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第9章
378話
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「シク様、起きてくださいませ──朝ですよ」
もう朝か……。どうやらリッテが起こしに来てくれた様だ。
「リッテ、おはよう」
「おはようございます。朝ごはんの準備が整いましたので、着替えたら居間に来て下さい」
「あぁ、分かった」
私は頭の中で今日の予定を整理する。
今日もカールが城内を案内してくれる様だ──恐らく今回で全てを見て回れる筈。
「城内の中が分かったら、後はラシェン王を暗殺するタイミングだな……」
私は手早く着替えを済ませて居間に向かう。
すると、今日は既に全員が起きていた様だ。
空いている席に座ると、すかさずリッテが朝食を運んで来て、テーブルの上に乗せてくれる。
「シク様、こちらは昨日キャリとガルルが一緒に作った料理もありますのでご堪能下さい」
「そうか、ありがとう」
そういえば、昨日はガルルとキャリが一緒に料理を作って居たな。
キャリはいつも以上に緊張している感じだったが、なんだか嬉しそうにしていた。
料理の方も食べたが最高に美味かった。
各自が黙々とご飯を食べ、一早く食べ終わったググガが質問して来た。
「シク様、今日も城内を見て回るんだろ?」
「あぁ、その予定だ」
「ラシェン王のいる場所や逃走ルートとかは、もうある程度分かっているのか?」
「そうだな。今回の作戦は恐らく夜になると思う。そうするとラシェン王は寝室に居ると見て良いだろう──寝室の場所は把握出来ているから、後は逃走ルートを今日のカールの案内で見つけみようと思っている」
昨日の案内では、主要な場所のみだったので、兵士の少なそうな箇所などの見当は付けられなかった。
「と、逃走ルートが、か、確保出来たら、とうとう……」
キャリの言葉に皆が一度黙り込む。
「キャリの認識で合っている。だから、今日の案内で城内の地図を完璧に頭に入れる必要があるな」
ガルルの言葉に私とリッテが頷く。
「うふふ。さっさとこんな場所からは抜け出したいものね」
「確かにな、リッテの言う通りだぜ。どこ行っても蔑む様な視線にはイライラするぜ」
「ググガよ、気持ちは分かるが短気は絶対に起こすなよ?」
「わ、分かっているって! 兄貴は心配し過ぎだぜ」
そうこうしていると、カールが来た。
「それじゃ、今日も訓練に付き合って貰うね」
カールの指示により、今回も兵士達相手に戦闘を行った。
私の相手は隊の中では中々の強者らしいが、昨日の副隊長と比べると、数段下に思えた。
ガルル達も昨日同様戦闘訓練を行なっていたが、見た所、仲間との連携は素晴らしいが、1対1では負ける気配が無いな。
……やはり身体的にも人間族は他種族より弱い為、1対1の戦いでは負ける事は無い。
しかし、なんと言っても人間族の強みは別にある──個人同士の戦いでは勝てるかもしれないが、複数同士の戦いでは恐らく分が悪いだろう。
カールの方で制限してくれている様で、基本は二回程戦って訓練は終わる。
私達としては有り難いが、兵士達の表情は険しく、殺意さえ感じる。
「さてと、今日はここまでだね」
カールの言葉に、まだ戦いたいと兵士から声が上がる。
「あはは、大丈夫だって。これから毎日戦う様になるんだし、ここで使い潰すより、長い目で見た方が俺の隊に取っては有益だよ」
そして、昨日同様に私とガルル、リッテがカールにお供して、他は小屋に戻るのであった。
「さてと、今日も城内を案内するけど、昨日みたいな主要な場所はグンドウさんが居るから、やめとくね──あの人に見つかるとめんどくさいからさ」
グンドウはカールを嫌っている様だが、恐らくカール自身もグンドウを良くは思っていないのだろう。
そして、城内に入った私達は昨日とは違って、人の通りが少ない箇所などを見て回った。
「シク様……」
カールにバレない程静かな声でガルルが話し掛けて来る。
「ここのルートは使えそうですね」
「うふふ。ガルルの言う通り、ここは人通りが大分少ないですので、夜間であれば、ここを使用するのが良いと思いますわ」
確かに2人の言う通りだ。
このルートであれば多少は危険だが他に比べて逃げ易いし、見張りの兵士に見つかりにくそうだな……
「うふふ。こんなにも簡単にルートが見つかって、私達ラッキーですね」
「全くだ。これで後は実行するタイミングだな」
2人は少しでも周りの状況を記憶する為に頭に被った布越しでチラチラと状況を把握していた。
そんな風に、周りの確認をしながらも城内を歩いていると、カールが何かに反応した。
「うわッ……また、面倒くさそうな相手が来たな……」
カールの言葉に反応して前を向く私達。
──ッ何故アイツが!?
私は前から歩いて来る者の顔を見て一瞬だか身体が反応し、飛び掛かろうとしてしまった。
ダメだ。落ち着くんだ、私……
自分に言い聞かす様に心な中で呟く。
そんな私を見た2人は心配そうな表情で話し掛けて来る。
「シク様どうかされましたか?」
「ご気分でも優れないのでしょうか?」
私は2人にむかって呟く。
「アイツには顔を知られている……」
「「ッ?!」」
私の言葉に緊張が走る。
2人は少しでもと、私が目立たない様に隠す様に立ち位置を変える。
そして、カールとその人物が挨拶を交わした。
「これはこれは、遊撃隊隊長のカールさん、こんにちは」
「お久しぶりですね。ガバイさん」
前から来た人物はネークの妻であるコナを殺害したガバイであった……
もう朝か……。どうやらリッテが起こしに来てくれた様だ。
「リッテ、おはよう」
「おはようございます。朝ごはんの準備が整いましたので、着替えたら居間に来て下さい」
「あぁ、分かった」
私は頭の中で今日の予定を整理する。
今日もカールが城内を案内してくれる様だ──恐らく今回で全てを見て回れる筈。
「城内の中が分かったら、後はラシェン王を暗殺するタイミングだな……」
私は手早く着替えを済ませて居間に向かう。
すると、今日は既に全員が起きていた様だ。
空いている席に座ると、すかさずリッテが朝食を運んで来て、テーブルの上に乗せてくれる。
「シク様、こちらは昨日キャリとガルルが一緒に作った料理もありますのでご堪能下さい」
「そうか、ありがとう」
そういえば、昨日はガルルとキャリが一緒に料理を作って居たな。
キャリはいつも以上に緊張している感じだったが、なんだか嬉しそうにしていた。
料理の方も食べたが最高に美味かった。
各自が黙々とご飯を食べ、一早く食べ終わったググガが質問して来た。
「シク様、今日も城内を見て回るんだろ?」
「あぁ、その予定だ」
「ラシェン王のいる場所や逃走ルートとかは、もうある程度分かっているのか?」
「そうだな。今回の作戦は恐らく夜になると思う。そうするとラシェン王は寝室に居ると見て良いだろう──寝室の場所は把握出来ているから、後は逃走ルートを今日のカールの案内で見つけみようと思っている」
昨日の案内では、主要な場所のみだったので、兵士の少なそうな箇所などの見当は付けられなかった。
「と、逃走ルートが、か、確保出来たら、とうとう……」
キャリの言葉に皆が一度黙り込む。
「キャリの認識で合っている。だから、今日の案内で城内の地図を完璧に頭に入れる必要があるな」
ガルルの言葉に私とリッテが頷く。
「うふふ。さっさとこんな場所からは抜け出したいものね」
「確かにな、リッテの言う通りだぜ。どこ行っても蔑む様な視線にはイライラするぜ」
「ググガよ、気持ちは分かるが短気は絶対に起こすなよ?」
「わ、分かっているって! 兄貴は心配し過ぎだぜ」
そうこうしていると、カールが来た。
「それじゃ、今日も訓練に付き合って貰うね」
カールの指示により、今回も兵士達相手に戦闘を行った。
私の相手は隊の中では中々の強者らしいが、昨日の副隊長と比べると、数段下に思えた。
ガルル達も昨日同様戦闘訓練を行なっていたが、見た所、仲間との連携は素晴らしいが、1対1では負ける気配が無いな。
……やはり身体的にも人間族は他種族より弱い為、1対1の戦いでは負ける事は無い。
しかし、なんと言っても人間族の強みは別にある──個人同士の戦いでは勝てるかもしれないが、複数同士の戦いでは恐らく分が悪いだろう。
カールの方で制限してくれている様で、基本は二回程戦って訓練は終わる。
私達としては有り難いが、兵士達の表情は険しく、殺意さえ感じる。
「さてと、今日はここまでだね」
カールの言葉に、まだ戦いたいと兵士から声が上がる。
「あはは、大丈夫だって。これから毎日戦う様になるんだし、ここで使い潰すより、長い目で見た方が俺の隊に取っては有益だよ」
そして、昨日同様に私とガルル、リッテがカールにお供して、他は小屋に戻るのであった。
「さてと、今日も城内を案内するけど、昨日みたいな主要な場所はグンドウさんが居るから、やめとくね──あの人に見つかるとめんどくさいからさ」
グンドウはカールを嫌っている様だが、恐らくカール自身もグンドウを良くは思っていないのだろう。
そして、城内に入った私達は昨日とは違って、人の通りが少ない箇所などを見て回った。
「シク様……」
カールにバレない程静かな声でガルルが話し掛けて来る。
「ここのルートは使えそうですね」
「うふふ。ガルルの言う通り、ここは人通りが大分少ないですので、夜間であれば、ここを使用するのが良いと思いますわ」
確かに2人の言う通りだ。
このルートであれば多少は危険だが他に比べて逃げ易いし、見張りの兵士に見つかりにくそうだな……
「うふふ。こんなにも簡単にルートが見つかって、私達ラッキーですね」
「全くだ。これで後は実行するタイミングだな」
2人は少しでも周りの状況を記憶する為に頭に被った布越しでチラチラと状況を把握していた。
そんな風に、周りの確認をしながらも城内を歩いていると、カールが何かに反応した。
「うわッ……また、面倒くさそうな相手が来たな……」
カールの言葉に反応して前を向く私達。
──ッ何故アイツが!?
私は前から歩いて来る者の顔を見て一瞬だか身体が反応し、飛び掛かろうとしてしまった。
ダメだ。落ち着くんだ、私……
自分に言い聞かす様に心な中で呟く。
そんな私を見た2人は心配そうな表情で話し掛けて来る。
「シク様どうかされましたか?」
「ご気分でも優れないのでしょうか?」
私は2人にむかって呟く。
「アイツには顔を知られている……」
「「ッ?!」」
私の言葉に緊張が走る。
2人は少しでもと、私が目立たない様に隠す様に立ち位置を変える。
そして、カールとその人物が挨拶を交わした。
「これはこれは、遊撃隊隊長のカールさん、こんにちは」
「お久しぶりですね。ガバイさん」
前から来た人物はネークの妻であるコナを殺害したガバイであった……
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