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第3章
58話 双子獣人の訓練 2
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「それでは、スキルについての講義を始める」
「わー!!」
姉妹からの拍手が鳴り響く。朝ごはんを食べ終わり、今は講義の時間だ。
「では、ロピに質問」
「なになに?」
「スキルの種類は何種類ある?」
「三種類! 特別なスキルを入れるなら四種類になるかな!」
「正解」
「えへへ」
ロピはニンマリした笑顔で喜ぶ。身長が高い為大人ぽく見えるが、こういう所を見ると、やはり十歳児で子供ぽいな。
「では、次にチルに質問」
「はい」
「スキルの三種類とは?」
「身体強化、武器強化、能力向上です」
「正解」
「……」
チルはロピと違って気恥ずかしい感じではにかむように笑った。
「それでは、各スキルの特徴を説明していく」
二人は静かに聞いている。
「まず、身体強化だな。名前の通り身体の一部を強化して通常よりも強化される。例えば足だった場合は足が速くなったりとかだな」
俺の説明にロピが手を上げた。
「はーい、質問!」
「はい、ロピ君どうぞ」
「強化出来る部位はどれくらいあるの?」
「それは、俺にも分からないが知っている範囲では、足、腕、目、鼻、耳などは強化の対象だな」
実際には他にも強化出来る部位があるかもしれないが、シクからはそこまで習わなかったな。
「それでは、次に武器強化だな。指定された武器を強化出来る。例えば、硬さなども強化だし、ある属性を武器に付与する事も出来る」
「アトス様、私は絶対武器強化のスキルを取得したいです!」
「うーん、武器強化は珍しいスキルに入るからな……。チルが取れるか分からないな」
チルはショボンとして俯いてしまう。こういう素直な反応も可愛いな。
「はーい! 私はお兄さんとチルちゃんの役に立てるなら、なんのスキルでもいいやー」
ロピはスキルを得る事自体は楽しみらしいが、チルほどの拘りは無い様だ。
「では、三つ目の能力向上についてだな。これは他人の能力を上げる事が出来る。あげられる能力としては、攻撃力、防御力、スピード力の三つだな」
「アトス様、質問です」
次は妹のチルが手を上げる。
「おー、なんだー?」
「その三つ以外にも能力向上のスキルで上げられる能力とかあるんですか?」
「俺が知っているのはこの三つだが、実際には他もあるかもしれない」
他にも上げられるなら、便利だし戦闘などで使い勝手が更に良くなるな……。
「以上がスキル三種類の説明だ。俺もスキルついては全然分かっていないので
スキルとしての使い方は、まだまだあるかもしれない」
俺のスキル知識はシクの受け売りだ。シクもあのジャングルに住んでいたのは十歳を少し越したくらいの時と言っていたし、全部が全部知っていた訳ではないだろう。
「よし、スキルの復習はここまで。後は自分で得たスキルを伸ばしていく事を考えるんだな」
「「はーい」」
「なら午後からは外で訓練だ」
さっきまでのスキル講義とは真逆の表情を俺に向けている所を見ると、どうやら俺に精一杯の不満を漏らしているらしい。
「そんな顔しても無駄だからなー。そして可愛い顔が台無しだぞー」
「「!?」」
二人はすぐに元の表情に戻し、お互いの顔をチェックして頷きあう。
「お兄さん、私達の事可愛いって!」
「アトス様、私には勿体ない言葉……。でも、私嬉しいです」
「はいはい、昼ごはん食べて早く午後の訓練するぞー」
昼飯をささっと作り、食べて訓練を再開する。
「よし、では走り込みからいくぞー」
「「はーい」」
俺達は、ある程度早いスピードで走る。モンスターと遭遇した際の対処法を想定した訓練だ。
スピードは俺より姉妹の方が断然早いが、体力は俺の方がある様で、一定のスピードで走り続けると大抵姉妹のどちらかが先にダウンする。
そして、今回はロピがダウンした。
「はぁはぁ、お兄さん体力ありすぎー」
「はぁはぁ、私もそう思います。アトス様はやはり凄いお方……」
チルは俺の事を羨望の眼差しで見ている。
人間族の住処から逃げ出して三年経った今でも、チルは俺の事を神格化している様な雰囲気を感じるな……。
「何言っている。お前らなんてスピードが素の状態でも早いんだから、羨ましいよ」
「お兄さん、足遅いもんね」
「俺が遅いんじゃなくて、お前らが早すぎるんだよ!」
二人は息が切れても少し休むと、直ぐに立ち上がり訓練を再開する。
やはり、この世界の住人なのか、危機感が常に有り、口ではアレやコレやと言ってても生き抜く為に、どうすればいいかは分かっている為、自主的に訓練をしたりする。
「よーし、今日の訓練終わり!」
「疲れたー」
「姉さん、だらしないよ」
二人は疲れ果てた末、座り込んでいる。
この三年の訓練で二人は大分早く走れる様になったな。
まぁ、シクよりは遅いけど、人間族と比べたら、断然早い。
これなら、スキル儀式を受ける為の旅も少しは安心だな……。
さて、旅に出る準備でもしようかね。
「わー!!」
姉妹からの拍手が鳴り響く。朝ごはんを食べ終わり、今は講義の時間だ。
「では、ロピに質問」
「なになに?」
「スキルの種類は何種類ある?」
「三種類! 特別なスキルを入れるなら四種類になるかな!」
「正解」
「えへへ」
ロピはニンマリした笑顔で喜ぶ。身長が高い為大人ぽく見えるが、こういう所を見ると、やはり十歳児で子供ぽいな。
「では、次にチルに質問」
「はい」
「スキルの三種類とは?」
「身体強化、武器強化、能力向上です」
「正解」
「……」
チルはロピと違って気恥ずかしい感じではにかむように笑った。
「それでは、各スキルの特徴を説明していく」
二人は静かに聞いている。
「まず、身体強化だな。名前の通り身体の一部を強化して通常よりも強化される。例えば足だった場合は足が速くなったりとかだな」
俺の説明にロピが手を上げた。
「はーい、質問!」
「はい、ロピ君どうぞ」
「強化出来る部位はどれくらいあるの?」
「それは、俺にも分からないが知っている範囲では、足、腕、目、鼻、耳などは強化の対象だな」
実際には他にも強化出来る部位があるかもしれないが、シクからはそこまで習わなかったな。
「それでは、次に武器強化だな。指定された武器を強化出来る。例えば、硬さなども強化だし、ある属性を武器に付与する事も出来る」
「アトス様、私は絶対武器強化のスキルを取得したいです!」
「うーん、武器強化は珍しいスキルに入るからな……。チルが取れるか分からないな」
チルはショボンとして俯いてしまう。こういう素直な反応も可愛いな。
「はーい! 私はお兄さんとチルちゃんの役に立てるなら、なんのスキルでもいいやー」
ロピはスキルを得る事自体は楽しみらしいが、チルほどの拘りは無い様だ。
「では、三つ目の能力向上についてだな。これは他人の能力を上げる事が出来る。あげられる能力としては、攻撃力、防御力、スピード力の三つだな」
「アトス様、質問です」
次は妹のチルが手を上げる。
「おー、なんだー?」
「その三つ以外にも能力向上のスキルで上げられる能力とかあるんですか?」
「俺が知っているのはこの三つだが、実際には他もあるかもしれない」
他にも上げられるなら、便利だし戦闘などで使い勝手が更に良くなるな……。
「以上がスキル三種類の説明だ。俺もスキルついては全然分かっていないので
スキルとしての使い方は、まだまだあるかもしれない」
俺のスキル知識はシクの受け売りだ。シクもあのジャングルに住んでいたのは十歳を少し越したくらいの時と言っていたし、全部が全部知っていた訳ではないだろう。
「よし、スキルの復習はここまで。後は自分で得たスキルを伸ばしていく事を考えるんだな」
「「はーい」」
「なら午後からは外で訓練だ」
さっきまでのスキル講義とは真逆の表情を俺に向けている所を見ると、どうやら俺に精一杯の不満を漏らしているらしい。
「そんな顔しても無駄だからなー。そして可愛い顔が台無しだぞー」
「「!?」」
二人はすぐに元の表情に戻し、お互いの顔をチェックして頷きあう。
「お兄さん、私達の事可愛いって!」
「アトス様、私には勿体ない言葉……。でも、私嬉しいです」
「はいはい、昼ごはん食べて早く午後の訓練するぞー」
昼飯をささっと作り、食べて訓練を再開する。
「よし、では走り込みからいくぞー」
「「はーい」」
俺達は、ある程度早いスピードで走る。モンスターと遭遇した際の対処法を想定した訓練だ。
スピードは俺より姉妹の方が断然早いが、体力は俺の方がある様で、一定のスピードで走り続けると大抵姉妹のどちらかが先にダウンする。
そして、今回はロピがダウンした。
「はぁはぁ、お兄さん体力ありすぎー」
「はぁはぁ、私もそう思います。アトス様はやはり凄いお方……」
チルは俺の事を羨望の眼差しで見ている。
人間族の住処から逃げ出して三年経った今でも、チルは俺の事を神格化している様な雰囲気を感じるな……。
「何言っている。お前らなんてスピードが素の状態でも早いんだから、羨ましいよ」
「お兄さん、足遅いもんね」
「俺が遅いんじゃなくて、お前らが早すぎるんだよ!」
二人は息が切れても少し休むと、直ぐに立ち上がり訓練を再開する。
やはり、この世界の住人なのか、危機感が常に有り、口ではアレやコレやと言ってても生き抜く為に、どうすればいいかは分かっている為、自主的に訓練をしたりする。
「よーし、今日の訓練終わり!」
「疲れたー」
「姉さん、だらしないよ」
二人は疲れ果てた末、座り込んでいる。
この三年の訓練で二人は大分早く走れる様になったな。
まぁ、シクよりは遅いけど、人間族と比べたら、断然早い。
これなら、スキル儀式を受ける為の旅も少しは安心だな……。
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