魔王にさらわれた聖女の君は、僕の言葉で堕とされ『花嫁』となる

K.A.

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Act 08

翼々たる喋々喃々~小心

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「え……私が、上……上なのっ!」

「聖女さまが、舌を絡め、さらに唇を使ってくれたから、僕のものは準備ができているよ。このままアリスを突きあげる事が可能さ――」

「あは……は、入ってきてる……エ、エリオットが、はいって……きて……あは、あは……わ、私の身体を、上、下……動かさないで……腰をつかんで……私の身体を動かさないで……あは、あは……ああんっ!」

「君の気持ちを察してやれていなかった。すまない。謝っておくよ……ふふ。聖女さまが上下に動きたかったのか。二人で楽しみたいと考えてくれているのを、んでやれず申し訳なかった。さあ、アリスの好きなようにしてくれ。飛翔の魔法で支えるのは、ひざとつま先のあたりでいい? それとも足の裏? 互いが楽しむ為に力を合わせたい。どうしたらよいか、二人で考えていこう」

「え……え……わ、私は……あっ! あ、あ! し、下から突きあげて、刺激してこないで……あっ! あっ! ああんっ! む、胸……むねをまないでっ! ねばったものにも、胸、吸われているのよ……しょ、触手にも、胸を絡まれているのよ……あは、あは……し、下から、エリオットが、何度も、何度も、突いてきて……あはっ!」

「……聖女さま、どうするの? 顔を真っ赤にしながら、このまま僕の突きあげを楽しむのも、もちろん構わないさ。
 ああ。
 胸の先、ねばりに吸われ続けて突き出ているな。可愛らしい。素肌をさらしている、膨らみの下の方を押しあげるようにでてやろう。他をでてやりたくなったら、君の身体を巻いている魔力のに、愛撫あいぶするよう、そっとめいじるから、安心して。アリスが、欲情にかられて止まれなくなるほど、盛んなさまを見せるように――」

「あ……やめ、やめて……あ、あ……ああ……やめて……あは、あは……ああ……え……あっ……え……鎖が……あ、あ、あ、ああ、あああっ!」

「ああ……アリス……気持ちいいよ……君がみずからの意思で、垂れ下がる鎖の長さを加減してくれるなんて……足腰を支えている魔法は、効果が持続するものなので、二人の交わりに支障をきたす事はない……身体を激しく動かすのに、遠慮はいらない……魔王をもする妖艶なさまを……もっと、もっと見せて……魔魅まみものとたとえられるほどの美しい君の姿を見せてほしい……僕だけのうるわしい聖女さまに……えつを……」

「あ、ああ……ああああああっ! ……そ、注がれている……そ、注がれてる! わ、わたしのなかに、『魔の力』が、そそがれ……ああんっ! あはんっ! 下から、貫かれて……そそがれて……なかに、おくに……」

「……抜くよ。君を抱きしめたくて仕方がない。アリスの肌は、魔王の僕が癒されてしまうほど、温かく優しい触れ心地だ。
 可愛い聖女さま、しんの愛を、僕に届けてくれてありがとう。君の心が作り出した鎖、長くしたり短くしたり……僕の上で動きやすいようにすんを整えてくれて嬉しかった。
 ふふふ。
 『魔の力』が全身を駆け、忘我ぼうがきょうっているようだが、それは僕も同じだ。
 支配された事による他律たりつではなく、君が、みずから僕と繋がる悦びを表現してくれて、こちらも心が弾んでいったよ。じゃら、じゃらと――金属がぶつかりれ合う事で作り出される非生命的な鳴りではなく、耳に届いたのは、精華せいかであると感じるほどのさ。君を吊る鎖のかなでは、美なる響きだ。愛しているよ。僕だけの聖女さま、唇を重ねよう……」

「んん……んん……は……ん……あ、あ……エ、エリオット、やめて……注がれて、すぐなのに……指で陰核いんかくでないで……ぬ、濡れているから……わたし、すごく濡れているから……あは……エリオットの指に、こぼしてしまうから……あ、あは……や、やめて……あ、あ、あ……」

「聖女さま、顔が真っ赤だ。腕が吊りあがっているから、いつもより胸のうるわしさが強調されているよ。ああ。胸の先をねばりに吸われたり、時には魔力のを締めあげられたり、実に艶美えんびさまだ。少し痛い思いをさせてしまうかもしれないが――谷間の横に、唇を強くあてさせてほしい」

「え……あ……エリオット? 私の胸に、顔を近づけて……えっと……」

「君が、激しく舌を絡めてきてくれて、僕は、素晴らしい一時ひとときを過ごさせてもらったよ。もとから水気みずけびている舌と舌が、さらに、しとりとなるようあいに願っていたね。情事のよき一齣ひとこまを演じられたと思っている。君のすべてを手に入れたいという僕の想いと、僕にすべてを支配されたいという君の想いを重ねたあかしを、このやわらかな膨らみに刻みたい。君と繋がったこの唇を押しあてて――」

「あ、あああっ! や、あ……あは、あは……す、吸われて……エリオットの唇に、胸を吸われてる……あは、あは……私、肌を強く吸われて……あは……や、やめて、首に、指を伸ばしてこないで……おかしな気分になってしまう……あは……うなじの方に指を動かすなんて……ひきょう……やめて……首筋を、荒くさわられると、へんなきもちに……あは……髪を、乱さないで……はあ、はあ……」

「……痛みが、快感に変わるほど気持ちよかった?
 陰核いんかくを甘めに吸ってやる時も、しっかりとでてやってからだと、刺激に対して心地よさを感じているようだったから、今なら、きっと、胸の美しい白さにあざを作ってやったとしても、悦びを感じるのではないかと考えたが、その反応、嬉しいな。
 手枷を外してのがれようとする素振そぶりを見せずに、大人しく仕留しとめられる覚悟をしてくれたじゃないか。身体をよじっていたのだって、せいふけった事が起こりだろ? 巻きつく魔力のに、細かい震えを伝えてくれたので気づいていたさ。えつするが故の念のあふれだってね。
 聖女さまの裂け目が、じんわり濡れていくのは、足の付け根に貼りついたままのねばりを通して教えてもらっていたよ」

「……あ……あ……わ、私……わたしっ!」

「鎖を大きく揺らしているのに……アリスが、その束縛をき、見事に人間どもの街まで逃げおおせたとして、何が待っているの?」

「え……ああ……ああ……私は、大聖堂で聖女としてのつとめを……あ……あ」

「誰かにいられた訳でも、生まれた血筋にさだめられた訳でもない。みずからの意思で恋いしたう相手と添い遂げたい。それが、心の底からあふれて止まらない君の願いなのではないかな? ……偽らなくていいよ。可愛いアリス、ずっと、僕のそばにいて」

「……あ……あ……う……ううっ……ど、どうして……どうして、エリオットは、魔王に生まれてしまったの……どうして……どうして、私は、聖女にうまれ……て……どうし……て……」

「聖女さま……眠ってしまったのか?
 意識が遠のき、手枷と鎖が失せてしまうよりも前に、身体を抱きとめて護ったから安心して……ああ。もう、すいの奥にいるね。
 たしかにここは、人間として生まれたアリスにとって異界も同然かもしれない。魔王である僕の存在は、異端かもしれない。だが、人間どもの世界こそ君にとっては、足掻あがすべすら潰された、いあがれぬ絶望のふちだったんだろ? 底にたまった泥土でいどのせいで、周りを目に映す事が認められず、耳に些細な音が入る事もはばまれていたじゃないか。
 魔界で、この魔王エリオット・ジールゲンのそばで、幸せになってくれ。
 愛する僕だけを目に入れて、二人で語り合って――アリスが望むなら、そんな過ごし方をさせてあげたいんだ。だから、つらかった人間としての暮らしとは決別してほしい。ここで、僕と理想郷を築いていくような起居ききょを共にしよう。
 同じ生命せいとして、愛する相手と過ごせばいいんだ。
 もう一度、『魔の力』を注ぐね。
 君は、目を閉じたまま、枕にもたれてくつろいでいてくれればいい……うわ言を呟くように、口を小さく動かしながら涙を流さないでくれ……早く僕の花嫁になって、不幸せのないうつつ辿たどり着こう。
 可愛らしい聖女さま、愛しているよ。
 ああ。
 首もとに、唇を強く押しあてさせてくれ。君を苦しめるだけの人間どもの世界には、絶対に帰さないという誓いのあかしを今すぐ刻んでやりたい。眠っていてこうする事もできないまま、けもの爪牙そうがにかかるように、僕にすべてをゆだねて……」
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