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第6章
184話 水場での出来事
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「リガスさん、そろそろ水場だと思います」
「ほっほっほ。ありがとうございます」
「ロピさん、私は貴方より遠距離火力が弱いのでサポート寄りになると思います」
「あはは、私に任せなさい!」
「姉さん素敵」
「いえいえ、チルさんも剛腕としての噂は聞いています、期待していますよ」
「恥ずかしい……」
新しくチームになった斥候と遠距離の二人は敬意を持って接して来るので、とても好感が持てるな。
すると、二人は俺にも話しかけて来る。
「おい、俺達は三人の邪魔にならない様に頑張ろうぜ」
「……」
「だな、遠距離としてロピさんの隣に立つ以上恥ずかしい真似は出来ねぇ。お前も後衛として協力して頑張ろうぜ」
「……」
まぁ、いいんだけどね……。俺は影の立役者として謎の男として生きてやる!
それから少し進むと水場を見つける事が出来た。
「おー。凄いな本当に見つかった」
「当たり前よ! 俺はこの聴力で生き抜いてきたんだ」
水場は結構な広さがあり、湖の様になっていた。
そして、とても澄んだ水で周りの静けさなどで幻想的な雰囲気を出していた。
「ふむ。それにしても景色の良い場所ですな」
「綺麗……」
リガスとチルは景色に感動しているのか、しばらく湖を見ていた。
「魚居るかなー?」
「魚?」
「そう。居たら捕まえて食べようと思って!」
「ロピ、お前……」
ヨダレを垂らし、この素晴らしい景色を一切見ないで、ロピは湖の中に魚がいないかと見渡している。
なんて、残念な子なんだ……。育て方を間違えたか……?
だが、ここで生き抜く為にはロピが正解だし、なんとも言えないのが心境的に微妙である。
「ほらほら、お兄さん魚いた!」
「そ、そうか。獲れそうか?」
「やってみる!」
そう言って、ロピともう一人の遠距離担当は魚を捕ろうと向かって行く。
「ほっほっほ。ロピ殿は本当にいつも楽しそうで清々しいですな」
「だな、良い事だ」
それから俺達は出来るだけ水袋に水を入れて戻る事にした。
結局ロピ達は魚を捕まえる事が出来なかったらしい。
「あと少しだったのにー」
「全然、そんな風に見えなかったぞ?」
「ムッ! 次は獲るもん!」
「姉さん、次は私も手伝うね」
「うん!」
そして。俺達は住処に戻ろうと移動しようとすると、斥候が緊張した様子で呟いた。
「待ってくれ!」
鋭い声を発して俺達の動きを止める。斥候は耳に手を添えて目を瞑る。
「不味いかもしれないな……」
「どうした?」
「モンスターの足音がこちらに向かっている」
「俺達に気付いているのか?」
「いや、そんな感じの歩調では無いな……。だが複数のモンスターがこっちに向かっている」
斥候は更に地面に手を付ける。
「結構近いぞ……」
すると、地面が小刻みに揺れるのを感じる。
「よし、直ぐに出発しよう」
「いや、それはやめた方がいいな」
「ふむ、どうしてですかな?」
「どうやら、色々な箇所からここに向かって来ているから、何処に逃げても見つかっちまう」
どうする……?
「ふむ。困りましたな」
「お兄さん、どうする?」
「戦いますか?」
「いや、この人数でどうにか出来る数じゃねぇーぞ?」
チルの言葉に斥候が答える。
「隠れながら移動しよう」
「隠れるですか……?」
戦わない事に少し不満を持っているのか表情が少し変わる。
「あぁ、このまま逃げても確実に遭遇するんだろ?」
「あ、あぁ。それは間違えねぇ」
「なら、まずは彼処に隠れるぞ」
俺が指したのは木の上である。マーズの知識をヒントに咄嗟に思いついたのである。
「木の上に隠れたら、見つからないのー?」
「それは分からないが、普通に逃げてもダメなら、木の上を移動してみよう」
「ほっほっほ。やらないよりはマシですな」
こうして俺達は一度全員で木の上に登った。モンスター達が通過するのを一度待ってみようと意見があったので暫く木の上でやり過ごそうとモンスターに見えない様に一番上まで登る。
「ほぇー、結構高いねー」
「これは、落ちたら死ぬな……」
「お任せ下さい。アトス様が落ちたら私がクッションになりますので」
「あ、ありがとう……」
チルの忠誠心に若干戸惑う俺は話題を変える。
「モンスター達はなんでココを目指しているんだ?」
「やっぱり、私達人間に気付いて捕食する為に向かっているんじゃないのー?」
「いや、モンスターの足取りは普段と変わらずゆったりしているから、俺達には気付いてねぇ」
なら、一体何故?
「分かったよ!」
「姉さん、何が分かったの?」
「モンスターがここに向かってくる理由」
「ふむ。なんで向かってくるのですかな?」
「お魚を食べに来たんだよ!」
「「「「「……」」」」」
一瞬の静寂の後にモンスターの何体かが現れた。
そして、何をするか見ていたら、ロピの予想が当たらずとも遠からずであった事が判明した。
「水を飲んでいる……?」
「ふむ。ここはモンスター達の水飲み場でもあったのですな」
モンスターが水を実際に飲むかは分からないが、確かに湖に顔を付けたり、身体を洗っているのか浸かるモンスターまで居た。
「この水場で水を汲みに来る時は注意が必要だな」
「たまたま、私達が着いた時は居なかっただけなんだね」
そして、少し経つと次々とモンスター達が現れて水場で止まっていた。
「通り過ぎる感じでは無いし予定通り木の上を移動しよう」
俺の言葉に全員が頷き、俺達は移動を始める……。
「ほっほっほ。ありがとうございます」
「ロピさん、私は貴方より遠距離火力が弱いのでサポート寄りになると思います」
「あはは、私に任せなさい!」
「姉さん素敵」
「いえいえ、チルさんも剛腕としての噂は聞いています、期待していますよ」
「恥ずかしい……」
新しくチームになった斥候と遠距離の二人は敬意を持って接して来るので、とても好感が持てるな。
すると、二人は俺にも話しかけて来る。
「おい、俺達は三人の邪魔にならない様に頑張ろうぜ」
「……」
「だな、遠距離としてロピさんの隣に立つ以上恥ずかしい真似は出来ねぇ。お前も後衛として協力して頑張ろうぜ」
「……」
まぁ、いいんだけどね……。俺は影の立役者として謎の男として生きてやる!
それから少し進むと水場を見つける事が出来た。
「おー。凄いな本当に見つかった」
「当たり前よ! 俺はこの聴力で生き抜いてきたんだ」
水場は結構な広さがあり、湖の様になっていた。
そして、とても澄んだ水で周りの静けさなどで幻想的な雰囲気を出していた。
「ふむ。それにしても景色の良い場所ですな」
「綺麗……」
リガスとチルは景色に感動しているのか、しばらく湖を見ていた。
「魚居るかなー?」
「魚?」
「そう。居たら捕まえて食べようと思って!」
「ロピ、お前……」
ヨダレを垂らし、この素晴らしい景色を一切見ないで、ロピは湖の中に魚がいないかと見渡している。
なんて、残念な子なんだ……。育て方を間違えたか……?
だが、ここで生き抜く為にはロピが正解だし、なんとも言えないのが心境的に微妙である。
「ほらほら、お兄さん魚いた!」
「そ、そうか。獲れそうか?」
「やってみる!」
そう言って、ロピともう一人の遠距離担当は魚を捕ろうと向かって行く。
「ほっほっほ。ロピ殿は本当にいつも楽しそうで清々しいですな」
「だな、良い事だ」
それから俺達は出来るだけ水袋に水を入れて戻る事にした。
結局ロピ達は魚を捕まえる事が出来なかったらしい。
「あと少しだったのにー」
「全然、そんな風に見えなかったぞ?」
「ムッ! 次は獲るもん!」
「姉さん、次は私も手伝うね」
「うん!」
そして。俺達は住処に戻ろうと移動しようとすると、斥候が緊張した様子で呟いた。
「待ってくれ!」
鋭い声を発して俺達の動きを止める。斥候は耳に手を添えて目を瞑る。
「不味いかもしれないな……」
「どうした?」
「モンスターの足音がこちらに向かっている」
「俺達に気付いているのか?」
「いや、そんな感じの歩調では無いな……。だが複数のモンスターがこっちに向かっている」
斥候は更に地面に手を付ける。
「結構近いぞ……」
すると、地面が小刻みに揺れるのを感じる。
「よし、直ぐに出発しよう」
「いや、それはやめた方がいいな」
「ふむ、どうしてですかな?」
「どうやら、色々な箇所からここに向かって来ているから、何処に逃げても見つかっちまう」
どうする……?
「ふむ。困りましたな」
「お兄さん、どうする?」
「戦いますか?」
「いや、この人数でどうにか出来る数じゃねぇーぞ?」
チルの言葉に斥候が答える。
「隠れながら移動しよう」
「隠れるですか……?」
戦わない事に少し不満を持っているのか表情が少し変わる。
「あぁ、このまま逃げても確実に遭遇するんだろ?」
「あ、あぁ。それは間違えねぇ」
「なら、まずは彼処に隠れるぞ」
俺が指したのは木の上である。マーズの知識をヒントに咄嗟に思いついたのである。
「木の上に隠れたら、見つからないのー?」
「それは分からないが、普通に逃げてもダメなら、木の上を移動してみよう」
「ほっほっほ。やらないよりはマシですな」
こうして俺達は一度全員で木の上に登った。モンスター達が通過するのを一度待ってみようと意見があったので暫く木の上でやり過ごそうとモンスターに見えない様に一番上まで登る。
「ほぇー、結構高いねー」
「これは、落ちたら死ぬな……」
「お任せ下さい。アトス様が落ちたら私がクッションになりますので」
「あ、ありがとう……」
チルの忠誠心に若干戸惑う俺は話題を変える。
「モンスター達はなんでココを目指しているんだ?」
「やっぱり、私達人間に気付いて捕食する為に向かっているんじゃないのー?」
「いや、モンスターの足取りは普段と変わらずゆったりしているから、俺達には気付いてねぇ」
なら、一体何故?
「分かったよ!」
「姉さん、何が分かったの?」
「モンスターがここに向かってくる理由」
「ふむ。なんで向かってくるのですかな?」
「お魚を食べに来たんだよ!」
「「「「「……」」」」」
一瞬の静寂の後にモンスターの何体かが現れた。
そして、何をするか見ていたら、ロピの予想が当たらずとも遠からずであった事が判明した。
「水を飲んでいる……?」
「ふむ。ここはモンスター達の水飲み場でもあったのですな」
モンスターが水を実際に飲むかは分からないが、確かに湖に顔を付けたり、身体を洗っているのか浸かるモンスターまで居た。
「この水場で水を汲みに来る時は注意が必要だな」
「たまたま、私達が着いた時は居なかっただけなんだね」
そして、少し経つと次々とモンスター達が現れて水場で止まっていた。
「通り過ぎる感じでは無いし予定通り木の上を移動しよう」
俺の言葉に全員が頷き、俺達は移動を始める……。
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