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第8章
344話
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「シャレちゃん、危ない!」
素早い動きで、三人の後ろに、いつの間にか回り込んで居たバンゴ。
そんなバンゴに唯一反応した者が居た。
それはトラクである。
隣に居た、シャレを思いっきり突き飛ばしバンゴの攻撃から逃れる。
「お? 嬢ちゃんやるな」
トラクの事を褒めたと思ったら、直ぐに目の前から消え、次はトラクの背後に現れる。
「させません」
だが、直ぐにニネットがフォローに入る。
「おっと」
攻撃は当たらないが、バンゴの攻撃を阻止する事は出来た。
「なんだ、なんだ。即席の癖に、なかなかのチームワークじゃねぇーか」
少し離れた場所で、剣を肩に乗せてバンゴが言い放つ。
「クソ……、一体どうなっている」
「シャレ様、アイツは素早く動いているだけです」
「なんだと?」
「アイツは非常に巧妙な方法で我々の視界から消えるのです」
ニネットの推理を楽しそうに聞くバンゴ。
「アイツは動き出す前に私達の視線を仕草などで誘導して、私達が一瞬だけ視線を逸らした瞬間にスキルを発動して素早く動いているだけなのです」
どうやら、ニネットの推測は大当たりの様で、パチパチと拍手する音が聞こえた。
「やるねぇー。その通りだ」
自分の手の内だと言うのに素直に応える。
「まぁ、分かった所で俺を倒せるとは思えねぇーけどな?」
ニヤつき顔でシャレ達を見る。
バンゴの顔半分は火傷に覆われている為、ニヤ面も不気味に見える。
「んじゃ、まぁ結構粘られちまっているし、そろそろ気絶してもらおうかね」
「「「──ッ」」」
「抵抗するなら、手足の一本は覚悟しとけよ?」
又しても、バンゴの両足が淡く光り始める。
「炎弾のせいだろうが、さっきから焦げクセぇーし、サッサっと終わらせようぜ」
すると、バンゴが体を沈めシャレ達に突っ込む様にして走り出す。
ニネットの推測を聞いてからは、一瞬たりとも視線を外さなかった為か、なんとか目視で動きを捉える事が出来る様だ。
「──ッオラ、オラ、抵抗しないで早く楽になっちまえよ」
剣を上から下、右から左と振るいシャレ達の体勢を崩す様に連続で攻撃をする。
トラクは勿論の事、多少剣の心得がある筈のニネットですら、バンゴの攻撃を受け切る事が出来ずに、二人とも武器を地面に落としてしまう。
「はは、後はお前だけか、シャレ?」
「私の名を気安く呼ぶな!」
「それは、俺に勝ったら、考えてやるよ」
二人よりは、健闘したがシャレもが武器を地面に落としてしまう。
「よし、んじゃ、まぁ──お休みさん」
シャレに向かって振り下ろされる剣。
その剣から目を離さず、最後の最後まで何か手が無いか考えるシャレ。
そして、剣がシャレまで到達した……
「……あ?」
本来であれば、人間を切った感覚が手に伝わる筈なのに、バンゴはその感覚を得る事が出来なかった事を不思議がる。
「今、確かに、コイツを斬ったよな……?」
自身の手と剣を見て、何が起きているのか把握に努めるバンゴ。
そんな中、当の本人であるシャレは……
「はは、またアトスに助けられた様だな……」
目の前の敵に意識を向けながら、シャレは周りを見渡す。
すると、いつの間にか木々は燃えており、ドワーフ達により、次々と切り倒されていた。
そして……
「ふふ、やはり、アトスのお陰か」
遠くの方にアトスが居るのを確認する。
「もう少し、頑張れるかもな……」
アトスのお陰でバンゴの攻撃は全くダメージが無かった様子だ。
「シャレ様、大丈夫ですか?!」
「あぁ、なんのダメージも無い」
「よ、良かったよー」
その様子を見ながら、何が起きているか考えているバンゴ。
「一体どうなってやがる……」
不思議に思いながらも、バンゴは直ぐに動き出し──シャレからトラクに標的に変え鋭い一撃を背後から喰らわした。
しかし……
「な、なんなんだよ……」
先程は、いくらか手加減してシャレに攻撃した。
しかし、今回のトラクに対する攻撃は、かなり強めの一撃を与えた──それにも関わらずトラクには大した怪我は無かった。
「シャレ様、これって……」
「あぁ、そういう事になるな」
「アトスさんって凄かったんだね」
三人はニヤリと笑い、その後、向き直る。
「お前ら、さっきと顔付きが変わっているな……気に食わねぇーぜ」
目に見えて目の色が変わり、気に食わない様子のバンゴ
「まぁ、も一度身体に覚えさせてやるよ」
バンゴが勢いよく、走り出すが──ある事に気が付き直ぐに後退した。
「うわ……なんだか綺麗……」
トラクが呟く……
それに同調する様にシャレとニネットも頷く。
「一体何なんでしょう……?」
シャレやバンゴが見ているものは白く光る円陣が徐々に大きくなっていき、シャレ達を包み込んだ。
そして、少しすると、白く光っていた円に線が加わり、三角形が描かれた。
更に、時間が経ち、その円は白から青の光に切り替わったであった……
素早い動きで、三人の後ろに、いつの間にか回り込んで居たバンゴ。
そんなバンゴに唯一反応した者が居た。
それはトラクである。
隣に居た、シャレを思いっきり突き飛ばしバンゴの攻撃から逃れる。
「お? 嬢ちゃんやるな」
トラクの事を褒めたと思ったら、直ぐに目の前から消え、次はトラクの背後に現れる。
「させません」
だが、直ぐにニネットがフォローに入る。
「おっと」
攻撃は当たらないが、バンゴの攻撃を阻止する事は出来た。
「なんだ、なんだ。即席の癖に、なかなかのチームワークじゃねぇーか」
少し離れた場所で、剣を肩に乗せてバンゴが言い放つ。
「クソ……、一体どうなっている」
「シャレ様、アイツは素早く動いているだけです」
「なんだと?」
「アイツは非常に巧妙な方法で我々の視界から消えるのです」
ニネットの推理を楽しそうに聞くバンゴ。
「アイツは動き出す前に私達の視線を仕草などで誘導して、私達が一瞬だけ視線を逸らした瞬間にスキルを発動して素早く動いているだけなのです」
どうやら、ニネットの推測は大当たりの様で、パチパチと拍手する音が聞こえた。
「やるねぇー。その通りだ」
自分の手の内だと言うのに素直に応える。
「まぁ、分かった所で俺を倒せるとは思えねぇーけどな?」
ニヤつき顔でシャレ達を見る。
バンゴの顔半分は火傷に覆われている為、ニヤ面も不気味に見える。
「んじゃ、まぁ結構粘られちまっているし、そろそろ気絶してもらおうかね」
「「「──ッ」」」
「抵抗するなら、手足の一本は覚悟しとけよ?」
又しても、バンゴの両足が淡く光り始める。
「炎弾のせいだろうが、さっきから焦げクセぇーし、サッサっと終わらせようぜ」
すると、バンゴが体を沈めシャレ達に突っ込む様にして走り出す。
ニネットの推測を聞いてからは、一瞬たりとも視線を外さなかった為か、なんとか目視で動きを捉える事が出来る様だ。
「──ッオラ、オラ、抵抗しないで早く楽になっちまえよ」
剣を上から下、右から左と振るいシャレ達の体勢を崩す様に連続で攻撃をする。
トラクは勿論の事、多少剣の心得がある筈のニネットですら、バンゴの攻撃を受け切る事が出来ずに、二人とも武器を地面に落としてしまう。
「はは、後はお前だけか、シャレ?」
「私の名を気安く呼ぶな!」
「それは、俺に勝ったら、考えてやるよ」
二人よりは、健闘したがシャレもが武器を地面に落としてしまう。
「よし、んじゃ、まぁ──お休みさん」
シャレに向かって振り下ろされる剣。
その剣から目を離さず、最後の最後まで何か手が無いか考えるシャレ。
そして、剣がシャレまで到達した……
「……あ?」
本来であれば、人間を切った感覚が手に伝わる筈なのに、バンゴはその感覚を得る事が出来なかった事を不思議がる。
「今、確かに、コイツを斬ったよな……?」
自身の手と剣を見て、何が起きているのか把握に努めるバンゴ。
そんな中、当の本人であるシャレは……
「はは、またアトスに助けられた様だな……」
目の前の敵に意識を向けながら、シャレは周りを見渡す。
すると、いつの間にか木々は燃えており、ドワーフ達により、次々と切り倒されていた。
そして……
「ふふ、やはり、アトスのお陰か」
遠くの方にアトスが居るのを確認する。
「もう少し、頑張れるかもな……」
アトスのお陰でバンゴの攻撃は全くダメージが無かった様子だ。
「シャレ様、大丈夫ですか?!」
「あぁ、なんのダメージも無い」
「よ、良かったよー」
その様子を見ながら、何が起きているか考えているバンゴ。
「一体どうなってやがる……」
不思議に思いながらも、バンゴは直ぐに動き出し──シャレからトラクに標的に変え鋭い一撃を背後から喰らわした。
しかし……
「な、なんなんだよ……」
先程は、いくらか手加減してシャレに攻撃した。
しかし、今回のトラクに対する攻撃は、かなり強めの一撃を与えた──それにも関わらずトラクには大した怪我は無かった。
「シャレ様、これって……」
「あぁ、そういう事になるな」
「アトスさんって凄かったんだね」
三人はニヤリと笑い、その後、向き直る。
「お前ら、さっきと顔付きが変わっているな……気に食わねぇーぜ」
目に見えて目の色が変わり、気に食わない様子のバンゴ
「まぁ、も一度身体に覚えさせてやるよ」
バンゴが勢いよく、走り出すが──ある事に気が付き直ぐに後退した。
「うわ……なんだか綺麗……」
トラクが呟く……
それに同調する様にシャレとニネットも頷く。
「一体何なんでしょう……?」
シャレやバンゴが見ているものは白く光る円陣が徐々に大きくなっていき、シャレ達を包み込んだ。
そして、少しすると、白く光っていた円に線が加わり、三角形が描かれた。
更に、時間が経ち、その円は白から青の光に切り替わったであった……
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