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第1章
21話 二日続けてあの気配……
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「捕まえたぞ」
「──グフッ!!!!」
背中に大きな衝撃を受ける。
「大分先読み出来ているな」
「よっしゃーー! シク相手に二時間以上は逃げてたな」
最近は、シクが全力で追いかけてきても、大分逃げられる様になった。
「確かに、これならモンスター相手でも大分逃げられるだろ」
「だろだろ?」
「だが、アトスの場合は相手を目視してないと、先読み出来ないから、常にギリギリの状況でしか先読みの技は発揮出来ないけどな」
その通りなのだ。俺の先読みは相手を目視している状態じゃないと、相手が動くルートが先読み出来ない。
なので、先読みを使っている時はモンスターが見える状態であり、食われる一歩手前って事だな……。
「でも、シクみたいにモンスターを察知とか全然できないぜ? 昨日は一瞬察知出来たけど、その後は分からなかったし」
「アトスが昨日察知出来たのは一瞬凄い気配が上がったからだろ」
気配が上がった? そんな事あるのか?
「とりあえず、今後も更に先読みを磨き上げていくしかないな。人間族のアトスとしてはスキルで身体強化を手に入れない限りスピードはこれ以上上がらないだろ」
「そうだな……。身体の成長と共に少し上がるくらいだな」
そんな事を話しながら訓練が終わり狩に向かう準備をしてシクと狩に出た。
常に薄暗いジャングルの中を俺とシクは移動している。
足場は悪く、平坦な地面なんて全然ない場所の為、最初の頃は全力で走る事が出来なかった。
むしろ前世の俺が住んでいた国の人が一体どれくらい、このジャングルを全力で走れるのかと問えば全体の一割も居ないと思う。
だが、人間慣れるもので今では何の苦労も無く全力疾走が出来るぜ。
まぁ、シクみたいに木から木に飛び移る様な移動は俺には出来ないけどな……羨ましい。
シクの動きはまるで忍者みたいで俺も何度か挑戦してみたが、その度に木から落ちて酷い目にあった記憶しか無い。
そんな理由から、ジャングルの移動では俺が地面をシクが木から木で移動をしている。
木から木を移動しているにもかかわらず、シクは俺より全然早いスピードで移動が出来る。
前にシクに聞いたら木の方が移動しやすいし早いとの事だった。
「シク、今日は何狙いでいく?」
「猪だな」
「……」
「今、またかよ? って思わなかったか?」
「イ、イエ、ソンナコトオモッテナイよ?」
シクは表情が険しくなる。
「だ、だって!」
「シッ、静かにしろ」
あれ? 結構怒っているのか……?
自分自身が焦っている事に気づく。
確かにシクには毎日ご飯作って貰っているけど、流石に鳥と鹿と猪のローテーションはキツいぜ……。
シクの表情が先程より、一層険しくなっている。
「アトス」
「なに?」
「モンスターだ」
「……はぁ?!」
え?! また?
「恐らく昨日の小型だと思うがこちらに向かってきている」
二日続けてモンスターと遭遇とかついてないな。
「おかしいな……。昨日の小型とは逆方向の筈だが移動したのか……?」
シクが何か呟いている。
「シク、は、はやく逃げるぞ」
「そうだな。それにモンスター以外の気配も感じるしな」
「モンスター以外? 人か?」
「恐らく、複数の気配を感じるから冒険者か何かだろ」
「そいつら、大丈夫かな?」
「他人の事など、どうでも良い。私はアトスさえ無事ならな。逃げるぞ」
「う、うん」
こうして、俺達は二日連続でモンスターから逃げ出した。
「──グフッ!!!!」
背中に大きな衝撃を受ける。
「大分先読み出来ているな」
「よっしゃーー! シク相手に二時間以上は逃げてたな」
最近は、シクが全力で追いかけてきても、大分逃げられる様になった。
「確かに、これならモンスター相手でも大分逃げられるだろ」
「だろだろ?」
「だが、アトスの場合は相手を目視してないと、先読み出来ないから、常にギリギリの状況でしか先読みの技は発揮出来ないけどな」
その通りなのだ。俺の先読みは相手を目視している状態じゃないと、相手が動くルートが先読み出来ない。
なので、先読みを使っている時はモンスターが見える状態であり、食われる一歩手前って事だな……。
「でも、シクみたいにモンスターを察知とか全然できないぜ? 昨日は一瞬察知出来たけど、その後は分からなかったし」
「アトスが昨日察知出来たのは一瞬凄い気配が上がったからだろ」
気配が上がった? そんな事あるのか?
「とりあえず、今後も更に先読みを磨き上げていくしかないな。人間族のアトスとしてはスキルで身体強化を手に入れない限りスピードはこれ以上上がらないだろ」
「そうだな……。身体の成長と共に少し上がるくらいだな」
そんな事を話しながら訓練が終わり狩に向かう準備をしてシクと狩に出た。
常に薄暗いジャングルの中を俺とシクは移動している。
足場は悪く、平坦な地面なんて全然ない場所の為、最初の頃は全力で走る事が出来なかった。
むしろ前世の俺が住んでいた国の人が一体どれくらい、このジャングルを全力で走れるのかと問えば全体の一割も居ないと思う。
だが、人間慣れるもので今では何の苦労も無く全力疾走が出来るぜ。
まぁ、シクみたいに木から木に飛び移る様な移動は俺には出来ないけどな……羨ましい。
シクの動きはまるで忍者みたいで俺も何度か挑戦してみたが、その度に木から落ちて酷い目にあった記憶しか無い。
そんな理由から、ジャングルの移動では俺が地面をシクが木から木で移動をしている。
木から木を移動しているにもかかわらず、シクは俺より全然早いスピードで移動が出来る。
前にシクに聞いたら木の方が移動しやすいし早いとの事だった。
「シク、今日は何狙いでいく?」
「猪だな」
「……」
「今、またかよ? って思わなかったか?」
「イ、イエ、ソンナコトオモッテナイよ?」
シクは表情が険しくなる。
「だ、だって!」
「シッ、静かにしろ」
あれ? 結構怒っているのか……?
自分自身が焦っている事に気づく。
確かにシクには毎日ご飯作って貰っているけど、流石に鳥と鹿と猪のローテーションはキツいぜ……。
シクの表情が先程より、一層険しくなっている。
「アトス」
「なに?」
「モンスターだ」
「……はぁ?!」
え?! また?
「恐らく昨日の小型だと思うがこちらに向かってきている」
二日続けてモンスターと遭遇とかついてないな。
「おかしいな……。昨日の小型とは逆方向の筈だが移動したのか……?」
シクが何か呟いている。
「シク、は、はやく逃げるぞ」
「そうだな。それにモンスター以外の気配も感じるしな」
「モンスター以外? 人か?」
「恐らく、複数の気配を感じるから冒険者か何かだろ」
「そいつら、大丈夫かな?」
「他人の事など、どうでも良い。私はアトスさえ無事ならな。逃げるぞ」
「う、うん」
こうして、俺達は二日連続でモンスターから逃げ出した。
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