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年下学生わんこ
しおりを挟む「どうぞ」
「、、、」
何も言わない彼を半ば強引に手を取り私の住むアパートまで連れてきてしまった
腕を1度も振り払われなかったから本当に行く宛がないんだろう
何の理由があるのかは分からないが、あんな寒いところで寝てしまっては本当に死んでしまうかもしれない
そんなのは毎朝そこを通勤する私の気分が悪い
決して拾いグセのせいではない!!!
先に部屋に上がり、腕の中にいる仔犬をひとまずタオルを敷いた上にのせゲージの用意をする
「手伝う」
横からすっと伸びてきた大きな手にびっくりした
てっきり玄関にいると思っていた彼がコートを脱ぎ
私の隣へと来ていた
隅にあったゲージを前に出し、毛布や水を配置してから仔犬を入れ
やっと一息つく
そして、もう1人拾ってきてしまった彼を見る
歩いてくる最中も思ったが、かなり身長が高くモデル体型の彼
黒くもさっとした少し長い髪の毛の隙間から見える顔はやはりかなり整っていた
愛おしそうに仔犬を見る彼はよほど犬が好きなのだろうか
「犬が好きなの?」
「さぁ」
「私は好き、犬だけじゃなくて猫とか鳥とか動物全般が好きかな」
「ふーん」
思わずため息が出そうになる
目も合わなければ会話すら続かない
なんで拾ってきてしまったんだか、私
とりあえず、お腹空いた
時計を見ると、もう日付を超えそうな時間だ
こんな時間に食べたくないのはやまやまだが、お腹がすいて寝れそうにもない
確か春雨のカップスープがあったはずだ
まずはシャワーを浴びて、、、、彼はどうしよう
「ねぇ、シャワーとか浴びる?」
「、、、」
これまた無言か、面倒だな
でも着替えを出して、シャワー室に連れてけば浴びるでしょ
確か、兄が来た時の寝間着があるはず
立ち上がってクローゼットの中の収納を漁る
兄のスウェットとなんと包装されてる未使用のパンツも出てきた
なんてラッキーなんだ、って妹のアパートにパンツ置いていく兄も嫌だけどね
それをバスタオルと一緒に彼に渡してシャワー室へと追いやった。
渋々立ち上がり、力なく入っていく彼は
やっぱり捨てられた仔犬に似ていて
ざわりざわりと胸の奥をくすぐる
「はぁー、、ご飯食べよ」
やかんに水を入れ沸かす
シンクの下の収納に入れておいたカップ麺たちの中から春雨を選び、包装紙をとって蓋を開けテーブルへ持っていく
お湯が沸く間、日課のオンラインゲームでもしようと
テーブルの上にノーパソを置き、ほのぼの農業ライフのゲームを開いた
家畜に餌をあげたり、作物を育てて収穫したりと簡単な作業をするゲームだけど、地味に楽しくて続けている。
リアルではなかなかできない友達もゲーム内ではすぐ出来てくれるのもすごくありがたい
つい最近、動物好きのかりんさんと言うユーザーと仲良くなってからはしょっちゅうログインしていた
彼女は常にログインしているのか?と思うぐらい私と同じタイミングで入っている
遅い時間でも起きていてくれる友達がいるとおもうと嬉しくて、ついつい夜更かしをしてしまうのが辛いけどね
いつもどうりログインしている人をチェックすると、珍しくかりんさんがいない
「おい、お湯」
「うわぁ!!」
突然背後から声をかけられて大声を出してしまった
振り向くと黒い髪をオールバックしにた彼がたっていてた
ぽたぽたと彼の髪の毛から滴る水滴が
床に静かに落ちていく
「お湯」
「おゆ?、あっ!」
彼の色気に圧倒されて、何を言っているのか一瞬理解出来なかった
ぴーーーーーーっと激しくなるやかんの音で一気に現実に戻された気分だ
急いで火を止め蓋を開けておいたカップにお湯を注ぐ
「よし、OK」
蓋をして、やかんをコンロの上に起き直した時だった
ぐぅううっと可愛らしい腹の音が聞こえ
一瞬私かと思ったが、どうやら違うみたいだ
音のするほうを見ると
丸く体育座りする彼と目が合った
眠いのかうるりと光る瞳がなんとも母性をくすぐられる
「カップ麺、食べる?」
じっとこっちを見る彼
返事をしなくても、お腹がすいているのはさっきのお腹の音でバレている
もう一度湯を沸かし、カップ麺を取り出して彼の前に置いた
私の箸と彼用に割り箸を取り出し
やかんと一緒に持っていく
お湯を注いでいる間、彼は余程お腹がすいているのかずっとカップ麺を見つめいる
高い鼻に少しキツめの目はクールな表情をしているけど、どことなく犬みたいに可愛らしく見える
「名前、なんて言うの?私は永井ひなこ」
「そうた」
すごく嫌そうな顔
名前ぐらいで、そこまで警戒しなくてもいいのに
また視線をあわせなくなっちゃった
「めん」
「え?」
「麺伸びるよ」
「あ、そうだね、いただきます」
春雨だから、伸びるってことはないけど
まぁ、早く食べて私もシャワー浴びなきゃだしな
それにしても、兄のダサいスウェットをここまで着こなせるなんて素材がいいとここまで違うのね
袖の部分が少し短いみたい
兄が170cmだからかれはそれより大きいのね
まじまじと彼を見ていると、彼も視線がきになったのか私を見つめた
「そうたくんは、学生?」
質問を投げかけると、たちまち逸らされてしまう
「大学」
「大学生かぁ、私は高卒だから憧れだなぁ」
返答もなく、麺をすすり出す彼に苦笑いを浮かべるしかない
もうシャワー浴びにいこ、うん
1人にさせとけば勝手に寝るでしょ!
食べ終わったカップを流しに置き、来客用の布団を出して、さっさとシャワーを浴びに浴室へと入った
あれ?そう言えば
普通に部屋に入れちゃったけど、大学生って19歳からだよね
もしかして未成年?いやいやそんなわ、け
1年生だったらどうしよう!!!!!!
そんな、私、犯罪者になったりしないよね!?
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