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第3章
60話 出発!
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「お兄さーん! チルちゃーん! 起きてー、朝だよー」
なんだ?!
俺はロピの声で跳ね起きた。
「なんだ?!」
「姉さん、なに!?」
「あはは、二人とも起きたねー。朝だよ。今日から旅が始まるよー」
どうやら、ロピは旅に出るのが楽しみ過ぎて早く起きてしまったらしい。
小学生かよ……。
「さ! 朝ごはんの準備も出来ているし早くたべよ」
「え……、朝ご飯って姉さんが作ったの……?」
何故か、チルは負けた! って顔をしながらロピに恐る恐る聞いている。
「ん? そうだよー」
「アトス様に最初に手料理を食べさせるのは私のはずだったのに……」
何やらチルが呟いているが、声が小さくて聴こえないな。
「おー。ロピの料理美味そうだな」
「でしょ? でしょ?」
早く食べて、感想聞かせて! って感じで俺に食べる様に催促してくる。
「ん……。美味いな……」
驚いた事に、ロピの料理は普通に美味いのだ。
「姉さんは、スラム街ではずっと私にご飯を作ってくれてましたから」
「そうだねー」
「なら、これからも作ってくれよ」
「それはダーメ」
「なんでだよ」
「だって、お兄さんの料理の方が美味いし、めんどくさいんだもーん」
こんなに美味いなら、俺よりも全然美味しいだろう。
朝食も食べ終わり、俺達は出発する。
「忘れ物はないかー?」
「「なーい」」
「しばらく帰ってこないし、もしかしたら二度と戻って来ないかもしれないけど平気?」
「「大丈夫ー」」
「よし、出発ー!」
「「おー!!」」
ロピの所為で起きるのが早くなってしまった為、まだ日が昇りきってない。
「チルちゃん、なんかワクワクするね」
「うん。楽しみ……」
二人はこの旅が楽しみらしく、こんな事したい、あんな事したいと話し合っている。
「二人ともー、モンスターの気配に気を配れよ」
「「はーい」」
体力は俺の方があるが、走るスピードなどはロピとチルの方が早い。仮にモンスターに遭遇しても恐らく逃げ切れるだろう。
むしろ、俺の方が逃げ切れない可能性はあるな……。
「お兄さん、どれくらいで村に着くかな?」
「どうだろうなー。俺も想像つかないな」
「何があっても、アトス様は私が守ります」
「だね! それとチルちゃん私達! だからね? お姉ちゃんもお兄さんを守るからね!?」
「あはは、二人もと頼もしいな」
「お兄さん、攻撃手段全然無いもんね」
「それを言うなよ……」
俺のスキルではモンスターにダメージを与える事が出来ない。
仲間の能力を上げて、仲間がモンスターに攻撃する為俺自身に殲滅力などは皆無だ。
俺だって、この世界に転生してからは無双状態になって小型をバタバタ倒したかったぜ……。
ロピとチルは獣人族なだけあり身体能力が高く、スキルを得て無くても人間相手ならとてもつもない攻撃力を放つ事が出来るしな。
ロピもチルも力が強い為、一度組手をした際に吹っ飛ばされた記憶がある。
その時のチルは血の気の引いた表情をして急いで俺に駆け寄りひたすら土下座をしていた。
あの日は一日中その場で土下座していたな……。
ロピは俺を吹っ飛ばした後に爆笑していた。
「よし、今日はここで夜営しよう」
「はーい!」
「分かりました」
ロピはまだまだ元気そうだ。
「よし、保存食は一応手を付けないで、狩をするぞ」
「へへ、腕が鳴るねー」
「アトス様の為に全力で頑張ります」
それからしばらく狩をして鳥を何羽か狩って食べる事にした。
「どこで食べてもお兄さんの料理美味い!」
「この技をどうにかして取得したい……」
「ありがとう。今日は三人で交代して見張りを立てよう」
「旅の醍醐味だね!」
「まずは俺から見張るから二人は先に寝てくれ」
「アトス様、一番先は私がやります」
チルは俺に最初の見張りをさせるのが気になるらしく、自ら志願する。
「いや、ここはお互い遠慮せずに寝よう。俺も時間になったらキッチリ起こして寝かせてもらうから」
「……はい。分かりました」
シュンとしてしまうチルをロピが肩を叩き慰めてあげている。
「じゃ、お兄さん私達寝るねー」
「アトス様、次は私ですので時間になったら起こして下さい」
二人は少し離れた場所で身体を寄せ合いながら眠りについた。
「「すぴー、すぴー」」
二人とも、元気に見えたが、慣れない旅に疲れたのか直ぐに寝息を立て始めた。
旅に出て一日目だが俺も慣れない旅に疲れたな。早く村が見つかればいいが……。
なんだ?!
俺はロピの声で跳ね起きた。
「なんだ?!」
「姉さん、なに!?」
「あはは、二人とも起きたねー。朝だよ。今日から旅が始まるよー」
どうやら、ロピは旅に出るのが楽しみ過ぎて早く起きてしまったらしい。
小学生かよ……。
「さ! 朝ごはんの準備も出来ているし早くたべよ」
「え……、朝ご飯って姉さんが作ったの……?」
何故か、チルは負けた! って顔をしながらロピに恐る恐る聞いている。
「ん? そうだよー」
「アトス様に最初に手料理を食べさせるのは私のはずだったのに……」
何やらチルが呟いているが、声が小さくて聴こえないな。
「おー。ロピの料理美味そうだな」
「でしょ? でしょ?」
早く食べて、感想聞かせて! って感じで俺に食べる様に催促してくる。
「ん……。美味いな……」
驚いた事に、ロピの料理は普通に美味いのだ。
「姉さんは、スラム街ではずっと私にご飯を作ってくれてましたから」
「そうだねー」
「なら、これからも作ってくれよ」
「それはダーメ」
「なんでだよ」
「だって、お兄さんの料理の方が美味いし、めんどくさいんだもーん」
こんなに美味いなら、俺よりも全然美味しいだろう。
朝食も食べ終わり、俺達は出発する。
「忘れ物はないかー?」
「「なーい」」
「しばらく帰ってこないし、もしかしたら二度と戻って来ないかもしれないけど平気?」
「「大丈夫ー」」
「よし、出発ー!」
「「おー!!」」
ロピの所為で起きるのが早くなってしまった為、まだ日が昇りきってない。
「チルちゃん、なんかワクワクするね」
「うん。楽しみ……」
二人はこの旅が楽しみらしく、こんな事したい、あんな事したいと話し合っている。
「二人ともー、モンスターの気配に気を配れよ」
「「はーい」」
体力は俺の方があるが、走るスピードなどはロピとチルの方が早い。仮にモンスターに遭遇しても恐らく逃げ切れるだろう。
むしろ、俺の方が逃げ切れない可能性はあるな……。
「お兄さん、どれくらいで村に着くかな?」
「どうだろうなー。俺も想像つかないな」
「何があっても、アトス様は私が守ります」
「だね! それとチルちゃん私達! だからね? お姉ちゃんもお兄さんを守るからね!?」
「あはは、二人もと頼もしいな」
「お兄さん、攻撃手段全然無いもんね」
「それを言うなよ……」
俺のスキルではモンスターにダメージを与える事が出来ない。
仲間の能力を上げて、仲間がモンスターに攻撃する為俺自身に殲滅力などは皆無だ。
俺だって、この世界に転生してからは無双状態になって小型をバタバタ倒したかったぜ……。
ロピとチルは獣人族なだけあり身体能力が高く、スキルを得て無くても人間相手ならとてもつもない攻撃力を放つ事が出来るしな。
ロピもチルも力が強い為、一度組手をした際に吹っ飛ばされた記憶がある。
その時のチルは血の気の引いた表情をして急いで俺に駆け寄りひたすら土下座をしていた。
あの日は一日中その場で土下座していたな……。
ロピは俺を吹っ飛ばした後に爆笑していた。
「よし、今日はここで夜営しよう」
「はーい!」
「分かりました」
ロピはまだまだ元気そうだ。
「よし、保存食は一応手を付けないで、狩をするぞ」
「へへ、腕が鳴るねー」
「アトス様の為に全力で頑張ります」
それからしばらく狩をして鳥を何羽か狩って食べる事にした。
「どこで食べてもお兄さんの料理美味い!」
「この技をどうにかして取得したい……」
「ありがとう。今日は三人で交代して見張りを立てよう」
「旅の醍醐味だね!」
「まずは俺から見張るから二人は先に寝てくれ」
「アトス様、一番先は私がやります」
チルは俺に最初の見張りをさせるのが気になるらしく、自ら志願する。
「いや、ここはお互い遠慮せずに寝よう。俺も時間になったらキッチリ起こして寝かせてもらうから」
「……はい。分かりました」
シュンとしてしまうチルをロピが肩を叩き慰めてあげている。
「じゃ、お兄さん私達寝るねー」
「アトス様、次は私ですので時間になったら起こして下さい」
二人は少し離れた場所で身体を寄せ合いながら眠りについた。
「「すぴー、すぴー」」
二人とも、元気に見えたが、慣れない旅に疲れたのか直ぐに寝息を立て始めた。
旅に出て一日目だが俺も慣れない旅に疲れたな。早く村が見つかればいいが……。
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