魔王にさらわれた聖女の君は、僕の言葉で堕とされ『花嫁』となる

K.A.

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(文学)対話体小説※『対話体小説』を読みやすくする為、独自の「改行/句点ルール」を使っています

首輪から伸びる鎖~玉座の前の聖女

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「も、もう……やめて……命で償わせて……魔王にだまされ、身体を差し出してしまった事……命で……あっ」

「君の身体は、今や、僕の操り人形も同然だが、涙をほおに伝わせた、その切ない顔を見ていたら、僕の手で繋いでやりたくなった。
 不安の中に、悔しさをまぜるさまを見せる君も、可愛らしく思うよ。
 だが、僕の腕の中で抗拒不能こうきょふのうのまま、首輪をつけられるというのは、どうかな?
 きっと、心がおどるような想いが残るのではないか。
 そう、追憶ついおくできる。
 あははっはっ。
 アリスのお望み通り、本当ににえになれるんだ。
 魔王の玉座ぎょくざの前で、鎖で繋がれ、我ががこれからどう扱われるのか……ただ待つだけとなる!
 君の身体の自由を奪っている『魔の力』から解放してやる。
 王の間から逃げ出せたら、人間どもの街に帰す事を約束しよう。
 さあ。
 僕が手を離したら、ゲーム開始だ」

「え……あっ!
 はあ……はあ!
 えっ!」

「ふふふ。
 駄目じゃないか、もっと素早く動かないと。
 出口の前には、僕がいる。先ほどまで、希望の扉に見えていたのかな?
 だが、これ以上、扉に近づくというのは、この魔王エリオット・ジールゲンの胸の中に飛び込んでくるという事だ。
 最後のチャンスをやろう。
 僕に、身体をつかまれなかったら、自由を与えてやる」

「エ、エリオット……ああっ……」

「ああ、残念。
 アリスは、また、僕にいだかれる存在に戻ったようだ。
 必死に身体を揺らそうとして、僕の腕の中で、無意味な抵抗を続ける君の事、いとおしく感じるよ。
 そうだ、きょうとして面白そうな事を思いついた。
 『魔の力』から解放したまま、首輪をつけてやろう。
 おのれの存在を失いたくないと、最後のあがきを見せるにえとして、君は、床から伸びる鎖に拘束される」

「……いいの?
 『聖なる力』を使うわよ……私の命と引き換えに、魔王エリオット・ジールゲンを倒す」

「へえ。
 聖女さま、そういった最後のあがきを見せてくれるのか。
 やってみたまえ。
 力を使う事、邪魔するような野暮やぼな真似はしないさ。
 さあ、アリス」

「お願い……あの日、私に、本当の優しさをくれたエリオットも、あなたの一部だというのなら、二人で一緒に滅びましょう――オスブ・イツパー・カ」

「――本当に、残念だったな。
 しかし、これで理解しただろ。
 君は、僕の滅びなど望んでいないんだ。
 身体を重ねるたび、僕と共にありたくなり、おのが『聖なる力』を討滅とうめつさせたのは、君だ。アリス」

「あ……あ……あ……ああっ!
 わ、私! 私っ!」

「おいで。
 ふふ。
 生贄いけにえとなる者には、絶望の面持おももちこそが調ちょう
 その表情、首輪をつけられる事によって、さらに引き立てられるのではないかな。
 一段と美しいさま、見せてもらおう」

「あ……あああっ!
 ぐっ!
 い、いや……もう、これ以上、みじめなさまさらしたくない。
 首輪……お願い、やめて」

「駄目だ。
 分からないのか?
 供物くもつが、おのが扱いを選べる道理はない。
 ほら。
 身体をもっとよじって、しっかりとあがいてくれ。
 あらがってくれなくては、このきょうの意味がないだろ。
 逆らった挙句、敗北し、首輪をつけられ、繋がれるんだ。
 すべてが無意味だった。
 鎖の重さを感じ、わずかに前に引っ張られる。逃げ出す事かなわなくなったと実感してほしい。
 ――ああ。
 首輪をつけられてしまったようだ。
 もう、どこにも行けなくなったのではないか。
 僕の聖女さま」

「……ううっ。
 世界のみんなの為に……お願い。『聖なる力』をもう一度……おねがい」

「ドレスをがれ、胸をさらけ出している。今は、によって隠されている陰部に、本来なられているはずの肌付はだつきすらない。
 もはや、仕留しとめられるのを待つだけ。
 それなのに、人間どもを護りたいなどと。
 あははっははっ。
 やはり、そんな君を、我が花嫁に迎えたくなった。
 うつつ如何いかなるものにも護ってもらえぬ君を、妻として、いつくしみたい。
 のちに、柔らかな寝所ねどこで、でる事を約束しよう。
 だが、今からは、石床の冷たさに心を凍らせながら、僕との行為にのぞんでもらう」

「ああ……や、やめて。
 エリオット……スカートの中に、顔をいれて……ひっ!
 ひぃいいいっ!
 し、舌……舌で、め……ああああ……突っ込んで……ま、また、めて……あ、あ、あ、あんっ!」

「……聖女さまの身体からあふれ出るもの、美味びみだよ。君の香りをじかに感じながら、深い味わいを得られる。
 もうしばらくの間、もてあそんでやろう」

「う……ひぃぃん……あは……も、もうやめて……エ……リオット……わたしのこころ……これ以上、奪わないで……ひ……ああああっ!」

「アリス。
 らされて、苛立いらだってきているのか?
 可哀そうに。
 では、そろそろ、慈悲を与えてやろう。
 烏夜うや――闇夜烏やみよからすと人間どもにたとえられる黒衣こくいまとう僕の肌を見る事が許されるのは、この世で君だけだ。
 しっかりと濡れた裂け目は、僕の大切なもので貫かれていく事となる。
 初めゆっくりと、一度、奥をつくように――。
 その時、君が、足を激しく揺らしてくれると嬉しい。
 狩られるがわの獲物として、くっした事を、身体の動きを使って表現してもらおう」

「ひぃ……ああ……あわっ!
 はんっ!」

「あははっ。
 抵抗しようとしたが、かなわなかったようだ。
 足を動かすまいと、力をいれたが、僕が入っていく時の湿しめった音を聞いて、身体の方が反応してしまったのではないか?
 首輪から伸びる鎖で床に繋がれ、手を僕に押さえつけられ、そうして、裂け目すらもふさがれている!
 僕が、為終しおえるまで、一切の抵抗を認めない!
 感じるままに、身体を揺らせっ」

「……う、動かないで……わ、わたし……エリオットに出されたら……はあ……あああんっ。
 ま、魔族に……魔族の身体に……あ、あ、あ、あ!」

「我が運命の花嫁……アリス……さあ、永遠とわに共に生きる為……ぼくを受け入れて……魔の者となるんだ……はあはあ……激しい動きののち、君は……『魔の力』を……そそがれて……あ、あああ!」

「ああああああああっ!
 ……ひ……あ……ああああ……あ!」

「……アリス。
 もう少し、『魔の力』を注いでやる必要があるみたいだな。
 魔族の身体に徐々に変えられていく事、苦しくはないだろうが、ふふ、抵抗している間は、乱れた時のように、喘ぎ声をあげてしまうんだ。
 鎖を激しく揺らし、快楽に沈んでいくさま、しばらく楽しませてもらおう。
 僕の聖女さま。
 君は、最高のにえであり、理想の花嫁だ。
 よいが訪れたら、寝所ねどこで可愛がってやろう。
 君が望むというなら、人間に化けていた頃の僕で接してあげるよ。
 ――優しさで、つつみ込むように」
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