魔王にさらわれた聖女の君は、僕の言葉で堕とされ『花嫁』となる

K.A.

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Act 07

滞留の鉄枷~聖を呑む魔王

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「あはんっ!
 うはぁ……む、むね……なめ……え、くはっ! す、吸わないで……はぁ……あは……ドレスをめくって……胸の先を、吸わないで……ひぃん……あはん」

「……ひじを浮かせ、を前に倒してしまっているぞ。ははっ。僕にいじられるのが嫌だというのが本心なら、胸をこちらに差し出したりしないはずなのにな。おやおや。高いかかとが邪魔で、足を踏みしめられなくて、楽しい気分が減ってしまっているのかい? 無作法だが、今は二人きりの私的な時間であるとして、靴を脱いでしまうといい。ふふ。ひざから足首に向かって、舌を動かしてやろう……」

「ふぁ……あ、あ……や、やめて……エ、エリオット……足を、あしを……ああっ……あ、足首まで……な、なんども……な、何度も、めないで……あ、足を、持ちあげないで……何度も、なめ……はう……」

「……慈悲を得られなかった左足の方も、興奮止められぬように、つま先を地面に預けたまま震えていたね。劣情れつじょうを催すような行為を与えてやっていないはずなのに、そんなに感じてしまったのか?
 身動きできぬまま腰をおろしているだけなのに……手枷に繋がる鎖、玉座ぎょくざに深く打ち込まれてしまっているぞ。これは、僕の好き勝手に、身体をいじってほしいという君の申し入れだと受け止めさせてもらうよ。ふふふ。左足は、ひざより上を可愛がってほしいんだろ……」

「あははん……すそが、めくれ……て……ひ……あしの上の方まで……あはん……足の付け根まで、エリオットの舌が……あは……ひぁ……うぁ……な、なんども……付け根を、めない……で……くぁああああっ」

「……残念。陰部は、慈悲を得られなかったようだ。
 なあ、心を消してほしいのか? こんなに僕を愛してくれているじゃないか。このまま舌で陰核いんかくを刺激されたら、玉座ぎょくざを濡らしてしまう事など気にしない様子で、乱れたあかししずくを垂らしてしまいそうなのに、僕の花嫁として生きていく向後きょうごを望みたくないとかたくなに言うのかい。
 どうして?
 魔王だと知ってしまっても、僕を愛してくれているんだろ。
 妃になるという事にを感じ、重く考えているのかな。アリスは、魔界に君臨する者として、十分なうつわがあると認めた上だが、物案じをしないでくれと伝えたいから言うよ。人間どもに、聖女として仕立てあげられていた頃のような、難行苦行なんぎょうくぎょうと等しいつとめをする必要はない。烏夜色うやいろのマントにくるまれ、この魔王エリオット・ジールゲンにつねいだかれる存在になるだけでいいんだ。
 ああ。意地悪をして、すまなかった。指で、しっかりと陰部の裂け目を責めてやるよ」

「ああ、あ、ああ、あ……あは……あううん……く……くんっ」

「聖女さまの味や香りをじかに感じられる故、舌ででてやる時間は、僕も大切だと考えている。だが、指での愛撫あいぶであれば、喘ぎ声をあげている時の可愛らしい表情の一つ一つを眺められると思ってね。ふふふ。気持ちよさそうじゃないか……愛する僕と永遠とわに共にいられるように、『魔の力』を注いでほしいんだろ? 想いを抑えられない様子で、僕をシーツの上に押し倒してくれても構わないよ。
 今すぐ、寝所ねどこに移動しないか?
 先日、乱れ過ぎて感情をぎょせなくなり、アリスの方から僕の大切なものに手を伸ばしてきてくれて、嬉しかった。うなされているかのような、消え入りそうな声で、人間に化けていた頃の僕との思い出を呟きながらだったが……妃になる日が近づいてきて、不安だったんだね。責任を負わされる為に嫁ぐのではなく、毎日を陽気な気分で過ごせるようにしてやりたいと考えている。だから、僕のお嫁さんになってほしい。
 愛しているよ。
 言葉で、今すぐ応じる必要はない。僕の指に、ねっとり湿ったものを絡めてきてくれれば、それでいいんだ」

「あは! はぁ! あああ!
 や、やめて……エリオット……私を惑わせないで……人間の姿に化けて、私を惑わせないで……ふぁあああっ! あふぁぁああ!」

「君が、言辞げんじ思惟しいも失い、動かぬお人形さんになってしまったら寂しいよ。本当のアリスが、そばにいてくれるから、僕もうつつにありたいと考えられる。それほどまでに深く、君を愛してしまったんだ。
 お願い。これからも僕のそばにいて。
 改まった場よりも、僕と二人で安らいでいる時に、求婚の言葉を贈ってほしいと言っていたね。こんな簡単な言葉では、嫌? 君が、自分の方からも僕を好きになり過ぎてしまったから、飾りなく愛を打ち明けてくれないと、婚約ので、恥ずかしさから拒む素振そぶりを見せてしまうかもしれないと言っていた事を思い出したんだ。
 愛しているという想いを、身体を重ねる事で伝えてばかりで、正式に言い入れるのを怠っていたと謝っておくよ。
 許しが得られるように、しっかりと君の身体に快感を与えるね。おや……胸の先、刺激に応じてなまめかしく精彩せいさいを放ちたいと待ちわびているようだ。色情を感じたのなら慎み深さを見せずに、偽る事なく婀娜あだなるさまさらしてくれ」

「う……あ……あ、は……む、胸のさき……ぃ……あは……めたり、でたり……はあ、はあ……や、やめて、エリオット……玉座ぎょくざに縛って……こんな事をして……私が、よろこぶと……あは……もまないで……むねを、ゆっくりと、もまないで……あん!」

「断りなく魔族の姿に戻ってしまって、すまない。指や舌で、えつを与えてやるだけでは満たされ切らないようなので、尻尾しっぽを使って、陰核いんかくめるように刺激してやろうと考えたんだ。
 聖女さま、手が思うように動かせぬまま、か細い指先に力を入れ、必死に肘掛ひじかけにつかまってこらえているようだが……欲望に従うさまをもっと見せても構わないんだよ。
 このきょう序開じょびらきの際に伝えたが、君が、玉座ぎょくざに繋がれたいと願っているだけじゃないか? 愛する僕のそばを離れたくないと強く念じているが故に、その場に留まっているだけ。
 したままわいつけられた聖女さまが享楽きょうらくふけられるように大切に扱ってやるのは、僕がつとめるべき役儀やくぎであると考える。指でも、舌でも、尻尾しっぽでも――アリスが望んだ通りの快楽を授けてやろう。これから、指と舌で胸をでられながら、尻尾しっぽで裂け目を刺激されるよ。理性の消失により情欲の限りを見せるしかなくなったおのれさま、さらけ出す事を恐れないでくれ……」

「あううう……はう……む、むねも、したも……や、やめて……ち、ちがうの……あいしているから……あ……え……エ、エリオット……?」

「聖女さまがほっしていたのは、これなのかな?
 寝所ねどこで欲情に呑まれたおりに、気が狂ったように身体を揺らしながら、僕の大切なものに手を近づけてきてくれた時の事が今でも忘れられない。激しく手を揺らしている時に、はからずも触れてしまい、顔を赤くしている事は以前からあったが――あの日はことに、君の手の動きが、求めてきてくれて嬉しかったよ。
 さあ、アリス。
 これはのちに、慚愧ざんきえないなどと考える事ではない。汚名をすすぐすべをさがさなければならないような行為ではないんだ。ただ愛を深める為だと思って、僕の大切なものに舌を伸ばしておいで」
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