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〜13章〜
まじない
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バタン、と扉の開く音が鳴り響き、ソルは現実に引き戻された。
ルナシリスに伝わる童話の世界に浸っていた彼は、しばらく呆然としていた。
なんて素敵な物語なんだろう。
まだぼーっとする頭を振り、玄関の方へと目を向ける。
そこにはルーナが息も絶え絶え何やら大きな包みを手に帰宅していた。
「ただいま。・・・あ、それ読んだ?どうだった?」
抱えた荷物をドサっと机の上に下ろしたルーナは、ソルの隣へと腰を下ろしソルの顔を覗き込んだ。
「すごいよかった」とソルは自身の感動を伝えるべく、目の前のその本を振ってみせた。
「でしょ?私も大好きなのそれ。花が可愛くて、最後はすっごい綺麗で」
ふふふ、と笑うルーナは少女時代に戻っているみたいだ。
(ルーナってこの本に出てくる花みたいだな)
ふとそんなことを思ったソルであったが、口にするのは気恥ずかしく心に留めた。
愛おしそうにその本を撫でそっと微笑んでいたルーナであったが、ふと何かを思い出したようにおもむろに立ち上がった。
机の上に置いた大きな木の葉でできた包みを掴み上げソルへと差し出した。
「何これ?」と目で問いかけると、「いいから。早く開けてみて」と興奮気味に笑う。
包みの中身を確認すると、そこにはどうやら新しい服が収められているようだ。
(あぁ、前にももらったやつだ。新しいの持ってきてくれたんだ。)
未だ童話の中に意識の片割れが残っていたソルは、ぼんやりと包みの中の服に視線を落としていた。前に用意してもらったものと差して変わりがないように思える。
なんでルーナはそんなに興奮しているのだろう。
ソルの反応が気に食わなかったのか、ルーナはソルの手元からその包みををひったくり、反対の手でソルの腕を掴みソファから引っ張り上げた。
「行くわよ!」
ルーナに導かれるままに、外に連れ出される。
数日ぶりの外出となったソルは、陽光降り注ぐ大地の眩しさに眩暈を覚える。
突き刺さる陽光は眼球の奥の方をガンガンと刺激し、すぐに頭痛が広がっていく。
そして何より、久しぶりの外は暑い。
うっ、と思わず手をかざし陽光を遮る。その様子にジェインが嬉しそうに鳴き声を上げている。
騒がしいジェインを尻目に、ソルは必死にルナに手話で訴えかける。
「光が強すぎる。ちょっと待って」
そう家の中へと引き返そうとするソルの腕を離さずにルーナは笑った。
「さぁ。これ全部来てみて」
ずんっと目の前に突き出された包みの向こうで、ルーナはいつものように悪戯っ子のように笑っていた。からかわれているのだろうか。
ソルは、いずれにせよ彼女の冗談に付き合ってあげないと返してもらえない、と諦め、言われた通り包みの中身を引っ張り出した。ちょっとした抗議を込めて、ほんの少しだけ乱暴に、その包みの中身を取り出した。
どさり、と地面に落とした包みを、ジェインが興味深そうに匂いを嗅ぐ。
「あぁ、ちょっと。せっかくやっとできたんだからもう少し大切に扱ってよね」
そう言いながらもルーナの声色は楽しそうだ。
(いったいなんなんだ。)
心の中で珍しく悪態を吐きながら、ソルは黙って取り出した服を着た。
すると、不思議なことに爽やかな風が吹いたかのように陽光の刺激は治った。それでもまだ眩しすぎてまともに目を開けることはできない。
ガサゴソと、どうやら地面に落ちた包みをルーナが漁っているようだ。
もういいだろう。と家の中へと引き返そうとするソルの背中に、何かがパシっと当たった。
「あぁ残念」
後ろを振り返ると、包みを抱えながらキャッキャと笑い声を上げているルーナがいた。
ジェインも嬉しそうに尻尾を振っている。
そんな二人の様子に流石にイラッとしたソルは、ルーナに向かって強めに「なんだよ!」と両手を上げた。
「ごめんごめん」とルーナはソルに投げつけたものを拾い上げ、埃を払ってソルの頭に被せた。
すると今度は完全に陽光の鋭さは鳴りを潜め、ズキズキと蠢いていた頭痛の波もすぐに引いていった。
(なんだこれ。)
身に纏った洋服を呆然と見つめ、頭に被せられたものに手をやる。
「どう?効果のほどは」
ニンマリと仁王立ちをしているルーナは、最後に小さな何かをソルへと手渡した。
「耳にかけて目に当ててみて」
真っ白に透き通るようなまん丸の葉っぱが二つ。
なるほど。とソルはそれを耳にかけ目にあてがった。
突き刺す陽光の刺激が完全に消え去り、世界がくっきりと見えるようになった。
「何これ?」と手話で会話。
「ふふふ。お分かりいただけたかしら?」
優雅に歌うようにそう言ったルーナは、「せっかくだし散歩しましょ」とソルの手を引いて歩き出した。
「あぁ、ジェインはお留守番ね」
期待を込めてルーナを見上げていたジェインは、シュンと落ち込みトボトボと家の裏の方へと歩いていった。
そんな愛犬の様子を気にする素振りも見せずにルーナが続ける。
「それね、プルヴィアおばさんがジョフィアさんって人と一緒に考えて作ってくれたのよ」
久しぶりの外を、こんなにも快適に歩けるだなんて。
「ジョフィアさんはフロンスマーレの葉布職人なの」
今までも、暑さにはすぐに慣れ問題はなかった。しかし、照りつける陽光は慣れることがなく、長い間外にいると倦怠感を度々覚えていた。
それが今はどうだろう。
吹き付ける風は心地良く、照りつける陽光でさえも気にならずに歩いていられる。
なんて素晴らしいんだろう。
ソルはこの素晴らしい品たちを作ったというジョフィアさんとプルヴィアさんにお礼を言いたくて仕方なかった。
「それでね、お父さんがプルヴィアおばさんに相談したの。ソルが少しでも楽に過ごせるようになんとかできないかって」
ルーナの父親、テラシーの思いやりに思わず口元が緩む。
ルーナはいつものようにずんずんと軽快な足取りで歩いていく。いつもであればソルはやっとの思いでルーナについていくのだが、今日は違った。
ソルもルーナと同じよう軽快に歩いている。その自身の軽快さに自然と心も軽快になる。
「で、ジョフィアさんに頼んで作ってもらって、プルヴィアおばさんがそこにおまじないをかけて作ってくれたの」
おまじない、という表現がどこか可愛いく思える。非科学的なものであるが、そこに込められた思いやりの心は確かに存在している。
二人はひたすら歩き続けた。
やがて村にたどり着くと、ルーナはどこか目的地があるかのように、確かな足取りで村を通り過ぎていく。
「どこ行くの?」
ルーナの方を叩き身振り手振りで尋ねる。
「あぁ、言い忘れてた。テムって所。魔女の住む谷よ」
ニヤリとルーナは笑い、「陽光は大丈夫よね?」と尋ねた。
ソルは「魔女の住む谷」という言葉に浮足だった。
どんなに怪しい人たちがそこには住んでいるのだろうか。また新たな世界に触れることができると考えると、ソルはニヤニヤが止まらなかった。
「シニーっていう魔女が住んでいるの。最近ソル調子がよくなかったでしょ?フィーニおじさんに相談してたんだけど、シニーおばさまなら何かいい助言をしてくれるんじゃないかって」
ソルが外出を禁止されている間に、ルーナはさまざまソルのために動いてくれていたようだ。
ソルは感謝の意を表した。
それを見てルーナは見たことのない手話を返した。
「どういう意味?」手話で尋ねる。
ルーナは一言「秘密」と呟き、またいつものようにいたずらっ子のように笑った。
ルナシリスに伝わる童話の世界に浸っていた彼は、しばらく呆然としていた。
なんて素敵な物語なんだろう。
まだぼーっとする頭を振り、玄関の方へと目を向ける。
そこにはルーナが息も絶え絶え何やら大きな包みを手に帰宅していた。
「ただいま。・・・あ、それ読んだ?どうだった?」
抱えた荷物をドサっと机の上に下ろしたルーナは、ソルの隣へと腰を下ろしソルの顔を覗き込んだ。
「すごいよかった」とソルは自身の感動を伝えるべく、目の前のその本を振ってみせた。
「でしょ?私も大好きなのそれ。花が可愛くて、最後はすっごい綺麗で」
ふふふ、と笑うルーナは少女時代に戻っているみたいだ。
(ルーナってこの本に出てくる花みたいだな)
ふとそんなことを思ったソルであったが、口にするのは気恥ずかしく心に留めた。
愛おしそうにその本を撫でそっと微笑んでいたルーナであったが、ふと何かを思い出したようにおもむろに立ち上がった。
机の上に置いた大きな木の葉でできた包みを掴み上げソルへと差し出した。
「何これ?」と目で問いかけると、「いいから。早く開けてみて」と興奮気味に笑う。
包みの中身を確認すると、そこにはどうやら新しい服が収められているようだ。
(あぁ、前にももらったやつだ。新しいの持ってきてくれたんだ。)
未だ童話の中に意識の片割れが残っていたソルは、ぼんやりと包みの中の服に視線を落としていた。前に用意してもらったものと差して変わりがないように思える。
なんでルーナはそんなに興奮しているのだろう。
ソルの反応が気に食わなかったのか、ルーナはソルの手元からその包みををひったくり、反対の手でソルの腕を掴みソファから引っ張り上げた。
「行くわよ!」
ルーナに導かれるままに、外に連れ出される。
数日ぶりの外出となったソルは、陽光降り注ぐ大地の眩しさに眩暈を覚える。
突き刺さる陽光は眼球の奥の方をガンガンと刺激し、すぐに頭痛が広がっていく。
そして何より、久しぶりの外は暑い。
うっ、と思わず手をかざし陽光を遮る。その様子にジェインが嬉しそうに鳴き声を上げている。
騒がしいジェインを尻目に、ソルは必死にルナに手話で訴えかける。
「光が強すぎる。ちょっと待って」
そう家の中へと引き返そうとするソルの腕を離さずにルーナは笑った。
「さぁ。これ全部来てみて」
ずんっと目の前に突き出された包みの向こうで、ルーナはいつものように悪戯っ子のように笑っていた。からかわれているのだろうか。
ソルは、いずれにせよ彼女の冗談に付き合ってあげないと返してもらえない、と諦め、言われた通り包みの中身を引っ張り出した。ちょっとした抗議を込めて、ほんの少しだけ乱暴に、その包みの中身を取り出した。
どさり、と地面に落とした包みを、ジェインが興味深そうに匂いを嗅ぐ。
「あぁ、ちょっと。せっかくやっとできたんだからもう少し大切に扱ってよね」
そう言いながらもルーナの声色は楽しそうだ。
(いったいなんなんだ。)
心の中で珍しく悪態を吐きながら、ソルは黙って取り出した服を着た。
すると、不思議なことに爽やかな風が吹いたかのように陽光の刺激は治った。それでもまだ眩しすぎてまともに目を開けることはできない。
ガサゴソと、どうやら地面に落ちた包みをルーナが漁っているようだ。
もういいだろう。と家の中へと引き返そうとするソルの背中に、何かがパシっと当たった。
「あぁ残念」
後ろを振り返ると、包みを抱えながらキャッキャと笑い声を上げているルーナがいた。
ジェインも嬉しそうに尻尾を振っている。
そんな二人の様子に流石にイラッとしたソルは、ルーナに向かって強めに「なんだよ!」と両手を上げた。
「ごめんごめん」とルーナはソルに投げつけたものを拾い上げ、埃を払ってソルの頭に被せた。
すると今度は完全に陽光の鋭さは鳴りを潜め、ズキズキと蠢いていた頭痛の波もすぐに引いていった。
(なんだこれ。)
身に纏った洋服を呆然と見つめ、頭に被せられたものに手をやる。
「どう?効果のほどは」
ニンマリと仁王立ちをしているルーナは、最後に小さな何かをソルへと手渡した。
「耳にかけて目に当ててみて」
真っ白に透き通るようなまん丸の葉っぱが二つ。
なるほど。とソルはそれを耳にかけ目にあてがった。
突き刺す陽光の刺激が完全に消え去り、世界がくっきりと見えるようになった。
「何これ?」と手話で会話。
「ふふふ。お分かりいただけたかしら?」
優雅に歌うようにそう言ったルーナは、「せっかくだし散歩しましょ」とソルの手を引いて歩き出した。
「あぁ、ジェインはお留守番ね」
期待を込めてルーナを見上げていたジェインは、シュンと落ち込みトボトボと家の裏の方へと歩いていった。
そんな愛犬の様子を気にする素振りも見せずにルーナが続ける。
「それね、プルヴィアおばさんがジョフィアさんって人と一緒に考えて作ってくれたのよ」
久しぶりの外を、こんなにも快適に歩けるだなんて。
「ジョフィアさんはフロンスマーレの葉布職人なの」
今までも、暑さにはすぐに慣れ問題はなかった。しかし、照りつける陽光は慣れることがなく、長い間外にいると倦怠感を度々覚えていた。
それが今はどうだろう。
吹き付ける風は心地良く、照りつける陽光でさえも気にならずに歩いていられる。
なんて素晴らしいんだろう。
ソルはこの素晴らしい品たちを作ったというジョフィアさんとプルヴィアさんにお礼を言いたくて仕方なかった。
「それでね、お父さんがプルヴィアおばさんに相談したの。ソルが少しでも楽に過ごせるようになんとかできないかって」
ルーナの父親、テラシーの思いやりに思わず口元が緩む。
ルーナはいつものようにずんずんと軽快な足取りで歩いていく。いつもであればソルはやっとの思いでルーナについていくのだが、今日は違った。
ソルもルーナと同じよう軽快に歩いている。その自身の軽快さに自然と心も軽快になる。
「で、ジョフィアさんに頼んで作ってもらって、プルヴィアおばさんがそこにおまじないをかけて作ってくれたの」
おまじない、という表現がどこか可愛いく思える。非科学的なものであるが、そこに込められた思いやりの心は確かに存在している。
二人はひたすら歩き続けた。
やがて村にたどり着くと、ルーナはどこか目的地があるかのように、確かな足取りで村を通り過ぎていく。
「どこ行くの?」
ルーナの方を叩き身振り手振りで尋ねる。
「あぁ、言い忘れてた。テムって所。魔女の住む谷よ」
ニヤリとルーナは笑い、「陽光は大丈夫よね?」と尋ねた。
ソルは「魔女の住む谷」という言葉に浮足だった。
どんなに怪しい人たちがそこには住んでいるのだろうか。また新たな世界に触れることができると考えると、ソルはニヤニヤが止まらなかった。
「シニーっていう魔女が住んでいるの。最近ソル調子がよくなかったでしょ?フィーニおじさんに相談してたんだけど、シニーおばさまなら何かいい助言をしてくれるんじゃないかって」
ソルが外出を禁止されている間に、ルーナはさまざまソルのために動いてくれていたようだ。
ソルは感謝の意を表した。
それを見てルーナは見たことのない手話を返した。
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ルーナは一言「秘密」と呟き、またいつものようにいたずらっ子のように笑った。
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