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第6章
185話 水場での出来事 2
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「どんどん集まって来ます」
「あぁ、どんだけこのジャングル付近にいるんだよ……」
チルの言う通り、モンスター達はどんどんと集まり今では目算で五十体は居るのでは無いかと言うばかりにモンスターが集まっていた。
「うへー、こんなに居たら、百人ぐらい集めても討伐出来ないんじゃないのー?」
確かに、この数を安全に全滅させると言うのなら、かなりの人数が必要になるな。
「ふむ。これは奥に進むと更に増えそうですな……」
リガスの言葉にチルが反応する。
「でも、その先に宝が……」
「どれくらい奥に進めば有るのかなー?」
リンクスが望んでいる宝がこの先にあると言う。それは御伽話みたい話だが、マーズが言うには、宝は確かにあるらしい。
宝とは形ある物かすら分からず、ドワーフの村で知られている言い伝えでは、その者が願う物が手に入ると聞く。
「本当かよ……」
まぁ、今は宝より命が大事だな。
モンスターの動向に気を付けながら俺達は木の上を移動する。
移動時に下を向くとモンスター達は湖に向かって一直線に進んでおり今の所モンスターに気付かれる様子は無い。
「私達に気付いて無いね」
「流石に沢山仲間が居て俺達の気配が読めないのかもな」
モンスターの中にも人間と同じで気配を読むのが上手い個体がいるので、もしかしたらこの中の何体かは俺達の存在に気が付いている奴がいるかもな。
ただ、この大行軍の中を止まったら幾らモンスターと言えど他の個体達に押し潰されてしまうだろう。
俺は前方を進むロピの後についていく様に木に飛び移った。
「うわ……木に飛び移るの怖いな」
木から木に飛び越えて移動しているが、なかなかスリリングである。もし足を滑らせたりして、落ちたらあっという間に圧死するな。
そういえば、シクは地面を移動するより木の上を移動した方が早いとか言ってたな……。
今思うとシクはモンスターから逃げる手段を豊富に持っていた。
「お兄さん早くー」
「アトス様、少し休憩しますか?」
「なんでお前達そんなに早く移動出来るんだよ……」
「うーん、慣れかな?」
最初の方は俺と同様辿々しい感じで木の上を移動していたのにな……
やはり、同じ獣人族なのかロピとチルは木の上での移動が早い。リガスは言うまでも無く早かった。
「俺達、人間族はやっぱり身体能力では他種族に勝てそうにねぇーな」
「だな。流石はあの三人だ」
「俺も、あの中のメンバーなんだがな……」
斥候と遠距離担当が、残念そうに俺を見てくる。
「お、俺はサポート特化なんだよ」
「サポートとか言ってるけど信じられねぇーな」
「まず、二つ名からして怪しいしな」
「あ、あれは商人共がちゃんと説明してなかっただけで!」
俺を含めた人間族の三人は少し遅れながらも付いていく。
「あの三人に比べたら、身軽が売りの俺ですらこのザマだから凹むぜ……」
身軽な斥候ですら、木の移動はした事が無いのか危なげに飛び移っていた。
暫く移動していると、モンスターが木の下を通る事も無くなった為、地面に降りて移動する。
「ふぅ……ヒヤヒヤしたねー」
「いつ気付かれるか怖かったな」
俺とロピは無事にモンスター達を撒けた事に安堵する。
「せめて一体くらいは倒したかったです」
「ふむ。物足りなさを感じますな」
逆にチルとリガスは釈然としない表情で今来た道を見ていた。
なんで、この二人はいつも戦闘を求めているんだよ……。
「と、とりあえず、住処に戻ろうぜ?」
斥候は俺とロピ派なのかモンスターとはいち早く離れたいらしい。
「住処までまだ距離はありそうか?」
「あぁ。変なルートで逃げて来たからな、住処はまだ遠い、すまねぇ」
斥候として逃げる道を決めていた為、申し訳なさそうにしている。
「いや、あれはしょうがない」
「そうですぞ? 貴方が最善のルートを選んだお陰で一度も戦闘になりませんでしたからな」
「斥候さんは、十分仕事をしているよ!」
「へへ、ありがとよ」
皆んなからの言葉を聞き照れ臭そうにしていた。
「貴方の能力はとても凄い。私もアトス様の為に身に付けたい能力だった……」
「へへ、剛腕こそ他の人じゃ出来ねぇー事が出来るんだし羨ましいぜ」
「ほっほっほ。ここに居る皆んなが凄いって事ですな」
リガスの言葉に皆んなが笑顔で頷く。
すると、斥候は何か感づいたのか全員に静かにする様、手でジェスチャーをする。
「ッチ、少々不味いな」
「どうした?」
「湖に居たモンスター達が水を飲み終わったのか、またバラバラに移動を始めやがった」
「こっちには来ているのか?」
耳に手を当て周囲の音を拾っている斥候が苦虫を噛む。
「それがよ、数が多過ぎてさっきからモンスターの気配が分かり辛いんだ」
その言葉にロピとチル、リガスも頷く。
「私も、さっきから気配が多過ぎて読み間違える」
「私もです」
「ここまで多いと距離感も狂いますな」
俺は最後の頼みの綱であるリガスに視線を向けるが、首を横に振られた。
気配が多過ぎると、こういう事もあるのか……。
そこからは、更に警戒心を高めて移動するが、努力の結果も虚しく俺達はモンスターと遭遇してしまった……。
「あぁ、どんだけこのジャングル付近にいるんだよ……」
チルの言う通り、モンスター達はどんどんと集まり今では目算で五十体は居るのでは無いかと言うばかりにモンスターが集まっていた。
「うへー、こんなに居たら、百人ぐらい集めても討伐出来ないんじゃないのー?」
確かに、この数を安全に全滅させると言うのなら、かなりの人数が必要になるな。
「ふむ。これは奥に進むと更に増えそうですな……」
リガスの言葉にチルが反応する。
「でも、その先に宝が……」
「どれくらい奥に進めば有るのかなー?」
リンクスが望んでいる宝がこの先にあると言う。それは御伽話みたい話だが、マーズが言うには、宝は確かにあるらしい。
宝とは形ある物かすら分からず、ドワーフの村で知られている言い伝えでは、その者が願う物が手に入ると聞く。
「本当かよ……」
まぁ、今は宝より命が大事だな。
モンスターの動向に気を付けながら俺達は木の上を移動する。
移動時に下を向くとモンスター達は湖に向かって一直線に進んでおり今の所モンスターに気付かれる様子は無い。
「私達に気付いて無いね」
「流石に沢山仲間が居て俺達の気配が読めないのかもな」
モンスターの中にも人間と同じで気配を読むのが上手い個体がいるので、もしかしたらこの中の何体かは俺達の存在に気が付いている奴がいるかもな。
ただ、この大行軍の中を止まったら幾らモンスターと言えど他の個体達に押し潰されてしまうだろう。
俺は前方を進むロピの後についていく様に木に飛び移った。
「うわ……木に飛び移るの怖いな」
木から木に飛び越えて移動しているが、なかなかスリリングである。もし足を滑らせたりして、落ちたらあっという間に圧死するな。
そういえば、シクは地面を移動するより木の上を移動した方が早いとか言ってたな……。
今思うとシクはモンスターから逃げる手段を豊富に持っていた。
「お兄さん早くー」
「アトス様、少し休憩しますか?」
「なんでお前達そんなに早く移動出来るんだよ……」
「うーん、慣れかな?」
最初の方は俺と同様辿々しい感じで木の上を移動していたのにな……
やはり、同じ獣人族なのかロピとチルは木の上での移動が早い。リガスは言うまでも無く早かった。
「俺達、人間族はやっぱり身体能力では他種族に勝てそうにねぇーな」
「だな。流石はあの三人だ」
「俺も、あの中のメンバーなんだがな……」
斥候と遠距離担当が、残念そうに俺を見てくる。
「お、俺はサポート特化なんだよ」
「サポートとか言ってるけど信じられねぇーな」
「まず、二つ名からして怪しいしな」
「あ、あれは商人共がちゃんと説明してなかっただけで!」
俺を含めた人間族の三人は少し遅れながらも付いていく。
「あの三人に比べたら、身軽が売りの俺ですらこのザマだから凹むぜ……」
身軽な斥候ですら、木の移動はした事が無いのか危なげに飛び移っていた。
暫く移動していると、モンスターが木の下を通る事も無くなった為、地面に降りて移動する。
「ふぅ……ヒヤヒヤしたねー」
「いつ気付かれるか怖かったな」
俺とロピは無事にモンスター達を撒けた事に安堵する。
「せめて一体くらいは倒したかったです」
「ふむ。物足りなさを感じますな」
逆にチルとリガスは釈然としない表情で今来た道を見ていた。
なんで、この二人はいつも戦闘を求めているんだよ……。
「と、とりあえず、住処に戻ろうぜ?」
斥候は俺とロピ派なのかモンスターとはいち早く離れたいらしい。
「住処までまだ距離はありそうか?」
「あぁ。変なルートで逃げて来たからな、住処はまだ遠い、すまねぇ」
斥候として逃げる道を決めていた為、申し訳なさそうにしている。
「いや、あれはしょうがない」
「そうですぞ? 貴方が最善のルートを選んだお陰で一度も戦闘になりませんでしたからな」
「斥候さんは、十分仕事をしているよ!」
「へへ、ありがとよ」
皆んなからの言葉を聞き照れ臭そうにしていた。
「貴方の能力はとても凄い。私もアトス様の為に身に付けたい能力だった……」
「へへ、剛腕こそ他の人じゃ出来ねぇー事が出来るんだし羨ましいぜ」
「ほっほっほ。ここに居る皆んなが凄いって事ですな」
リガスの言葉に皆んなが笑顔で頷く。
すると、斥候は何か感づいたのか全員に静かにする様、手でジェスチャーをする。
「ッチ、少々不味いな」
「どうした?」
「湖に居たモンスター達が水を飲み終わったのか、またバラバラに移動を始めやがった」
「こっちには来ているのか?」
耳に手を当て周囲の音を拾っている斥候が苦虫を噛む。
「それがよ、数が多過ぎてさっきからモンスターの気配が分かり辛いんだ」
その言葉にロピとチル、リガスも頷く。
「私も、さっきから気配が多過ぎて読み間違える」
「私もです」
「ここまで多いと距離感も狂いますな」
俺は最後の頼みの綱であるリガスに視線を向けるが、首を横に振られた。
気配が多過ぎると、こういう事もあるのか……。
そこからは、更に警戒心を高めて移動するが、努力の結果も虚しく俺達はモンスターと遭遇してしまった……。
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