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第8章
293話 エルフ達との戦い 3
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ん? ──いきなりリガスから距離を取ったな。
「どうしたんだろーねー?」
ロピが不思議そうに見ている──その間もエルフの遠距離から放たれる弓矢を撃ち落とすロピ。
「ほっほっほ。どうされましたかな?」
リガスがエルトンに問い掛ける。
「エルトン様……」
「どうかされましたか?」
残りの遠距離二人の言葉にエルトンは応える。
「悔しいが、あの魔族との一対一では私では勝てない様だ」
「──やはり魔族なだけ有り強い様ですね」
どうやら、エルトンはリガスと少しやりあっただけで自身が敵う相手では無いと悟った様だ。
「ほっほっほ。賢いですな」
リガス自身も、負ける気はしなかった様でエルトンの判断を褒めていた。
「エルトン様、何か策は?」
「何でも命令ください!」
「こうなったら……穴を突くぞ」
おいおい……もしかしなくても穴とは俺の事か……?
エルトンも含め、エルフ三人の視線が俺に集まる。
エルトン達は、もう一度気合を入れ直すように自身の頬を叩き、俺に向かって走り出して来る。
「アトス様はやらせない」
「ほっほっほ。通すわけが無いでしょう」
エルトンに対して二人が壁になる様に塞がる。
続いて遠距離二人が俺に向かって弓矢を放って来た。
「あはは、そんなものはこうだー! プルショット!」
二本の矢を撃ち落とすロピ。
「これで、お前達はアトス様に攻撃を通せない」
「ほっほっほ。アトス殿には指一本通しません」
そう言って、エルトンに対してリガスが重く、鋭い一撃を与える。
「ウッ……」
対人同士でリガスを倒せる者は一体どれ程いるのかと疑問に思いながらも、ロピの方も遠距離二人をいつの間にか片付けていた。
「そこまで!」
エルトン率いるエルフチームが全滅したのを確認してシャレが試合を止める。
蓋を開けてみると、俺達側の圧勝で終わる。
俺、何もしてねぇ……
「あはは、皆んなお疲れー」
「アトス様、お疲れ様です。怪我はありませんか?」
「何とも無い。それに俺、ほとんど何もして無いぞ?」
「ほっほっほ。こういう最初からパワーバランスが格下の者達と戦う場合はあまりアトス殿の強みが発揮できませんな」
確かに……俺のサポートスキルは自分より強い相手や実力が均衡している相手との戦いで真価を発揮するしな……
俺達が話していると、シャレと二ネットが近付いて来た。
「アトス達、お疲れ様──圧勝だったな」
「シャレ様、事実だとは言え声が大き過ぎます」
二ネットに注意されたシャレは慌てて口を押さえて声のボリュームを下げる。
「アトス達には悪いがこれで皆も認めざる終えないだろう」
「こんな簡単な事で他のエルフが認めるのか?」
「はは、当たり前だ──今アトス達が倒したのはエルフ達の精鋭だぞ? それを赤子を捻る様に簡単に倒したのだ、文句の付け所が無いな」
何故か嬉しそうにしているシャレに、隣に居る二ネットは手で頭を押さえてやれやれと首を振っている。
「悪いですが、シャレ様と一緒にもう一度ステージにお登りください」
二ネットに言われてもう一度俺達はステージに登った。
俺達と試合をしたエルトン達は治療が必要だと判断されエルトン以外の者を医療担当のエルフ達がどこかへ運んで行った。
そしてエルトンは辛そうにしながらも他のエルフ達がいる場所まで移動していた。
「皆! 見てくれただろうか?!」
シャレが周りに問い掛ける。
「我々エルフ族の先鋭が相手をしても、この人間族のアトスと、その仲間達には手も足も出なかった!」
事実なのだが、その事を認めたくない者が殆どの様で俺に対する視線は先程と変わらない所か、自分達の先鋭がやられた事により、ますます怒りを買った様な……
「皆が、人間族に抱いている心情は私も分かる」
シャレの言葉に、エルフ達は顔をしかめる──シャレが過去に人間族にどういう扱いを受けたかは皆が知っている事の様だ。
「だが、人間族にも色々な者が居る──人間族全員が私達が思っている様な奴らでは無いと私は少し前に気付かされたんだ」
少し前とは、ドワーフの村での戦いだな。
「ここに居るアトスには何度も命を助けられた──なので、私はアトスの事を信じている!」
男の人間族が女のエルフを助けるなんて、どうせ下心があるはずだと、他のエルフは思っているのか、俺に対しての侮蔑の視線は変わらない。
そして、一人のエルフがシャレに問い掛ける。
「そこの三人は確かに強いのが分かったけど、人間族はただ立っていただけじゃねぇーかよ!」
「そうよ! そんな奴要らないわ──そこの三人組に手伝って貰いましょうよ!」
一人のエルフの言葉をきっかけに、結局は俺以外の三人だけに協力して貰おうという声があちこちから広がる。
「あはは──それじゃ大鎌さん私達は力を貸せないね」
「姉さんの言う通り、アトス様が居なければ私達は協力する気は無い」
「ほっほっほ。過去に色々あったのは分かりますが、アトス殿の人間性が分からないとは愚かですな」
エルフ達の言葉に三人が協力辞退をシャレに言い渡した。
「どうしたんだろーねー?」
ロピが不思議そうに見ている──その間もエルフの遠距離から放たれる弓矢を撃ち落とすロピ。
「ほっほっほ。どうされましたかな?」
リガスがエルトンに問い掛ける。
「エルトン様……」
「どうかされましたか?」
残りの遠距離二人の言葉にエルトンは応える。
「悔しいが、あの魔族との一対一では私では勝てない様だ」
「──やはり魔族なだけ有り強い様ですね」
どうやら、エルトンはリガスと少しやりあっただけで自身が敵う相手では無いと悟った様だ。
「ほっほっほ。賢いですな」
リガス自身も、負ける気はしなかった様でエルトンの判断を褒めていた。
「エルトン様、何か策は?」
「何でも命令ください!」
「こうなったら……穴を突くぞ」
おいおい……もしかしなくても穴とは俺の事か……?
エルトンも含め、エルフ三人の視線が俺に集まる。
エルトン達は、もう一度気合を入れ直すように自身の頬を叩き、俺に向かって走り出して来る。
「アトス様はやらせない」
「ほっほっほ。通すわけが無いでしょう」
エルトンに対して二人が壁になる様に塞がる。
続いて遠距離二人が俺に向かって弓矢を放って来た。
「あはは、そんなものはこうだー! プルショット!」
二本の矢を撃ち落とすロピ。
「これで、お前達はアトス様に攻撃を通せない」
「ほっほっほ。アトス殿には指一本通しません」
そう言って、エルトンに対してリガスが重く、鋭い一撃を与える。
「ウッ……」
対人同士でリガスを倒せる者は一体どれ程いるのかと疑問に思いながらも、ロピの方も遠距離二人をいつの間にか片付けていた。
「そこまで!」
エルトン率いるエルフチームが全滅したのを確認してシャレが試合を止める。
蓋を開けてみると、俺達側の圧勝で終わる。
俺、何もしてねぇ……
「あはは、皆んなお疲れー」
「アトス様、お疲れ様です。怪我はありませんか?」
「何とも無い。それに俺、ほとんど何もして無いぞ?」
「ほっほっほ。こういう最初からパワーバランスが格下の者達と戦う場合はあまりアトス殿の強みが発揮できませんな」
確かに……俺のサポートスキルは自分より強い相手や実力が均衡している相手との戦いで真価を発揮するしな……
俺達が話していると、シャレと二ネットが近付いて来た。
「アトス達、お疲れ様──圧勝だったな」
「シャレ様、事実だとは言え声が大き過ぎます」
二ネットに注意されたシャレは慌てて口を押さえて声のボリュームを下げる。
「アトス達には悪いがこれで皆も認めざる終えないだろう」
「こんな簡単な事で他のエルフが認めるのか?」
「はは、当たり前だ──今アトス達が倒したのはエルフ達の精鋭だぞ? それを赤子を捻る様に簡単に倒したのだ、文句の付け所が無いな」
何故か嬉しそうにしているシャレに、隣に居る二ネットは手で頭を押さえてやれやれと首を振っている。
「悪いですが、シャレ様と一緒にもう一度ステージにお登りください」
二ネットに言われてもう一度俺達はステージに登った。
俺達と試合をしたエルトン達は治療が必要だと判断されエルトン以外の者を医療担当のエルフ達がどこかへ運んで行った。
そしてエルトンは辛そうにしながらも他のエルフ達がいる場所まで移動していた。
「皆! 見てくれただろうか?!」
シャレが周りに問い掛ける。
「我々エルフ族の先鋭が相手をしても、この人間族のアトスと、その仲間達には手も足も出なかった!」
事実なのだが、その事を認めたくない者が殆どの様で俺に対する視線は先程と変わらない所か、自分達の先鋭がやられた事により、ますます怒りを買った様な……
「皆が、人間族に抱いている心情は私も分かる」
シャレの言葉に、エルフ達は顔をしかめる──シャレが過去に人間族にどういう扱いを受けたかは皆が知っている事の様だ。
「だが、人間族にも色々な者が居る──人間族全員が私達が思っている様な奴らでは無いと私は少し前に気付かされたんだ」
少し前とは、ドワーフの村での戦いだな。
「ここに居るアトスには何度も命を助けられた──なので、私はアトスの事を信じている!」
男の人間族が女のエルフを助けるなんて、どうせ下心があるはずだと、他のエルフは思っているのか、俺に対しての侮蔑の視線は変わらない。
そして、一人のエルフがシャレに問い掛ける。
「そこの三人は確かに強いのが分かったけど、人間族はただ立っていただけじゃねぇーかよ!」
「そうよ! そんな奴要らないわ──そこの三人組に手伝って貰いましょうよ!」
一人のエルフの言葉をきっかけに、結局は俺以外の三人だけに協力して貰おうという声があちこちから広がる。
「あはは──それじゃ大鎌さん私達は力を貸せないね」
「姉さんの言う通り、アトス様が居なければ私達は協力する気は無い」
「ほっほっほ。過去に色々あったのは分かりますが、アトス殿の人間性が分からないとは愚かですな」
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