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第6章
213話 生きる希望
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「リーダーさん、どう? お兄さん居たー?」
「いえ、まだアトスさんの気配は感じられませんね」
現在、私達は変異体に追われながらアトス様を探している。
「リガス、変異体の様子は?」
「ふむ。特に変わった様子は有りませんな」
変異体は時折トゲを飛ばして来るが私達に対してはあまり意味が無いと分かったのか、最初程は飛ばして来なくなった。
「スピードはそこまで無いのが救いですな」
「だけど、何か考えてそう……」
このままなら追いつかれる事は無いが結局体力の差でいずれは追い付かれてしまうだろう。
「ん?」
マーズが何かを察知した様だ。
「お兄さん、見つけた!?」
「いえ、どうやらフィールさん達の様です」
暫く移動すると、体力温存組であるフィール達と合流した。
「雷弾達無事だったか!」
「うん! しっかり変異体を連れてきたよー」
マーズは変異体が遠距離攻撃を仕掛けて来る事を素早く報告して注意喚起を行う。
また、変異体の方も新しい人間が加わった事が分かったのか、また遠距離攻撃を再開した。
「うぉ!?」
いきなり飛んできたトゲに慌てながら避けるフィール達。最初は逃げながら後ろの攻撃を避けるのに戸惑っていたが暫くすると、それも慣れたのか今では特に問題無く会話をしている。
「それじゃ、後はこのままアトスの所まで行けばいいのか?」
「えぇ。今アトスさんを探しています」
マーズは先頭に移動しアトス様を探している。
「斥候さん、お兄さんの足音聞こえるー?」
「いや、まだアトスらしき足音は聞こえねぇ」
斥候も手を耳にあてながらアトス様を探している様だ。
「アトス様は絶対生きている……」
「ほっほっほ。アトス殿が簡単に死ぬはず有りませんな」
「アトス様は最強だから」
リガスと話しているとマーズはまたもや何かに反応する。
「誰かがこちらに来ますね」
「お、お兄さんかな?!」
「そこまでは分かりませんが、行ってみましょう」
私達は移動を続けると三人の人間がこちらに走って来るのが見える。
「お、おい。アイツらアトスが助けようとしていた奴らだぞ!」
フィールは両手を上げてこちらの存在をアピールするが、後ろに変異体がいる時点で、こちらには既に気付いているだろう。
私達は三人と合流する。
「ねぇ! お兄さんはどこ!?」
姉さんは直ぐにアトス様の確認を行う。
「わ、悪い……アトスは俺達を助ける為に一人でモンスターを惹きつけて逃げている」
「は、早く。後ろの変異体をアトスの所に連れていかねぇーと!」
「アイツは生きている! 俺達の為に囮になったんだ、早くアイツの所に!」
アトス様はどうやら一人で、あの大群を惹きつけている様だ。
「ほっほっほ。本当になんてお方だ」
「リガス、笑い事じゃない。でも本当に流石アトス様です」
「二人共! 早くお兄さん助けに行くよ!!」
私とリガスは姉さんに手を引かれて移動スピードを少し上げる。
「では、アトスさんは向こうの方に行かれたんですね?」
「あぁ。なんか変な玉みたいなのを持っていたが……もしかして……?」
「えぇ。以前に一つだけ例の玉をお渡ししていたのですが、恐らくそれを使用してモンスター達の注意を惹いたんでしょう」
マーズがこれまでの状況を三人から聞き取っている様だ。
「お兄さん流石だよねー。あの三人の目見た? 全然違うよね!」
「うん! 私も見たよ。アトス様が三人に希望を与えたんだよ!」
足を止めた時は、体力的にも気持ち的にも絶望だった為か、三人は諦め、目に光が宿って居なかった。
だが、今はどうだろう? 必死にアトス様を助ける為に情報をマーズに伝えている目には光が……希望が宿っている様に見える。
「「私達の時と同じ!!」」
以前の私達も希望や生きる意味を持てず、ただ毎日を生きていただけであった。だがアトス様と出会い、生きる意味と楽しさを教えて貰った。
「チルちゃん、魔族さん、お兄さんを絶対助けようね!」
「うん!」
「皆んなで家に帰りましょう」
そして、暫くするとマーズと斥候が同時に反応する。
「居ましたね」
「見つけたぜ!」
どうやら、モンスターの大群を見つけた様だ。
「お兄さんは無事?!」
「恐らく、このスピードで移動しているので先頭にアトスさんがいる筈です」
まだ、目視出来ていないが私達でも気配を感じる程には近付いて来た。
そして、私達を追っている変異体も気が付いているのか、先程よりもスピードが少しずつ上がってきている。
「ッチ、なんか変異体のスピードが上がってきたな」
「オイラ、流石に疲れてきた……」
「皆さん、頑張って下さい! あと少しでアトスさんと合流出来ます!!」
マーズの声により一層三班に気合が入る。
「アトス、待っててくれよ!」
「俺達を助けてくれたお礼をまだしてないんだ。絶対死ぬなよ……」
「アトスを絶対助ける!」
アトス様に助けられた三人は他の者よりも更に気合が入っている様だ。
「それでは皆さん、移動速度を早めて、変異体とモンスター達を合流させます!!」
「「「「「「「おう!」」」」」」」」
こうして、私達はモンスターの大群に向かいスピードを上げた。
「いえ、まだアトスさんの気配は感じられませんね」
現在、私達は変異体に追われながらアトス様を探している。
「リガス、変異体の様子は?」
「ふむ。特に変わった様子は有りませんな」
変異体は時折トゲを飛ばして来るが私達に対してはあまり意味が無いと分かったのか、最初程は飛ばして来なくなった。
「スピードはそこまで無いのが救いですな」
「だけど、何か考えてそう……」
このままなら追いつかれる事は無いが結局体力の差でいずれは追い付かれてしまうだろう。
「ん?」
マーズが何かを察知した様だ。
「お兄さん、見つけた!?」
「いえ、どうやらフィールさん達の様です」
暫く移動すると、体力温存組であるフィール達と合流した。
「雷弾達無事だったか!」
「うん! しっかり変異体を連れてきたよー」
マーズは変異体が遠距離攻撃を仕掛けて来る事を素早く報告して注意喚起を行う。
また、変異体の方も新しい人間が加わった事が分かったのか、また遠距離攻撃を再開した。
「うぉ!?」
いきなり飛んできたトゲに慌てながら避けるフィール達。最初は逃げながら後ろの攻撃を避けるのに戸惑っていたが暫くすると、それも慣れたのか今では特に問題無く会話をしている。
「それじゃ、後はこのままアトスの所まで行けばいいのか?」
「えぇ。今アトスさんを探しています」
マーズは先頭に移動しアトス様を探している。
「斥候さん、お兄さんの足音聞こえるー?」
「いや、まだアトスらしき足音は聞こえねぇ」
斥候も手を耳にあてながらアトス様を探している様だ。
「アトス様は絶対生きている……」
「ほっほっほ。アトス殿が簡単に死ぬはず有りませんな」
「アトス様は最強だから」
リガスと話しているとマーズはまたもや何かに反応する。
「誰かがこちらに来ますね」
「お、お兄さんかな?!」
「そこまでは分かりませんが、行ってみましょう」
私達は移動を続けると三人の人間がこちらに走って来るのが見える。
「お、おい。アイツらアトスが助けようとしていた奴らだぞ!」
フィールは両手を上げてこちらの存在をアピールするが、後ろに変異体がいる時点で、こちらには既に気付いているだろう。
私達は三人と合流する。
「ねぇ! お兄さんはどこ!?」
姉さんは直ぐにアトス様の確認を行う。
「わ、悪い……アトスは俺達を助ける為に一人でモンスターを惹きつけて逃げている」
「は、早く。後ろの変異体をアトスの所に連れていかねぇーと!」
「アイツは生きている! 俺達の為に囮になったんだ、早くアイツの所に!」
アトス様はどうやら一人で、あの大群を惹きつけている様だ。
「ほっほっほ。本当になんてお方だ」
「リガス、笑い事じゃない。でも本当に流石アトス様です」
「二人共! 早くお兄さん助けに行くよ!!」
私とリガスは姉さんに手を引かれて移動スピードを少し上げる。
「では、アトスさんは向こうの方に行かれたんですね?」
「あぁ。なんか変な玉みたいなのを持っていたが……もしかして……?」
「えぇ。以前に一つだけ例の玉をお渡ししていたのですが、恐らくそれを使用してモンスター達の注意を惹いたんでしょう」
マーズがこれまでの状況を三人から聞き取っている様だ。
「お兄さん流石だよねー。あの三人の目見た? 全然違うよね!」
「うん! 私も見たよ。アトス様が三人に希望を与えたんだよ!」
足を止めた時は、体力的にも気持ち的にも絶望だった為か、三人は諦め、目に光が宿って居なかった。
だが、今はどうだろう? 必死にアトス様を助ける為に情報をマーズに伝えている目には光が……希望が宿っている様に見える。
「「私達の時と同じ!!」」
以前の私達も希望や生きる意味を持てず、ただ毎日を生きていただけであった。だがアトス様と出会い、生きる意味と楽しさを教えて貰った。
「チルちゃん、魔族さん、お兄さんを絶対助けようね!」
「うん!」
「皆んなで家に帰りましょう」
そして、暫くするとマーズと斥候が同時に反応する。
「居ましたね」
「見つけたぜ!」
どうやら、モンスターの大群を見つけた様だ。
「お兄さんは無事?!」
「恐らく、このスピードで移動しているので先頭にアトスさんがいる筈です」
まだ、目視出来ていないが私達でも気配を感じる程には近付いて来た。
そして、私達を追っている変異体も気が付いているのか、先程よりもスピードが少しずつ上がってきている。
「ッチ、なんか変異体のスピードが上がってきたな」
「オイラ、流石に疲れてきた……」
「皆さん、頑張って下さい! あと少しでアトスさんと合流出来ます!!」
マーズの声により一層三班に気合が入る。
「アトス、待っててくれよ!」
「俺達を助けてくれたお礼をまだしてないんだ。絶対死ぬなよ……」
「アトスを絶対助ける!」
アトス様に助けられた三人は他の者よりも更に気合が入っている様だ。
「それでは皆さん、移動速度を早めて、変異体とモンスター達を合流させます!!」
「「「「「「「おう!」」」」」」」」
こうして、私達はモンスターの大群に向かいスピードを上げた。
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