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第6章
155話 ドワーフの村到着
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「お兄さーん、こっちで本当にいいのー?」
「ピタから聞いた限りだと間違って無いはずなんだけどな……」
俺達は休憩所を出発して現在はドワーフの村に向かっている。
「それにしても、あの戦闘はキツかったねー」
「ほっほっほ。私達死に掛けましたな」
確かに危ない状況が何度もあった。
「小型って成長するとあんなに強くなるんだね」
「ふむ。私もあそこまで強くなるとは思っていなかったですな」
「あそこまで強いと何人が適切なんだろうな」
本来の適正人数の倍以上は確実に必要だろう。
「でも、お兄さんの作戦が上手くいって良かったよー」
「あの特攻作戦ですな?」
ロピとリガスが特攻作戦について盛り上がっているが、俺自身は不甲斐なさでいっぱいだ。特攻作戦は前世の知識から思い付いた作戦だが……。
「もっと良い策があっただろう……」
ついつい口から言葉が漏れてしまう。
俺がもっと本とか読んでいればな……。
普通異世界に行ったら前世の知識を使いまくって最強ハーレムが目指せる筈だが俺に知識がなさ過ぎて、全く活かしきれて無い……。
俺は自己嫌悪に陥っていると、先程から静かなチルが目に付いた。
「チル、具合でも悪いのか?」
「いえ……、大丈夫です」
言葉と表情が正反対の為何かあるな……。
「何か悩み事か?」
「……」
「力になれるか分からないが話してみないか?」
俺は出来るだけ優しく問い掛ける様に意識した。
「いえ、もう少し自分で考えて見ます」
何かに悩んでいる事は否定しないんだな……。
「分かった。けど何かあれば直ぐに教えてくれ」
「はい。ありがとうございます」
チルは俺に頭を下げて、それっきりまた何かを考える様に黙り混んでしまう。
「あはは。私は最強のロピ! 誰でもかかって来い!!」
一方姉の方は絶好調である。現在はスリングショットが壊れてしまっているのに、まるで実際にあるかの様に構えては撃つ真似事をしている。
「ふふ。今の私ならお兄さんとチルちゃんを守れる!」
「ほっほっほ。ロピ殿私の事は守ってくれないんですか?」
「えー。だって魔族さん強過ぎて守る必要無いじゃん」
「いえいえ、これでも歳ですからね最近は前より弱くなったと自分では自覚しているのですけどね……」
「なら、しょうがない! 最強の私が守ってあげる!」
「ほっほっほ。ありがとうございます」
リガスはロピの調子に合わせてあげている様だ。そしてロピは更に調子に乗っている様だ……。
それから俺達は一週間程掛けてドワーフの村に到着した。やはりその間もチルは元気が無かった。それは俺だけでは無くロピもリガスも気付いている様子だった。
「やっと着いたー!」
「結構歩きましたな」
「ここがドワーフの村か」
千人以上の人間が常時居ると言うドワーフの村は賑やかであった。どこを見回しても様々な種族が居る。
「すごーい。人がいっぱい居るよ……」
人間族の住処に住んでいる人数に比べれば全然少ないだろうが、村と言う括りで言えば、こんなに大きい村はなかなか無いだろう。
「ふむ。私が来た時よりも大分人数が増えてますな」
「魔族さんが前に来た時っていつなの?」
「ほっほっほ。百年以上昔の話ですよ」
「え!? 魔族さん何歳……?」
「それは秘密でございます」
「えー。気になるー!!」
辺りを見渡すとドワーフが店を開いている。その光景はまるで前世の時に行ったお祭りなどで出店が並んでいる様子に似ていた。
「凄い店の数だな……」
「だねー。どの店で武器作って貰えばいいか迷う」
「ほっほっほ。一人一人技量が違いますからな、じっくり選んだ方が良いですぞ」
リガスが前に言っていた様にドワーフの数程お店がある為三百以上の店が並んでいる。人間族の住処にも武器屋があったが恐らく武器の質などは完全にこちらの方がいいんだろうな……。
「人がいっぱいいる店がいいのかな?」
「隠れた名店など見つけられれば安くて良い武器を手に入れられますぞ」
なるほど……安くて、良い武器か……ん?
「──ッあ!?」
俺はある事に気づき叫ぶ。
「びっくりした……。どうしたの?」
「ほっほっほ。どうされたんです?」
「そういえば俺達、お金全然持ってないわ……」
「「……」」
そうなのだ。シクとの生活ではお金なんて必要無かったし、人間族の街に居た時は大して稼げなかった。そして今の今まで食べるのには困らなかったので、お金の存在を全く意識してなかったな……。
「え……? なら私の武器作れないの……?」
ロピが悲しそうな目でこちらを見てくる。
や、辞めてくれ! まるで甲斐性無しの父親を見るような目は!
「だ、大丈夫だ!」
「……本当? 無理しないでいいよ?」
親代わりとして娘にだらし無い姿を見せるわけにはいかないな!
「よし、お金を稼ごう……」
「ほっほっほ。アトス殿は面白いですな」
おい。お爺ちゃんポジションであるリガスが買ってくれてもいいんだよ?
「私もお金を持ち合わせておりません」
クソ! こいつ俺が言う前に先回りしやがったな。
「とりあえず、ドワーフの村を見て回るか」
「そうだね……」
ロピは完全に買えないと諦めている様だ。
見てろよロピ、お父さんが見事金を稼いでやるからな!
「ピタから聞いた限りだと間違って無いはずなんだけどな……」
俺達は休憩所を出発して現在はドワーフの村に向かっている。
「それにしても、あの戦闘はキツかったねー」
「ほっほっほ。私達死に掛けましたな」
確かに危ない状況が何度もあった。
「小型って成長するとあんなに強くなるんだね」
「ふむ。私もあそこまで強くなるとは思っていなかったですな」
「あそこまで強いと何人が適切なんだろうな」
本来の適正人数の倍以上は確実に必要だろう。
「でも、お兄さんの作戦が上手くいって良かったよー」
「あの特攻作戦ですな?」
ロピとリガスが特攻作戦について盛り上がっているが、俺自身は不甲斐なさでいっぱいだ。特攻作戦は前世の知識から思い付いた作戦だが……。
「もっと良い策があっただろう……」
ついつい口から言葉が漏れてしまう。
俺がもっと本とか読んでいればな……。
普通異世界に行ったら前世の知識を使いまくって最強ハーレムが目指せる筈だが俺に知識がなさ過ぎて、全く活かしきれて無い……。
俺は自己嫌悪に陥っていると、先程から静かなチルが目に付いた。
「チル、具合でも悪いのか?」
「いえ……、大丈夫です」
言葉と表情が正反対の為何かあるな……。
「何か悩み事か?」
「……」
「力になれるか分からないが話してみないか?」
俺は出来るだけ優しく問い掛ける様に意識した。
「いえ、もう少し自分で考えて見ます」
何かに悩んでいる事は否定しないんだな……。
「分かった。けど何かあれば直ぐに教えてくれ」
「はい。ありがとうございます」
チルは俺に頭を下げて、それっきりまた何かを考える様に黙り混んでしまう。
「あはは。私は最強のロピ! 誰でもかかって来い!!」
一方姉の方は絶好調である。現在はスリングショットが壊れてしまっているのに、まるで実際にあるかの様に構えては撃つ真似事をしている。
「ふふ。今の私ならお兄さんとチルちゃんを守れる!」
「ほっほっほ。ロピ殿私の事は守ってくれないんですか?」
「えー。だって魔族さん強過ぎて守る必要無いじゃん」
「いえいえ、これでも歳ですからね最近は前より弱くなったと自分では自覚しているのですけどね……」
「なら、しょうがない! 最強の私が守ってあげる!」
「ほっほっほ。ありがとうございます」
リガスはロピの調子に合わせてあげている様だ。そしてロピは更に調子に乗っている様だ……。
それから俺達は一週間程掛けてドワーフの村に到着した。やはりその間もチルは元気が無かった。それは俺だけでは無くロピもリガスも気付いている様子だった。
「やっと着いたー!」
「結構歩きましたな」
「ここがドワーフの村か」
千人以上の人間が常時居ると言うドワーフの村は賑やかであった。どこを見回しても様々な種族が居る。
「すごーい。人がいっぱい居るよ……」
人間族の住処に住んでいる人数に比べれば全然少ないだろうが、村と言う括りで言えば、こんなに大きい村はなかなか無いだろう。
「ふむ。私が来た時よりも大分人数が増えてますな」
「魔族さんが前に来た時っていつなの?」
「ほっほっほ。百年以上昔の話ですよ」
「え!? 魔族さん何歳……?」
「それは秘密でございます」
「えー。気になるー!!」
辺りを見渡すとドワーフが店を開いている。その光景はまるで前世の時に行ったお祭りなどで出店が並んでいる様子に似ていた。
「凄い店の数だな……」
「だねー。どの店で武器作って貰えばいいか迷う」
「ほっほっほ。一人一人技量が違いますからな、じっくり選んだ方が良いですぞ」
リガスが前に言っていた様にドワーフの数程お店がある為三百以上の店が並んでいる。人間族の住処にも武器屋があったが恐らく武器の質などは完全にこちらの方がいいんだろうな……。
「人がいっぱいいる店がいいのかな?」
「隠れた名店など見つけられれば安くて良い武器を手に入れられますぞ」
なるほど……安くて、良い武器か……ん?
「──ッあ!?」
俺はある事に気づき叫ぶ。
「びっくりした……。どうしたの?」
「ほっほっほ。どうされたんです?」
「そういえば俺達、お金全然持ってないわ……」
「「……」」
そうなのだ。シクとの生活ではお金なんて必要無かったし、人間族の街に居た時は大して稼げなかった。そして今の今まで食べるのには困らなかったので、お金の存在を全く意識してなかったな……。
「え……? なら私の武器作れないの……?」
ロピが悲しそうな目でこちらを見てくる。
や、辞めてくれ! まるで甲斐性無しの父親を見るような目は!
「だ、大丈夫だ!」
「……本当? 無理しないでいいよ?」
親代わりとして娘にだらし無い姿を見せるわけにはいかないな!
「よし、お金を稼ごう……」
「ほっほっほ。アトス殿は面白いですな」
おい。お爺ちゃんポジションであるリガスが買ってくれてもいいんだよ?
「私もお金を持ち合わせておりません」
クソ! こいつ俺が言う前に先回りしやがったな。
「とりあえず、ドワーフの村を見て回るか」
「そうだね……」
ロピは完全に買えないと諦めている様だ。
見てろよロピ、お父さんが見事金を稼いでやるからな!
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