40 / 492
第2章
39話 アトス12歳になりました!
しおりを挟む
スキルの話をカカから聞いた日から約二年の月日が経った。
俺は十二歳になり、相変わらずデグとベムに迷惑を掛けながらも、一人暮らしを満喫していた。
今までは、雑用やゴミ拾いなど身元不明の人でも仕事を斡旋してくれる、怪しそうな所に仕事を紹介してもらいながら、お金を稼いで暮らしていた。
結局アレから人間族の住処からは一度も出てないので、スキルを試す機会が無かった。
だが、今日から俺は十二歳になったので、冒険者になる資格を得たのだ!
まぁ、パーティーは俺のスキルのせいで組めなさそうだが、薬草などの依頼を受けられるので、今よりずっと生活が楽になる。
この二年間で俺はシクと行っていた訓練をずっと繰り返していた。
そして、前よりも先読みの能力は上がった気もする。先読みの訓練にはデグに手伝って貰ったが、シクと比べると遅すぎて捕まる気がしない。なので、先読みの訓練は頭の中でモンスターや人を動かして先読みするシュミレーションに切り替えた。どれくらい効果があるかは不明だが、いい方向に転がってくれると嬉しい。
デグとベムはあれから新しいパーティーメンバーが見つかり、四人パーティーで冒険者を続けている。
一週間前から長期の冒険に出ると言っていたので、しばらくは帰って来ないらしい。
デグは俺の事を心配しつつもカラッと別れたが、ベムは俺にずっと抱き着いて出発するまで離れてくれなかったな……。
そんなこんなで、俺は今冒険者ギルドに向かっている。
「俺も、とうとう冒険者になれるのかー。これで生活が楽になるな!」
やはり、怪しい所に紹介された仕事は全然稼げなかった。食べ物は基本安い食材だけで、たまにデグやベムがご飯を奢ってくれたりした。そんな生活を送っていると、デグ達に一緒に住もうと提案されるが、それは嫌だったので
断り続けていたら、諦めてご飯を届けてくれる様になったな……。
二年間経っても、なんだかんだデグ達に迷惑掛けている事に申し訳無さを感じる。
若干の自己嫌悪をしていたら、冒険者ギルドに着いた。
ギルドの扉を開けて中に入る。こういう時の定番は、受付行くまでに冒険者に絡まれるのが定番だよな……。
俺はビクつきながらも、ゆっくり歩を進める。
だが、そんな事も無くすんなり受付まで来られた。
よく見ると俺くらいの子供も普通に居る。やはりこの街では冒険者が一番儲かる為、12歳と同時に冒険者になる子供がかなり居るらしい。
「あの、すみません」
俺は受付の女性に声をかける。
「はい、本日はどの様な御用でしょうか」
「冒険者登録の為に参りました」
「はい。それでは必要事項をこの紙にお書き下さい」
そう言って、渡された紙にサラサラと適当に埋めていった。
「書きました」
「確認致しますね」
女性は書き忘れが無いか確認後に、奥の部屋にしばらく行って帰ってきた。
「はい、ご登録完了致しました。明日から依頼を受ける事が出来ますよ」
「分かりました」
こうして、俺は冒険者登録を終えて冒険者になった。普通はここからパーティーを探して、入れて貰ったり、パーティーを作ったりするが、俺には無理なので関係ないな……。
俺は自分の家に帰る事にした。
明日から、バンバン依頼をこなして稼いでやるぜッ!!
冒険者になった事により気分が高揚しているのか普段行かない場所にでも行ってみる事にした。
俺は普段の帰り道とは違う道を通って歩を進める。
しばらく、歩いて居るとこの街のスラム街の入り口が見えてきた。
そういえば、デグ達が言ってたな。スラム街だけは行くなって。
どうやら危ない奴ばかりいるらしくて何をしてくるか分からないらしい。
だが! 今日の俺はなんでも出来そうだぜ! って気分なのでスラム街入って見る事にした。
もし危なくなりそうなら、すぐ帰ればいいよね?
そこら辺の判断能力は、見た目通りの12歳とはわけが違うぜ! なんて言っても精神年齢は年齢の倍以上だからな!
無駄にテンションを上げて、スラム街に足を踏み入れた。
しばらく、歩いて居ると、どんどん道がボコボコになり舗装されていない道ばかりになる。
そこらの地面に人が寝ていたり、その寝ている奴から何か取ろうとして居る奴などがいる。
それに臭いな……。
スラム街を散策して早々に後悔してきた為帰ろうとした時、遠くから騒がしい声が聞こえたので、最後の冒険だ! と思い見に行ってみることにした。
俺は十二歳になり、相変わらずデグとベムに迷惑を掛けながらも、一人暮らしを満喫していた。
今までは、雑用やゴミ拾いなど身元不明の人でも仕事を斡旋してくれる、怪しそうな所に仕事を紹介してもらいながら、お金を稼いで暮らしていた。
結局アレから人間族の住処からは一度も出てないので、スキルを試す機会が無かった。
だが、今日から俺は十二歳になったので、冒険者になる資格を得たのだ!
まぁ、パーティーは俺のスキルのせいで組めなさそうだが、薬草などの依頼を受けられるので、今よりずっと生活が楽になる。
この二年間で俺はシクと行っていた訓練をずっと繰り返していた。
そして、前よりも先読みの能力は上がった気もする。先読みの訓練にはデグに手伝って貰ったが、シクと比べると遅すぎて捕まる気がしない。なので、先読みの訓練は頭の中でモンスターや人を動かして先読みするシュミレーションに切り替えた。どれくらい効果があるかは不明だが、いい方向に転がってくれると嬉しい。
デグとベムはあれから新しいパーティーメンバーが見つかり、四人パーティーで冒険者を続けている。
一週間前から長期の冒険に出ると言っていたので、しばらくは帰って来ないらしい。
デグは俺の事を心配しつつもカラッと別れたが、ベムは俺にずっと抱き着いて出発するまで離れてくれなかったな……。
そんなこんなで、俺は今冒険者ギルドに向かっている。
「俺も、とうとう冒険者になれるのかー。これで生活が楽になるな!」
やはり、怪しい所に紹介された仕事は全然稼げなかった。食べ物は基本安い食材だけで、たまにデグやベムがご飯を奢ってくれたりした。そんな生活を送っていると、デグ達に一緒に住もうと提案されるが、それは嫌だったので
断り続けていたら、諦めてご飯を届けてくれる様になったな……。
二年間経っても、なんだかんだデグ達に迷惑掛けている事に申し訳無さを感じる。
若干の自己嫌悪をしていたら、冒険者ギルドに着いた。
ギルドの扉を開けて中に入る。こういう時の定番は、受付行くまでに冒険者に絡まれるのが定番だよな……。
俺はビクつきながらも、ゆっくり歩を進める。
だが、そんな事も無くすんなり受付まで来られた。
よく見ると俺くらいの子供も普通に居る。やはりこの街では冒険者が一番儲かる為、12歳と同時に冒険者になる子供がかなり居るらしい。
「あの、すみません」
俺は受付の女性に声をかける。
「はい、本日はどの様な御用でしょうか」
「冒険者登録の為に参りました」
「はい。それでは必要事項をこの紙にお書き下さい」
そう言って、渡された紙にサラサラと適当に埋めていった。
「書きました」
「確認致しますね」
女性は書き忘れが無いか確認後に、奥の部屋にしばらく行って帰ってきた。
「はい、ご登録完了致しました。明日から依頼を受ける事が出来ますよ」
「分かりました」
こうして、俺は冒険者登録を終えて冒険者になった。普通はここからパーティーを探して、入れて貰ったり、パーティーを作ったりするが、俺には無理なので関係ないな……。
俺は自分の家に帰る事にした。
明日から、バンバン依頼をこなして稼いでやるぜッ!!
冒険者になった事により気分が高揚しているのか普段行かない場所にでも行ってみる事にした。
俺は普段の帰り道とは違う道を通って歩を進める。
しばらく、歩いて居るとこの街のスラム街の入り口が見えてきた。
そういえば、デグ達が言ってたな。スラム街だけは行くなって。
どうやら危ない奴ばかりいるらしくて何をしてくるか分からないらしい。
だが! 今日の俺はなんでも出来そうだぜ! って気分なのでスラム街入って見る事にした。
もし危なくなりそうなら、すぐ帰ればいいよね?
そこら辺の判断能力は、見た目通りの12歳とはわけが違うぜ! なんて言っても精神年齢は年齢の倍以上だからな!
無駄にテンションを上げて、スラム街に足を踏み入れた。
しばらく、歩いて居ると、どんどん道がボコボコになり舗装されていない道ばかりになる。
そこらの地面に人が寝ていたり、その寝ている奴から何か取ろうとして居る奴などがいる。
それに臭いな……。
スラム街を散策して早々に後悔してきた為帰ろうとした時、遠くから騒がしい声が聞こえたので、最後の冒険だ! と思い見に行ってみることにした。
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
欠損奴隷を治して高値で売りつけよう!破滅フラグしかない悪役奴隷商人は、死にたくないので回復魔法を修行します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
主人公が転生したのは、ゲームに出てくる噛ませ犬の悪役奴隷商人だった!このままだと破滅フラグしかないから、奴隷に反乱されて八つ裂きにされてしまう!
そうだ!子供の今から回復魔法を練習して極めておけば、自分がやられたとき自分で治せるのでは?しかも奴隷にも媚びを売れるから一石二鳥だね!
なんか自分が助かるために奴隷治してるだけで感謝されるんだけどなんで!?
欠損奴隷を安く買って高値で売りつけてたらむしろ感謝されるんだけどどういうことなんだろうか!?
え!?主人公は光の勇者!?あ、俺が先に治癒魔法で回復しておきました!いや、スマン。
※この作品は現実の奴隷制を肯定する意図はありません
なろう日間週間月間1位
カクヨムブクマ14000
カクヨム週間3位
他サイトにも掲載
異世界召喚された俺は余分な子でした
KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。
サブタイトル
〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
辺境暮らしの付与術士
黄舞
ファンタジー
ファンタジー小説大賞50位でした。
応援ありがとうございました!!
若い頃に視力を失った元冒険者のカイン。自ら開発した付与魔法を駆使し、辺境の村で慎ましやかに暮らしていた。
しかしカインは気付いていなかった。付与魔法を扱える者は、この世にただ一人だということを。娘に送った初心者用装備に宝具と呼ばれるほどの性能を与えたことを。
「私がお父さんにお母さんの花を見せてあげる!」
娘のサラは父の視界に色を取り戻す薬の原料を手に入れるため、冒険者となりAランクへと駆け上がっていた。
「ご苦労様でした。目標を完遂出来て私は今非常に機嫌がいい」
しかし、ジェスターと名乗る男は、サラ達が集めようとする原料を盗んでいく。
果たして、サラは無事に父の視界に色を取り戻すことが出来るのだろうか?
これは父と娘の数奇な運命の物語である。
タイトルは父親であるカインの事ですが、娘のサラの話と行きつ戻りつの形で話は進んでいきます。
表紙絵は藍里さんに描いてもらいました(*´ω`*)
藍里さんのアカウントですhttps://twitter.com/lyon_sosaku
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる