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第44話 詞
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新支部、その名もバベル。
その最上部では、今日もセムス家が支部全体に魔術を施している。
“詞”という訳の分からない言語を唱えながら。
魔術を施し終えるまで、その最上階にセムス家以外の者が入ることは許されない。
しかし現在、俺はその最上階で魔術が施されるのを見学させてもらっている。
もちろん俺はセムス家ではない。
では、なぜ俺がここにいることが許されているのか。
それは俺がシモンの弟子だったからだ。
シモンも俺と同様にセムス家ではないのだが、彼とセムス家は何か特別な関係にあるらしい。
それにしても、なんだこの魔術は。
一目見ただけで、強度や規模の大きさが桁違いであることが分かる。
おそらく、多くの条件が幾重にも施されているのだろう。
そんな魔術を施しているセムス家の中から青い髪の女性が1人、こちらに歩いてきた。
彼女はウル・セムス。
俺の新しい魔術の先生だ。
まあ、まだ何も教えてもらってはいないが。
とにかく、これから俺は彼女にその“詞”とやらを教えてもらえるらしい。
魔術に関する何か、というくらいにしか分かっていないが、習得すれば俺の魔術が大幅に強化されると見て、間違いないだろう。
ここまで漕ぎ着けるまで、かなり苦労した。
せっかく手にしたチャンスだ。
仲間のためにも、絶対に習得して帰らなければ。
まずはシモンに魔術を教えてもらった時と同様に、態度で教わる態度を示す。
「先生!今日からよろしくお願いします!」
俺が地面に正座し、そう言うとウル先生は嫌な顔をして俺を睨んだ。
「先生?変な呼び方はやめて。年も変わらないでしょ?ウルでいいわ。」
「分かりました。ウル...さん。」
ーーー
俺とウルさんは、バベルの最上階から彼女の部屋へと移動した。
彼女の部屋といっても、バベルに魔術を施し終えるまでの仮の部屋のため、ベッドと机だけの質素な部屋だ。
ウルさんに促され、小さな木の椅子に座る。
「じゃ、さっさと始めましょう。」
そう言うと、ウルさんは両腕の袖を捲った。
おっ!早速実演か。
本当にきちんと教えてもらえるのか心配だったので、すこし安心する。
おそらく、見たらすぐに俺の番だ。
そういうスパルタな教え方を彼女はしそうな気がする。
よし、俺も準備しとくか。
俺もウルさんに合わせて、制服の腕を捲った。
すると、彼女は不思議そうな顔をして俺の顔を見た。
「えっと...、なんですか?」
「何してるの?」
何してるのって...。
詞を使う準備だよ!見てわからないのか!
と、アーク最高権力のひとつであるセムス家の彼女にそんなことを言えるわけもなく、俺はただ黙っていた。
そんな、何も言わない俺にウルさんは大きなため息をついた。
そして少し俺に近づき、彼女は何を思ったのか俺の服掴んで、めくろうとした。
「ちょっ、何してるんですか!?」
「なに?変なことしないわよ。」
変なことをしない!?
急に女が男の服を脱がそうとするなんて、変なこと以外に何をするというのだ!
まさか、詞を教える引き換えに俺の体を!?
確かに、転生前より今の俺は幾分か顔はマシになっている。
多少はイケメンでもあるだろう。
俺もこんな綺麗な女性に奪われることを嫌と言えば、嘘になる。
でも!
まだ昨日あったばかりの仲じゃないか!
「じゃあ、何するって言うんですか!」
「魔術を施すのよ。あなたの心臓に。」
俺は彼女の言葉に耳を疑った。
俺の想像していたことが外れたからではない。
“心臓に魔術を施す”その言葉を俺は素直を受け入れることができなかった。
俺の心臓に魔術を!?
ちょっと...え?
何言ってるか分からないんですけど。
どうしてそんなことを?
そもそも、そこまで対象を絞ることなんて可能なのか?
「えっと...どういうことですか?」
「そのままの意味よ。あなた、詞を教わりたいんでしょ?」
もちろん。
「はい。」
「なら、必要よ。詞はセムス家に伝わる技術よ。セムス家じゃないあなたに教えて、口外でもされないよう、命を賭けた口止めをしなきゃいけない。」
ん?
ということは...
「他の人に話すと、死ぬってことですか?」
「そうよ。口外すれば、魔術が心臓を潰す。どう?理解した?」
ウルはそう言うと、もう一度俺の服に手を伸ばす。
その手から逃げるように俺は後ずさった。
「じ、自分で脱げます。」
詞を教わるためだ。
仕方ない。
俺は上半身裸になった。
すると、彼女が俺の胸に手をあてる。
「じっとしてて。」
「はい...。」
「***・**」
ウルの口から聞こえたのは、先ほどバベルの最上部で聞いたものと同様、俺の知らない言語だった。
魔術を使う時は、俺だって詠唱を行う。
でも、詠唱に使うのは、この大陸の言語であるヴァルハラ語だ。
こんな、訳の分からない言語ではない。
これが、詠唱をする時の正式な言語なのだろうか。
「どうですか?」
「ふぅー、完了ね。これで、詞のことをセムス家以外の誰かに話したら魔術が心臓を潰すから気をつけて。」
ウルさんは軽い物言いでそう言った。
仕方なく受け入れたものの、少しやりすぎではないだろうか。
アークに帰れば、魔術の修行がどうだったのかを沢山の人に聞かれるだろう。
その時に、もしポロッと“詞を習得してきました!”なんて言ってしまえば、俺の心臓はグシャリと潰される。
自分でも言うのが何だが、貴重な覚醒者が減るかもしれないんだぞ。
まあ、こうでもしなければ、教えてもらえないので、素直に従うしかないのだが。
「き、気をつけます。」
俺とウルさんは小さな木の机を間に、向かい合って席についた。
「よし、じゃあ始めましょう。」
そう言う彼女の手には何も持たれていない。
てっきり、教科書のような何かを見させながら教えられるものだと思っていた。
どうやら、完全に口伝えらしい。
俺は一文字も聞き逃さないよう、体ごと耳を彼女に傾けた。
「お願いします!」
「どこから教えればいいのかしら。あなた、シモンからは何も聞いていないのよね?」
「はい、聞いてません。」
「彼にも同じ魔術が施されてるだろうから当然か。よし、ならまずは“詞が何なのか”からね。」
意外と丁寧に教えてもらえるな。
「お願いします!」
「詞を説明すると、詠唱をする時の正式な言語とでも言えばいいかしら。あなたたちは詠唱する時、ヴァルハラ語でやるでしょ?」
「それが普通なのかと。」
まさかヴァルハラ語での詠唱が正式なものでもなかったとは。
ということは、ずっと俺は間違った方法で魔術を使っていたと言っても過言ではないということか。
なら、彼女が俺の魔術を見た時の反応も頷ける。
「仕方ないわ。セムス家以外は詞の存在すら知らないんだから。トバル・セムスから口伝えで伝わってきたものだから記録にも一切残ってないし。」
そこまでして、セムス家以外に教えてたくないなんて。
どうせ、くだらない権力を維持するためなのだろう。
権力のために何かを独り占めに。
どこの世界も同じような感じだ。
「・・・」
「なに?何か言いたげな顔だけど。」
ウルさんは不思議そうな顔をして、俺を見つめる。
おっと、顔に出てしまっていたか。
今は、セムス家の機嫌を損ねる訳にはいかない。
俺は無理矢理、口角を上げた。
「何でもないです。」
「そう?なら早速実践に移るわよ。」
ーーー
詞を学び始めてから、3週間が経過した。
初めてウルの口から詞を聞いた時は、何をどうやったらあんな発音が出来るのか訳が分からなかったが、彼女の教え方が上手いようで、俺の魔術はぐんぐん成長している。
まだ発音に不安は残るが、かなり詞の扱いにも慣れてきた。
これなら次の任務に何とか間に合いそうだ。
新しい支部はというと、殆ど魔術が施し終えているようだ。
この規模の魔術をこのスピードで。
セムス家には色々思うところがあるが、流石はセムス家と言わざる負えない。
ウルも俺に詞を教える時以外は、それを手伝っているみたいだ。
俺も詞を少し使えるようになった頃、手伝いたいとウルに申し出たが、これはセムス家の仕事だと断られた。
まあ、とにかく本部に帰るまであと数日、少しでも魔術に磨きをかけなければ。
ということで、今日も俺はウルさんの部屋で詞の訓練に励む。
「**...あー、くそっ。舌が絡まりそうだ。」
そして、そんな俺をウルが近くで見守る。
「いい感じになってきたんじゃない?まだまだではあるけど。」
「そうですか?確かに初めよりは随分とマシになりました。」
「結構才能あるほうだと思うけど。3週間でこれなら上出来よ。」
「ウルさんのおかげです。でも、もっと完璧に仕上げないと。次の任務では絶対に失敗できないですから。」
俺がそう言うと、ウルの表情が真剣なものへと変わる。
「任務のことは聞いてる。超越者と戦うんでしょ?」
「はい。」
「それにしては、結構冷静なのね。私だったら、怖くて部屋に引きこもると思うわ。」
「俺も怖いです。でも、そんなこと言ってられないので。」
「強いのね、あなた。」
「そうですかね?ただ、必死なだけです。」
そう、俺は決して強いわけではない。
俺が必要とされる場所で、全力を尽くす。
でなければ、俺の居場所は無くなってしまう。
また1人になってしまうのが怖いだけなのだ。
だから、今回の任務も俺がやれることを全力でやる。
たとえ、それで命を落とそうとも。
まあ、何はともあれ超越者討伐任務まであと数日。
任務が始まるかどうかは俺の魔術次第だ。
よし、あともう少し頑張るとしよう。
その最上部では、今日もセムス家が支部全体に魔術を施している。
“詞”という訳の分からない言語を唱えながら。
魔術を施し終えるまで、その最上階にセムス家以外の者が入ることは許されない。
しかし現在、俺はその最上階で魔術が施されるのを見学させてもらっている。
もちろん俺はセムス家ではない。
では、なぜ俺がここにいることが許されているのか。
それは俺がシモンの弟子だったからだ。
シモンも俺と同様にセムス家ではないのだが、彼とセムス家は何か特別な関係にあるらしい。
それにしても、なんだこの魔術は。
一目見ただけで、強度や規模の大きさが桁違いであることが分かる。
おそらく、多くの条件が幾重にも施されているのだろう。
そんな魔術を施しているセムス家の中から青い髪の女性が1人、こちらに歩いてきた。
彼女はウル・セムス。
俺の新しい魔術の先生だ。
まあ、まだ何も教えてもらってはいないが。
とにかく、これから俺は彼女にその“詞”とやらを教えてもらえるらしい。
魔術に関する何か、というくらいにしか分かっていないが、習得すれば俺の魔術が大幅に強化されると見て、間違いないだろう。
ここまで漕ぎ着けるまで、かなり苦労した。
せっかく手にしたチャンスだ。
仲間のためにも、絶対に習得して帰らなければ。
まずはシモンに魔術を教えてもらった時と同様に、態度で教わる態度を示す。
「先生!今日からよろしくお願いします!」
俺が地面に正座し、そう言うとウル先生は嫌な顔をして俺を睨んだ。
「先生?変な呼び方はやめて。年も変わらないでしょ?ウルでいいわ。」
「分かりました。ウル...さん。」
ーーー
俺とウルさんは、バベルの最上階から彼女の部屋へと移動した。
彼女の部屋といっても、バベルに魔術を施し終えるまでの仮の部屋のため、ベッドと机だけの質素な部屋だ。
ウルさんに促され、小さな木の椅子に座る。
「じゃ、さっさと始めましょう。」
そう言うと、ウルさんは両腕の袖を捲った。
おっ!早速実演か。
本当にきちんと教えてもらえるのか心配だったので、すこし安心する。
おそらく、見たらすぐに俺の番だ。
そういうスパルタな教え方を彼女はしそうな気がする。
よし、俺も準備しとくか。
俺もウルさんに合わせて、制服の腕を捲った。
すると、彼女は不思議そうな顔をして俺の顔を見た。
「えっと...、なんですか?」
「何してるの?」
何してるのって...。
詞を使う準備だよ!見てわからないのか!
と、アーク最高権力のひとつであるセムス家の彼女にそんなことを言えるわけもなく、俺はただ黙っていた。
そんな、何も言わない俺にウルさんは大きなため息をついた。
そして少し俺に近づき、彼女は何を思ったのか俺の服掴んで、めくろうとした。
「ちょっ、何してるんですか!?」
「なに?変なことしないわよ。」
変なことをしない!?
急に女が男の服を脱がそうとするなんて、変なこと以外に何をするというのだ!
まさか、詞を教える引き換えに俺の体を!?
確かに、転生前より今の俺は幾分か顔はマシになっている。
多少はイケメンでもあるだろう。
俺もこんな綺麗な女性に奪われることを嫌と言えば、嘘になる。
でも!
まだ昨日あったばかりの仲じゃないか!
「じゃあ、何するって言うんですか!」
「魔術を施すのよ。あなたの心臓に。」
俺は彼女の言葉に耳を疑った。
俺の想像していたことが外れたからではない。
“心臓に魔術を施す”その言葉を俺は素直を受け入れることができなかった。
俺の心臓に魔術を!?
ちょっと...え?
何言ってるか分からないんですけど。
どうしてそんなことを?
そもそも、そこまで対象を絞ることなんて可能なのか?
「えっと...どういうことですか?」
「そのままの意味よ。あなた、詞を教わりたいんでしょ?」
もちろん。
「はい。」
「なら、必要よ。詞はセムス家に伝わる技術よ。セムス家じゃないあなたに教えて、口外でもされないよう、命を賭けた口止めをしなきゃいけない。」
ん?
ということは...
「他の人に話すと、死ぬってことですか?」
「そうよ。口外すれば、魔術が心臓を潰す。どう?理解した?」
ウルはそう言うと、もう一度俺の服に手を伸ばす。
その手から逃げるように俺は後ずさった。
「じ、自分で脱げます。」
詞を教わるためだ。
仕方ない。
俺は上半身裸になった。
すると、彼女が俺の胸に手をあてる。
「じっとしてて。」
「はい...。」
「***・**」
ウルの口から聞こえたのは、先ほどバベルの最上部で聞いたものと同様、俺の知らない言語だった。
魔術を使う時は、俺だって詠唱を行う。
でも、詠唱に使うのは、この大陸の言語であるヴァルハラ語だ。
こんな、訳の分からない言語ではない。
これが、詠唱をする時の正式な言語なのだろうか。
「どうですか?」
「ふぅー、完了ね。これで、詞のことをセムス家以外の誰かに話したら魔術が心臓を潰すから気をつけて。」
ウルさんは軽い物言いでそう言った。
仕方なく受け入れたものの、少しやりすぎではないだろうか。
アークに帰れば、魔術の修行がどうだったのかを沢山の人に聞かれるだろう。
その時に、もしポロッと“詞を習得してきました!”なんて言ってしまえば、俺の心臓はグシャリと潰される。
自分でも言うのが何だが、貴重な覚醒者が減るかもしれないんだぞ。
まあ、こうでもしなければ、教えてもらえないので、素直に従うしかないのだが。
「き、気をつけます。」
俺とウルさんは小さな木の机を間に、向かい合って席についた。
「よし、じゃあ始めましょう。」
そう言う彼女の手には何も持たれていない。
てっきり、教科書のような何かを見させながら教えられるものだと思っていた。
どうやら、完全に口伝えらしい。
俺は一文字も聞き逃さないよう、体ごと耳を彼女に傾けた。
「お願いします!」
「どこから教えればいいのかしら。あなた、シモンからは何も聞いていないのよね?」
「はい、聞いてません。」
「彼にも同じ魔術が施されてるだろうから当然か。よし、ならまずは“詞が何なのか”からね。」
意外と丁寧に教えてもらえるな。
「お願いします!」
「詞を説明すると、詠唱をする時の正式な言語とでも言えばいいかしら。あなたたちは詠唱する時、ヴァルハラ語でやるでしょ?」
「それが普通なのかと。」
まさかヴァルハラ語での詠唱が正式なものでもなかったとは。
ということは、ずっと俺は間違った方法で魔術を使っていたと言っても過言ではないということか。
なら、彼女が俺の魔術を見た時の反応も頷ける。
「仕方ないわ。セムス家以外は詞の存在すら知らないんだから。トバル・セムスから口伝えで伝わってきたものだから記録にも一切残ってないし。」
そこまでして、セムス家以外に教えてたくないなんて。
どうせ、くだらない権力を維持するためなのだろう。
権力のために何かを独り占めに。
どこの世界も同じような感じだ。
「・・・」
「なに?何か言いたげな顔だけど。」
ウルさんは不思議そうな顔をして、俺を見つめる。
おっと、顔に出てしまっていたか。
今は、セムス家の機嫌を損ねる訳にはいかない。
俺は無理矢理、口角を上げた。
「何でもないです。」
「そう?なら早速実践に移るわよ。」
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詞を学び始めてから、3週間が経過した。
初めてウルの口から詞を聞いた時は、何をどうやったらあんな発音が出来るのか訳が分からなかったが、彼女の教え方が上手いようで、俺の魔術はぐんぐん成長している。
まだ発音に不安は残るが、かなり詞の扱いにも慣れてきた。
これなら次の任務に何とか間に合いそうだ。
新しい支部はというと、殆ど魔術が施し終えているようだ。
この規模の魔術をこのスピードで。
セムス家には色々思うところがあるが、流石はセムス家と言わざる負えない。
ウルも俺に詞を教える時以外は、それを手伝っているみたいだ。
俺も詞を少し使えるようになった頃、手伝いたいとウルに申し出たが、これはセムス家の仕事だと断られた。
まあ、とにかく本部に帰るまであと数日、少しでも魔術に磨きをかけなければ。
ということで、今日も俺はウルさんの部屋で詞の訓練に励む。
「**...あー、くそっ。舌が絡まりそうだ。」
そして、そんな俺をウルが近くで見守る。
「いい感じになってきたんじゃない?まだまだではあるけど。」
「そうですか?確かに初めよりは随分とマシになりました。」
「結構才能あるほうだと思うけど。3週間でこれなら上出来よ。」
「ウルさんのおかげです。でも、もっと完璧に仕上げないと。次の任務では絶対に失敗できないですから。」
俺がそう言うと、ウルの表情が真剣なものへと変わる。
「任務のことは聞いてる。超越者と戦うんでしょ?」
「はい。」
「それにしては、結構冷静なのね。私だったら、怖くて部屋に引きこもると思うわ。」
「俺も怖いです。でも、そんなこと言ってられないので。」
「強いのね、あなた。」
「そうですかね?ただ、必死なだけです。」
そう、俺は決して強いわけではない。
俺が必要とされる場所で、全力を尽くす。
でなければ、俺の居場所は無くなってしまう。
また1人になってしまうのが怖いだけなのだ。
だから、今回の任務も俺がやれることを全力でやる。
たとえ、それで命を落とそうとも。
まあ、何はともあれ超越者討伐任務まであと数日。
任務が始まるかどうかは俺の魔術次第だ。
よし、あともう少し頑張るとしよう。
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