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第8章
279話 ロピ武器のお披露目会
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「おはようーお兄さん!!」
まだ、朝早い時間にロピが勢い良く部屋の扉を開け放つ。
「──おう!? なんだ?!」
快適に眠っていたが、あまりにも大きな音にビックリして跳ね起きてしまう。
「朝だよー! 今日は出掛けるから早く起きて!」
「──出掛ける?」
「そうだよ! 今日は私の新しい武器のお披露目会しようと思ってね」
その言葉を聞いた瞬間に俺は直ぐにベットから出る。
「おー、今日やるのか?!」
「そう!」
「こうしちゃ居られない着替えるからチル達を起こしてくれ!」
「チルちゃんはもう起こしたから後はお兄さんだけだよー」
「よし、分かった──直ぐに準備する」
そう言って俺は服を脱ぎ始めるとロピは顔を赤くして部屋から急いで出て行く。
「あわあわ──お兄さんのバカ!」
「……年頃だな」
ちょっと前は一緒に寝てたし着替えも目の前でしてたのに、今は恥ずかしいのか、そう言う事をしなくなったな──まぁ偶に甘えて来る時はあるけど。
俺は時間を掛けながらも一人で着替えを済ます。
「俺も腕の無い日常に慣れて来たな」
右手で失った左腕を摩る仕草をする。
「よし、行くか!」
部屋を出ると丁度シャレと会う。まだ起きたばかりなのか目が開き切ってない様子だ。
「シャレおはよう」
「あぁ……アトス、早いな」
「これから、ロピの新武器の性能を見に行って来る」
「む? ──それは私も行きたかったな」
「来るか?」
「悪い、これから見回りをしないと行けないのだ。今度時間が空いた日に是非見せてくれ」
「あぁ。じゃ行ってくるな」
「気をつけるんだぞ」
外に出ると既に三人が居たので、ツリーハウスから地面に降りる。
「ふぅ……ここの登り降りはまだ少しキツイな」
右手だけで自身の体重を支えて木を降りるので相当な筋力を使う為下に降りた時には既に腕がパンパンになってしまう。
「お兄さん、大丈夫?」
「あぁ、少しずつ筋力を付けて行きたいと思う」
「お手伝いします」
「ありがとう」
少し休んでから俺達はエルフの村を出る。その間に見かけたエルフ達は俺を視認した瞬間にどこかに逃げてしまう。
「はぁ……」
「ほっほっほ。ショックですかな?」
「まぁーな……」
「私達は安心だよね、チルちゃん」
「うん。アトス様が鼻の下を伸ばす暇が無いから安心」
何やら笑顔で娘っ子二人組が言っている。
歩いて村を出た辺りで俺は気になっていた事を呟く。
「ロピ……それ、カッコいいな……」
「え? ──やっぱりそう思う?」
「あぁ、メチャクチャかっこいいぞ!」
「えへへ──実は私もそうだと思ってる」
ロピはまず背中に自身と同じくらいのスリングショットを背負う形で運んでいる。そして、次に今まで使っていたスリングショットである中くらいの大きさの物を直ぐに取りやすい位置である腰に装着していた。
「その胸のスリングショットもイカスぜ……」
そして最後に近接用にとトラクが作ってくれた小型のスリングショットを胸に装着していた。
「お兄さん、もっと褒めてもいいんだよ?」
俺に褒められたのが嬉しいのか、いつもより更に背筋を伸ばし威厳がある様に歩くロピであった。
「どう、チルちゃん?」
「姉さんはいつもカッコイイけど、その姿は一段とカッコイイ」
「あはははは──我最強なり!」
最愛の妹に褒められてロピの機嫌は絶好調である。だが流石ロピと言うか──続いてリガスの方をチラチラと見ている。
分かりやすい奴だな……
リガスは大人で紳士の為直ぐにロピの視線に気が付く。
「おや? ロピ殿どうされましたか──もしやお腹が減りましたかな?」
ニヤリと揶揄う様に笑うリガスにロピは口を膨らませて講義する。
「違うよー! そうじゃないでしょ!」
「ほっほっほ。済みません、とても素敵ですぞ?」
直ぐに謝り褒めたリガスにロピは満足そうに頷く。
「ふっふっふ。我無敵なり!」
全員に褒められ、ロピは完全に調子に乗った様で一人で先頭に立ちズンズンと前へ歩いて行く。
「さぁ、家来ども我に続くのだ──あははは」
そんなロピの後ろ姿を俺達は暖かい眼差しで見守る。
「ロピのメンタルって凄いよな」
「あんな風に調子乗っている姉さんも素敵だと思います」
「ほっほっほ。それにあながち間違っていませんな──遠距離や一撃の火力で言ったら最強なのでは?」
「あぁ、確かに。成長した中型ですら一撃で葬ったもんな……」
アレは凄かった……一体は一撃で倒して、もう一体は急所を外したとは言え瀕死状態まで追い込んだのは確かだからな。
「皆んなー、早く早く!」
俺達が止まって話し合っていた為、少し距離が空きロピが急かす様に手を振って来る。
「行こうぜ」
俺の言葉に再び歩き出す。
「もうー、皆んな遅いよ!」
「あはは、悪かったな」
「姉さんが早いだけ」
「そんな事無いもん!」
ロピは再び前を向き歩き出す。
「ロピ、この辺でいいんじゃないか?」
「え? ──そうかな?」
俺達は念の為周辺に誰か居ないか確認するがどうやら誰も居なそうだ。
「ふむ。誰も居ないのでここで大丈夫だと思いますぞ」
「よし、では私の武器の威力を披露しよう!」
まだ、朝早い時間にロピが勢い良く部屋の扉を開け放つ。
「──おう!? なんだ?!」
快適に眠っていたが、あまりにも大きな音にビックリして跳ね起きてしまう。
「朝だよー! 今日は出掛けるから早く起きて!」
「──出掛ける?」
「そうだよ! 今日は私の新しい武器のお披露目会しようと思ってね」
その言葉を聞いた瞬間に俺は直ぐにベットから出る。
「おー、今日やるのか?!」
「そう!」
「こうしちゃ居られない着替えるからチル達を起こしてくれ!」
「チルちゃんはもう起こしたから後はお兄さんだけだよー」
「よし、分かった──直ぐに準備する」
そう言って俺は服を脱ぎ始めるとロピは顔を赤くして部屋から急いで出て行く。
「あわあわ──お兄さんのバカ!」
「……年頃だな」
ちょっと前は一緒に寝てたし着替えも目の前でしてたのに、今は恥ずかしいのか、そう言う事をしなくなったな──まぁ偶に甘えて来る時はあるけど。
俺は時間を掛けながらも一人で着替えを済ます。
「俺も腕の無い日常に慣れて来たな」
右手で失った左腕を摩る仕草をする。
「よし、行くか!」
部屋を出ると丁度シャレと会う。まだ起きたばかりなのか目が開き切ってない様子だ。
「シャレおはよう」
「あぁ……アトス、早いな」
「これから、ロピの新武器の性能を見に行って来る」
「む? ──それは私も行きたかったな」
「来るか?」
「悪い、これから見回りをしないと行けないのだ。今度時間が空いた日に是非見せてくれ」
「あぁ。じゃ行ってくるな」
「気をつけるんだぞ」
外に出ると既に三人が居たので、ツリーハウスから地面に降りる。
「ふぅ……ここの登り降りはまだ少しキツイな」
右手だけで自身の体重を支えて木を降りるので相当な筋力を使う為下に降りた時には既に腕がパンパンになってしまう。
「お兄さん、大丈夫?」
「あぁ、少しずつ筋力を付けて行きたいと思う」
「お手伝いします」
「ありがとう」
少し休んでから俺達はエルフの村を出る。その間に見かけたエルフ達は俺を視認した瞬間にどこかに逃げてしまう。
「はぁ……」
「ほっほっほ。ショックですかな?」
「まぁーな……」
「私達は安心だよね、チルちゃん」
「うん。アトス様が鼻の下を伸ばす暇が無いから安心」
何やら笑顔で娘っ子二人組が言っている。
歩いて村を出た辺りで俺は気になっていた事を呟く。
「ロピ……それ、カッコいいな……」
「え? ──やっぱりそう思う?」
「あぁ、メチャクチャかっこいいぞ!」
「えへへ──実は私もそうだと思ってる」
ロピはまず背中に自身と同じくらいのスリングショットを背負う形で運んでいる。そして、次に今まで使っていたスリングショットである中くらいの大きさの物を直ぐに取りやすい位置である腰に装着していた。
「その胸のスリングショットもイカスぜ……」
そして最後に近接用にとトラクが作ってくれた小型のスリングショットを胸に装着していた。
「お兄さん、もっと褒めてもいいんだよ?」
俺に褒められたのが嬉しいのか、いつもより更に背筋を伸ばし威厳がある様に歩くロピであった。
「どう、チルちゃん?」
「姉さんはいつもカッコイイけど、その姿は一段とカッコイイ」
「あはははは──我最強なり!」
最愛の妹に褒められてロピの機嫌は絶好調である。だが流石ロピと言うか──続いてリガスの方をチラチラと見ている。
分かりやすい奴だな……
リガスは大人で紳士の為直ぐにロピの視線に気が付く。
「おや? ロピ殿どうされましたか──もしやお腹が減りましたかな?」
ニヤリと揶揄う様に笑うリガスにロピは口を膨らませて講義する。
「違うよー! そうじゃないでしょ!」
「ほっほっほ。済みません、とても素敵ですぞ?」
直ぐに謝り褒めたリガスにロピは満足そうに頷く。
「ふっふっふ。我無敵なり!」
全員に褒められ、ロピは完全に調子に乗った様で一人で先頭に立ちズンズンと前へ歩いて行く。
「さぁ、家来ども我に続くのだ──あははは」
そんなロピの後ろ姿を俺達は暖かい眼差しで見守る。
「ロピのメンタルって凄いよな」
「あんな風に調子乗っている姉さんも素敵だと思います」
「ほっほっほ。それにあながち間違っていませんな──遠距離や一撃の火力で言ったら最強なのでは?」
「あぁ、確かに。成長した中型ですら一撃で葬ったもんな……」
アレは凄かった……一体は一撃で倒して、もう一体は急所を外したとは言え瀕死状態まで追い込んだのは確かだからな。
「皆んなー、早く早く!」
俺達が止まって話し合っていた為、少し距離が空きロピが急かす様に手を振って来る。
「行こうぜ」
俺の言葉に再び歩き出す。
「もうー、皆んな遅いよ!」
「あはは、悪かったな」
「姉さんが早いだけ」
「そんな事無いもん!」
ロピは再び前を向き歩き出す。
「ロピ、この辺でいいんじゃないか?」
「え? ──そうかな?」
俺達は念の為周辺に誰か居ないか確認するがどうやら誰も居なそうだ。
「ふむ。誰も居ないのでここで大丈夫だと思いますぞ」
「よし、では私の武器の威力を披露しよう!」
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