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第8章
341話
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俺の周りや見えない所などで沢山の仲間が戦っている。
既に、何処で誰が戦っているかなんて把握出来るわけも無く、ありとあらゆる場所が戦場と化している。
「ん?」
先程、手助けしたドワーフとエルフ達なのか、後ろから複数の足音が近づいて来るのが分かる。
しかし、その足音とは別で目の前からも複数の足音が聞こえる。
すると、鎧に身を包んでいる人間族達が目の前に現れる。
「おい、あそこに人間族がいるぞ、仲間か?」
「いや、違うな。敵側に付いている人間族だ……殺せ」
「ッケ、異種族側に付いているなんて、情けねぇーぜ」
何十人という単位の敵が目の前に現れた為、ベルグングサークルが発動出来ずに居た。
「クソ……まだ、集中しないと発動出来ねぇーんだよな……」
このままでは、集中出来ない為、足を動かし、逃げ出す。
「逃げるぞ! 殺せ」
俺の後を追いかけて来る敵に背を向けて必死に逃げる。
「このままじゃ、いつまで経ってもチル達の所にたどり着けねぇーぞ!?」
物理的な戦闘能力は皆無である為、俺は逃げるしか無い。
すると、逃げた方向には先程のドワーフとエルフの集団が見えた。
「た、助けてくれ!」
俺が大声で叫ぶと、直ぐに気が付いてくれた様で、ドワーフ達は弓を構えてくれる。
「隻腕を助けるぞ! 弓を構えろ──撃てー!!」
素早い指示と素早い行動で、ドワーフ達は直ぐに後ろに居る敵達に攻撃を仕掛けてくれた。
「助かるぜ!」
敵達も、弓矢による攻撃を無視してまで俺の事を追いかける事は無く、防御の構えを取る。
その間に俺はドワーフとエルフに合流する。
「あ、ありがとう──助かったぜ!」
「ぐはは、気にするな隻腕よ──先程は俺達の事を助けてくれただろう?」
男らしい返答に、頼もしさを感じる。
こうなったら……
「ドワーフ達よ、頼みがあるのだがいいか?」
「なんだ?」
「このままじゃ、俺達は負けるだろう」
「そ、そんな事は──」
俺の言葉に、言い返したい気持ちが有る様だが、誰がどう見ても事実の為、言い返す事が出来ないみたいだ。
「だが、諦める気は無いよな?」
「当たり前だ!」
「はは、それを聞いて安心した──今からある事を試したい」
「ある事?」
「あぁ──これが成功すれば、恐らく、この状況を覆す事が出来る……かもしれない……」
「「なに!?」」
ドワーフだけでは無く、先程から黙り込んでいたエルフまでも反応する。
「それは本当なのか……?」
「あぁ、だが一度も成功した事が無い上に集中しないといけないんだ」
俺の言葉を聞いて、ドワーフとエルフが直ぐ様理解した。
「なるほどな……それじゃ俺達は隻腕が集中出来る為にアイツらから護ればいいって事か?」
「そうだ──隠れて試そうとしたが、もうこの戦場では、それも出来なそうなんでな……」
「そういう事なら、任せろ! ──俺らが責任持って守ろう」
目の前のドワーフの言葉に他の者達も大きく頷いてくれた。
「お前ら! 聞いていたと思うが、俺達は全力で隻腕の事を守り通すぞ!」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
すると、ドワーフ達は一斉に背中に背負っていた盾を取り出し前で構える。
「はぁ……人間族などを守りたくは無いんだがな……」
エルフが深いため息をしながらも仲間のエルフに合図をする。
「皆の者、構え!」
一人の掛け声に、エルフ達は弓を構え、いつでも撃てる状態になった。
「隻腕よ、俺らが死ぬ気で守るから、安心して集中してくれ!」
「普段は人間族の為なんかに我々エルフ達が手を貸す事などあり得ないが……この状況をなんとか出来るなら頼む……」
「助かる!」
俺はドワーフとエルフに守られながら、再び集中しはじめる。
周りでは、敵が放った弓矢を盾で防ぐ音だったり、エルフ達が矢を飛ばす音が聞こえる。
周りは気にするな……集中……集中……
俺は頭の中で円を描くイメージをする。
そして、頭の中で円を意識した後に俺は口を開く
「ベルグングサークル……」
俺が唱えると、地面に白く光る円が現れる。
その円は徐々に広がる。
「ふぅ……ここまでは成功した……」
突然白い円が現れた事に、味方も敵も驚く。
「な、なんだこれは?!」
「白い、光……? 」
周りの声は、一度無視して、俺は更に集中する。
この円が出来たら、次は線を意識せよ……だな
俺は、ある事を試そうと考える。
それは、この円の中に更にスキルを発動させる事である。
「円の中にアタックかガードを使用すればいける筈……」
白く光る円は少しずつ大きさを広げている。
頼むぞ……
俺は、一度深呼吸をして、スキルを発動させた。
「アタック!」
円の中に一本の赤い線が出現する。
しかし……
「あ、あぁ……」
スキルを発動させた瞬間に白く光る円が飛散した……
「隻腕よ、これは成功なのか?」
何故か分からないがベルグングサークルは俺以外の者にも見る事が出来る為、白く光る円が飛散したのを見てドワーフが確認する様に声を掛けてきた。
そんなドワーフに俺は首を振った。
「悪い……失敗だ……」
「そうか……」
「私は、最初から人間族に期待などしてなかった……だが、これからどうする?」
目の前には、何十人と居る敵が見える。
そして、ここだけでは無く、他の場所でも常に俺達の仲間は劣勢な状況だろう……
「と、とにかく今は目の前の敵に集中だ──隻腕よ先程と同じくサポートを頼めるか?」
「あ、あぁ……」
今まで、考えていた案が潰れて消沈するが……今は落ち込んでいる場合では無い……
既に、何処で誰が戦っているかなんて把握出来るわけも無く、ありとあらゆる場所が戦場と化している。
「ん?」
先程、手助けしたドワーフとエルフ達なのか、後ろから複数の足音が近づいて来るのが分かる。
しかし、その足音とは別で目の前からも複数の足音が聞こえる。
すると、鎧に身を包んでいる人間族達が目の前に現れる。
「おい、あそこに人間族がいるぞ、仲間か?」
「いや、違うな。敵側に付いている人間族だ……殺せ」
「ッケ、異種族側に付いているなんて、情けねぇーぜ」
何十人という単位の敵が目の前に現れた為、ベルグングサークルが発動出来ずに居た。
「クソ……まだ、集中しないと発動出来ねぇーんだよな……」
このままでは、集中出来ない為、足を動かし、逃げ出す。
「逃げるぞ! 殺せ」
俺の後を追いかけて来る敵に背を向けて必死に逃げる。
「このままじゃ、いつまで経ってもチル達の所にたどり着けねぇーぞ!?」
物理的な戦闘能力は皆無である為、俺は逃げるしか無い。
すると、逃げた方向には先程のドワーフとエルフの集団が見えた。
「た、助けてくれ!」
俺が大声で叫ぶと、直ぐに気が付いてくれた様で、ドワーフ達は弓を構えてくれる。
「隻腕を助けるぞ! 弓を構えろ──撃てー!!」
素早い指示と素早い行動で、ドワーフ達は直ぐに後ろに居る敵達に攻撃を仕掛けてくれた。
「助かるぜ!」
敵達も、弓矢による攻撃を無視してまで俺の事を追いかける事は無く、防御の構えを取る。
その間に俺はドワーフとエルフに合流する。
「あ、ありがとう──助かったぜ!」
「ぐはは、気にするな隻腕よ──先程は俺達の事を助けてくれただろう?」
男らしい返答に、頼もしさを感じる。
こうなったら……
「ドワーフ達よ、頼みがあるのだがいいか?」
「なんだ?」
「このままじゃ、俺達は負けるだろう」
「そ、そんな事は──」
俺の言葉に、言い返したい気持ちが有る様だが、誰がどう見ても事実の為、言い返す事が出来ないみたいだ。
「だが、諦める気は無いよな?」
「当たり前だ!」
「はは、それを聞いて安心した──今からある事を試したい」
「ある事?」
「あぁ──これが成功すれば、恐らく、この状況を覆す事が出来る……かもしれない……」
「「なに!?」」
ドワーフだけでは無く、先程から黙り込んでいたエルフまでも反応する。
「それは本当なのか……?」
「あぁ、だが一度も成功した事が無い上に集中しないといけないんだ」
俺の言葉を聞いて、ドワーフとエルフが直ぐ様理解した。
「なるほどな……それじゃ俺達は隻腕が集中出来る為にアイツらから護ればいいって事か?」
「そうだ──隠れて試そうとしたが、もうこの戦場では、それも出来なそうなんでな……」
「そういう事なら、任せろ! ──俺らが責任持って守ろう」
目の前のドワーフの言葉に他の者達も大きく頷いてくれた。
「お前ら! 聞いていたと思うが、俺達は全力で隻腕の事を守り通すぞ!」
「「「「「「「おう!!」」」」」」」
すると、ドワーフ達は一斉に背中に背負っていた盾を取り出し前で構える。
「はぁ……人間族などを守りたくは無いんだがな……」
エルフが深いため息をしながらも仲間のエルフに合図をする。
「皆の者、構え!」
一人の掛け声に、エルフ達は弓を構え、いつでも撃てる状態になった。
「隻腕よ、俺らが死ぬ気で守るから、安心して集中してくれ!」
「普段は人間族の為なんかに我々エルフ達が手を貸す事などあり得ないが……この状況をなんとか出来るなら頼む……」
「助かる!」
俺はドワーフとエルフに守られながら、再び集中しはじめる。
周りでは、敵が放った弓矢を盾で防ぐ音だったり、エルフ達が矢を飛ばす音が聞こえる。
周りは気にするな……集中……集中……
俺は頭の中で円を描くイメージをする。
そして、頭の中で円を意識した後に俺は口を開く
「ベルグングサークル……」
俺が唱えると、地面に白く光る円が現れる。
その円は徐々に広がる。
「ふぅ……ここまでは成功した……」
突然白い円が現れた事に、味方も敵も驚く。
「な、なんだこれは?!」
「白い、光……? 」
周りの声は、一度無視して、俺は更に集中する。
この円が出来たら、次は線を意識せよ……だな
俺は、ある事を試そうと考える。
それは、この円の中に更にスキルを発動させる事である。
「円の中にアタックかガードを使用すればいける筈……」
白く光る円は少しずつ大きさを広げている。
頼むぞ……
俺は、一度深呼吸をして、スキルを発動させた。
「アタック!」
円の中に一本の赤い線が出現する。
しかし……
「あ、あぁ……」
スキルを発動させた瞬間に白く光る円が飛散した……
「隻腕よ、これは成功なのか?」
何故か分からないがベルグングサークルは俺以外の者にも見る事が出来る為、白く光る円が飛散したのを見てドワーフが確認する様に声を掛けてきた。
そんなドワーフに俺は首を振った。
「悪い……失敗だ……」
「そうか……」
「私は、最初から人間族に期待などしてなかった……だが、これからどうする?」
目の前には、何十人と居る敵が見える。
そして、ここだけでは無く、他の場所でも常に俺達の仲間は劣勢な状況だろう……
「と、とにかく今は目の前の敵に集中だ──隻腕よ先程と同じくサポートを頼めるか?」
「あ、あぁ……」
今まで、考えていた案が潰れて消沈するが……今は落ち込んでいる場合では無い……
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