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第10章
414話
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リガスを先頭に俺達はゆっくりとジャングルを見て回る。
見た感じは木々だけであり、モンスターの姿は見えない。
一体どうやったら、あんな巨体を隠せるんだ?
実際に隠れているのか、又はたまたま俺達がいる場所から見えないだけなのかは分からない──けど、九人もの人間が一か所に集まっていれば襲って来てもおかしくないのにな……
「今回は……知能がある方のモンスターなのか……?」
知らず知らず自分の考えている事を口にしていた様だ、俺の言葉にディングが聞き返す。
「ん? アトスよ知能があるモンスターとはどう言う事だ?」
どうやら、ここら辺の情報はあまり知られている訳では無いのか?
俺は、疑問に思いながらも説明する。
「ディングと別れてから俺達はモンスターと何回も戦って来た」
そう……本当に何回も戦ったな……
俺がしみじみしていると、ディングが先を促す様に視線を向けて来る。
「まぁ、その過去の戦いの中に何体かのモンスターには不思議な事が起きた」
「不思議な事だと……?」
「そうだ。それは……まるで自我を持っているかの様に動くモンスターだ」
俺の言葉に一瞬だけ静寂が生まれる。
「自我ってどういう事だ?」
「考えて、動くモンスターだ。それも人間みたいにな」
「なに……? そんな事あり得るのか?」
信じられない気持ちも分かる……俺も最初は信じられなかったからな……
「あぁ。それがあり得るんだ」
「お兄さんの言う通りだよー。モンスター達が考えて動くんだよ?」
「考えて動くモンスターは厄介です……」
「ほっほっほ。奴等には何度苦労した事か」
俺達の言葉にディングは頭を抱える。
「そんな、厄介な相手なのか……?」
「いや、まだ決まった訳では無いけど、その可能性もあるな」
普通なら、モンスターの方から襲って来てもいい筈だ……しかし、気配はする様だけど、襲って来る様子は無い。
「ディング、ここに中型がいると気が付いたのは、誰かが見たからか?」
「あぁ、そうだ。仲間の一人がここら辺に狩に行った際、たまたま見かけた様だ」
「その後は?」
「いや、その後は我々だけでは倒せないと思って悩んでいた所にアトス達が現れた」
なるほど。目撃したのは、一度だけか。
俺達は話しながらも、慎重にジャングルを歩き続けるが、モンスターは一向に見当たらない……
「全然いないねー」
「あぁ、これだけ探し回っているのに姿が見えないな」
「気配は常に感じられるのですが、何かがおかしいです」
「ふむ。やはり知能があるタイプのモンスターかもしれませんな」
朝一番に村を出た筈だから、既に半日以上は経過している。それなのにモンスターの姿を見つけられない俺達は、どかか不気味な雰囲気を感じていた。
「お兄さん、このままみつからなかったらどうするのー? 村に帰る? それとも野宿?」
「そうだな……」
ここから、村までは近い為、一度帰って、明日出直した方がいいか……?
俺が、どうするか考えているとディングが口を開いた。
「アトスよ、野宿にしてくれないか?」
「何でだ?」
「村人達に不安を与えたくない。このまま、帰ったら村人達は不安を覚えそうでな……」
「1日経っても村に帰らない方が不安に思うんじゃ無いか?」
俺の言葉に少し押し黙るディングだったが、首を振る。
「いや、1日くらいであれば平気だ。今日は野宿して、明日も見当たらない様であれば、一度村に帰りたいと思うが、どうだ?」
ディングの提案に俺はリガスに視線を向ける。
「ふむ。まぁ、1日くらいであれば夜に四人の見張りを立てれば、問題無いでしょう──もちろん、野宿する場所はモンスターの気配からもっと離れてからですが」
リガスの言葉に頷き、俺達は野宿する事に決め、早速寝床確保する為に、移動する。
「野宿かー。美味しいご飯食べられないね……」
野宿だと、どうしても食材などが限られてしまう──また、今回は狩など派手に動き回る事も出来ない為、夕飯は必然的に質素な感じになってしまうのはしょうがない。
「姉さん、我慢しよ? 終わったら美味しいもの沢山食べられるよ?」
「うん……そうだよね……」
姉のロピをすかさずフォローするチル。
二人はいつの間にか、この戦いが終わったら食べたいものを敢えてリガスに聞こえる様に順番ずつ言い合っていた。
「ほっほっほ。可愛らしいですな」
「まぁ、リガスの料理は最高だからな、気持ちは分かる」
「お褒めに預かり光栄でございます」
そんな事を話しながら寝床に最適な場所を探していると、丁度良さそうな場所を見つけて、今夜はそこで野宿する事になった……
「よし、ここで今夜は夜を明かすぞ。今から、見張りのローテーションを決める」
テキパキと指示を飛ばすディング。
「よし、明日こそは必ずモンスターを見つけて討伐するぞッ」
こうして、明日に向けて俺達は身体を休めるのであったが、まさかディングが言った言葉よりも、早く中型を拝むとは誰も思わなかった……
見た感じは木々だけであり、モンスターの姿は見えない。
一体どうやったら、あんな巨体を隠せるんだ?
実際に隠れているのか、又はたまたま俺達がいる場所から見えないだけなのかは分からない──けど、九人もの人間が一か所に集まっていれば襲って来てもおかしくないのにな……
「今回は……知能がある方のモンスターなのか……?」
知らず知らず自分の考えている事を口にしていた様だ、俺の言葉にディングが聞き返す。
「ん? アトスよ知能があるモンスターとはどう言う事だ?」
どうやら、ここら辺の情報はあまり知られている訳では無いのか?
俺は、疑問に思いながらも説明する。
「ディングと別れてから俺達はモンスターと何回も戦って来た」
そう……本当に何回も戦ったな……
俺がしみじみしていると、ディングが先を促す様に視線を向けて来る。
「まぁ、その過去の戦いの中に何体かのモンスターには不思議な事が起きた」
「不思議な事だと……?」
「そうだ。それは……まるで自我を持っているかの様に動くモンスターだ」
俺の言葉に一瞬だけ静寂が生まれる。
「自我ってどういう事だ?」
「考えて、動くモンスターだ。それも人間みたいにな」
「なに……? そんな事あり得るのか?」
信じられない気持ちも分かる……俺も最初は信じられなかったからな……
「あぁ。それがあり得るんだ」
「お兄さんの言う通りだよー。モンスター達が考えて動くんだよ?」
「考えて動くモンスターは厄介です……」
「ほっほっほ。奴等には何度苦労した事か」
俺達の言葉にディングは頭を抱える。
「そんな、厄介な相手なのか……?」
「いや、まだ決まった訳では無いけど、その可能性もあるな」
普通なら、モンスターの方から襲って来てもいい筈だ……しかし、気配はする様だけど、襲って来る様子は無い。
「ディング、ここに中型がいると気が付いたのは、誰かが見たからか?」
「あぁ、そうだ。仲間の一人がここら辺に狩に行った際、たまたま見かけた様だ」
「その後は?」
「いや、その後は我々だけでは倒せないと思って悩んでいた所にアトス達が現れた」
なるほど。目撃したのは、一度だけか。
俺達は話しながらも、慎重にジャングルを歩き続けるが、モンスターは一向に見当たらない……
「全然いないねー」
「あぁ、これだけ探し回っているのに姿が見えないな」
「気配は常に感じられるのですが、何かがおかしいです」
「ふむ。やはり知能があるタイプのモンスターかもしれませんな」
朝一番に村を出た筈だから、既に半日以上は経過している。それなのにモンスターの姿を見つけられない俺達は、どかか不気味な雰囲気を感じていた。
「お兄さん、このままみつからなかったらどうするのー? 村に帰る? それとも野宿?」
「そうだな……」
ここから、村までは近い為、一度帰って、明日出直した方がいいか……?
俺が、どうするか考えているとディングが口を開いた。
「アトスよ、野宿にしてくれないか?」
「何でだ?」
「村人達に不安を与えたくない。このまま、帰ったら村人達は不安を覚えそうでな……」
「1日経っても村に帰らない方が不安に思うんじゃ無いか?」
俺の言葉に少し押し黙るディングだったが、首を振る。
「いや、1日くらいであれば平気だ。今日は野宿して、明日も見当たらない様であれば、一度村に帰りたいと思うが、どうだ?」
ディングの提案に俺はリガスに視線を向ける。
「ふむ。まぁ、1日くらいであれば夜に四人の見張りを立てれば、問題無いでしょう──もちろん、野宿する場所はモンスターの気配からもっと離れてからですが」
リガスの言葉に頷き、俺達は野宿する事に決め、早速寝床確保する為に、移動する。
「野宿かー。美味しいご飯食べられないね……」
野宿だと、どうしても食材などが限られてしまう──また、今回は狩など派手に動き回る事も出来ない為、夕飯は必然的に質素な感じになってしまうのはしょうがない。
「姉さん、我慢しよ? 終わったら美味しいもの沢山食べられるよ?」
「うん……そうだよね……」
姉のロピをすかさずフォローするチル。
二人はいつの間にか、この戦いが終わったら食べたいものを敢えてリガスに聞こえる様に順番ずつ言い合っていた。
「ほっほっほ。可愛らしいですな」
「まぁ、リガスの料理は最高だからな、気持ちは分かる」
「お褒めに預かり光栄でございます」
そんな事を話しながら寝床に最適な場所を探していると、丁度良さそうな場所を見つけて、今夜はそこで野宿する事になった……
「よし、ここで今夜は夜を明かすぞ。今から、見張りのローテーションを決める」
テキパキと指示を飛ばすディング。
「よし、明日こそは必ずモンスターを見つけて討伐するぞッ」
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