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第9章
377話
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カールの後について行く私達。
「君達三人は比較的に礼儀正しいから選んだんだけど、大丈夫だよね?」
城内に入る為の扉を前にして、カールが一度足を止めて、振り向く。
「うふふ。カール様、勿論私達は問題有りませんわ」
「リッテの言う通り、私達は問題ありません」
リッテとガルルがつかさず答える。
「シクさんはどうかな?」
「問題無い。しかし何故私達を連れて行くんだ?」
私は単純に気になった事をカールに聞いてみる。
「あはは、これから君達は庭とは言え城内に住むからね。色々な人に知って貰う為だよ──まぁ、お披露目会だと思ってくれればいいよ」
カールの言っている事に変な所は……無いか?
だが、何故かこの男は、信じられ無い……それは、コロシアムでの謎発言のせいだろう。
「それじゃ今から城内に入るから、基本は俺が許可するまで話さない様にね?」
私達は声に出さずに、大きく頷く。
「よし。なら行こうか」
門番に声を掛けて城内に入れて貰う。
その際に、私達を汚物でも見る様な目つきで見て来る。
一応、こういう事があるからとカールより事前に言われていたので、顔を隠すために布を被る様に言われた。
それでは、お披露目会になら無いのでは? と思ったが、腕輪をしている時点で奴隷と認識されるから問題無いとの事だ。
城内に入ると、そこは今まで見た事ない程の精巧に造られた内装が広がっている。
プブリウスの屋敷も驚愕するくらい立派ではあったが、城内はそれと比較になら無いくらい凄かった。
「あはは、表情を見なくても君達が驚いているのが分かるよ」
長い廊下を歩いていると、前方でカールがおかしそうに笑っている。
「俺も、初めて城内に入った時は同じ反応だったから分かるよ」
どうやら、私だけでは無く両隣にいるガルルとリッテも同様に内装に驚いていた。
そして、カールから城内を案内されて、どんどん上に登って行く。
不思議な事は、何故か本当に隅から隅まで案内してくれる。
「ここの上の階がラシェン王の寝室だね」
この上か……上に登る為の階段の前には複数人の兵士達が姿勢を正して見張っている。
「あそこに居る兵士達は皆が粒揃いでね──恐らく、今日シクさんが戦った副隊長くらいの強さを持っていると考えて貰っていいよ」
私達は離れた場所で暫く、カールの説明を聞く。
「と、まぁ城内の説明はこんな感じかな」
すると、兵士が見守っている階段から大柄の男が降りて来た。
「カールッ! 貴様は一体何をやっている?!」
「ッチ、グンドウさんか……面倒になりそうだな……」
カールは一瞬だけ面倒そうな表情を浮かべた後、直ぐに表情を作り直す。
「貴様ッ、何故奴隷を城内に入れている!」
グンドウが、怒りの表情を浮かべながら肩で風を切りながら近付いて来る。
「これは、これはグンドウさん。ご機嫌様──慌てて、どうされましたか?」
「どうしたも、こうしたも無いだろう! この城内に奴隷など連れてきて一体何のつもりだ!」
耳をつんざく様な怒鳴り声に身体が一瞬萎縮する。
「あはは、何故そんな怒っているのですか?」
「奴隷を、この神聖な城にいれるとは……」
「奴隷と言っても、ちゃんと腕輪を付けていますよ?」
カールの視線を追う様にグンドウは私達の腕に注目する。
「そういう問題じゃないッ! ここはラシェン王が居る場所なんだぞ?! そんな所に奴隷を連れて来て何かあってからでは遅いんだ!」
「あはは、腕輪されて何が出来ると言うんです」
「平民上がりの分際でッ……」
グンドウの怒りは、上がる一方なのか、肩が震えている。
「貴様……覚えとけ。ここの城内は正統な者しか相応しく無い事を──次は無いからな?」
それだけ言うと、グンドウは再び上の階に去っていった。
「ふぅ……本当に頭の硬い古株はめんどくさいな」
一呼吸した後に、カールは私達に愚痴を零す。
「あはは、あのグンドウさんには、どうも嫌われててね──コトある事に色々言われて、とても困っているよ」
本当に困っているのか、分からない様な表情で愚痴るカールだったが、ふと窓の外を見ると……
「ん、そろそろ帰ろうか。ここに来て大分時間が経過した様だ」
気が付けば、城内の門が閉まる時間に近付いて居た様だ。
私達は城内を出て、自分達と小屋に戻る。
「それじゃ、明日も今日と同じような感じだと思っててくれ。恐らく明日で城内は案内しきれると思うから」
と、言うことは明日で城内の地形は把握出来そうだな。
それに、今日でラシェン王の寝室が分かったのも大きい──後は作戦を詰めれば……
シク達と別れたカールはブツブツと呟きながら歩いている。
「あはは、これで明日城内をすべて案内して、アノ情報を流せば──あの奴隷達は思い通りに動いてくれるかな……」
「君達三人は比較的に礼儀正しいから選んだんだけど、大丈夫だよね?」
城内に入る為の扉を前にして、カールが一度足を止めて、振り向く。
「うふふ。カール様、勿論私達は問題有りませんわ」
「リッテの言う通り、私達は問題ありません」
リッテとガルルがつかさず答える。
「シクさんはどうかな?」
「問題無い。しかし何故私達を連れて行くんだ?」
私は単純に気になった事をカールに聞いてみる。
「あはは、これから君達は庭とは言え城内に住むからね。色々な人に知って貰う為だよ──まぁ、お披露目会だと思ってくれればいいよ」
カールの言っている事に変な所は……無いか?
だが、何故かこの男は、信じられ無い……それは、コロシアムでの謎発言のせいだろう。
「それじゃ今から城内に入るから、基本は俺が許可するまで話さない様にね?」
私達は声に出さずに、大きく頷く。
「よし。なら行こうか」
門番に声を掛けて城内に入れて貰う。
その際に、私達を汚物でも見る様な目つきで見て来る。
一応、こういう事があるからとカールより事前に言われていたので、顔を隠すために布を被る様に言われた。
それでは、お披露目会になら無いのでは? と思ったが、腕輪をしている時点で奴隷と認識されるから問題無いとの事だ。
城内に入ると、そこは今まで見た事ない程の精巧に造られた内装が広がっている。
プブリウスの屋敷も驚愕するくらい立派ではあったが、城内はそれと比較になら無いくらい凄かった。
「あはは、表情を見なくても君達が驚いているのが分かるよ」
長い廊下を歩いていると、前方でカールがおかしそうに笑っている。
「俺も、初めて城内に入った時は同じ反応だったから分かるよ」
どうやら、私だけでは無く両隣にいるガルルとリッテも同様に内装に驚いていた。
そして、カールから城内を案内されて、どんどん上に登って行く。
不思議な事は、何故か本当に隅から隅まで案内してくれる。
「ここの上の階がラシェン王の寝室だね」
この上か……上に登る為の階段の前には複数人の兵士達が姿勢を正して見張っている。
「あそこに居る兵士達は皆が粒揃いでね──恐らく、今日シクさんが戦った副隊長くらいの強さを持っていると考えて貰っていいよ」
私達は離れた場所で暫く、カールの説明を聞く。
「と、まぁ城内の説明はこんな感じかな」
すると、兵士が見守っている階段から大柄の男が降りて来た。
「カールッ! 貴様は一体何をやっている?!」
「ッチ、グンドウさんか……面倒になりそうだな……」
カールは一瞬だけ面倒そうな表情を浮かべた後、直ぐに表情を作り直す。
「貴様ッ、何故奴隷を城内に入れている!」
グンドウが、怒りの表情を浮かべながら肩で風を切りながら近付いて来る。
「これは、これはグンドウさん。ご機嫌様──慌てて、どうされましたか?」
「どうしたも、こうしたも無いだろう! この城内に奴隷など連れてきて一体何のつもりだ!」
耳をつんざく様な怒鳴り声に身体が一瞬萎縮する。
「あはは、何故そんな怒っているのですか?」
「奴隷を、この神聖な城にいれるとは……」
「奴隷と言っても、ちゃんと腕輪を付けていますよ?」
カールの視線を追う様にグンドウは私達の腕に注目する。
「そういう問題じゃないッ! ここはラシェン王が居る場所なんだぞ?! そんな所に奴隷を連れて来て何かあってからでは遅いんだ!」
「あはは、腕輪されて何が出来ると言うんです」
「平民上がりの分際でッ……」
グンドウの怒りは、上がる一方なのか、肩が震えている。
「貴様……覚えとけ。ここの城内は正統な者しか相応しく無い事を──次は無いからな?」
それだけ言うと、グンドウは再び上の階に去っていった。
「ふぅ……本当に頭の硬い古株はめんどくさいな」
一呼吸した後に、カールは私達に愚痴を零す。
「あはは、あのグンドウさんには、どうも嫌われててね──コトある事に色々言われて、とても困っているよ」
本当に困っているのか、分からない様な表情で愚痴るカールだったが、ふと窓の外を見ると……
「ん、そろそろ帰ろうか。ここに来て大分時間が経過した様だ」
気が付けば、城内の門が閉まる時間に近付いて居た様だ。
私達は城内を出て、自分達と小屋に戻る。
「それじゃ、明日も今日と同じような感じだと思っててくれ。恐らく明日で城内は案内しきれると思うから」
と、言うことは明日で城内の地形は把握出来そうだな。
それに、今日でラシェン王の寝室が分かったのも大きい──後は作戦を詰めれば……
シク達と別れたカールはブツブツと呟きながら歩いている。
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