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第6章
168話 エルフのパーティー
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「やっと着いたー!!」
「ふむ。結局四日間掛かりましたな」
「まぁ、この人数での移動だししょうがないだろう」
「アトス様、疲れて居ませんか?」
「あぁ、大丈夫だよ。ありがとう」
現在、目的地であるモンスターが集まるという場所より、少し離れた場所にいる。
どうやら今日は一日休息して、明日の朝一から挑むとの事だ。
「とうとう、明日からですね……」
チルの言葉に俺は頷く。
「皆んな分かっていると思うけど命大事にだからな?」
「はーい!」
「ほっほっほ。危ない時は私が皆様をお守り致します」
「私も、アトス様を守ります!」
「はいはい! 私も皆んなを守っちゃうよー」
よし、後は常に周りを意識して挑もう。俺は今回の件で、報酬は貰えないでも良いと思っている。それよりも無事にこの件を片付けて生きて戻ってくる方が先決だな……。
ロピには悪いが、武器代金は皆んなで地道に稼ぐ方向でいかしてもらおう。
活躍しなくても参加しているだけで少しは貰えるだろうし……。
周りを見渡すと他の参加者達も野宿の準備を始めている。
すると、いつもリンクスの隣に居る兵士が台に登り話し始める。
「皆の者、ここまでご苦労!!」
俺達は手を止めて話を聞く。
「今日はゆっくり休んで貰う為に食料以外にも酒を用意した。存分にやってくれ!」
兵士の言葉に参加者から歓声が沸き起こる。
「いぇーーーい! こんな場所で酒が飲めるなんてな!」
「本当にリンクスさんは太っ腹だよな」
「これで、成功した暁には宝箱の報酬もあるんだろ?」
確かに至り尽せりである。正当な報酬を支払うだけでは無く、ここまでしてくれるなんてな。
「後はモンスターにやられてこの人数が半分くらい減れば俺は金持ちだぜ!」
「ははは、お前が一番最初にやられそうだけどな!」
「バカ言え! この新調した装備があればモンスターの攻撃すら耐えてみせるぜ!」
ジャングルの中で酒が飲める事が嬉しいのか、殆どの参加者は嬉しそうだ。
「えぇーお酒なんて要らないから食料を豪華にして欲しいー」
「姉さんの意見に賛成」
「ほっほっほ。二人共まだ飲めませんからな」
「「ぶーぶー」」
ロピとチルは年齢的にまだ早いから俺が止めている。実際にはこの世界でそんな法律はなど無いが、まだ若過ぎるし身体にも悪そうだからな。
「俺とリガスは遠慮無く貰おうとしようか」
「ほっほっほ。二人には悪いですが頂きましょうか」
「えー! 私達が我慢して居るのにズルい!」
兵士達が参加者にお酒を配っていたので、俺とリガスの分を貰った。
「お兄さーん、一口だけちょーだい?」
ロピは敢えてなのか無意識なのか、甘えた声で俺の腕に抱き着きおねだりして来た。
「ダメだ。それと、そんな頼み方どこで習ったんだ?」
「ぶー。イケメンさんパーティの年増さんに教えて貰った!」
「今後やらない様に」
「えー、これをやれば男なんてイチコロって言ってたんだよ?」
「確かに、他の男にやったらそうかも知れないけど俺には効きません!」
確かにロピみたいな美人でスタイルも良い女からされたらイチコロだな……。
ロピもチルも自分の容姿の良さやスタイルを理解してないからな、男からどう見られているか分かっていない。
一度教えといた方がいいか……?
俺はロピとチルを見ると、チルがある方向を見ていた。
「チルちゃん、どうしたのー?」
「綺麗……」
「なにがー?」
「あの人」
チルの指を指した方向を俺達も見ると、そこにはエルフ達のパーティが居た。
「チルちゃん、ダメだよー。お兄さんの鼻がまた伸びちゃうから」
「伸びねぇーよ!」
「それにしても、本当に綺麗な人だねー」
そうなのだ。エルフのパーティ全員綺麗なのだが、その中でも一際綺麗なエルフが居た。
そのエルフは確かに凄い綺麗ではあるが、その表情はどこか造り物の様な感じがあり、それがより一層エルフに魅力を与えているのかも知れない。
全然表情が変化しないな……。
シクも表情などがあまり変化しない方だが、それでもやっぱり微妙な動きが有り、喜んでいたり、怒ってたりするのは分かる。
だが、エルフの表情はまるで機械の様に変化が無い。
「でも……やっぱりエルフは最高だな」
三人に聞こえない様にいったつもりだったが、獣人の聴力を甘く見ていた。
「あー! お兄さんはああいう人がいいのー!?」
「!?」
今までエルフに見惚れていたチルもロピの声で意識を取り戻す。
「アトス様は、見てはなりません!」
エルフを見せない為に自身の身体でエルフを見えない様にするチル。
「べ、別に、俺は芸術品を見る感覚でエルフを見ていただけだって!」
「でも、今最高だなって言ってた!」
「私も聞きました!」
「ほっほっほ。私もです」
この、裏切り者!
男として綺麗な人見てしまうのは当たり前の事なのにリガスの奴……
当の本人は少し離れた所で、ニヤニヤした笑みを浮かべながら、俺がロピとチルに追及されている所を見ていた。
そこからは、エルフ所では無くなり二人の誤解を解き、機嫌を直すのに結構な時間が掛かってしまった。
「ふむ。結局四日間掛かりましたな」
「まぁ、この人数での移動だししょうがないだろう」
「アトス様、疲れて居ませんか?」
「あぁ、大丈夫だよ。ありがとう」
現在、目的地であるモンスターが集まるという場所より、少し離れた場所にいる。
どうやら今日は一日休息して、明日の朝一から挑むとの事だ。
「とうとう、明日からですね……」
チルの言葉に俺は頷く。
「皆んな分かっていると思うけど命大事にだからな?」
「はーい!」
「ほっほっほ。危ない時は私が皆様をお守り致します」
「私も、アトス様を守ります!」
「はいはい! 私も皆んなを守っちゃうよー」
よし、後は常に周りを意識して挑もう。俺は今回の件で、報酬は貰えないでも良いと思っている。それよりも無事にこの件を片付けて生きて戻ってくる方が先決だな……。
ロピには悪いが、武器代金は皆んなで地道に稼ぐ方向でいかしてもらおう。
活躍しなくても参加しているだけで少しは貰えるだろうし……。
周りを見渡すと他の参加者達も野宿の準備を始めている。
すると、いつもリンクスの隣に居る兵士が台に登り話し始める。
「皆の者、ここまでご苦労!!」
俺達は手を止めて話を聞く。
「今日はゆっくり休んで貰う為に食料以外にも酒を用意した。存分にやってくれ!」
兵士の言葉に参加者から歓声が沸き起こる。
「いぇーーーい! こんな場所で酒が飲めるなんてな!」
「本当にリンクスさんは太っ腹だよな」
「これで、成功した暁には宝箱の報酬もあるんだろ?」
確かに至り尽せりである。正当な報酬を支払うだけでは無く、ここまでしてくれるなんてな。
「後はモンスターにやられてこの人数が半分くらい減れば俺は金持ちだぜ!」
「ははは、お前が一番最初にやられそうだけどな!」
「バカ言え! この新調した装備があればモンスターの攻撃すら耐えてみせるぜ!」
ジャングルの中で酒が飲める事が嬉しいのか、殆どの参加者は嬉しそうだ。
「えぇーお酒なんて要らないから食料を豪華にして欲しいー」
「姉さんの意見に賛成」
「ほっほっほ。二人共まだ飲めませんからな」
「「ぶーぶー」」
ロピとチルは年齢的にまだ早いから俺が止めている。実際にはこの世界でそんな法律はなど無いが、まだ若過ぎるし身体にも悪そうだからな。
「俺とリガスは遠慮無く貰おうとしようか」
「ほっほっほ。二人には悪いですが頂きましょうか」
「えー! 私達が我慢して居るのにズルい!」
兵士達が参加者にお酒を配っていたので、俺とリガスの分を貰った。
「お兄さーん、一口だけちょーだい?」
ロピは敢えてなのか無意識なのか、甘えた声で俺の腕に抱き着きおねだりして来た。
「ダメだ。それと、そんな頼み方どこで習ったんだ?」
「ぶー。イケメンさんパーティの年増さんに教えて貰った!」
「今後やらない様に」
「えー、これをやれば男なんてイチコロって言ってたんだよ?」
「確かに、他の男にやったらそうかも知れないけど俺には効きません!」
確かにロピみたいな美人でスタイルも良い女からされたらイチコロだな……。
ロピもチルも自分の容姿の良さやスタイルを理解してないからな、男からどう見られているか分かっていない。
一度教えといた方がいいか……?
俺はロピとチルを見ると、チルがある方向を見ていた。
「チルちゃん、どうしたのー?」
「綺麗……」
「なにがー?」
「あの人」
チルの指を指した方向を俺達も見ると、そこにはエルフ達のパーティが居た。
「チルちゃん、ダメだよー。お兄さんの鼻がまた伸びちゃうから」
「伸びねぇーよ!」
「それにしても、本当に綺麗な人だねー」
そうなのだ。エルフのパーティ全員綺麗なのだが、その中でも一際綺麗なエルフが居た。
そのエルフは確かに凄い綺麗ではあるが、その表情はどこか造り物の様な感じがあり、それがより一層エルフに魅力を与えているのかも知れない。
全然表情が変化しないな……。
シクも表情などがあまり変化しない方だが、それでもやっぱり微妙な動きが有り、喜んでいたり、怒ってたりするのは分かる。
だが、エルフの表情はまるで機械の様に変化が無い。
「でも……やっぱりエルフは最高だな」
三人に聞こえない様にいったつもりだったが、獣人の聴力を甘く見ていた。
「あー! お兄さんはああいう人がいいのー!?」
「!?」
今までエルフに見惚れていたチルもロピの声で意識を取り戻す。
「アトス様は、見てはなりません!」
エルフを見せない為に自身の身体でエルフを見えない様にするチル。
「べ、別に、俺は芸術品を見る感覚でエルフを見ていただけだって!」
「でも、今最高だなって言ってた!」
「私も聞きました!」
「ほっほっほ。私もです」
この、裏切り者!
男として綺麗な人見てしまうのは当たり前の事なのにリガスの奴……
当の本人は少し離れた所で、ニヤニヤした笑みを浮かべながら、俺がロピとチルに追及されている所を見ていた。
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