過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

文字の大きさ
上 下
14 / 492
第1章

13話 スキルについて

しおりを挟む
 小型との逃走劇をした次の日もいつも通り訓練だ。

 今は午前中の講義中。

 「シク! 今日こそはスキルについての講義をするんだよな?!」

 自分でも分かるくらい俺の目はキラキラしている。そんな俺の視線に若干の不気味さを感じつつもシクは承諾してくれる。

 「……分かった。今日はスキルについて講義しよう」

 よし! シクは魔法は無いと言っていたが実際はどうなのか気になる。

 「アトス、まず言っとくが今のアトスにはスキルは使えない」
 「え?! なんでだよ!」

 スキルが使えない……だと?!

 「使えない理由としては年齢が達してないからだ」
 「年齢?」
 「そうだ。スキルは十歳になると儀式を行う事で得る事が出来る」
 「十歳……。あと五年か」
 「そうだ、なのでそれまではひたすら訓練って事だな」
 「うげーー」

 ショックを受けるが、使えないわけでは無いのでヨシとしよう。

 今から五年後が楽しみだぜ!

 「それでは、スキルの種類について説明しよう」
 「何種類くらいあるんだ? 」
 「スキルの種類としては基本三つだ」

 案外少ないな。

 「まず一つ目は身体強化だな。このスキルは身体能力が上がって普通では考えられない事が出来たりする」
 「もしかして、昨日の大柄の冒険者の腕が光っていたのも? 」
 「その通りだ。あれは身体強化(腕)のスキルだな」
 「腕?」
 「スキルの詳細については後程説明する」
 「わかった」

 あの大柄の冒険者は片腕だけで自身よりも大きい剣を振り回していたのはスキルのお陰だった訳か。

 「一般的に身体強化のスキル持ちが人口的に一番多いな」
 「身体強化か。確かに便利そうだったな」
 「一番使いやすいスキルでもあるしな」

 確かに自分自身の身体能力が上がるだけだなら、慣れるのも早いだろうし使いやすそうではあるな。

 「そして、二つ目は武器強化だな」
 「武器強化?」
 「そうだ、武器に対して属性を付与する事によって、攻撃力などを上げる事が出来る。ちなみに私は武器強化で火を付与する事が出来る」

 そう言って、シクは拳を握りしめてから拳に炎を纏わせた。

 「おッーーーー?! カッケーー!」
 「そ、そうか?」

 マジかよ?! メチャクチャカッケーー!
 あれ? なんかシクがまた引いてないか?

 「ま、まぁこんな風に武器に対して属性を付与する事が出来るのが武器強化のスキルだ」

 シクは炎を消しながら握り拳を緩めた。

 「シク、三つ目は?」
 「三つ目は、能力上昇だな」
 「身体強化と、どう違うんだ?」
 「能力上昇は他人の身体能力を上昇させるスキルだな。サポート系のスキルになる」
 
 なるほど……。
 自分なりに整理すると、
 身体強化スキルは自身の筋力、スピードなどの上昇。

 武器強化スキルは武器に炎などの属性を付与して攻撃力を上昇。

 能力上昇スキルは他人の身体能力の上昇。

 以上の三つか。

 シクの武器強化カッコよくていいなーー。

 「基本はこの三つだが、稀にこの三つに当てはまらないスキルを得るものがいる」
 「例えばどんなスキルなんだ?」
 「私も本や噂でしか知らないが、ある者は他人を回復させる事が出来るとか、他人のスピードや攻撃力を下げたりなどあるらしい」

 回復とデバフか。

 「稀ってどれくらいなの?」
 「そうだな……。一つの種族内に一人いるくらいとかかな? 」
 「そんなに、珍しいのか。俺も強いスキルが欲しい!」
 「私はアトスには身体強化を得て欲しいと思っている」
 「なんで?」
 「人間族は他種族より身体能力が低いので、モンスターから逃げる時に遅れをとる事が多いんだよ。だけど、身体強化のスキルで能力を上げれば獣人族ですら敵わないスピードで逃げる事が出来る」

 なるほど。でも、俺的には武器強化がいいな。

 「それでは、次にスキルの詳細について説明する」
 
 やべ! すげー楽しい講義だ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚

ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。 原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。 気が付けば異世界。10歳の少年に! 女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。 お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。 寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる! 勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう! 六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる! カクヨムでも公開しました。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

処理中です...