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第6章
223話 シャレとリンクスの逃げる先とは?
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小型と距離を取るように離れる。
「ここまで、戦い難い小型は初めてだな……」
今までとは動き方からして違う……本当に小型なのか?
すると、また小型が突っ込んで来て攻撃をしてくる。一度目を避けて距離を取ろうとしても詰めて来る為、常に小型の攻撃範囲にいる状態である。
「なんて戦い辛いんだ。これじゃ防戦一方だ!」
小型の攻撃を上手く受け流しても直ぐに連続で次の攻撃をして来る為、攻撃を挟む暇が無い……
「シャレよ、何しているのだ! 先程の様に攻撃をしろ!」
リンクスの言っている事は正しいが、小型は隙を見せない。
元々、戦いの時は常に攻撃担当であった私は防御が上手く無い。
だが、今までの小型はそもそも連続攻撃などをして来なかった為、私でも何とかなっていた。
しかし、こうも連続して攻撃をされると受け流すのも大変だ。
私は徐々に体勢を崩されていく。
「不味い!?」
何度目かの攻撃を大鎌で受けた際に身体が大きく崩れたのを感じた。そして小型は既に次の攻撃体勢に入っており、尻尾が私の目の前まで迫っている。
なんとか、大鎌だけは身体の前に持っていくが恐らく、この攻撃を受けたら動けなくなるだろう。
あーぁ。どうせモンスターに捕食されるなら、人間族を殺しとけば良かった……
自分でも物騒な事を考えているのは分かるが、やはり昔の出来事を忘れられる訳も無かった。そして、もう一つ頭に浮かんで来たのはトラクの存在であった。
私が死んだら悲しむだろうな……
「ヒィィィ」
横目でリンクスを見ると、又もや腰を抜かしたのか地面に這いつくばる様にして私と小型から距離を取る様に移動している。
そして、小型の尻尾が私に直撃し飛ばされる。何の因果か飛ばされた先には地面を這いつくばっているリンクスが居た。
「ヒィィィ……に、逃げないと……」
私が飛ばされて来て、次は自分だと思ったのかリンクスは必死に移動する。
「はは、最後にコイツだけでも殺しとくかな……」
私は大鎌を持つ方の腕に力を入れて、そのままリンクスに向かって振る。
「こ、殺さないでくれ!!」
手を顔の前に掲げて少しでも身を守る行動を反射的にしながら、リンクスは叫ぶ。
「?」
声に反応した訳では無いが私はリンクスの顔面ギリギリでピタリと大鎌を止める。
「なんだ……身体が動くぞ……?」
私は直ぐに身体の損傷を確かめるべく立ち上がると、痛みはあるものの動けない程では無く、肩や脚なども動かして確認してみるが、問題無く動く事に驚愕する。
「な、何が起きているんだ……?」
確かに小型の攻撃を喰らい、私は飛ばされた筈なのに、何故か身体が問題無く動く。
「大鎌で多少ダメージを軽減したとは言えあり得ない……」
何が何やら分からない状態であるが、小型からしたら関係無い為、直ぐに攻撃を仕掛けて来る。
「とにかく今はこの状況を切り抜けるのが先だな」
私は再度大鎌を構えて小型と対峙する。先程と同じく小型の猛攻が始まり、大鎌で受け流し出来るだけ自身の腕に負担が掛からないようにしているが、やはり何度目かの攻撃を受け流す事が出来ずに又もや小型の攻撃が直撃する。
「クッ……またか……?!」
遠くに飛ばされたが、直ぐに立ち上がる事が出来た。先程よりは身体に痛みが残っている気がするが、それは単純にダメージが蓄積されているのだろう。
「これなら、少し大胆に攻めてみてもいいかもしれない……」
私は全身に力を入れて、次は私から攻めてみる。
「シャレよ、早く倒すのだ!」
私がまだ動ける事を知るとリンクスはその場に留まり戦闘に対して口を出してくる。
「簡単に言ってくれる……」
私はスキルで大鎌の斬れ味を強化し、思いっきり振り斬る。
「なんだ!?」
小型を斬り付けると、先程よりもかなり深く大鎌の刃が小型に食い込むのを感じた。
小型もかなり食い込んでいる為、とても効いているのか暴れ回る。
「何が起きているんだ?」
一度小型から距離を取り、自身の身体を見回すと赤く淡い光が私の身体を包み込む様にして光っていた。
「シャ、シャレ、また来たぞ!」
リンクスの言葉に反応して直ぐに頭を切り替えて小型の様子を見る。
「しつこい……」
気になる事は沢山あるが、いまいち戦闘に集中出来なくなるので、一度頭の中を空っぽにする。
「次で決める……」
私は思いっきり踏み込み、小型とのすれ違い様に先程刃を深く入れた箇所と同じ所にもう一度大鎌の刃を入れ込む。
「おー!? シャレよやるではないか!」
頑丈な小型でも、あれ程深く刃を入れ込まれるのは耐えられなかったのか、地面に倒れ込んだ。
「ここまで、小型一体に苦戦したのは初めてだな……」
普段なら、息も上がらずに倒せていたが、今回はボロボロである。
「あの、謎の力が無かったら食われていた……」
想像するだけで恐ろしい。今回の戦闘では全くと言っていい程、小型に歯が立たなかった。
いつもの様に小型に攻撃しても全く効かない上に何度も攻撃を直撃してしまったな……
「シャレ、早く逃げるぞ!」
リンクスはキョロキョロと周囲を見回し警戒している。
「あぁ。そうだな」
「どこに逃げる?!」
私は戦場を見回す。
「あそこに行くしか無さそうだ……」
私の目線には雷弾達が写っていた……
「ここまで、戦い難い小型は初めてだな……」
今までとは動き方からして違う……本当に小型なのか?
すると、また小型が突っ込んで来て攻撃をしてくる。一度目を避けて距離を取ろうとしても詰めて来る為、常に小型の攻撃範囲にいる状態である。
「なんて戦い辛いんだ。これじゃ防戦一方だ!」
小型の攻撃を上手く受け流しても直ぐに連続で次の攻撃をして来る為、攻撃を挟む暇が無い……
「シャレよ、何しているのだ! 先程の様に攻撃をしろ!」
リンクスの言っている事は正しいが、小型は隙を見せない。
元々、戦いの時は常に攻撃担当であった私は防御が上手く無い。
だが、今までの小型はそもそも連続攻撃などをして来なかった為、私でも何とかなっていた。
しかし、こうも連続して攻撃をされると受け流すのも大変だ。
私は徐々に体勢を崩されていく。
「不味い!?」
何度目かの攻撃を大鎌で受けた際に身体が大きく崩れたのを感じた。そして小型は既に次の攻撃体勢に入っており、尻尾が私の目の前まで迫っている。
なんとか、大鎌だけは身体の前に持っていくが恐らく、この攻撃を受けたら動けなくなるだろう。
あーぁ。どうせモンスターに捕食されるなら、人間族を殺しとけば良かった……
自分でも物騒な事を考えているのは分かるが、やはり昔の出来事を忘れられる訳も無かった。そして、もう一つ頭に浮かんで来たのはトラクの存在であった。
私が死んだら悲しむだろうな……
「ヒィィィ」
横目でリンクスを見ると、又もや腰を抜かしたのか地面に這いつくばる様にして私と小型から距離を取る様に移動している。
そして、小型の尻尾が私に直撃し飛ばされる。何の因果か飛ばされた先には地面を這いつくばっているリンクスが居た。
「ヒィィィ……に、逃げないと……」
私が飛ばされて来て、次は自分だと思ったのかリンクスは必死に移動する。
「はは、最後にコイツだけでも殺しとくかな……」
私は大鎌を持つ方の腕に力を入れて、そのままリンクスに向かって振る。
「こ、殺さないでくれ!!」
手を顔の前に掲げて少しでも身を守る行動を反射的にしながら、リンクスは叫ぶ。
「?」
声に反応した訳では無いが私はリンクスの顔面ギリギリでピタリと大鎌を止める。
「なんだ……身体が動くぞ……?」
私は直ぐに身体の損傷を確かめるべく立ち上がると、痛みはあるものの動けない程では無く、肩や脚なども動かして確認してみるが、問題無く動く事に驚愕する。
「な、何が起きているんだ……?」
確かに小型の攻撃を喰らい、私は飛ばされた筈なのに、何故か身体が問題無く動く。
「大鎌で多少ダメージを軽減したとは言えあり得ない……」
何が何やら分からない状態であるが、小型からしたら関係無い為、直ぐに攻撃を仕掛けて来る。
「とにかく今はこの状況を切り抜けるのが先だな」
私は再度大鎌を構えて小型と対峙する。先程と同じく小型の猛攻が始まり、大鎌で受け流し出来るだけ自身の腕に負担が掛からないようにしているが、やはり何度目かの攻撃を受け流す事が出来ずに又もや小型の攻撃が直撃する。
「クッ……またか……?!」
遠くに飛ばされたが、直ぐに立ち上がる事が出来た。先程よりは身体に痛みが残っている気がするが、それは単純にダメージが蓄積されているのだろう。
「これなら、少し大胆に攻めてみてもいいかもしれない……」
私は全身に力を入れて、次は私から攻めてみる。
「シャレよ、早く倒すのだ!」
私がまだ動ける事を知るとリンクスはその場に留まり戦闘に対して口を出してくる。
「簡単に言ってくれる……」
私はスキルで大鎌の斬れ味を強化し、思いっきり振り斬る。
「なんだ!?」
小型を斬り付けると、先程よりもかなり深く大鎌の刃が小型に食い込むのを感じた。
小型もかなり食い込んでいる為、とても効いているのか暴れ回る。
「何が起きているんだ?」
一度小型から距離を取り、自身の身体を見回すと赤く淡い光が私の身体を包み込む様にして光っていた。
「シャ、シャレ、また来たぞ!」
リンクスの言葉に反応して直ぐに頭を切り替えて小型の様子を見る。
「しつこい……」
気になる事は沢山あるが、いまいち戦闘に集中出来なくなるので、一度頭の中を空っぽにする。
「次で決める……」
私は思いっきり踏み込み、小型とのすれ違い様に先程刃を深く入れた箇所と同じ所にもう一度大鎌の刃を入れ込む。
「おー!? シャレよやるではないか!」
頑丈な小型でも、あれ程深く刃を入れ込まれるのは耐えられなかったのか、地面に倒れ込んだ。
「ここまで、小型一体に苦戦したのは初めてだな……」
普段なら、息も上がらずに倒せていたが、今回はボロボロである。
「あの、謎の力が無かったら食われていた……」
想像するだけで恐ろしい。今回の戦闘では全くと言っていい程、小型に歯が立たなかった。
いつもの様に小型に攻撃しても全く効かない上に何度も攻撃を直撃してしまったな……
「シャレ、早く逃げるぞ!」
リンクスはキョロキョロと周囲を見回し警戒している。
「あぁ。そうだな」
「どこに逃げる?!」
私は戦場を見回す。
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