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第2章
36話 スキル儀式
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知らない天井で目が覚めた。
「……あれ? ここどこだっけ?」
そうか。ここは昨日デグに紹介された小屋か。
この小屋はデグの持ち物らしくて、普段は倉庫として使用していたらしい。そこを荷物を片付けて俺の家にしてくれた。
「結局デグ達に頼ってしまったな……」
小屋自体は狭く、大人の男性三人が寝転んだら、足の踏み場も無いくらいには狭い場所だし、壁は薄く隙間風が凄い入ってくるが、デグの好意で家賃は無しだ。
俺だけの城! 徐々に住みやすくしてやるぜ。今は、トイレや水を溜めとく場所すら無い。
「さて、準備して向かうか」
今日はスキルの儀式に行く。デグやベムが連れて行ってくれるらしいから楽しみだ!
頼むから、武器強化のスキルであってくれ! 心の中で祈っていると、急に扉が開いた。
扉が急に開いた事に俺は驚いたが、扉を見る。
するとベムがそこには立っていた。
「アトス、おはよう……」
「おはよう」
「アトスの寝顔見れなくて残念……」
どうやら、ベムが迎えに来てくれたらしい。
「デグは?」
「ここに来てないって事は寝坊だと思う……」
「なら、ここで待っていればいい?」
「いや、置いていこう……」
ベムは真面目な顔で言う。そこにベムの後ろから大柄な男が姿を現した。
「おい! 置いて行くのは流石に酷いだろ!」
「来ちゃった……」
ベムは残念そうに言う。
俺は準備をして家を出る。
「デグ、儀式ってどれくらいの時間かかるの?」
「そんなに掛からないな。専門の人が色々祈っているから、アトスは座って目を瞑っていればいいだけだな」
「痛くないから大丈夫……」
三人と儀式の事について話していたら、あっという間に到着する。
「ここだ。入るぞ」
「結構立派な建物だな」
「まぁ、ここが無いとスキルを取得出来ないからな、年間に何人も来るしお偉いさん達の寄付も莫大らしいからな」
「私たちはそんなに払わないで大丈夫だから安心して」
「俺お金的なの持ってないけど……」
「ここは、俺が払うから。アトスが稼げる様になったら返してくれ」
自分の力で生き抜きたいと思っても、結局はデグ達に頼ってしまい、迷惑を掛けてしまう。
……少しずつ頑張ろう!
中に入ると、薄暗い店内になっており受付に一人、女の人が立っていた。
「あの、すみません」
「はい。儀式に来られた方でしょうか」
「そうです。十歳になりましたので儀式を受けたいと思い参りました」
「では、お布施料をお払い下さい。準備出来次第お呼び致します」
そう言って、女の人は奥の部屋に行き、準備をするようだ。
「アトス、受付終わったか?」
「うん、終わったよ」
「これで、とうとうアトスもスキルを手に入れられるね……」
「アトスには是非身体強化の足を手に入れてもらいたいぜ!」
「私も。そうすればアトスはモンスターから逃げ切れるから安心……」
二人は俺に身体強化の足をご所望か!
だが、俺は武器強化一択! 他は興味無いぜ! 武器強化は一番主人公ぽいし、カッコイイからな。
まぁ……、前の世界とかで武器なんて使ったこと無いけどな。
「スキルって種族とかによって発現しやすいとかあるの?」
「うーん、種族によっては無いと思うけど、家系によってはあると聞くな」
「嘘か本当か分からないけど、それを信じて珍しいスキル同士やランクの高い同士で子供を産ませたりする……」
え?! それはスキルの為だとしても嫌だな……
「まぁ、そんな事するのは偉い奴らだけだな。俺らみたいなのは嘘かも知らない情報の為に好きでもない奴と結婚とかはしねぇーな!」
「デグの場合は、相手からお断りだと思う……」
「そんな事言うなよ……」
どうやら、デグは恋愛に悩んでいるらしい。
「デグ逞しいし、モテそうなのに」
「ア、アトス。お前ってやつは……」
「まぁ、なんていい子……」
この世界は少なからずスキルのレア度やランクの高さで、良いスキル、高いスキルであればあるほど、モテるし注目されるらしい。
そんな事を話している内に先程の女の人が戻ってくる。
「アトスさん、準備が整いましたので、こちらにお越し下さい。お連れの方はこの場でお待ちを」
そう言って女の人と俺は奥の部屋に向かう。
「アトス、頑張れよ!」
「アトス、ファイト……」
奥の部屋に行くと、受付よりも更に薄暗い部屋になっており、部屋の中には大きい水晶玉と全身真っ黒の服を来ている人しか居なかった。
「では、アトスさん。このお方に儀式を取り行って頂けますので、あとは指示に従って下さい」
「分かりました」
受付の女性は部屋から退出して、黒い服の人が俺に話し掛けてくる。
「では、儀式を行う。水晶玉の前に座りなさい」
顔を黒い布で隠している為、性別が分からないし、声も中性的で判断付かないな。
俺は言われた通りに水晶玉の前に座った。
「では、これからスキル儀式を行う。水晶玉に手を置きなさい」
言われた通りに、手を置く。
「では、始める。儀式中は目を瞑りなさい」
黒い人が、俺の分からない言葉を唱えている。
お!? なんか儀式ぽいな! そんな事を考えていると水晶玉に置いている方の手が段々と熱くなってきた。
その間も黒い人は何やら唱えているが、どんどん熱くなっていく。
やべ! こんなに熱くなるの?! ベムは痛く無いとか言ってたけど。
とうとう限界が来て水晶玉から手を離そうと思った時!
バリン!と言った音が鳴り響いた
水晶玉が粉々に砕け散り、破片が部屋中に散らばった。
……これ、俺のせいじゃ無いよね?
「……あれ? ここどこだっけ?」
そうか。ここは昨日デグに紹介された小屋か。
この小屋はデグの持ち物らしくて、普段は倉庫として使用していたらしい。そこを荷物を片付けて俺の家にしてくれた。
「結局デグ達に頼ってしまったな……」
小屋自体は狭く、大人の男性三人が寝転んだら、足の踏み場も無いくらいには狭い場所だし、壁は薄く隙間風が凄い入ってくるが、デグの好意で家賃は無しだ。
俺だけの城! 徐々に住みやすくしてやるぜ。今は、トイレや水を溜めとく場所すら無い。
「さて、準備して向かうか」
今日はスキルの儀式に行く。デグやベムが連れて行ってくれるらしいから楽しみだ!
頼むから、武器強化のスキルであってくれ! 心の中で祈っていると、急に扉が開いた。
扉が急に開いた事に俺は驚いたが、扉を見る。
するとベムがそこには立っていた。
「アトス、おはよう……」
「おはよう」
「アトスの寝顔見れなくて残念……」
どうやら、ベムが迎えに来てくれたらしい。
「デグは?」
「ここに来てないって事は寝坊だと思う……」
「なら、ここで待っていればいい?」
「いや、置いていこう……」
ベムは真面目な顔で言う。そこにベムの後ろから大柄な男が姿を現した。
「おい! 置いて行くのは流石に酷いだろ!」
「来ちゃった……」
ベムは残念そうに言う。
俺は準備をして家を出る。
「デグ、儀式ってどれくらいの時間かかるの?」
「そんなに掛からないな。専門の人が色々祈っているから、アトスは座って目を瞑っていればいいだけだな」
「痛くないから大丈夫……」
三人と儀式の事について話していたら、あっという間に到着する。
「ここだ。入るぞ」
「結構立派な建物だな」
「まぁ、ここが無いとスキルを取得出来ないからな、年間に何人も来るしお偉いさん達の寄付も莫大らしいからな」
「私たちはそんなに払わないで大丈夫だから安心して」
「俺お金的なの持ってないけど……」
「ここは、俺が払うから。アトスが稼げる様になったら返してくれ」
自分の力で生き抜きたいと思っても、結局はデグ達に頼ってしまい、迷惑を掛けてしまう。
……少しずつ頑張ろう!
中に入ると、薄暗い店内になっており受付に一人、女の人が立っていた。
「あの、すみません」
「はい。儀式に来られた方でしょうか」
「そうです。十歳になりましたので儀式を受けたいと思い参りました」
「では、お布施料をお払い下さい。準備出来次第お呼び致します」
そう言って、女の人は奥の部屋に行き、準備をするようだ。
「アトス、受付終わったか?」
「うん、終わったよ」
「これで、とうとうアトスもスキルを手に入れられるね……」
「アトスには是非身体強化の足を手に入れてもらいたいぜ!」
「私も。そうすればアトスはモンスターから逃げ切れるから安心……」
二人は俺に身体強化の足をご所望か!
だが、俺は武器強化一択! 他は興味無いぜ! 武器強化は一番主人公ぽいし、カッコイイからな。
まぁ……、前の世界とかで武器なんて使ったこと無いけどな。
「スキルって種族とかによって発現しやすいとかあるの?」
「うーん、種族によっては無いと思うけど、家系によってはあると聞くな」
「嘘か本当か分からないけど、それを信じて珍しいスキル同士やランクの高い同士で子供を産ませたりする……」
え?! それはスキルの為だとしても嫌だな……
「まぁ、そんな事するのは偉い奴らだけだな。俺らみたいなのは嘘かも知らない情報の為に好きでもない奴と結婚とかはしねぇーな!」
「デグの場合は、相手からお断りだと思う……」
「そんな事言うなよ……」
どうやら、デグは恋愛に悩んでいるらしい。
「デグ逞しいし、モテそうなのに」
「ア、アトス。お前ってやつは……」
「まぁ、なんていい子……」
この世界は少なからずスキルのレア度やランクの高さで、良いスキル、高いスキルであればあるほど、モテるし注目されるらしい。
そんな事を話している内に先程の女の人が戻ってくる。
「アトスさん、準備が整いましたので、こちらにお越し下さい。お連れの方はこの場でお待ちを」
そう言って女の人と俺は奥の部屋に向かう。
「アトス、頑張れよ!」
「アトス、ファイト……」
奥の部屋に行くと、受付よりも更に薄暗い部屋になっており、部屋の中には大きい水晶玉と全身真っ黒の服を来ている人しか居なかった。
「では、アトスさん。このお方に儀式を取り行って頂けますので、あとは指示に従って下さい」
「分かりました」
受付の女性は部屋から退出して、黒い服の人が俺に話し掛けてくる。
「では、儀式を行う。水晶玉の前に座りなさい」
顔を黒い布で隠している為、性別が分からないし、声も中性的で判断付かないな。
俺は言われた通りに水晶玉の前に座った。
「では、これからスキル儀式を行う。水晶玉に手を置きなさい」
言われた通りに、手を置く。
「では、始める。儀式中は目を瞑りなさい」
黒い人が、俺の分からない言葉を唱えている。
お!? なんか儀式ぽいな! そんな事を考えていると水晶玉に置いている方の手が段々と熱くなってきた。
その間も黒い人は何やら唱えているが、どんどん熱くなっていく。
やべ! こんなに熱くなるの?! ベムは痛く無いとか言ってたけど。
とうとう限界が来て水晶玉から手を離そうと思った時!
バリン!と言った音が鳴り響いた
水晶玉が粉々に砕け散り、破片が部屋中に散らばった。
……これ、俺のせいじゃ無いよね?
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