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第7章
247話 村の案内
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「それじゃ、村を案内するからついて来てくれ」
俺はネークやコナの獣人族を引き連れて村を案内する為に歩き出す。
「なかなか広い村だね」
「あぁ、アタシらの住んでいた村より全然広い」
獣人達はキョロキョロと村を見回している。
「大分、村の人数も多くなって来たからな。急いで拡大中だ」
「デグ、この村では今、何人いるんだい?」
ネークの疑問にデグは頭の中で数え始めたが、途中で面倒くなったのか……
「お前ら入れたら百人は超えるな!」
デグの性格などをまだ知らない獣人族は驚いていたが、デグを知っている者達は違った。
「やっぱり、デグはバカだった……」
「はは、デグさんは私と同じで数字に弱いですよねー」
「レギュは、頭そのものが弱い……」
「あーん、酷い!」
「ふふ……冗談……」
クソ、ベムの奴好き放題言いやがって!
すると、コナが話し掛けて来る。
「凄い多いじゃないか!」
「あぁ。だが村人が増え始めたのはここ最近でな」
俺の言い方に少し疑問を持ったのかネークが呟く。
「何か問題でもあるのかい?」
俺は、ネーク達に伝えるか迷ったが先に伝えとかないと大変な事になりそうなので話す。
「村に来て貰って嬉しいが、非常に言い辛い事がある……」
「俺達を受け入れてくれたんだ、大抵の事は我慢するよ。言ってくれ」
ネークとコナの目を見て俺は話し始める。
「実は、この村では他種族を良く思っていない者もいるんだ」
俺の言った言葉に二人は顔を見合わせる。
「それはしょうがないさ」
「それくらい、アタシ達は覚悟して人間族の村に来たからね」
ネークもコナも苦笑いをする。
「だが、安心してくれ! 全村人では無いんだ」
「どういう事だい?」
「村の半分くらいはシクさんの事を快く受け止めている所か村長の俺より人気者だぜ!」
自分で言ってて少し落ち込むが本当の事である。
「はは、それは楽しみだね」
「あぁ! アタシらもそういう人間族とは是非仲良くなりたいね」
ネーク達、獣人族が笑顔で頷く。
「よし、なら後は大丈夫だ!」
こうして村をどんどん案内していく。その途中でやはり獣人族の集団というものは目立つ為村人が遠くからこちらに注目している。
「凄い、注目を受けているね」
「あぁ、アタシ達が珍しいのかね?」
村人の獣人族を見る目は様々である。
珍しそうに見る様な視線や好意的な視線などだが、一番多く感じた視線……それは憎悪の視線である。
憎悪の視線が一番感じられる方向を見てみると、そこにはガバイが立っていた。
これは、嫌な予感しかねぇーな……
「デグ、それで俺達が住む場所はどこら辺なんだい?」
「あ、あぁ……こっちだ」
人間族が多いエリアから離れて村の奥張った所に向かって足を動かす。
「区別しているみたいで悪いが、ここがネーク達が住む場所になる」
そこには大きな建物が一つ建っていて周りには何も無い場所である。
「いやいや、村に置いて貰えるだけじゃなくて、こんな立派な家と土地まで貰って良いのかい?」
ネーク以外は家に釘付けになっている。
「あ、あぁ……構わない……」
確かに土地は結構広いが、建物は一つである。それも、大人数が泊まれる様に広く作ってあるだけで、中は一切区切られて無い雑魚寝式だ……
「やったねネーク!」
「あぁ、これでゆっくり寝れる」
な、なんでそんなに喜んでいる……?
他の獣人族も家を見て喜んでいた。
「あ、あのよ? なんでそんなに喜んでいるんだ?」
「「え?」」
ネークとコナが不思議そうに首を傾げる。
「い、いや、中を見て貰って分かると思うけど区切りや仕切りが一切無いぜ?」
「あはは、そうか。俺達は今まで簡素な家を作って住んでいたんだよ」
「あぁ……なるほど」
この世界では基本二つの方法で家を建てる。
一つは簡易的な建物だ。殆どの村は簡易的な建物を建てる。それはどうしてかはモンスターが攻めて来たらネークやコナみたいに村を捨てないといけないからだ。
そして二つ目は永住型の立派な建物だ。こちらは簡易的なのとは違って木材などをシッカリと使用して建てる形になる。主に人間族の住処はこちらが支流になっている。
今回ネーク達に住んで貰う建物は、あまり機能性が良いものでは無いがシッカリとした永住型の建物になっている。
「逆にこんな立派な建物に住んで良いのかい?」
「あぁ、勿論だ。この村では永住型の建物を支流に作っている」
「それは凄い……」
「だから、ネーク達もそれぞれの家が欲しい場合は俺に言うか、もしくは自分達が建てる場合も永住型で作ってくれ」
聞いているのか、いないのか獣人族達は建物の中や周りを思い思いに探索している。
「デクさん、なんか喜んで貰って良かったッスね!」
「あぁ。ネーク達が住める場所だとここくらいしか無いからな」
様子を見ていると、早速荷物を広げて建物の中に入れ込んでいる。
「デグよ」
「はい?」
シクさんが話し掛けて来る。
「良い仕事をしたな」
「はは、ありがとうよシクさん!」
シクさんに褒められて嬉しくなった俺は更にお節介を焼いてやろうとネーク達の方に向かった。
「シク様、デクを褒める必要は無いです……」
「あはは、ベムさん焼き餅焼いているー!」
「ご飯抜き……」
「それは勘弁して下さい!」
こうして、獣人族総勢20人がこの村の住人になった……
俺はネークやコナの獣人族を引き連れて村を案内する為に歩き出す。
「なかなか広い村だね」
「あぁ、アタシらの住んでいた村より全然広い」
獣人達はキョロキョロと村を見回している。
「大分、村の人数も多くなって来たからな。急いで拡大中だ」
「デグ、この村では今、何人いるんだい?」
ネークの疑問にデグは頭の中で数え始めたが、途中で面倒くなったのか……
「お前ら入れたら百人は超えるな!」
デグの性格などをまだ知らない獣人族は驚いていたが、デグを知っている者達は違った。
「やっぱり、デグはバカだった……」
「はは、デグさんは私と同じで数字に弱いですよねー」
「レギュは、頭そのものが弱い……」
「あーん、酷い!」
「ふふ……冗談……」
クソ、ベムの奴好き放題言いやがって!
すると、コナが話し掛けて来る。
「凄い多いじゃないか!」
「あぁ。だが村人が増え始めたのはここ最近でな」
俺の言い方に少し疑問を持ったのかネークが呟く。
「何か問題でもあるのかい?」
俺は、ネーク達に伝えるか迷ったが先に伝えとかないと大変な事になりそうなので話す。
「村に来て貰って嬉しいが、非常に言い辛い事がある……」
「俺達を受け入れてくれたんだ、大抵の事は我慢するよ。言ってくれ」
ネークとコナの目を見て俺は話し始める。
「実は、この村では他種族を良く思っていない者もいるんだ」
俺の言った言葉に二人は顔を見合わせる。
「それはしょうがないさ」
「それくらい、アタシ達は覚悟して人間族の村に来たからね」
ネークもコナも苦笑いをする。
「だが、安心してくれ! 全村人では無いんだ」
「どういう事だい?」
「村の半分くらいはシクさんの事を快く受け止めている所か村長の俺より人気者だぜ!」
自分で言ってて少し落ち込むが本当の事である。
「はは、それは楽しみだね」
「あぁ! アタシらもそういう人間族とは是非仲良くなりたいね」
ネーク達、獣人族が笑顔で頷く。
「よし、なら後は大丈夫だ!」
こうして村をどんどん案内していく。その途中でやはり獣人族の集団というものは目立つ為村人が遠くからこちらに注目している。
「凄い、注目を受けているね」
「あぁ、アタシ達が珍しいのかね?」
村人の獣人族を見る目は様々である。
珍しそうに見る様な視線や好意的な視線などだが、一番多く感じた視線……それは憎悪の視線である。
憎悪の視線が一番感じられる方向を見てみると、そこにはガバイが立っていた。
これは、嫌な予感しかねぇーな……
「デグ、それで俺達が住む場所はどこら辺なんだい?」
「あ、あぁ……こっちだ」
人間族が多いエリアから離れて村の奥張った所に向かって足を動かす。
「区別しているみたいで悪いが、ここがネーク達が住む場所になる」
そこには大きな建物が一つ建っていて周りには何も無い場所である。
「いやいや、村に置いて貰えるだけじゃなくて、こんな立派な家と土地まで貰って良いのかい?」
ネーク以外は家に釘付けになっている。
「あ、あぁ……構わない……」
確かに土地は結構広いが、建物は一つである。それも、大人数が泊まれる様に広く作ってあるだけで、中は一切区切られて無い雑魚寝式だ……
「やったねネーク!」
「あぁ、これでゆっくり寝れる」
な、なんでそんなに喜んでいる……?
他の獣人族も家を見て喜んでいた。
「あ、あのよ? なんでそんなに喜んでいるんだ?」
「「え?」」
ネークとコナが不思議そうに首を傾げる。
「い、いや、中を見て貰って分かると思うけど区切りや仕切りが一切無いぜ?」
「あはは、そうか。俺達は今まで簡素な家を作って住んでいたんだよ」
「あぁ……なるほど」
この世界では基本二つの方法で家を建てる。
一つは簡易的な建物だ。殆どの村は簡易的な建物を建てる。それはどうしてかはモンスターが攻めて来たらネークやコナみたいに村を捨てないといけないからだ。
そして二つ目は永住型の立派な建物だ。こちらは簡易的なのとは違って木材などをシッカリと使用して建てる形になる。主に人間族の住処はこちらが支流になっている。
今回ネーク達に住んで貰う建物は、あまり機能性が良いものでは無いがシッカリとした永住型の建物になっている。
「逆にこんな立派な建物に住んで良いのかい?」
「あぁ、勿論だ。この村では永住型の建物を支流に作っている」
「それは凄い……」
「だから、ネーク達もそれぞれの家が欲しい場合は俺に言うか、もしくは自分達が建てる場合も永住型で作ってくれ」
聞いているのか、いないのか獣人族達は建物の中や周りを思い思いに探索している。
「デクさん、なんか喜んで貰って良かったッスね!」
「あぁ。ネーク達が住める場所だとここくらいしか無いからな」
様子を見ていると、早速荷物を広げて建物の中に入れ込んでいる。
「デグよ」
「はい?」
シクさんが話し掛けて来る。
「良い仕事をしたな」
「はは、ありがとうよシクさん!」
シクさんに褒められて嬉しくなった俺は更にお節介を焼いてやろうとネーク達の方に向かった。
「シク様、デクを褒める必要は無いです……」
「あはは、ベムさん焼き餅焼いているー!」
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