20 / 32
後ろから、社長に入れられて困っています
(7)-(2)
しおりを挟む
「しばらくの間、僕のお仕事に協力してもらうが、家に帰ったら、ベッドの上で夫婦として過ごそう。イアリーの市長の裏切りで、調査が難航してしまって……アリストの記憶をさぐるには、適合体である君との接続という方法しか用意できなかったんだ。女性にとってデリケートな部分に、棒状の器具をさし込ませてもらうしかなくて申し訳ないが、力を貸してほしい。ねえ、僕に触れられ、そして、口づけを交わし、高ぶってきた? 魂が揺さぶられるほど取り乱して。寝所ではない場所で、このようなお願いをする事、もちろん詫びさせてもらうが……君を護る意味でも、アリストの記憶を得るのは重要なんだ。どうしてもなさねばならない。彼女の恨みの想いをデータ化して解析し、このアリストメモリーと殲滅砲撃レ・イダグを繋ぐ必要がある。僕を裏切る奴がいなくなる世界を作らなくてはならない」
社長の言っている事、アニメの悪役の台詞っぽくって、詳しい説明がなくても何となく理解できる。
嫌な予感しかしない。
私が快楽に溺れるとアリストの記憶から何かが得られて、そのデータを使って、世界を滅ぼしてやるという事。
空中戦艦イレイサが、ジェネに逆らう者すべてを消し去る時が来る。
『早起きしてもらい申し訳なかった。でも、今日、ここにデートにこられて嬉しかったな。最近、仕事が忙しくて……常に緊張していたんだ。僅かなミスですべてを失うし、誰かに陥れられる可能性もある。いつでも心配事ばかりさ。だから、幸せを強く感じる。いっぱいお喋りしたね。今日は、とても楽しかった。人混みすらない落ち着いた場所で、君と二人、温かな時を過ごせた。ああ。窓の外、ヤシの木。サービスエリアに立ち寄るとなぜかあるね。このあたりには初めてきたが、単に車を走らせているだけでも心が癒やされそうだ。次は、ドライブにこないか?』
あの日、電車で温室観賞に行ったのは、車よりも早く到着したいからという理由だった。一番乗りできれば、社長が気に入った温室を二人占めできるのではないかと考えた末だったのだけど、目論見通り成功。
「ひ……あ……しゃ、社長……わ、割れ目を……まさか、割れ目を触っている? あは、や、やめて……いやぁ……ひろげないで……はあ、あは!」
「アリス姉さん、棒、もう少し奥までさし込ませてくれ。大丈夫。ここには僕しかいない。乱れた様を見せる事、恐れないでほしい。これから夫婦として、長い時を共にするんだ。君と二人で楽しく過ごせるよう、お部屋には、いろいろなおもちゃを用意してある。温かな時を過ごしたいな。落ち着いて愛を育めるよう、不安要素はすべて排除してしまいたいんだ。絶対に、アリス姉さんを護るよ。だから、この愛撫の波に溺れ、なまめかしい様を見せてほしい」
温室に行くのに、深夜出発というのはおかしい。一番乗りはしたい。深夜以外の時間に車で出発だと、泊まりの計画を立てる必要があったので、電車で行く提案を社長からしてくれた。
『結婚したら、のんびりしたデートができなくなるから、電車の遠出もまた行こう。父と母と出掛ける際、必ず警護の者がそばにいた。夫婦になる前に、家族水入らずの時間をたっぷりと味わっておきたいな』
普段は強く意識しないようにしていたけど、帰りの電車内で、社長に言われた事はしっかり頭に残った。身分の差を久々に感じてしまい、ひどく緊張したからだ。
社長は、素敵なデートをいっぱい考えてくれていたようだけど、生まれも育ちも庶民の私が上手に振る舞えず、質素なお付き合いをお願いした。内心は分からないけど、社長は、こうなったら庶民の暮らしを楽しんでやると覚悟したかのように、私に合わせてくれた。
最初の頃は、逆に社長に無理をさせていないか心配していたけど、「心の底から喜んでいる君の表情をたくさん眺めたくなったんだ。その為の穴場スポットさがしは、とてもやり甲斐のある事さ。幸せという名の贈りものを、君に受け取ってもらえていると感じられて、僕も幸せだよ」と言ってくれた。
社長にとっては庶民の品らしき高価なプレゼントに対し、私が戸惑ってばかりいると、「昨日、売り切れでがっかりしたと言っていたお菓子、出張先で手に入れてきた」などと、気をつかわないように最大限の工夫をしてくれていたので、いつしか身分の差を意識しにくくなっていたけど、お付きの人がいるのが普通という話を聞き、やっぱり、住む世界が違う人なんだという思いが強くなった。
私の気に入っている本を貸してほしいと社長の方から言ってくれるようになり嬉しかったけど、「文化の勉強ができる参考書みたいで面白い」というのが感想にまじっていた事があったし、まったく違う世界で暮らしてきた人で、娯楽として庶民レベルを楽しんでいるんだろうと、その時は単純にそう受け止めた。
緊張が高まり、顔色を変えて反応してしまったのか、社長は、私の心の内に気づいてくれた。「大丈夫だよ」と言葉で伝えず、そっと肩を引き寄せ、こんな時にも安心を届けてくれる事に感謝しかなかった。
温室デートの帰りの電車内も、温もり模様に包まれた空間だった。
「ん……ん……んんんっ!」
今、横で跪き、唇の奥へ舌を侵入させ、私を快楽で溺れさせようと、胸にも、大切な部分にも手を伸ばしてくるこの人は、本当に社長なのだろうか?
私を立て看板みたいなものに拘束したまま、実験器具も同然の棒を後ろからさし込み、心も身体も悪へと堕ちるよう強いてくるこの人は、本当に社長なのだろうか?
「……父からジェネを受け継ぐにあたり、アリストを護り、彼女を真の英雄にするのが、我が家の悲願だと教えられた。アリストを絶対視して篤信している者が集まる組織、それがジェネだ。先の聖戦は、身命を賭すものであったのか――現在は、その意味を知りたいと思った者の子孫で構成されている。総帥の座を継ぐ僕ですら、すでに世界中の人間から神格化されていた、聖戦が行われた正当な意味として抽象神となったアリストを崇める力によってジェネを率いる事ができるのか、幼い頃から不安だったよ。だが、生涯を添い遂げる定めの女性に、アリストの魂が宿っていたと知り、心が決まった。僕がゆくべき道は、一つしかないだろ?」
『天王寺先輩、必ず君を護るよ。だから、お嫁さんになってほしい。一緒に楽しい家庭を築いていきたいな。これからも、ずっとそばにいてほしい。僕も、君のそばにずっといるから』
「アリス姉さん、必ず君を護りたいんだ。だから、愛に溺れて、どこまでも堕ちてくれ。共に、この世界の覇者になろう。僕は、君の心と身体がほしい」
胸の先を横から指で弾かれ、「あはっ!」という声をあげてしまった。身を動かして逃げようとしたつもりが、看板に胸の先が触れ、やまない興奮の支配がさらに強まる。
ゴムバンドのようなもので縛られた足を揺らすと、膝が看板で擦れた。敏感な部分ではないはずなのに、その程度の刺激で、「はあ、はあ」という声が漏れ、快楽の海に投げ出されそうになる。
「気持ちいいんだろ? 君は、囚われの身だ。すでに僕の妻になったに等しいという事だよ。夫の手で乱されていく事に対し躊躇いをおぼえる必要はない。アリス姉さんに悲劇が降りかかる可能性をゼロにする為、教えてほしい。ここには、どのようなアリストの記憶が残っているんだい?」
「ア、アリスト……アリスト……」
魂の前の持ち主の名前をひたすら呟いてしまった。
アリストの意識を強めると、操縦の方法、計器の見方――クラティアの操作を一つ一つ知っているというより、これをやれば戦う事ができるという考えが浮かんでくる。「最前線で手に入れた敵の機体に乗り込んで戦う事もあるから」とナンナンに言われて、冴えないOLは、「ああっ」と納得した。
仕事のできる人は、突然のトラブル発生でも、きっと、「ピキーン!」と心の中でヒラメキ音が鳴り、何でもかんでもスマートに対処できるんだろうと、いつぞや思った事がある。
アリストという女性は、クラティアだけを操縦できるんじゃなくて、戦いすべてにおいて臨機応変だったから英雄なんて呼ばれていたんだろう。そういう脳みその持ち主。
そんな彼女の記憶を、私は知らない。
融合してからも、記憶にあたる部分は私のままで、戦闘の緊張感が緩い時は、「登録してるネット小説の続きって、どこまで投稿されたのかな? 超ぅ読みたい!」と気の抜けた状態が多々あったぐらいだ。
「昇華制御装置の設定は完了している。アリストの魂に触れる事で、異世界への転移が可能となるこれを使えば、殲滅砲撃レ・イダグへのエネルギー転送とてできるはず。さあ、アリストの恨みの記憶を教えてほしい」
「しょうかせいぎょそうち……? いせかいへのてんい……?」
社長の手には、青い宝石のようなものが握られていた。ネックレスのように長いチェーンがついたそれは、以前、社長に捕まった時に見せてもらったもの。これが、現代日本がある世界との行き来を可能にする装置だったなんて。
装置から放たれる青い光をじっと見つめる――
『ぼくは、君の心と身体がほしい。天寿を全うしたとしても、魂は、次に使うどこかの誰かにあげなければいけないだろ? ぼくは、君の心と身体のそばに永遠にいられるんだ。だから、幸せを強く感じる。いっぱいお喋りしたね。今日は、とても楽しかった。人混みすらない落ち着いた場所で、君と二人、温かな時を過ごせた。これからも、ずっとそばにいてほしい。ぼくも、君のそばにずっといるから』
「……え!」
え……私、今、青い瞳に見つめられていた?
声にも出してしまったけど、心の中でも、疑問に対する答えをさがすように、何度も、何度も、「え」と呟いてしまっている。
青い瞳の美しい人は、社長ではない。でも、社長だ。
「……お兄さん? お兄さんの方ですか? アリストの恋人は、社長のご先祖さまのお兄さんですか?」
目の前の現実にいる、青い瞳の美しい人、社長の口が開く。
「そうだ。僕の曾祖父の双子の兄だよ。当時、双子は不吉だと言われていたらしく、隠されて育ったらしいが。アリストメモリーに接続できたんだね。他には何が見える? ふむ。アクセスウェーブが安定しているな。アリストの記憶を、僕にも見せてくれ」
取り出した小型端末の画面を確認した後、社長は、私の方に手を伸ばしてくる。
社長の言っている事、アニメの悪役の台詞っぽくって、詳しい説明がなくても何となく理解できる。
嫌な予感しかしない。
私が快楽に溺れるとアリストの記憶から何かが得られて、そのデータを使って、世界を滅ぼしてやるという事。
空中戦艦イレイサが、ジェネに逆らう者すべてを消し去る時が来る。
『早起きしてもらい申し訳なかった。でも、今日、ここにデートにこられて嬉しかったな。最近、仕事が忙しくて……常に緊張していたんだ。僅かなミスですべてを失うし、誰かに陥れられる可能性もある。いつでも心配事ばかりさ。だから、幸せを強く感じる。いっぱいお喋りしたね。今日は、とても楽しかった。人混みすらない落ち着いた場所で、君と二人、温かな時を過ごせた。ああ。窓の外、ヤシの木。サービスエリアに立ち寄るとなぜかあるね。このあたりには初めてきたが、単に車を走らせているだけでも心が癒やされそうだ。次は、ドライブにこないか?』
あの日、電車で温室観賞に行ったのは、車よりも早く到着したいからという理由だった。一番乗りできれば、社長が気に入った温室を二人占めできるのではないかと考えた末だったのだけど、目論見通り成功。
「ひ……あ……しゃ、社長……わ、割れ目を……まさか、割れ目を触っている? あは、や、やめて……いやぁ……ひろげないで……はあ、あは!」
「アリス姉さん、棒、もう少し奥までさし込ませてくれ。大丈夫。ここには僕しかいない。乱れた様を見せる事、恐れないでほしい。これから夫婦として、長い時を共にするんだ。君と二人で楽しく過ごせるよう、お部屋には、いろいろなおもちゃを用意してある。温かな時を過ごしたいな。落ち着いて愛を育めるよう、不安要素はすべて排除してしまいたいんだ。絶対に、アリス姉さんを護るよ。だから、この愛撫の波に溺れ、なまめかしい様を見せてほしい」
温室に行くのに、深夜出発というのはおかしい。一番乗りはしたい。深夜以外の時間に車で出発だと、泊まりの計画を立てる必要があったので、電車で行く提案を社長からしてくれた。
『結婚したら、のんびりしたデートができなくなるから、電車の遠出もまた行こう。父と母と出掛ける際、必ず警護の者がそばにいた。夫婦になる前に、家族水入らずの時間をたっぷりと味わっておきたいな』
普段は強く意識しないようにしていたけど、帰りの電車内で、社長に言われた事はしっかり頭に残った。身分の差を久々に感じてしまい、ひどく緊張したからだ。
社長は、素敵なデートをいっぱい考えてくれていたようだけど、生まれも育ちも庶民の私が上手に振る舞えず、質素なお付き合いをお願いした。内心は分からないけど、社長は、こうなったら庶民の暮らしを楽しんでやると覚悟したかのように、私に合わせてくれた。
最初の頃は、逆に社長に無理をさせていないか心配していたけど、「心の底から喜んでいる君の表情をたくさん眺めたくなったんだ。その為の穴場スポットさがしは、とてもやり甲斐のある事さ。幸せという名の贈りものを、君に受け取ってもらえていると感じられて、僕も幸せだよ」と言ってくれた。
社長にとっては庶民の品らしき高価なプレゼントに対し、私が戸惑ってばかりいると、「昨日、売り切れでがっかりしたと言っていたお菓子、出張先で手に入れてきた」などと、気をつかわないように最大限の工夫をしてくれていたので、いつしか身分の差を意識しにくくなっていたけど、お付きの人がいるのが普通という話を聞き、やっぱり、住む世界が違う人なんだという思いが強くなった。
私の気に入っている本を貸してほしいと社長の方から言ってくれるようになり嬉しかったけど、「文化の勉強ができる参考書みたいで面白い」というのが感想にまじっていた事があったし、まったく違う世界で暮らしてきた人で、娯楽として庶民レベルを楽しんでいるんだろうと、その時は単純にそう受け止めた。
緊張が高まり、顔色を変えて反応してしまったのか、社長は、私の心の内に気づいてくれた。「大丈夫だよ」と言葉で伝えず、そっと肩を引き寄せ、こんな時にも安心を届けてくれる事に感謝しかなかった。
温室デートの帰りの電車内も、温もり模様に包まれた空間だった。
「ん……ん……んんんっ!」
今、横で跪き、唇の奥へ舌を侵入させ、私を快楽で溺れさせようと、胸にも、大切な部分にも手を伸ばしてくるこの人は、本当に社長なのだろうか?
私を立て看板みたいなものに拘束したまま、実験器具も同然の棒を後ろからさし込み、心も身体も悪へと堕ちるよう強いてくるこの人は、本当に社長なのだろうか?
「……父からジェネを受け継ぐにあたり、アリストを護り、彼女を真の英雄にするのが、我が家の悲願だと教えられた。アリストを絶対視して篤信している者が集まる組織、それがジェネだ。先の聖戦は、身命を賭すものであったのか――現在は、その意味を知りたいと思った者の子孫で構成されている。総帥の座を継ぐ僕ですら、すでに世界中の人間から神格化されていた、聖戦が行われた正当な意味として抽象神となったアリストを崇める力によってジェネを率いる事ができるのか、幼い頃から不安だったよ。だが、生涯を添い遂げる定めの女性に、アリストの魂が宿っていたと知り、心が決まった。僕がゆくべき道は、一つしかないだろ?」
『天王寺先輩、必ず君を護るよ。だから、お嫁さんになってほしい。一緒に楽しい家庭を築いていきたいな。これからも、ずっとそばにいてほしい。僕も、君のそばにずっといるから』
「アリス姉さん、必ず君を護りたいんだ。だから、愛に溺れて、どこまでも堕ちてくれ。共に、この世界の覇者になろう。僕は、君の心と身体がほしい」
胸の先を横から指で弾かれ、「あはっ!」という声をあげてしまった。身を動かして逃げようとしたつもりが、看板に胸の先が触れ、やまない興奮の支配がさらに強まる。
ゴムバンドのようなもので縛られた足を揺らすと、膝が看板で擦れた。敏感な部分ではないはずなのに、その程度の刺激で、「はあ、はあ」という声が漏れ、快楽の海に投げ出されそうになる。
「気持ちいいんだろ? 君は、囚われの身だ。すでに僕の妻になったに等しいという事だよ。夫の手で乱されていく事に対し躊躇いをおぼえる必要はない。アリス姉さんに悲劇が降りかかる可能性をゼロにする為、教えてほしい。ここには、どのようなアリストの記憶が残っているんだい?」
「ア、アリスト……アリスト……」
魂の前の持ち主の名前をひたすら呟いてしまった。
アリストの意識を強めると、操縦の方法、計器の見方――クラティアの操作を一つ一つ知っているというより、これをやれば戦う事ができるという考えが浮かんでくる。「最前線で手に入れた敵の機体に乗り込んで戦う事もあるから」とナンナンに言われて、冴えないOLは、「ああっ」と納得した。
仕事のできる人は、突然のトラブル発生でも、きっと、「ピキーン!」と心の中でヒラメキ音が鳴り、何でもかんでもスマートに対処できるんだろうと、いつぞや思った事がある。
アリストという女性は、クラティアだけを操縦できるんじゃなくて、戦いすべてにおいて臨機応変だったから英雄なんて呼ばれていたんだろう。そういう脳みその持ち主。
そんな彼女の記憶を、私は知らない。
融合してからも、記憶にあたる部分は私のままで、戦闘の緊張感が緩い時は、「登録してるネット小説の続きって、どこまで投稿されたのかな? 超ぅ読みたい!」と気の抜けた状態が多々あったぐらいだ。
「昇華制御装置の設定は完了している。アリストの魂に触れる事で、異世界への転移が可能となるこれを使えば、殲滅砲撃レ・イダグへのエネルギー転送とてできるはず。さあ、アリストの恨みの記憶を教えてほしい」
「しょうかせいぎょそうち……? いせかいへのてんい……?」
社長の手には、青い宝石のようなものが握られていた。ネックレスのように長いチェーンがついたそれは、以前、社長に捕まった時に見せてもらったもの。これが、現代日本がある世界との行き来を可能にする装置だったなんて。
装置から放たれる青い光をじっと見つめる――
『ぼくは、君の心と身体がほしい。天寿を全うしたとしても、魂は、次に使うどこかの誰かにあげなければいけないだろ? ぼくは、君の心と身体のそばに永遠にいられるんだ。だから、幸せを強く感じる。いっぱいお喋りしたね。今日は、とても楽しかった。人混みすらない落ち着いた場所で、君と二人、温かな時を過ごせた。これからも、ずっとそばにいてほしい。ぼくも、君のそばにずっといるから』
「……え!」
え……私、今、青い瞳に見つめられていた?
声にも出してしまったけど、心の中でも、疑問に対する答えをさがすように、何度も、何度も、「え」と呟いてしまっている。
青い瞳の美しい人は、社長ではない。でも、社長だ。
「……お兄さん? お兄さんの方ですか? アリストの恋人は、社長のご先祖さまのお兄さんですか?」
目の前の現実にいる、青い瞳の美しい人、社長の口が開く。
「そうだ。僕の曾祖父の双子の兄だよ。当時、双子は不吉だと言われていたらしく、隠されて育ったらしいが。アリストメモリーに接続できたんだね。他には何が見える? ふむ。アクセスウェーブが安定しているな。アリストの記憶を、僕にも見せてくれ」
取り出した小型端末の画面を確認した後、社長は、私の方に手を伸ばしてくる。
0
お気に入りに追加
236
あなたにおすすめの小説
【R18完結】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】黒髪メガネのサラリーマンに監禁された話。
猫足02
恋愛
ある日、大学の帰り道に誘拐された美琴は、そのまま犯人のマンションに監禁されてしまう。
『ずっと君を見てたんだ。君だけを愛してる』
一度コンビニで見かけただけの、端正な顔立ちの男。一見犯罪とは無縁そうな彼は、狂っていた。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
見知らぬ男に監禁されています
月鳴
恋愛
悪夢はある日突然訪れた。どこにでもいるような普通の女子大生だった私は、見知らぬ男に攫われ、その日から人生が一転する。
――どうしてこんなことになったのだろう。その問いに答えるものは誰もいない。
メリバ風味のバッドエンドです。
2023.3.31 ifストーリー追加
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる