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第4章
97話 デグの不安……
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「デグさん、あの三人を村に住まわせるんですか?」
「まだ分からん」
「俺はどうもアイツらの事が気に食わないんですよ」
「気持ちは分かるが、一先ずは一緒に過ごす事になったんだ、我慢してくれ……」
三人とは昨日この村を訪ねて来た、ガバイとその息子達である、サット、マットの三人の事だ。
人を外見で判断してはダメだがガバイ達は人間族の住処から飯が食えなくなったりした事が理由で故郷を出たと言っていた。
しかしガバイ達三人は、とても良い体格で毎日お腹いっぱい食べていたんじゃないかと言わんばかりに恰幅も良かった。
そして、今日は三人に村を案内する予定だが誰も案内をしたくないと言って、しょうがなく俺が案内する羽目になった。
「はぁ……。気が進まねーな」
「なら追い出せばいい……」
「うぉ!? いきなり現れるなよ!」
考え事をしながら歩いているとベムがいきなり話しかけて来た。
「まぁ、そう言うなよ」
「まだ、一日しか居ないのに村人達から評判が悪い……」
アイツら何したんだよ……。
「なぁー、一緒に案内しようぜ?」
「絶対にイヤ……」
そしてベムはどこか行ってしまう。
俺もバックれたいぜ。
そんな感じで嫌々ながらも歩いていると村の入り口付近まで着いた。ガバイ達は本当に柵の内側でテントを張って居た。
だが、そのテントは高級感が有りこの村の中で一番良い建物と化している。
アイツら下手に出てテントで良いですとか言っていたが要はこの村の建物レベルを見てテントの方がマシだと思っていたって事かよッ!
テントの前に着きガバイ達に呼び掛ける。
「ガバイさん、起きているかい?」
「えぇ。デグさん少々お待ちを」
暫くしてからガバイ達がテントから出てきた。
「おはようさん、随分立派なテントだな」
「えぇ。今の私達の中では一番の財産でございます」
「あぁ。高級感があっていい代物だな」
「ありがとうございます」
昨日と同様とても低姿勢で対応して来るな。
「今日は村を案内する。狭い村だから直ぐ終わるけどな」
「有難いです」
ガバイ達に村を案内しているが、どうも余り興味が無いのか相槌は打つが質問などはしてこない。ガバイだけは色々と村の様子などを注意深く観察している様子だった。
「これで村の案内は終わりだが何か質問あるか?」
「この村に水路とか無いんですか?」
「あぁ。ここから一番近い川まで毎日汲みに行っている」
「なるほど。大変ではございません?」
大変だ。水の汲み取りは毎日交代制で村人達が行ってくれるが、やはり相当労力を使う。
「良ければ水路を引いてみては?」
「そんな労力を裂ける人員が居ないんだよな」
「でしたら私が指揮を取りますので、数人で良いので私の下に就かせてくれませんか?」
「そんな事出来るのか?」
「えぇ。恐らく大丈夫だと思います」
そこからは、ガバイと水路について話し合ったが、この男頭が良い。
俺では到底無理な方法と人員の使い方を提案してきた。そして俺はその提案で少人数でも水路をつくる事が出来ると思ってしまった。
「デグさん、いかがでしょうか?」
「うーん。とても魅力的なのは確かだな……」
「水路が完成すれば水汲みの分の労力を他に使えますし生活も楽になりますよ」
ガバイはニッコリと笑いながら水路の利点を言ってくる。
「一度村で聞いてみる事にする」
「えぇ。お願い致します」
そして、俺とガバイの話が終わったのを見計らって息子のサットとマットが話しかけて来た。
「なぁ、オッサン。この村の女って何人いるんだ?」
「こんな田舎だと良い女なんていねーよな」
な、なんだコイツら? 今俺の事をオッサンって言ったか!? こう見ても俺はまだ若いぞ!
「これ! この村の村長になんて口をきいている!」
「だって、親父。こいつ馬鹿だぜ?」
「そうだよな。今親父が説明した事なんて普通教えられなくても気付くだろ」
コイツら……。
「デグさん、申し訳ございません。どうも私の子供は正直者でして……。良く言って聞かせますので」
ん? コイツも今おかしい事言ってなかったか?
「では、私達はテントに戻りますので」
「親父、俺女漁りに行きたいんだが」
「俺もー」
「馬鹿! そんなの許す訳ないだろ!」
「「まじかよー」」
コイツらやっぱり追い出した方が良いような気がして来た……。
それから俺は村の主要な人物を集めて会議をした。
「ガバイの提案なんだが水路を作ろうと言われた、みんなはどう思う?」
「そんなの作れるんすか?」
「話を聞く限りだと出来るな」
俺はみんなにガバイが考えている方法を伝える。最初は疑わしい眼差しを送っていた者達だが話を聞いていくうちに皆の表情が変わっていくのが分かる。
「確かに……それならいけそうっすね」
「デグ、アイツらは安全なの……?」
ベムが心配そうに尋ねて来る。
「正直言って、信頼は出来ないと思う……。だがまだ悪さをした訳でも無いし逆にこの村の発展の為の案を出してくれているからな……」
「デグが良いなら従う……」
他に会議参加してくれた村人達も水路の件は賛成してくれた。やはりそれ程水路は魅力的だ。だがみんな心配しているのはやはりガバイ達の事だろう。
「まだ分からん」
「俺はどうもアイツらの事が気に食わないんですよ」
「気持ちは分かるが、一先ずは一緒に過ごす事になったんだ、我慢してくれ……」
三人とは昨日この村を訪ねて来た、ガバイとその息子達である、サット、マットの三人の事だ。
人を外見で判断してはダメだがガバイ達は人間族の住処から飯が食えなくなったりした事が理由で故郷を出たと言っていた。
しかしガバイ達三人は、とても良い体格で毎日お腹いっぱい食べていたんじゃないかと言わんばかりに恰幅も良かった。
そして、今日は三人に村を案内する予定だが誰も案内をしたくないと言って、しょうがなく俺が案内する羽目になった。
「はぁ……。気が進まねーな」
「なら追い出せばいい……」
「うぉ!? いきなり現れるなよ!」
考え事をしながら歩いているとベムがいきなり話しかけて来た。
「まぁ、そう言うなよ」
「まだ、一日しか居ないのに村人達から評判が悪い……」
アイツら何したんだよ……。
「なぁー、一緒に案内しようぜ?」
「絶対にイヤ……」
そしてベムはどこか行ってしまう。
俺もバックれたいぜ。
そんな感じで嫌々ながらも歩いていると村の入り口付近まで着いた。ガバイ達は本当に柵の内側でテントを張って居た。
だが、そのテントは高級感が有りこの村の中で一番良い建物と化している。
アイツら下手に出てテントで良いですとか言っていたが要はこの村の建物レベルを見てテントの方がマシだと思っていたって事かよッ!
テントの前に着きガバイ達に呼び掛ける。
「ガバイさん、起きているかい?」
「えぇ。デグさん少々お待ちを」
暫くしてからガバイ達がテントから出てきた。
「おはようさん、随分立派なテントだな」
「えぇ。今の私達の中では一番の財産でございます」
「あぁ。高級感があっていい代物だな」
「ありがとうございます」
昨日と同様とても低姿勢で対応して来るな。
「今日は村を案内する。狭い村だから直ぐ終わるけどな」
「有難いです」
ガバイ達に村を案内しているが、どうも余り興味が無いのか相槌は打つが質問などはしてこない。ガバイだけは色々と村の様子などを注意深く観察している様子だった。
「これで村の案内は終わりだが何か質問あるか?」
「この村に水路とか無いんですか?」
「あぁ。ここから一番近い川まで毎日汲みに行っている」
「なるほど。大変ではございません?」
大変だ。水の汲み取りは毎日交代制で村人達が行ってくれるが、やはり相当労力を使う。
「良ければ水路を引いてみては?」
「そんな労力を裂ける人員が居ないんだよな」
「でしたら私が指揮を取りますので、数人で良いので私の下に就かせてくれませんか?」
「そんな事出来るのか?」
「えぇ。恐らく大丈夫だと思います」
そこからは、ガバイと水路について話し合ったが、この男頭が良い。
俺では到底無理な方法と人員の使い方を提案してきた。そして俺はその提案で少人数でも水路をつくる事が出来ると思ってしまった。
「デグさん、いかがでしょうか?」
「うーん。とても魅力的なのは確かだな……」
「水路が完成すれば水汲みの分の労力を他に使えますし生活も楽になりますよ」
ガバイはニッコリと笑いながら水路の利点を言ってくる。
「一度村で聞いてみる事にする」
「えぇ。お願い致します」
そして、俺とガバイの話が終わったのを見計らって息子のサットとマットが話しかけて来た。
「なぁ、オッサン。この村の女って何人いるんだ?」
「こんな田舎だと良い女なんていねーよな」
な、なんだコイツら? 今俺の事をオッサンって言ったか!? こう見ても俺はまだ若いぞ!
「これ! この村の村長になんて口をきいている!」
「だって、親父。こいつ馬鹿だぜ?」
「そうだよな。今親父が説明した事なんて普通教えられなくても気付くだろ」
コイツら……。
「デグさん、申し訳ございません。どうも私の子供は正直者でして……。良く言って聞かせますので」
ん? コイツも今おかしい事言ってなかったか?
「では、私達はテントに戻りますので」
「親父、俺女漁りに行きたいんだが」
「俺もー」
「馬鹿! そんなの許す訳ないだろ!」
「「まじかよー」」
コイツらやっぱり追い出した方が良いような気がして来た……。
それから俺は村の主要な人物を集めて会議をした。
「ガバイの提案なんだが水路を作ろうと言われた、みんなはどう思う?」
「そんなの作れるんすか?」
「話を聞く限りだと出来るな」
俺はみんなにガバイが考えている方法を伝える。最初は疑わしい眼差しを送っていた者達だが話を聞いていくうちに皆の表情が変わっていくのが分かる。
「確かに……それならいけそうっすね」
「デグ、アイツらは安全なの……?」
ベムが心配そうに尋ねて来る。
「正直言って、信頼は出来ないと思う……。だがまだ悪さをした訳でも無いし逆にこの村の発展の為の案を出してくれているからな……」
「デグが良いなら従う……」
他に会議参加してくれた村人達も水路の件は賛成してくれた。やはりそれ程水路は魅力的だ。だがみんな心配しているのはやはりガバイ達の事だろう。
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