過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第10章

447話

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「皆さん、ここです……」

 リザードマンの案内役から禁止区域に到着した事を伝えられる。

「なんか、草木が生い茂っているねー!」
「先が、全然見えないです」
「ふむ。どこと無くドワーフの村での事を思い出しますな」

 禁止区域と言われている所は、周りの景色と違っており、明らかに木々が密集されており、まるで外部から侵入して来る者達を拒む、或いは阻む様に見えてしまう。

「なんか、禁止区域って感じがするな……」
「はい、アトス様の言う通り先が見えない事といい、薄暗い感じといい、先に進むのを躊躇しそうになりますね」
「ふむ。これは気合を入れて進んだ方が良さそうですな」
「あはは、皆んな気にし過ぎなんじゃない? 仮に何か出てきても私が倒してあげるよー!」

 不気味な雰囲気に俺達は暫くの間、周囲の様子を伺っていた。すると、案内役が地面にしゃがみ込み、声を掛けてきた。

「皆さん、こちらに」
「どうした?」
「こちらを見て下さい」

 案内役が指差す箇所に目を向けると、何やら複数の足跡が見えた。

「この足跡は我々リザードマンのものです。その為、やはりグイン達は禁止区域の、中にいる筈です……」

 禁止区域に向かって歩く足跡はあったが、出て来る足跡が無い所を見るとやはりグイン達はまだ中に居ると考えた方が良いだろう。

「アトス様、先生達を探しにいきましょう」
「あぁ、そうだな」
「それでは、このまま私が先導致します」
「中に入った事はあるのか?」
「いえ、有りませんが地面にある足跡を辿れば問題無いかと」
「なるほど。それなら、頼む」
「ほっほっほ。では、その後ろは私が担当しましょう──何かあった際は、私が皆さんをお守り致します」

 流石、リガスだ。頼もしいな。

「では、リガスの後ろは私が担当します」
「あぁ、分かった──ならチルの後ろは俺が担当しよう」
「なら、私が一番最後だね!」
「ふむ。ロピ殿の攻撃範囲であれば一番後ろからでも、問題無いでしょうな」
「うん!」

 こうして、陣形を作り俺達は禁止区域に踏み込んだ。

 踏み込んでから、少し歩いたがやはり、木々が密集している事もあり、太陽の光があまり届いてない。

「お兄さん、暗ーい。これじゃ、チルちゃんの先生を見つけられないよー」

 何か灯りを付けるまででは無いが、相当に暗い為、ロピの言う通り、仮にグイン達が倒れていても見つけられない可能性があるな。

「ふむ。そこら辺は気をつけて進むしか無いですな」
「地面にも集中する必要がありそうです」

 チルの言う通り、俺達は周囲だけでは無く、地面にも、意識を向けて進むのであった。

 それから俺達は慎重に進む。周囲の音に気を配り、そして少しでも音が鳴れば、直ぐに戦闘態勢を取る。
 そんな緊迫した状態で暫くジャングルを進む。

「何も無いねー」
「あぁ、そうだな。グイン達は一体何処に行ったんだ……?」

 禁止区域に入って以来、手掛かりらしい手掛かりは無く、ひたすら奥に向かって歩くしか無い状況であった。

 そして、更にジャングルを歩き進めると前を歩いていたリガスが立ち止まる。

「皆さん、お止まり下さい」
「リガス様、どうかされましたか?」

 案内役も含めて、俺達はリガスに注目する。

「……どうやら、モンスターが近くにいますな」
「え、え? 私はそんな気配しませんが……?」
「魔族さんは、かなり広範囲でモンスターの気配が読めるから、私達が気付かないのも、しょうがないよー!」
「そ、そうなんですか?」

 リガスは更に深く気配を読もうと、目を瞑り周囲を探る。

「リガスどう?」
「ふむ。この場所が可笑しいのか、気配はしますが正確な位置が読み辛いですな──もっと、詳しく知る為には、もう少しモンスターに近く必要がありそうです」
「お兄さん、どうするー?」

 モンスターか……

「今回は、モンスターの討伐じゃ無いし、極力近付かない様にしよう──まずはモンスターの気配が無い場所を重点的に探そう」
「アトス殿に賛成ですな」
「で、では引き続き私が先導しますが、モンスターの気配が強くなったら私にお教え下さい」
「ほっほっほ。承知致しました」

 それから、俺達はモンスターの気配がしない箇所に進むが、上手くいかなった……

 何故か分からないが、少し進むとモンスターの気配を感じるとリガスが言う。
 それならばと、他の方向に進むがそこでも少し進むとモンスターの気配を感じる様だ。

「えー、何これー? あちこちからモンスターの気配がするって事?」
「どうやら、その様だな。リガス、他にモンスターの気配が無い場所はあるか?」
「少々お待ちを」

 再び、目を瞑り集中するリガス。

「ふむ。ダメですな……どの方角にもモンスターの気配を感じます」
「み、皆さん。そ、それでは私達はどちらに進みましょう……?」

 先程までは、グイン達と思われる足音を追って居たが、いつの間にか足跡が消えており、今は勘で歩き回っている状況である。

「お兄さん、どうするー?」
「うーん……何処行ってもモンスターの気配があるなら、取り敢えず足跡が消えた先の方向に進んでみよう」
「わ、わかりました!」
「少しでも、モンスターの気配が近いと思ったら逃げよう」
「アトス様の意見に賛成です」

 こうして、俺達は足跡が消えた場所に一度戻る事にした──しかし、そこには……
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