304 / 492
第8章
303話 発光する本
しおりを挟む
本格的に人間族達との戦争に参加する事になった俺はある事を考えていた。
「うーん、どうすれば……」
ベットの上に座り頭を悩ませている俺の事を見てロピが首を傾げる。
「お兄さん、どうしたのー?」
「ん? ──あぁ、実はな今以上に強くなるにはどうすればいいか考えててなー」
俺の言葉にロピだけじゃ無く、チルとリガスも反応する。
「アトス様は十分強いかと? ──強いスキルをお持ちですし」
「ほっほっほ。チル様の言う通りですな」
二人の言葉に俺も頷く。
「あぁ、確かにこのスキルは強い──けどこれからの戦いでは、ちょっと不安でな。過信し過ぎると腕一本どころじゃ済まないだろうし」
その言葉に三人は神妙な面持ちになる。
「だから、ちょっと今までサボり気味だった修行を再開しようと思ってな」
俺の言葉に全員が頷く。
「私も手伝う!」
「一緒に強くなりましょう」
「ふむ。確かに今回の戦いは今まで以上に過酷そうですな」
俺の言葉に皆が賛同する。
「でも、どうやって強くなるのー?」
「そこなんだよな……俺もどうすれば強くなれるか悩んでてな……身体を鍛えてもリガスみたいになれる訳でも無いしな……」
そうなのだ──身体をいくら鍛えた所で所詮は人間族である為スキル無しではそこまでの身体能力を手に入れるのは難しいだろう。
「やっぱり、今のスキルをどうにかして鍛えるのがいいよなー」
「お兄さんと言えばサポートだもんね!」
「先読みもあります」
「ふむ。アトス殿のサポートによる能力の上昇幅は考えられない程上がりますからな──この強みを生かす戦い方を考えるとかですかな?」
リガスの言う通り、連携や俺のサポートを生かす戦い方を考えるべきだよな……
スキル自体はSランクだから、これ以上成長なんてしないだろうし……
「アトス様」
すると、チルが声を掛けてくる。
「ん?」
「スピードのサポートをもっと上手く使うべき練習するのが良いかと」
「確かに……」
チルの言う通りなのだ、今までスピードのサポートをあまり使用してこなかった。
何故かと言うと、基本木々などが多い所で戦う為、スピードのサポートを掛けても、サポートを受けた本人があまりにも早過ぎる為、木などに激突してしまうからだ。
「スピードのサポートは使い辛いんだよな……」
「私も何度か経験しましたが、凄まじい速さになるので自身で制御するのが大変でした」
「だよな……しかも線の上から外れたら急に元のスピードに戻ったりするから、使い辛いんだよなー」
大きな土地など木とかが殆ど無い場所ですら、使用し辛い。
それは、スキルのラインが真っ直ぐにしか敷けない為だ。
ただ、真っ直ぐ走るだけなら、良いが戦闘中に真っ直ぐだけ進むなんて、なかなか無いだろう……
「そうだな……チルの言う通り、スピードのサポートをどう使うか考えるのはいいかもしれないな……」
「私が手伝いますので、アトス様の納得の行くまで練習しましょう」
「はは、ありがとうな! ──あと一年しか無いんだし、出来る事はやらないとな!」
それからは、四人で連携などについて話し合ったが、俺自体の強化について何も発見は無かった。
そして、その日の夜──皆んなが各自の部屋に戻り俺は暗い部屋でベットに寝転がりながら天井を見ていた。
あれからも、一体どうすれば良いか考えていたが結局答えは見つからない。
「そう簡単に強くなれる訳無いよな……」
静まり返った部屋に俺の独り言が響く。
「なんか、新しい力とか目覚めねぇーかなー」
俺はブツブツ呟きながら、自身スキルを研究する為に部屋中にスキルを発動したりしていた。
「──ん?」
すると、真っ暗だった筈なのに部屋の一部が急に光り出す。
「なんだ?」
どこから光が発生しているかベットから起き上がり見回す……
「こ、これか……?」
部屋を歩き周り、発見した物……それは本であった。
「これって、変異体から貰った本だよな……?」
その淡く光を放っている本は以前に変異体から、とても綺麗な場所に連れて行かれた時に祭壇に飾られていた古めかしい本である。
「なんで、急に光りだしたんだ?」
不思議に思い本を開いてみるが、やはり文字は何を書いているか分からない……
そして、しばらく発光していた本だったが時間が経つに連れて徐々に光が収まっていき、最後は完全に消える。
「なんだったんだ?」
訳が分からない俺は、また光るかもしれないと思い本の前に待機していたが、それから本が再び光る事は無かった。
「この本についても聞いてみるか」
リガスで読めなかったが、長寿のエルフなら読める者がいるかもとか言ってたもんな──明日、シャレに聞いてみるか……
「うーん、どうすれば……」
ベットの上に座り頭を悩ませている俺の事を見てロピが首を傾げる。
「お兄さん、どうしたのー?」
「ん? ──あぁ、実はな今以上に強くなるにはどうすればいいか考えててなー」
俺の言葉にロピだけじゃ無く、チルとリガスも反応する。
「アトス様は十分強いかと? ──強いスキルをお持ちですし」
「ほっほっほ。チル様の言う通りですな」
二人の言葉に俺も頷く。
「あぁ、確かにこのスキルは強い──けどこれからの戦いでは、ちょっと不安でな。過信し過ぎると腕一本どころじゃ済まないだろうし」
その言葉に三人は神妙な面持ちになる。
「だから、ちょっと今までサボり気味だった修行を再開しようと思ってな」
俺の言葉に全員が頷く。
「私も手伝う!」
「一緒に強くなりましょう」
「ふむ。確かに今回の戦いは今まで以上に過酷そうですな」
俺の言葉に皆が賛同する。
「でも、どうやって強くなるのー?」
「そこなんだよな……俺もどうすれば強くなれるか悩んでてな……身体を鍛えてもリガスみたいになれる訳でも無いしな……」
そうなのだ──身体をいくら鍛えた所で所詮は人間族である為スキル無しではそこまでの身体能力を手に入れるのは難しいだろう。
「やっぱり、今のスキルをどうにかして鍛えるのがいいよなー」
「お兄さんと言えばサポートだもんね!」
「先読みもあります」
「ふむ。アトス殿のサポートによる能力の上昇幅は考えられない程上がりますからな──この強みを生かす戦い方を考えるとかですかな?」
リガスの言う通り、連携や俺のサポートを生かす戦い方を考えるべきだよな……
スキル自体はSランクだから、これ以上成長なんてしないだろうし……
「アトス様」
すると、チルが声を掛けてくる。
「ん?」
「スピードのサポートをもっと上手く使うべき練習するのが良いかと」
「確かに……」
チルの言う通りなのだ、今までスピードのサポートをあまり使用してこなかった。
何故かと言うと、基本木々などが多い所で戦う為、スピードのサポートを掛けても、サポートを受けた本人があまりにも早過ぎる為、木などに激突してしまうからだ。
「スピードのサポートは使い辛いんだよな……」
「私も何度か経験しましたが、凄まじい速さになるので自身で制御するのが大変でした」
「だよな……しかも線の上から外れたら急に元のスピードに戻ったりするから、使い辛いんだよなー」
大きな土地など木とかが殆ど無い場所ですら、使用し辛い。
それは、スキルのラインが真っ直ぐにしか敷けない為だ。
ただ、真っ直ぐ走るだけなら、良いが戦闘中に真っ直ぐだけ進むなんて、なかなか無いだろう……
「そうだな……チルの言う通り、スピードのサポートをどう使うか考えるのはいいかもしれないな……」
「私が手伝いますので、アトス様の納得の行くまで練習しましょう」
「はは、ありがとうな! ──あと一年しか無いんだし、出来る事はやらないとな!」
それからは、四人で連携などについて話し合ったが、俺自体の強化について何も発見は無かった。
そして、その日の夜──皆んなが各自の部屋に戻り俺は暗い部屋でベットに寝転がりながら天井を見ていた。
あれからも、一体どうすれば良いか考えていたが結局答えは見つからない。
「そう簡単に強くなれる訳無いよな……」
静まり返った部屋に俺の独り言が響く。
「なんか、新しい力とか目覚めねぇーかなー」
俺はブツブツ呟きながら、自身スキルを研究する為に部屋中にスキルを発動したりしていた。
「──ん?」
すると、真っ暗だった筈なのに部屋の一部が急に光り出す。
「なんだ?」
どこから光が発生しているかベットから起き上がり見回す……
「こ、これか……?」
部屋を歩き周り、発見した物……それは本であった。
「これって、変異体から貰った本だよな……?」
その淡く光を放っている本は以前に変異体から、とても綺麗な場所に連れて行かれた時に祭壇に飾られていた古めかしい本である。
「なんで、急に光りだしたんだ?」
不思議に思い本を開いてみるが、やはり文字は何を書いているか分からない……
そして、しばらく発光していた本だったが時間が経つに連れて徐々に光が収まっていき、最後は完全に消える。
「なんだったんだ?」
訳が分からない俺は、また光るかもしれないと思い本の前に待機していたが、それから本が再び光る事は無かった。
「この本についても聞いてみるか」
リガスで読めなかったが、長寿のエルフなら読める者がいるかもとか言ってたもんな──明日、シャレに聞いてみるか……
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界召喚された俺は余分な子でした
KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。
サブタイトル
〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる