過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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3話 獣人少女の決意 2

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 私の名前はシク。

 現在赤ん坊を拾い、自分の家に帰っている途中である。

 「あぎゃ……うぎゃ」

 先程まで起きていた赤ん坊であったが緊張が解けて気絶する様に眠りについた。

 「やはり、捨て子か……」

 私が今回モンスターに狙われていた赤ん坊に気付いたのは偶然である。

 いつもの様に食料確保の為、狩に出かけていた際、赤ん坊の泣き声が聞こえた気がした。

 こんな場所にまさか……と思いながら辺りを探し回っている時にこの子を見つけた。

 だが、赤ん坊は今にもモンスターに食べられる寸前であり、普段表情が変わらない私でも驚いてしまう。

 そして自分の危険など一切忘れ、気付いた時には飛び出して、赤ん坊を助けていた。

 今思うと、赤ん坊と自分自身を重ねていたのかもしれない。

 「すぴー、すぴー」

 先程より落ち着いた息遣いになり一安心する。

 私はこのジャングルに十歳の頃、親に捨てられた。
 理由としては、私自身の持つ力が期待外れだったからだろう。

 この世界では十歳になると力を得ることが出来る。
 一応色々準備などは必要らしいがその時の記憶が全然思い出せない。

 だが、私の力の確認をした親の顔は今でも思い出せる。
 力を確認する前までは可愛い我が子を見る表情が、力を確認した後は赤の他人を見る目になったのだ。

 「──ッく……」

 この時を思い出すと今でも心がズキズキして涙が出てきそうだ。

 そんな自分の過去もあってか、こんなジャングルに赤ん坊が一人で居た事から捨て子と判断した。

 「私の様な思いをこの子にはさせない」

 言葉にした私はこの赤ん坊を育てる事にした。

 今に思えば親に捨てられてから私は一人でこのジャングルを死にものぐるいで生き抜いていたが、孤独も感じて居たんだと思う。そして過去の私と重ねていた為だろう。

 「私がお前に生き抜く術を教えてやるからな」

 「すぴー」

 言葉が分かるはずも無いが赤ん坊に話しかける。

 こうして、私とアトスの生活が始まった。
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