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第2章
52話 モンスターからの逃走……
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俺達が逃げ出している間に、とてつもない気配は何度も何度も発生した。
恐らく、あの後も小型が人間達を捕食したのだろう。モンスターは捕食する事により成長すると学んだが、あの小型は一体何人捕食したのだろう。
今では、普通の小型の何倍も強くなったと思う。
「アトス様、人間かモンスターか分かりませんが気配はそこら中にあります」
「まずは、何の気配もない場所まで移動しよう」
人間族の住処からは大分離れたが、人間が一斉に逃げた為モンスターが集まってきている。
「お兄さん! 小型が現れた!」
さっきから、遭遇しては逃げるの繰り返しをしている。本来ならずっと追いかけられるが、ここら辺には人間が沢山いる為、逃げ続けていると、モンスターが標的を変えて他の人間を追う。
「逃げるぞ!」
「「はい」」
本来、俺よりもスピードや体力が多いはずのロピとチルだが慣れない逃走に緊張して先程から息切れをしている。
「二人とも大丈夫か?」
「はぁはぁ、私はまだ大丈夫かなー。チルちゃんは?」
「はぁはぁ、わ、私も大丈夫です」
二人とも口では大丈夫と言っているが、そろそろ限界だな……。
その時、チルが躓いて転んでしまう。
「──ッチルちゃん!? 早く起きて!」
小型が近づいて来る。
──クソッ! 今から戻っても間に合わない!
「お兄さん! チルちゃんが!」
「分かっている!」
チルは、慌てて起き上がり再び走り出すが、確実に追いつかれる。
ッあれを使ってみるか!
「スピード!」
俺がスキルを発動すると、チルが走るラインを予測して、その上に黄色ラインを敷く。
チルはそのラインの上を走り、先程よりも数倍以上のスピードで走れる様になり、あっという間に俺達に追いついた。
ふぅ……。良かった……。
俺が使えるスキルの能力としては恐らくこれで最後かな? 以前カカからはスキルの使い方以外にも、能力向上で使用できるスキル能力の種類も教えて貰っていた。
どうやら、能力向上のスキル種類には三つあり、【攻撃向上】【防御向上】【スピード向上】があるらしい。
俺のスキルは、【能力上昇(サポート全 S)】なので、三種類全て使える様だ。
「アトス様、ありがとうございます」
「チルちゃん、良かったよー!」
「姉さんも心配させてごめんね」
「なんとか、スキル発動が間に合って良かった……」
そして、俺達は再び小型から逃げ出す。小型も捕まえられると思ったのに、一瞬で距離を離されて悔しかったのか、今回はしつこく追いかけてくる。
「今回はしつこいですね」
「あぁ、どこかの人間になすり付けるしかないか……」
……あれ? なんか今の発言シクみたいじゃないか?
だが、守るべき者が居ると非道とか言ってられないな。シクはこんな気持ちで俺を守って居たからこその発言だったのか……。
「ロピ、どこかに人間の気配は無いか?」
「人間か分からないけど少し先に気配はあるよ」
「よし、そこに誘導しよう」
それからしばらく逃げ続けながら、例の場所に向かうと、気配の場所に到着する。
少し先に人間が五人程歩いて居るのが見える。その人間達を追い抜いた。
これで小型が人間達に標的を変えてくれればいいが……。
「ん? なんだ? 今ガキが三人通り過ぎたな」
「おい、どうやら小型に追われて居るらしいな」
小型は五人組の人間達の場所まで来るが、無視して、俺達を追いかけて来ようとする。
だが、五人組の人間達が武器を引き抜き小型と応戦し始めた。
──ッよし! 成功だ。どうやら冒険者達の方で小型を討伐してくれるらしい。
俺達は接触せずにそのまま逃走を続けた。
「アトス様、なんとか巻きましたね」
「良かったー。流石に私達も体力の限界だったもんねー」
「そうだな。安全な場所で今日は一夜を明かそう」
こうして、俺達は人間族の住処から逃げ出してから一日過ぎた。
恐らく、あの後も小型が人間達を捕食したのだろう。モンスターは捕食する事により成長すると学んだが、あの小型は一体何人捕食したのだろう。
今では、普通の小型の何倍も強くなったと思う。
「アトス様、人間かモンスターか分かりませんが気配はそこら中にあります」
「まずは、何の気配もない場所まで移動しよう」
人間族の住処からは大分離れたが、人間が一斉に逃げた為モンスターが集まってきている。
「お兄さん! 小型が現れた!」
さっきから、遭遇しては逃げるの繰り返しをしている。本来ならずっと追いかけられるが、ここら辺には人間が沢山いる為、逃げ続けていると、モンスターが標的を変えて他の人間を追う。
「逃げるぞ!」
「「はい」」
本来、俺よりもスピードや体力が多いはずのロピとチルだが慣れない逃走に緊張して先程から息切れをしている。
「二人とも大丈夫か?」
「はぁはぁ、私はまだ大丈夫かなー。チルちゃんは?」
「はぁはぁ、わ、私も大丈夫です」
二人とも口では大丈夫と言っているが、そろそろ限界だな……。
その時、チルが躓いて転んでしまう。
「──ッチルちゃん!? 早く起きて!」
小型が近づいて来る。
──クソッ! 今から戻っても間に合わない!
「お兄さん! チルちゃんが!」
「分かっている!」
チルは、慌てて起き上がり再び走り出すが、確実に追いつかれる。
ッあれを使ってみるか!
「スピード!」
俺がスキルを発動すると、チルが走るラインを予測して、その上に黄色ラインを敷く。
チルはそのラインの上を走り、先程よりも数倍以上のスピードで走れる様になり、あっという間に俺達に追いついた。
ふぅ……。良かった……。
俺が使えるスキルの能力としては恐らくこれで最後かな? 以前カカからはスキルの使い方以外にも、能力向上で使用できるスキル能力の種類も教えて貰っていた。
どうやら、能力向上のスキル種類には三つあり、【攻撃向上】【防御向上】【スピード向上】があるらしい。
俺のスキルは、【能力上昇(サポート全 S)】なので、三種類全て使える様だ。
「アトス様、ありがとうございます」
「チルちゃん、良かったよー!」
「姉さんも心配させてごめんね」
「なんとか、スキル発動が間に合って良かった……」
そして、俺達は再び小型から逃げ出す。小型も捕まえられると思ったのに、一瞬で距離を離されて悔しかったのか、今回はしつこく追いかけてくる。
「今回はしつこいですね」
「あぁ、どこかの人間になすり付けるしかないか……」
……あれ? なんか今の発言シクみたいじゃないか?
だが、守るべき者が居ると非道とか言ってられないな。シクはこんな気持ちで俺を守って居たからこその発言だったのか……。
「ロピ、どこかに人間の気配は無いか?」
「人間か分からないけど少し先に気配はあるよ」
「よし、そこに誘導しよう」
それからしばらく逃げ続けながら、例の場所に向かうと、気配の場所に到着する。
少し先に人間が五人程歩いて居るのが見える。その人間達を追い抜いた。
これで小型が人間達に標的を変えてくれればいいが……。
「ん? なんだ? 今ガキが三人通り過ぎたな」
「おい、どうやら小型に追われて居るらしいな」
小型は五人組の人間達の場所まで来るが、無視して、俺達を追いかけて来ようとする。
だが、五人組の人間達が武器を引き抜き小型と応戦し始めた。
──ッよし! 成功だ。どうやら冒険者達の方で小型を討伐してくれるらしい。
俺達は接触せずにそのまま逃走を続けた。
「アトス様、なんとか巻きましたね」
「良かったー。流石に私達も体力の限界だったもんねー」
「そうだな。安全な場所で今日は一夜を明かそう」
こうして、俺達は人間族の住処から逃げ出してから一日過ぎた。
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