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第6章
228話 ロピとチルとリガス
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「ロピ、チル、リガス!!」
リガスを守る為に姉さんと一緒に中型と対峙していると、どこからかアトス様の声が聞こえた。
そして、その瞬間アトス様が中型に飛び付き調理用のナイフで攻撃をする姿が目に映った。
「アトス様!?」
「お、お兄さん何やっているの!?」
私達姉妹はいきなりアトス様が中型に飛び移る姿に動揺する。
「ね、姉さんどうすればいい!?」
「あわあわ……」
私も姉さんも何をすれば良いか分からずアトス様の様子を見る。
すると、中型が頭を振りアトス様を振り落とした。
「アトス様!?」
「お兄さん、大丈夫!?」
心配しているのも束の間、中型が再び私達を捕食しようと大きな口を開けて近付いて来る。
先程、攻撃担当で一斉に攻撃をしても傷一つ作る事が出来なかった相手に私は心の中では諦めを感じていた……
リガスを置いて逃げれば、この瞬間は助かるかもしれないけど、家族を置いて逃げるのは私の選択肢に無かった。
「姉さん……」
「な、なに!?」
「いつもありがとう……」
「……」
私の言葉を聞いて、姉さんがこちらを向く。そして、姉妹なのかお互い分かってしまう。
あぁ……姉さんは諦めて無いのか……流石お姉ちゃんだ……
すると、パチンと小さい音が響いた……
「諦めちゃダメ!!」
私は生まれて初めて姉に叩かれた……
すると、どこかでまたアトス様の声が聞こえた。
「まだまだ!!」
既に目の前には中型の口が迫って来ている。
「1……2……3……」
隣では姉さんが最後の最後まで諦めず攻撃の為のカウントを数えている。
だが、やっぱりこの状況をどうにか出来るとは思えない。
私はこれから自身に襲い掛かるであろう苦痛に耐える為に目を瞑る。
だが、次の瞬間!
急に強い衝撃を受けて私と姉さんとリガスは横に飛ばされてしまう。
え?! な、何が起きたの!?
状況についていけない私はリガスの声で現実に引き戻される。
「アトス殿!!」
今まで私達が居た場所にはアトス様が一人だけいた。
「え……?」
そして、アトス様は私達三人を見るとニコリと笑い次の瞬間中型の口がアトス様に覆いかぶさった……
「イヤッーーーーー!!」
私は何も考えられずに叫ぶ。
「4……5……フィンフショット!!」
横からバチバチと電気が流れる音が聞こえ、中型に向かって撃たれた。
姉さんの撃った雷弾は正確に中型の眼玉部分にヒットした。
すると、防御面が脆い箇所だったのか中型が急に暴れ回った。
「チルちゃんも攻撃しなさい!!」
姉さんが余裕の無い声色で指示をして来る。
「は、はい!」
私は直ぐにスキルを発動させて姉さんが狙った所とは逆の目に全力の拳を振り下ろす。
流石に成長した中型とは言え防御面の弱い箇所を狙われたら多少はダメージが入る様だ。
そして、私の攻撃により更に暴れ回り奇声を出し始めた。
その拍子に口からある者がこぼれ落ちる。
「お兄さん!」
「アトス様!」
「アトス殿!」
私達三人は全力で中型の口から落ちて来るアトス様をキャッチする。
「「「!?」」」
キャッチには成功したが、落ちて来たアトス様は無事では無かった。
「クッ……アトス殿……」
アトス様の体の一部を見て私は呟く。
「ア、アトス様の左腕が……」
中型の口から落ちて来たアトス様は左腕を失っていた……
「チルちゃん、お兄さんを運んで逃げるよ! 魔族さん動けそう!?」
「問題ありません!」
問題無いと言いつつ、リガスはヨロヨロである。
すると、又もやパチンと音が鳴ったと思ったら頬に痛みを感じた。
「ボーッとしない! まだお兄さんは死んで無い! だけど何か治療しないと死んじゃうの! チルちゃんはそれでいいの?!」
嫌だ!!
私は全力で首を左右に振る。
「なら、お兄さんを運んで私に付いて来て! 出来る?」
続いて、全力で首を縦に振る。
「ふふ、流石、私の妹だね」
そう言って姉は私の頭を一度優しく撫でた。
「中型は、今私達の事が見えてないから今の内に逃げるよ!」
未だ小型の包囲網が有り逃げ場は無いが、私は姉さんに言われた通りアトス様を丁寧に持ち上げると姉とリガスの後を追う。
「ロピ殿、一体どこに?」
「今は、お兄さんの怪我をどうにかしないと」
そんな事が出来るのか不安になる。アトス様はとても苦しそうな表情を浮かべているし、中型に喰い千切られた左腕からはダラダラと血が流れている。
「ね、姉さん。ア、アトス様が苦しそう」
姉さんは一度アトス様を見てから決断した様な表情をする。
「お兄さんには少し頑張って貰わないといけないかも」
そう言うと、私達は三班が集まっている場所に到着する。
「お、雷弾。無事だったか!?」
三班のメンバーの何人かが私達に気付き声を掛けた。
「アトスの奴どうしたんだよ!?」
皆が私が抱えているアトス様の左腕を見て驚愕する。
「私達三人を助ける為にお兄さんは……」
「そうか……」
アトス様が私達三人をとても大切にしている事を三班は全員知っている。
そして姉さんは何人か集めてアトス様の前に集合させた。
周囲を見ると、アトス様の左腕を食い千切った中型は未だに暴れていて、もう一体の中型はリンクスが連れてきた者達を追って遊んでいる様だ……
リガスを守る為に姉さんと一緒に中型と対峙していると、どこからかアトス様の声が聞こえた。
そして、その瞬間アトス様が中型に飛び付き調理用のナイフで攻撃をする姿が目に映った。
「アトス様!?」
「お、お兄さん何やっているの!?」
私達姉妹はいきなりアトス様が中型に飛び移る姿に動揺する。
「ね、姉さんどうすればいい!?」
「あわあわ……」
私も姉さんも何をすれば良いか分からずアトス様の様子を見る。
すると、中型が頭を振りアトス様を振り落とした。
「アトス様!?」
「お兄さん、大丈夫!?」
心配しているのも束の間、中型が再び私達を捕食しようと大きな口を開けて近付いて来る。
先程、攻撃担当で一斉に攻撃をしても傷一つ作る事が出来なかった相手に私は心の中では諦めを感じていた……
リガスを置いて逃げれば、この瞬間は助かるかもしれないけど、家族を置いて逃げるのは私の選択肢に無かった。
「姉さん……」
「な、なに!?」
「いつもありがとう……」
「……」
私の言葉を聞いて、姉さんがこちらを向く。そして、姉妹なのかお互い分かってしまう。
あぁ……姉さんは諦めて無いのか……流石お姉ちゃんだ……
すると、パチンと小さい音が響いた……
「諦めちゃダメ!!」
私は生まれて初めて姉に叩かれた……
すると、どこかでまたアトス様の声が聞こえた。
「まだまだ!!」
既に目の前には中型の口が迫って来ている。
「1……2……3……」
隣では姉さんが最後の最後まで諦めず攻撃の為のカウントを数えている。
だが、やっぱりこの状況をどうにか出来るとは思えない。
私はこれから自身に襲い掛かるであろう苦痛に耐える為に目を瞑る。
だが、次の瞬間!
急に強い衝撃を受けて私と姉さんとリガスは横に飛ばされてしまう。
え?! な、何が起きたの!?
状況についていけない私はリガスの声で現実に引き戻される。
「アトス殿!!」
今まで私達が居た場所にはアトス様が一人だけいた。
「え……?」
そして、アトス様は私達三人を見るとニコリと笑い次の瞬間中型の口がアトス様に覆いかぶさった……
「イヤッーーーーー!!」
私は何も考えられずに叫ぶ。
「4……5……フィンフショット!!」
横からバチバチと電気が流れる音が聞こえ、中型に向かって撃たれた。
姉さんの撃った雷弾は正確に中型の眼玉部分にヒットした。
すると、防御面が脆い箇所だったのか中型が急に暴れ回った。
「チルちゃんも攻撃しなさい!!」
姉さんが余裕の無い声色で指示をして来る。
「は、はい!」
私は直ぐにスキルを発動させて姉さんが狙った所とは逆の目に全力の拳を振り下ろす。
流石に成長した中型とは言え防御面の弱い箇所を狙われたら多少はダメージが入る様だ。
そして、私の攻撃により更に暴れ回り奇声を出し始めた。
その拍子に口からある者がこぼれ落ちる。
「お兄さん!」
「アトス様!」
「アトス殿!」
私達三人は全力で中型の口から落ちて来るアトス様をキャッチする。
「「「!?」」」
キャッチには成功したが、落ちて来たアトス様は無事では無かった。
「クッ……アトス殿……」
アトス様の体の一部を見て私は呟く。
「ア、アトス様の左腕が……」
中型の口から落ちて来たアトス様は左腕を失っていた……
「チルちゃん、お兄さんを運んで逃げるよ! 魔族さん動けそう!?」
「問題ありません!」
問題無いと言いつつ、リガスはヨロヨロである。
すると、又もやパチンと音が鳴ったと思ったら頬に痛みを感じた。
「ボーッとしない! まだお兄さんは死んで無い! だけど何か治療しないと死んじゃうの! チルちゃんはそれでいいの?!」
嫌だ!!
私は全力で首を左右に振る。
「なら、お兄さんを運んで私に付いて来て! 出来る?」
続いて、全力で首を縦に振る。
「ふふ、流石、私の妹だね」
そう言って姉は私の頭を一度優しく撫でた。
「中型は、今私達の事が見えてないから今の内に逃げるよ!」
未だ小型の包囲網が有り逃げ場は無いが、私は姉さんに言われた通りアトス様を丁寧に持ち上げると姉とリガスの後を追う。
「ロピ殿、一体どこに?」
「今は、お兄さんの怪我をどうにかしないと」
そんな事が出来るのか不安になる。アトス様はとても苦しそうな表情を浮かべているし、中型に喰い千切られた左腕からはダラダラと血が流れている。
「ね、姉さん。ア、アトス様が苦しそう」
姉さんは一度アトス様を見てから決断した様な表情をする。
「お兄さんには少し頑張って貰わないといけないかも」
そう言うと、私達は三班が集まっている場所に到着する。
「お、雷弾。無事だったか!?」
三班のメンバーの何人かが私達に気付き声を掛けた。
「アトスの奴どうしたんだよ!?」
皆が私が抱えているアトス様の左腕を見て驚愕する。
「私達三人を助ける為にお兄さんは……」
「そうか……」
アトス様が私達三人をとても大切にしている事を三班は全員知っている。
そして姉さんは何人か集めてアトス様の前に集合させた。
周囲を見ると、アトス様の左腕を食い千切った中型は未だに暴れていて、もう一体の中型はリンクスが連れてきた者達を追って遊んでいる様だ……
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