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第7章
269話 ネークの考える未来
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私は小型達がデグ達の方に向かわない事を確認してから、スキルを発動させる。
「引き離すか」
足に力を入れて走り出すと周りの光景を置き去りにしているのでは無いかと言いたくなるくらいの速さが出た。
「まだ、慣れないな」
一瞬で小型達を引き離し、少しすると既に目視では確認出来ない程距離を稼げた。
「あそこか」
そして直ぐにネーク達が走っているのを確認した。
「待たせたな」
私がいきなり登場した事に全員が驚く様に目を見開いた。
「流石ですね。我々の全力でも直ぐに追い付かれましたか……」
「全てスキルのお陰だ」
「それで、デグ達は?」
「大丈夫だ。逃げ切るのを確認してからこちらに来た」
「そうですか」
表情は険しいが、ネークは安堵した様に一度口から息を吐いた。
それからも半日以上走り続けて小型を撒いた私達は現在休憩中である。
「それで、これからどうするつもりなんだ?」
私の質問にネークは一度考え込む様に目を瞑った。そして私同様他の者達も気になったのかネークの言葉を待つ。
「……一つ考えがあります」
「なんだ?」
ネークは全員の顔を見回した後に話す。
「人間族を滅ぼします」
その言葉に私は驚く。
「どう言う事だ?」
「もちろんコナの復讐というのもありますが、それ以外にも人間族は害悪です。我々だけでは無く他の種族も同様に人間族から酷い扱いを受けているんです」
ネークは徐々に声の大きさが増して来ているが本人は気が付いて無い様だ。
「良い人間族が居るのも分かります──ですが大多数の人間族は我々の様な他種族を家畜としか見ていません」
ネークの言葉は、あの村で住む様になってから私も何度か感じた。
「なので、そういう風習などを作り出した、現在人間族の王として君臨している、ラシェン王を殺します」
ネークは本気なのだろう、目を見ていて分かる。
「ガバイじゃ無くて人間族の王を殺すと言うのか?」
あまりにも無謀な事に思えた私は質問せずにはいられなかった。
「はい。人間族全体を滅ぼすより、そもそもの原因を排除したいと思います」
確かに王を殺す事で直ぐには無理かもしれないが、いずれは他種族に──またはデグ達に取って良い事に転がるかもしれない。
そして、私が探しているアトスと言う少年に取っても……
「そこでシク様にはお願いがあります。是非我々に協力して欲しいです。俺が考えた作戦にはシク様の存在が必要なんです!」
「何故私が必要なんだ?」
「シク様は獣人族でダブル持ちです。それだけで他の獣人族に声をかけた時に協力を得やすい」
なるほど、私の名を使って仲間を集めたいと言う訳か。私はどうするか悩んでいるとネークは更に畳み掛ける様にお願いを言ってくる。
「お願いします! 貴方の存在が無いとこれ以上仲間を増やす事が出来ません!」
ほぼ、土下座状態のネークを見て他の者達まで同じく私に向かっでは土下座を始める。
「土下座なんて止めろ」
「いえ、シク様が協力すると言ってくれるまでは辞めません!」
「「「「辞めません!」」」」
私は困った様にため息を吐く。どうする……? 協力するべきか……?
記憶が無い私にはどうしたら良いかと言う過去の判断材料が無い為困る。しかし先程も考えたが王を殺す事によって私と関わった人間が少しでも過ごしやすい世の中になるので有ればいいか……
「分かった……協力しよう」
私は難しい事をあまり考えず協力する事を伝える。すると、大喜びする様に一同は喜んだ。
「ありがとうございます! シク様が協力してくれるだけで、他の獣人族は集まります」
こうして私はまだ一度も会ったことのないアトスと言う少年やデグ達が少しでも今よりも幸せになればと言う気持ちで協力する事にした。
私自身は人間族に対してなんの恨みも持ってないが逆に恩義も持ってないので王が殺されようがされまいが関係無い。
「引き離すか」
足に力を入れて走り出すと周りの光景を置き去りにしているのでは無いかと言いたくなるくらいの速さが出た。
「まだ、慣れないな」
一瞬で小型達を引き離し、少しすると既に目視では確認出来ない程距離を稼げた。
「あそこか」
そして直ぐにネーク達が走っているのを確認した。
「待たせたな」
私がいきなり登場した事に全員が驚く様に目を見開いた。
「流石ですね。我々の全力でも直ぐに追い付かれましたか……」
「全てスキルのお陰だ」
「それで、デグ達は?」
「大丈夫だ。逃げ切るのを確認してからこちらに来た」
「そうですか」
表情は険しいが、ネークは安堵した様に一度口から息を吐いた。
それからも半日以上走り続けて小型を撒いた私達は現在休憩中である。
「それで、これからどうするつもりなんだ?」
私の質問にネークは一度考え込む様に目を瞑った。そして私同様他の者達も気になったのかネークの言葉を待つ。
「……一つ考えがあります」
「なんだ?」
ネークは全員の顔を見回した後に話す。
「人間族を滅ぼします」
その言葉に私は驚く。
「どう言う事だ?」
「もちろんコナの復讐というのもありますが、それ以外にも人間族は害悪です。我々だけでは無く他の種族も同様に人間族から酷い扱いを受けているんです」
ネークは徐々に声の大きさが増して来ているが本人は気が付いて無い様だ。
「良い人間族が居るのも分かります──ですが大多数の人間族は我々の様な他種族を家畜としか見ていません」
ネークの言葉は、あの村で住む様になってから私も何度か感じた。
「なので、そういう風習などを作り出した、現在人間族の王として君臨している、ラシェン王を殺します」
ネークは本気なのだろう、目を見ていて分かる。
「ガバイじゃ無くて人間族の王を殺すと言うのか?」
あまりにも無謀な事に思えた私は質問せずにはいられなかった。
「はい。人間族全体を滅ぼすより、そもそもの原因を排除したいと思います」
確かに王を殺す事で直ぐには無理かもしれないが、いずれは他種族に──またはデグ達に取って良い事に転がるかもしれない。
そして、私が探しているアトスと言う少年に取っても……
「そこでシク様にはお願いがあります。是非我々に協力して欲しいです。俺が考えた作戦にはシク様の存在が必要なんです!」
「何故私が必要なんだ?」
「シク様は獣人族でダブル持ちです。それだけで他の獣人族に声をかけた時に協力を得やすい」
なるほど、私の名を使って仲間を集めたいと言う訳か。私はどうするか悩んでいるとネークは更に畳み掛ける様にお願いを言ってくる。
「お願いします! 貴方の存在が無いとこれ以上仲間を増やす事が出来ません!」
ほぼ、土下座状態のネークを見て他の者達まで同じく私に向かっでは土下座を始める。
「土下座なんて止めろ」
「いえ、シク様が協力すると言ってくれるまでは辞めません!」
「「「「辞めません!」」」」
私は困った様にため息を吐く。どうする……? 協力するべきか……?
記憶が無い私にはどうしたら良いかと言う過去の判断材料が無い為困る。しかし先程も考えたが王を殺す事によって私と関わった人間が少しでも過ごしやすい世の中になるので有ればいいか……
「分かった……協力しよう」
私は難しい事をあまり考えず協力する事を伝える。すると、大喜びする様に一同は喜んだ。
「ありがとうございます! シク様が協力してくれるだけで、他の獣人族は集まります」
こうして私はまだ一度も会ったことのないアトスと言う少年やデグ達が少しでも今よりも幸せになればと言う気持ちで協力する事にした。
私自身は人間族に対してなんの恨みも持ってないが逆に恩義も持ってないので王が殺されようがされまいが関係無い。
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