんしな」
俺達五人は、モンスター達が何処かに移動するまで、木の上で待機する事にした。
それにしても、こんな事があるのかよ……交尾している理由は何だ?
快楽の為か? それとも……子孫繁栄……?
この世界にモンスターは大量に居る。それが、一体どれくらい居るか分からないが、全種族を合わせた数より多いのでは無いかと言われたりしている。
どうやら、この世界で生きている者達は生まれた時からモンスターが居る世界にいた為、モンスターがどの様にして誕生して来るかなどに興味を持つ者は少なく、モンスターの増え方などについて研究や調査などされていなかった様だ。
しかし、この状況を見る限りモンスターも、俺達人間みたいに交尾をして子供を産んでいたのか……?
それから暫く様子を見ていたら、更に驚く光景を目の当たりにした……
リガスが言うには、モンスターの気配がどんどん近付いて来ている様だ。その為、グイン達の足跡の場所まで一度戻り、何も手掛かりが無いなら、一度村に戻る事にした。
「先生……」
チルがグインを心配して、不安そうな表情を浮かべる。
「チル、きっと大丈夫だ……今は手がかりを探す事だけに集中しろ」
「はい……」
チルには大丈夫だと言ったが、足跡が消えている事から、何かがあった事は明確だ──無事で居てくれよ……?
「皆さん止まってください」
「リガス様、どうされましたか? あと少しですよ?」
「この先にモンスターが居ます」
「「「「──ッ!?」」」」
リガスの言葉に緊張感が走る。
「リガス、何体居るか分かるか?」
「分かりませぬ」
俺の質問に首を振るリガス。そんなリガスを見て皆んながどうするか考え始める。
「アトス様……前みたいに気に登りましょう」
「木か?」
「はい。木の上を移動すれば気付かれない筈です」
「そう……だな……」
このまま、進むよりかは、気に登った方が見つかりにくいだろう──それに、村に帰るには、どっちにしろこちらの方向に行かないとダメだしな。
チルの意見を取り合えれて、俺達は木の上を移動する。
俺達四人は、以前に経験した事があるので特に問題無かったが、案内役として付いてきたリザードマンは、木の移動に慣れていない様で、何度か落ちかけていた。
「み、皆さん、流石ですね。こんな足場の悪い所を良くそんなスピードで走れるものだ」
「ほっほっほ。慣れですぞ?」
「そうだよー! 慣れれば直ぐだよー!!」
「集中すれば問題無い」
リガス達三人は木の上を移動する為のアドバイスなどをしていた。
案内役程では無いが、俺も木の上の移動は苦手である。
皆んなが案内役に教えているコツなどを盗み聞きするのであった。
そして、足跡の場所に到着した俺達は、木の上から見た光景が信じられなかった……
「な、なんだよアレ……」
「お、お兄さん、こんな事あるの……?」
「リガス、あれ何しているの?」
「ふ、ふむ。長い事生きて来た私ですが、これまでに見た事が無い光景ですな……」
俺達四人は、それぞれ見たまんまの感想を口から溢す。案内役なんて開けた口が塞がらない様だ。
一体目の前には何が起きているというと、そこには二体の小型が居たのである。
だが、ただ普通の小型が二体居るわけでは無かった。
「アトス様、あれ何をされているんですか?」
チルは小型達が何をしているか、分からない様子である。しかし、チル以外の者達はモンスターが何をしているか、何となく把握する……
「お、お兄さん……モンスターってあんな事するの……?」
「わ、分からねぇ……こんなの初めてだよ」
その光景は、一体の小型にもう一体の小型が上に被さっていた──そう、それはまるで交尾する様に……
「リガスは、アレの事何か知っているか?」
「いえ、知りませぬ。まさかモンスターが、その様な行為をするなんて……」
皆んなが驚くのも無理は無い、モンスターが交尾をするなんて、チルから習った事も無いし、これまでの旅でも聞いた事なんて無いぞ……?
モンスターは俺達に気付く様子も無く、ひたすら行為に耽っていた。
そんな、モンスターの行為が何をしているか、未だ理解出来ないチルが姉に尋ねる。
「姉さん、モンスターは何をしているの?」
「──えっ?! えーっとね……アレはね……」
「うん?」
妹に、何で説明していいか分からないロピはしどろもどろしながら答える。
「チ、チルちゃんには、まだ少し早いかな……? あ、あはは……」
「なんで?」
「と、とにかく今はその話は無し! 帰ったら教えてあげるから!」
「……分かった」
緊迫した状況であり、グインを助けたい気持ちが強い、チルは納得して再度モンスターに視線を向ける。
「ふぅ……」
一方、ロピの方は安堵した溜息を漏らして、妹同様にモンスターに視線を向ける。
「アトス殿、どうします?」
「うーん、向こうは俺達のことを気が付いて無いし、このまま様子を見よう」
「ふむ。そうですな──どっちにしろ村に帰るにも此処を通るしかありませんしな」
俺達五人は、モンスター達が何処かに移動するまで、木の上で待機する事にした。
それにしても、こんな事があるのかよ……交尾している理由は何だ?
快楽の為か? それとも……子孫繁栄……?
この世界にモンスターは大量に居る。それが、一体どれくらい居るか分からないが、全種族を合わせた数より多いのでは無いかと言われたりしている。
どうやら、この世界で生きている者達は生まれた時からモンスターが居る世界にいた為、モンスターがどの様にして誕生して来るかなどに興味を持つ者は少なく、モンスターの増え方などについて研究や調査などされていなかった様だ。
しかし、この状況を見る限りモンスターも、俺達人間みたいに交尾をして子供を産んでいたのか……?
それから暫く様子を見ていたら、更に驚く光景を目の当たりにした……
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