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第5章
122話 ロピの武器 2
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「よし、みんな直ぐに始末しよう」
「ふむ。では行きます」
「アトス様行ってきます」
そう言ってチルとリガスが小型に対して突っ込んで行く。
「アームズ……」
「ほっほっほ。先行します」
二人は生い茂っている草木を掻き分ける。やはり走り出すと、どうしたって音が発生する為、小型は直ぐにチルとリガスが向かってくる方向を向く。
それを見たリガスが更にスピードを速めて小型に蹴りを食らわす。だが全く効いてないらしく、小型はリガスを食べようと口を開くだけであった。
「ふむ。やはり、ダメですか」
リガスは背中に背負っていた盾を取りだし構える。そしてその盾を地面に突き刺す。小型はリガスに向かって突進してきている。
「カネル!」
突き刺した盾が光り、大きくなる。そして小型が衝突するが、リガスは吹き飛ばされず小型の攻撃に耐えている。
「やっぱり、魔族さんのあのスキル凄いよねー」
「あぁ。一人で小型の攻撃を凌げるって普通あり得ないだろ!」
小型の討伐人数は四~六人が基本の為人数的には俺達のパーティも足りてはいる。
だが小型にも人間と同じく個体差があるので、少しでも強い小型が現れた場合は六人だろうと足りないだろう。
そういう理由から小型相手でも、もっと人数を用意して討伐に挑む者達もいる。
討伐に置いてアタッカーはとても重要な役割だが、防御も同じ様に大事なのだ。普通は二~四くらいタンクを用意して複数人で協力してモンスターの攻撃を防ぐのが基本だ。それを俺達のパーティはリガス一人で防いでいるのだ。
「リガス、よくやったね」
「ほっほっほ。勿体無い言葉で御座います」
そう言って、次はチルがリガスの後ろから出てきて小型に攻撃をする。もちろん俺も攻撃に合わせて赤ラインを下に敷いてサポートを行う。
「アタック!」
そしてチルは以前よりも鋭い動きと攻撃を小型に放つ。グインとの訓練でチルの動きが洗礼された様に思う。熟練者から見ればまだまだなのかもしれないが俺から見たら流れる様に攻撃をしている。
「やっぱり、チルちゃんは凄いね」
「何言っている。これからはロピも凄くなるんだろ?」
俺はロピの頭を軽く撫でてあげた。
「うん! あの木を使って最高の武器を作るよー」
「その為にもアイツを倒さないとな!」
「でも、もう虫の息だよ?」
「え?」
俺は少し目を離しただけなのに、小型は既に動きがノロイ上にフラフラしている。そしてチルは御構い無しに攻撃を続けている。小型の反撃も虚しく全てリガスに受け流されて、その間にチルが攻撃する。
そして小型は倒れる。
「すげ……あの二人だけで倒せるんじゃないか?」
「お兄さんのサポートがあるから小型に攻撃が通るんだよ!」
チルとリガスが戻って来た。
「アトス様、戻りました」
「ほっほっほ。今日もなんとかなりましたな」
「二人ともお帰り。それにしても結構余裕があったな」
「全てはアトス様のお陰です」
「ふむ。私も大分このスキルの使い方が分かってきましたな」
「チルちゃん凄かったよ!」
「ありがとう、姉さん」
そして俺達は少し休憩してから木を切る為に近づく。
「それにしても、この木はなんで他と色違うんだろうー?」
「ふむ。恐らく突然変異か何かでしょう」
リガスが木を触ったり叩いたりして確かめている。
「どうやら他の木より大分丈夫ですな」
「なら、やっぱり武器にするならこの木だよね!」
俺も木を触って見て悟った。これは俺では加工出来ないな……。
「ロピ」
「んー?」
ロピは木に夢中になっているのかとても嬉しそうに木を見ながら俺に返事をする。
言うの気まずいな……。
「あ、あの、この木だと俺の技術じゃ加工出来ないんだ」
「え?! そんな……」
落ち込みようが半端無いな……。
「だ、だけど普通の木なら作れるし。取り敢えず普通の木で作ろうな?」
「うん……」
「材料だけ取って加工出来る所に持って行こう」
「分かった……」
ロピは渋々頷いてくれた。そこからは色違いの木を大量に採取して、他の木を取って休憩所に戻った。
「よし、作るか。武器自体は凄い簡単だから直ぐ作れると思う」
「楽しみー!!」
先程まで凄い落ち込んでいたが、やはり新しい武器は楽しみなのだろう、今はワクワクした様な表情で俺の作る様子を覗き込んでいる。それはチルも同じくらしくロピの隣で俺の作る所を見ている。
そんなに凄い武器でも無いんだけどな……。俺は先程取ってきた普通の木を使用して作り始めた。
「姉さん楽しみだね!」
「うん! チルちゃん特訓手伝ってね!」
「もちろんだよ!」
それから半日程かけて武器は完成した。本当はもっと早く出来たと思うが俺が不器用の為時間が掛かってしまった。
「お兄さん、それが私の武器?」
「あぁ、持ってみな」
「わぁー。こんな武器初めてみた」
「その武器はスリングショットって言うんだ」
「スリングショット?」
「そうだ。通称パチンコだな」
俺がロピに作った武器はスリングショットである。この武器は作りが良ければ100メートル程の飛距離が出ると聞く。素人が作っても20~30メートル程は届くだろう。
「どうやって使うの?」
「それは明日だな」
「「えー」」
「ほっほっほ。ロピ殿良かったですな」
「うん!」
「私も見た事が無い武器なので楽しみですな」
これで大した事なかったらどうしよう……。
「ふむ。では行きます」
「アトス様行ってきます」
そう言ってチルとリガスが小型に対して突っ込んで行く。
「アームズ……」
「ほっほっほ。先行します」
二人は生い茂っている草木を掻き分ける。やはり走り出すと、どうしたって音が発生する為、小型は直ぐにチルとリガスが向かってくる方向を向く。
それを見たリガスが更にスピードを速めて小型に蹴りを食らわす。だが全く効いてないらしく、小型はリガスを食べようと口を開くだけであった。
「ふむ。やはり、ダメですか」
リガスは背中に背負っていた盾を取りだし構える。そしてその盾を地面に突き刺す。小型はリガスに向かって突進してきている。
「カネル!」
突き刺した盾が光り、大きくなる。そして小型が衝突するが、リガスは吹き飛ばされず小型の攻撃に耐えている。
「やっぱり、魔族さんのあのスキル凄いよねー」
「あぁ。一人で小型の攻撃を凌げるって普通あり得ないだろ!」
小型の討伐人数は四~六人が基本の為人数的には俺達のパーティも足りてはいる。
だが小型にも人間と同じく個体差があるので、少しでも強い小型が現れた場合は六人だろうと足りないだろう。
そういう理由から小型相手でも、もっと人数を用意して討伐に挑む者達もいる。
討伐に置いてアタッカーはとても重要な役割だが、防御も同じ様に大事なのだ。普通は二~四くらいタンクを用意して複数人で協力してモンスターの攻撃を防ぐのが基本だ。それを俺達のパーティはリガス一人で防いでいるのだ。
「リガス、よくやったね」
「ほっほっほ。勿体無い言葉で御座います」
そう言って、次はチルがリガスの後ろから出てきて小型に攻撃をする。もちろん俺も攻撃に合わせて赤ラインを下に敷いてサポートを行う。
「アタック!」
そしてチルは以前よりも鋭い動きと攻撃を小型に放つ。グインとの訓練でチルの動きが洗礼された様に思う。熟練者から見ればまだまだなのかもしれないが俺から見たら流れる様に攻撃をしている。
「やっぱり、チルちゃんは凄いね」
「何言っている。これからはロピも凄くなるんだろ?」
俺はロピの頭を軽く撫でてあげた。
「うん! あの木を使って最高の武器を作るよー」
「その為にもアイツを倒さないとな!」
「でも、もう虫の息だよ?」
「え?」
俺は少し目を離しただけなのに、小型は既に動きがノロイ上にフラフラしている。そしてチルは御構い無しに攻撃を続けている。小型の反撃も虚しく全てリガスに受け流されて、その間にチルが攻撃する。
そして小型は倒れる。
「すげ……あの二人だけで倒せるんじゃないか?」
「お兄さんのサポートがあるから小型に攻撃が通るんだよ!」
チルとリガスが戻って来た。
「アトス様、戻りました」
「ほっほっほ。今日もなんとかなりましたな」
「二人ともお帰り。それにしても結構余裕があったな」
「全てはアトス様のお陰です」
「ふむ。私も大分このスキルの使い方が分かってきましたな」
「チルちゃん凄かったよ!」
「ありがとう、姉さん」
そして俺達は少し休憩してから木を切る為に近づく。
「それにしても、この木はなんで他と色違うんだろうー?」
「ふむ。恐らく突然変異か何かでしょう」
リガスが木を触ったり叩いたりして確かめている。
「どうやら他の木より大分丈夫ですな」
「なら、やっぱり武器にするならこの木だよね!」
俺も木を触って見て悟った。これは俺では加工出来ないな……。
「ロピ」
「んー?」
ロピは木に夢中になっているのかとても嬉しそうに木を見ながら俺に返事をする。
言うの気まずいな……。
「あ、あの、この木だと俺の技術じゃ加工出来ないんだ」
「え?! そんな……」
落ち込みようが半端無いな……。
「だ、だけど普通の木なら作れるし。取り敢えず普通の木で作ろうな?」
「うん……」
「材料だけ取って加工出来る所に持って行こう」
「分かった……」
ロピは渋々頷いてくれた。そこからは色違いの木を大量に採取して、他の木を取って休憩所に戻った。
「よし、作るか。武器自体は凄い簡単だから直ぐ作れると思う」
「楽しみー!!」
先程まで凄い落ち込んでいたが、やはり新しい武器は楽しみなのだろう、今はワクワクした様な表情で俺の作る様子を覗き込んでいる。それはチルも同じくらしくロピの隣で俺の作る所を見ている。
そんなに凄い武器でも無いんだけどな……。俺は先程取ってきた普通の木を使用して作り始めた。
「姉さん楽しみだね!」
「うん! チルちゃん特訓手伝ってね!」
「もちろんだよ!」
それから半日程かけて武器は完成した。本当はもっと早く出来たと思うが俺が不器用の為時間が掛かってしまった。
「お兄さん、それが私の武器?」
「あぁ、持ってみな」
「わぁー。こんな武器初めてみた」
「その武器はスリングショットって言うんだ」
「スリングショット?」
「そうだ。通称パチンコだな」
俺がロピに作った武器はスリングショットである。この武器は作りが良ければ100メートル程の飛距離が出ると聞く。素人が作っても20~30メートル程は届くだろう。
「どうやって使うの?」
「それは明日だな」
「「えー」」
「ほっほっほ。ロピ殿良かったですな」
「うん!」
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