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第5章
123話 ロピの武器 3
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「よーし、試すよ!」
俺達は早速スリングショットを試す為にジャングルに来ていた。昨日は日も沈み掛けていたので、武器の性能を試す事が出来なかった。
俺がロピに作ってあげたスリングショットは、大体20センチ程の大きさになる。ロピはそれを大切そうに腰に装着しており、どうやら今度からはそこが定位置になるらしい。
「お兄さん使い方教えてー」
「ふむ。私も興味がありますな」
「私もあります」
皆がわらわらと集まって来た。使い方と言っても大した事無いんだけどな……。
「まずは、小石を武器に使う」
「小石?」
「そうだ。そこら辺に落ちているのを何個か拾って来てくれ」
「分かった!」
そう言うとロピとチルが周りに落ちている小石を拾い始めた。
「拾ったよー」
「アトス様こちらです」
「二人ともありがとう。じゃ今から使用してみるから見てて」
「「はい!」」
俺は自作したスリングショットを片手で持ちゴムの様な物をもう一つの手で持つ。そして小石を挟み思いっきり引っ張る。
「成る程。原理は弓矢と同じですな」
リガスが物珍しそうに俺の動作やスリングショットを観察している。
俺は目の前にある木を標的に定めて小石を持っている方の手を離した。すると風を切るような音が鳴り少ししてから小石が木に当たる音がする。
みんなで当たった場所を確認すると貫通などはして無いが木の部分がえぐれていた。
「すごーい」
「ふむ。その様な小さい物でこの威力ですか……」
「弓とは少し違うけど凄いです……」
「まぁー、モンスター相手には効かないかもしれないが人間や動物には効くな」
モンスター相手には弓ですら効かないので、遠距離攻撃は気を逸らすのが基本となっている。もちろん例外も居るが、そういう者達は基本とんでもないスキルを所持している。
「お兄さん私もやりたい!」
「もちろんだ。これはロピの武器だからな」
「これが、私の武器……」
そしてロピは先程俺が使用していた様に小石を挟み引っ張る。
先程俺が狙っていた木より更に先の場所を標的に定めて小石を離す。
小石の先を目で追うと、なんとそこには小動物が倒れていた。
「姉さん凄い!」
「えへへ。やっと捕まえられたよー」
以前は石を投げて当てようとしてたが全て避けられていた。
理由としてはロピの投げる動作や振りかぶった時に出る音などに反応してしまい石を投げる前から避けるモーションに入られていた。
だがスリングショットは動作自体僅かな為相手に気付かれずに狙う事が出来る。
「よーし、今度は大型を狙うよ!」
「ほっほっほ。今夜の晩御飯は豪勢になりそうですな」
「魔族さん、任せてよ!」
「姉さん、私見てていい?」
「うん!」
そして、三人は移動を始めようとする。
「ちょ、ちょっと待って!」
「どうしたの?」
「肝心な事を試していないだろ?」
「肝心な事?」
「スキルだよ! ロピのスキルに合う様にと思ってその武器を作ったんだし!」
「そ、そうだったね。わ、忘れてた」
ロピは焦っているのか目を泳がせながら再度手に小石を持った。そして先程同様小石を持って引っ張る。だが一つ違う所がある。それは小石にスキルを乗せている事だ。
「電気付与……」
すると、小石でパチパチと音が鳴り始めた。ロピは小石を持っていた手を離すと何故か先程よりも早い速度で小石が飛んで行き、俺が最初に当てた木にロピが放った小石が当たる。
「え?」
「ふむ」
「すげ……」
ロピ以外の人間は口から感想を漏らす。木を見てみると小石が木にめり込んでいた……。
「姉さん凄いよ!!」
「この貫通力は驚愕ですな」
「お兄さんが当てた時と全然違う……」
「恐らく、ロピのスキルの影響だと思うけど……」
それにしても凄いな……。ロピの手と小石の間でレールガン的な要素かなんか、なっていたのかな?
だがレールガンなんてアニメや漫画とかでの知識しか知らない。電気の事なんて全く分からないし全然違う要素でそうなった可能性だってある。だがこの威力って銃並みじゃないか? 木にめり込む程の威力が出るとは流石に思わなかったな……
「ほっほっほ。人間相手ならロピ殿一人でどうにか出来てしまうかもしれませんな」
「ほんとー?!」
「いや、一人だと処理仕切れずに倒されるだろ……」
「姉さんは私が守る!」
「チルちゃん!」
二人が抱き合う。
「でも、リガスには効かないだろ?」
「まともに当たれば流石に効きますな」
「そこまでの威力か」
「恐らく私も数発受ければ危ないかもしれません。ですがそれはチル様の攻撃もそうですしロピ様に限った話ではないですな」
確かに。この世界では、ただのパンチやキック一発でもスキルの力が乗れば簡単に相手を殺せてしまうだろう。今回ロピの武器の威力を見て驚いてしまったが、ロピに限った話では無く相手から俺達が食らう可能性さえある。
「今はそんな事より私が強くなった事を喜んで!」
「そうですよ! 姉さんが強くなったんです、アトス様も喜んで下さい! リガスも!」
「ほっほっほ。失礼致しました」
「あぁ。悪かったな」
「もー、二人共酷いよ!」
「後はモンスターに対して試して見たいな」
「そうだね!」
人間からしたら脅威となる威力でもモンスターからしたら大した事無いかもしれないしな。
俺達は早速スリングショットを試す為にジャングルに来ていた。昨日は日も沈み掛けていたので、武器の性能を試す事が出来なかった。
俺がロピに作ってあげたスリングショットは、大体20センチ程の大きさになる。ロピはそれを大切そうに腰に装着しており、どうやら今度からはそこが定位置になるらしい。
「お兄さん使い方教えてー」
「ふむ。私も興味がありますな」
「私もあります」
皆がわらわらと集まって来た。使い方と言っても大した事無いんだけどな……。
「まずは、小石を武器に使う」
「小石?」
「そうだ。そこら辺に落ちているのを何個か拾って来てくれ」
「分かった!」
そう言うとロピとチルが周りに落ちている小石を拾い始めた。
「拾ったよー」
「アトス様こちらです」
「二人ともありがとう。じゃ今から使用してみるから見てて」
「「はい!」」
俺は自作したスリングショットを片手で持ちゴムの様な物をもう一つの手で持つ。そして小石を挟み思いっきり引っ張る。
「成る程。原理は弓矢と同じですな」
リガスが物珍しそうに俺の動作やスリングショットを観察している。
俺は目の前にある木を標的に定めて小石を持っている方の手を離した。すると風を切るような音が鳴り少ししてから小石が木に当たる音がする。
みんなで当たった場所を確認すると貫通などはして無いが木の部分がえぐれていた。
「すごーい」
「ふむ。その様な小さい物でこの威力ですか……」
「弓とは少し違うけど凄いです……」
「まぁー、モンスター相手には効かないかもしれないが人間や動物には効くな」
モンスター相手には弓ですら効かないので、遠距離攻撃は気を逸らすのが基本となっている。もちろん例外も居るが、そういう者達は基本とんでもないスキルを所持している。
「お兄さん私もやりたい!」
「もちろんだ。これはロピの武器だからな」
「これが、私の武器……」
そしてロピは先程俺が使用していた様に小石を挟み引っ張る。
先程俺が狙っていた木より更に先の場所を標的に定めて小石を離す。
小石の先を目で追うと、なんとそこには小動物が倒れていた。
「姉さん凄い!」
「えへへ。やっと捕まえられたよー」
以前は石を投げて当てようとしてたが全て避けられていた。
理由としてはロピの投げる動作や振りかぶった時に出る音などに反応してしまい石を投げる前から避けるモーションに入られていた。
だがスリングショットは動作自体僅かな為相手に気付かれずに狙う事が出来る。
「よーし、今度は大型を狙うよ!」
「ほっほっほ。今夜の晩御飯は豪勢になりそうですな」
「魔族さん、任せてよ!」
「姉さん、私見てていい?」
「うん!」
そして、三人は移動を始めようとする。
「ちょ、ちょっと待って!」
「どうしたの?」
「肝心な事を試していないだろ?」
「肝心な事?」
「スキルだよ! ロピのスキルに合う様にと思ってその武器を作ったんだし!」
「そ、そうだったね。わ、忘れてた」
ロピは焦っているのか目を泳がせながら再度手に小石を持った。そして先程同様小石を持って引っ張る。だが一つ違う所がある。それは小石にスキルを乗せている事だ。
「電気付与……」
すると、小石でパチパチと音が鳴り始めた。ロピは小石を持っていた手を離すと何故か先程よりも早い速度で小石が飛んで行き、俺が最初に当てた木にロピが放った小石が当たる。
「え?」
「ふむ」
「すげ……」
ロピ以外の人間は口から感想を漏らす。木を見てみると小石が木にめり込んでいた……。
「姉さん凄いよ!!」
「この貫通力は驚愕ですな」
「お兄さんが当てた時と全然違う……」
「恐らく、ロピのスキルの影響だと思うけど……」
それにしても凄いな……。ロピの手と小石の間でレールガン的な要素かなんか、なっていたのかな?
だがレールガンなんてアニメや漫画とかでの知識しか知らない。電気の事なんて全く分からないし全然違う要素でそうなった可能性だってある。だがこの威力って銃並みじゃないか? 木にめり込む程の威力が出るとは流石に思わなかったな……
「ほっほっほ。人間相手ならロピ殿一人でどうにか出来てしまうかもしれませんな」
「ほんとー?!」
「いや、一人だと処理仕切れずに倒されるだろ……」
「姉さんは私が守る!」
「チルちゃん!」
二人が抱き合う。
「でも、リガスには効かないだろ?」
「まともに当たれば流石に効きますな」
「そこまでの威力か」
「恐らく私も数発受ければ危ないかもしれません。ですがそれはチル様の攻撃もそうですしロピ様に限った話ではないですな」
確かに。この世界では、ただのパンチやキック一発でもスキルの力が乗れば簡単に相手を殺せてしまうだろう。今回ロピの武器の威力を見て驚いてしまったが、ロピに限った話では無く相手から俺達が食らう可能性さえある。
「今はそんな事より私が強くなった事を喜んで!」
「そうですよ! 姉さんが強くなったんです、アトス様も喜んで下さい! リガスも!」
「ほっほっほ。失礼致しました」
「あぁ。悪かったな」
「もー、二人共酷いよ!」
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