26 / 492
第1章
25話 引越し計画
しおりを挟む
二日連続で小型の気配を察知した日からしばらく経った。
俺とシクは、あの日から何度もモンスターの気配を感じた。
あの時感じた、とてつもない気配はあれから感じた事は無いが、どうやらここらへんにモンスター達が集まってきているらしい。
「アトス、今日は大事な話がある」
常に表情が鋭いシクだが、今日は一段と鋭い。何か俺したかな? 少し心配しながらも、シクの次の言葉を待つ。
「住処を移そうと思っている」
「どこか別の場所って事か?」
「あぁ、最近モンスターの気配が多すぎる。このままではいつ、この場所にモンスターが来るか分からないからな」
「確かに。賛成だ! いつ引っ越す予定なんだ?」
「明日移動する。なので今日中に準備するぞ」
「どこら辺に向かう予定なんだ?」
「適当だ。良さそうな場所が見つかるまで移動するつもりだ」
──ッ適当かよ!? だが、どこが良いなんて確かに分かるはずもないよな。
シクも十歳頃からここに住んでいると言っていたしな。
なんで、十歳で? と思ったが色々事情があるような雰囲気があり、とてもじゃ無いが深くは聞かなかった。
「モンスターが全然居ない場所がまた見つかるかな?」
「どうだろうな。ここみたいな場所が見つかればいいな……」
シクは感情深く住処を見ていた。
やっぱり、今まで住んでいた場所を移すのは何かしら思うところがあるんだな……。
「シク、ここみたいな良い所見つけような!」
「そうだな。まずは人が少ない場所や住んでいない場所を見つけよう」
モンスターは人が多い所に集まる。今回も恐らく冒険者達が来た事によってモンスター達が察知して集まってきたんだろうか?
「シク、あの冒険者達は無事かな?」
「身体強化持ちや、足の早い人間以外はモンスターに追いつかれる。倒せるなら問題ないが、倒せないなら恐らく無事では無いだろ」
モンスターは無尽蔵の体力を持っているかのごとく追いかけてくる。
同じスピードだった場合は人間達の体力が先に尽きる。
四年前は正に俺の逃げるスピードと小型のスピードが同じくらいだった為体力が尽きて追いつかれた。
今なら、小型よりは早く走れるので問題無いとは思うが。
「無事ならいいな」
「あいつらがそもそもこの場所近付にいた事によってモンスターが集まって来たんだ。どうなろうが関係ないさ」
確かに……。そうとも言うな。
シクは冒険者達のせいでモンスターが集まって来た事を思い出したのか、険しい表情をしている。
「シ、シク? ここは最後の晩餐として豪勢にいこうぜ!!」
「鹿、猪、鳥のフルコースにするか」
「そ、そうだね……」
「よし、そうと決まったら料理の支度をするか。アトス手伝いなさい」
そう言ってシクは手早く料理の準備を始める。
次に住む場所では、他の食材なども豊富な場所がいいぜ!
俺とシクは、あの日から何度もモンスターの気配を感じた。
あの時感じた、とてつもない気配はあれから感じた事は無いが、どうやらここらへんにモンスター達が集まってきているらしい。
「アトス、今日は大事な話がある」
常に表情が鋭いシクだが、今日は一段と鋭い。何か俺したかな? 少し心配しながらも、シクの次の言葉を待つ。
「住処を移そうと思っている」
「どこか別の場所って事か?」
「あぁ、最近モンスターの気配が多すぎる。このままではいつ、この場所にモンスターが来るか分からないからな」
「確かに。賛成だ! いつ引っ越す予定なんだ?」
「明日移動する。なので今日中に準備するぞ」
「どこら辺に向かう予定なんだ?」
「適当だ。良さそうな場所が見つかるまで移動するつもりだ」
──ッ適当かよ!? だが、どこが良いなんて確かに分かるはずもないよな。
シクも十歳頃からここに住んでいると言っていたしな。
なんで、十歳で? と思ったが色々事情があるような雰囲気があり、とてもじゃ無いが深くは聞かなかった。
「モンスターが全然居ない場所がまた見つかるかな?」
「どうだろうな。ここみたいな場所が見つかればいいな……」
シクは感情深く住処を見ていた。
やっぱり、今まで住んでいた場所を移すのは何かしら思うところがあるんだな……。
「シク、ここみたいな良い所見つけような!」
「そうだな。まずは人が少ない場所や住んでいない場所を見つけよう」
モンスターは人が多い所に集まる。今回も恐らく冒険者達が来た事によってモンスター達が察知して集まってきたんだろうか?
「シク、あの冒険者達は無事かな?」
「身体強化持ちや、足の早い人間以外はモンスターに追いつかれる。倒せるなら問題ないが、倒せないなら恐らく無事では無いだろ」
モンスターは無尽蔵の体力を持っているかのごとく追いかけてくる。
同じスピードだった場合は人間達の体力が先に尽きる。
四年前は正に俺の逃げるスピードと小型のスピードが同じくらいだった為体力が尽きて追いつかれた。
今なら、小型よりは早く走れるので問題無いとは思うが。
「無事ならいいな」
「あいつらがそもそもこの場所近付にいた事によってモンスターが集まって来たんだ。どうなろうが関係ないさ」
確かに……。そうとも言うな。
シクは冒険者達のせいでモンスターが集まって来た事を思い出したのか、険しい表情をしている。
「シ、シク? ここは最後の晩餐として豪勢にいこうぜ!!」
「鹿、猪、鳥のフルコースにするか」
「そ、そうだね……」
「よし、そうと決まったら料理の支度をするか。アトス手伝いなさい」
そう言ってシクは手早く料理の準備を始める。
次に住む場所では、他の食材なども豊富な場所がいいぜ!
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる