46 / 57
メタルマックス(データイースト・1991年)
しおりを挟む
プレイ時期:1995年ごろ
ソフト入手:親戚からもらう
クリア状況:全ての賞金首とラスボス撃破
おすすめ度:★★★★★
*
親戚から古いファミコンソフトをまとめてもらったとき、一番のおすすめだと言われたのが本作である。当時、全く聞いたこともないタイトルで友達の誰も知らなかったのだが、大いにハマることになる。
攻略本どころか説明書すら無い状態で始めたので、まずこの世界が何なのかを冒険を進めながら解き明かしていくのが面白かった。いわゆるポストアポカリプスものなのだが、当時はそのようなジャンルすら知らなかったのを思い出す。廃墟が点在するがそれなりに平穏を取り戻し(都市ごとの自治と都市間交易が発達している感じ)、森や草原といった緑も目立つという、(後に知る)ステレオタイプなポストアポカリプスとは少し違う雰囲気も気に入った。
このゲームでは「戦車」という存在が重要である。戦車1台につき1人ずつ乗り込むことが可能で、乗車中の戦闘では専用のパラメータが使用される。兵器や弾薬のコストは高いが人間より段違いに強く、特に耐久性が凄まじい。SP(シールドポイントで、HPのようにダメージで削られる)が0になっても、シャシー(本体)が大破するまでは耐えられる。
当然、敵のほうもそんな戦車を前提にしているのでより強力……かと思いきや、ゲーム全体で見ればそれほど強くない。壁となるのは(文字通りの意味でも)ビックキャノンとラスボスくらいで、それ以外は装備をしっかり更新していればあっさり倒せる場合が多い。プレイヤーに対して「戦車ヤバい」を実感させるための思い切ったバランス調整だろう。
ファミコンのRPGとしては難易度は低めで遊びやすい。煙幕弾(敵の能力を激減させる上に重ねがけ可能)とパニック弾(混乱させて逃走や自爆までさせる)という特殊砲弾がボス含めてすべての敵に効く(というか耐性フラグ入れ忘れとしか思えない)ので、これらを縛ってようやく適正なゲームバランスになる。前述のビックキャノン戦の時点ではまだ入手できないので、手段を選ばないプレイでも最強はやはりビックキャノンなのだ。
反面、戦車が強力な分だけ、降車状態(白兵戦)の緊張感はある。特に中盤以降はメチルアマゾンという半魚人があちこちに出てきて、かなり強くならないと1~2発で倒されてしまう。一度だけ身代わりになってくれるプロテクターなど、対策手段はあるのだが。このあたりのメリハリがやや極端で、人を選びかねない要素である。
主人公の目的はあくまでも「旅に出る」ことで、ゲーム内のセリフにおいても「この世界ではどれだけ遠くへ行ったか、どれだけ多くの人と出会ったか、 その二つが人生の値打ちを決めるのだ」という象徴的なものがある。時には悪さを働く賞金首を狩ったり、最終的には王道のラスボスも用意されているのだが、それらの戦いはあくまで目的ではなく結果に過ぎない。
冒険のための冒険という主人公の動機は、ゲームを遊ぶプレイヤー自身の心境とも重なりあい、今までのRPGでは味わったことのない没入感があった。まして1995年という、プレイヤーの意志よりもストーリーが主導するタイプのRPGが全盛になっていく時代に本作に触れ、なおかつ非常に気に入ったというのは後のゲーマー人生に大きな影響を与えている。時系列的には、このすぐ後に初代『ポケモン』にハマることに繋がり、さらに『ウィザードリィ』に手を出すきっかけになったはずである。
ソフト入手:親戚からもらう
クリア状況:全ての賞金首とラスボス撃破
おすすめ度:★★★★★
*
親戚から古いファミコンソフトをまとめてもらったとき、一番のおすすめだと言われたのが本作である。当時、全く聞いたこともないタイトルで友達の誰も知らなかったのだが、大いにハマることになる。
攻略本どころか説明書すら無い状態で始めたので、まずこの世界が何なのかを冒険を進めながら解き明かしていくのが面白かった。いわゆるポストアポカリプスものなのだが、当時はそのようなジャンルすら知らなかったのを思い出す。廃墟が点在するがそれなりに平穏を取り戻し(都市ごとの自治と都市間交易が発達している感じ)、森や草原といった緑も目立つという、(後に知る)ステレオタイプなポストアポカリプスとは少し違う雰囲気も気に入った。
このゲームでは「戦車」という存在が重要である。戦車1台につき1人ずつ乗り込むことが可能で、乗車中の戦闘では専用のパラメータが使用される。兵器や弾薬のコストは高いが人間より段違いに強く、特に耐久性が凄まじい。SP(シールドポイントで、HPのようにダメージで削られる)が0になっても、シャシー(本体)が大破するまでは耐えられる。
当然、敵のほうもそんな戦車を前提にしているのでより強力……かと思いきや、ゲーム全体で見ればそれほど強くない。壁となるのは(文字通りの意味でも)ビックキャノンとラスボスくらいで、それ以外は装備をしっかり更新していればあっさり倒せる場合が多い。プレイヤーに対して「戦車ヤバい」を実感させるための思い切ったバランス調整だろう。
ファミコンのRPGとしては難易度は低めで遊びやすい。煙幕弾(敵の能力を激減させる上に重ねがけ可能)とパニック弾(混乱させて逃走や自爆までさせる)という特殊砲弾がボス含めてすべての敵に効く(というか耐性フラグ入れ忘れとしか思えない)ので、これらを縛ってようやく適正なゲームバランスになる。前述のビックキャノン戦の時点ではまだ入手できないので、手段を選ばないプレイでも最強はやはりビックキャノンなのだ。
反面、戦車が強力な分だけ、降車状態(白兵戦)の緊張感はある。特に中盤以降はメチルアマゾンという半魚人があちこちに出てきて、かなり強くならないと1~2発で倒されてしまう。一度だけ身代わりになってくれるプロテクターなど、対策手段はあるのだが。このあたりのメリハリがやや極端で、人を選びかねない要素である。
主人公の目的はあくまでも「旅に出る」ことで、ゲーム内のセリフにおいても「この世界ではどれだけ遠くへ行ったか、どれだけ多くの人と出会ったか、 その二つが人生の値打ちを決めるのだ」という象徴的なものがある。時には悪さを働く賞金首を狩ったり、最終的には王道のラスボスも用意されているのだが、それらの戦いはあくまで目的ではなく結果に過ぎない。
冒険のための冒険という主人公の動機は、ゲームを遊ぶプレイヤー自身の心境とも重なりあい、今までのRPGでは味わったことのない没入感があった。まして1995年という、プレイヤーの意志よりもストーリーが主導するタイプのRPGが全盛になっていく時代に本作に触れ、なおかつ非常に気に入ったというのは後のゲーマー人生に大きな影響を与えている。時系列的には、このすぐ後に初代『ポケモン』にハマることに繋がり、さらに『ウィザードリィ』に手を出すきっかけになったはずである。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
令和の中学生がファミコンやってみた
矢木羽研
青春
令和5年度の新中学生男子が、ファミコン好きの同級生女子と中古屋で遭遇。レトロゲーム×(ボーイミーツガール + 友情 + 家族愛) 。懐かしくも新鮮なゲーム体験をあなたに。ファミコン世代もそうでない世代も楽しめる、みずみずしく優しい青春物語です!
第一部・完! 今後の展開にご期待ください。カクヨムにも同時掲載。

リアル男子高校生の日常
しゅんきち
エッセイ・ノンフィクション
2024年高校に入学するしゅんの毎日の高校生活をのぞいてみるやつ。
ほぼ日記です!短いのもあればたまに長いのもだしてます。
2024年7月現在、軽いうつ状態です。
2024年4月8日からスタートします!
2027年3月31日完結予定です!
たまに、話の最後に写真を載せます。
挿入写真が400枚までですので、400枚を過ぎると、古い投稿の挿入写真から削除します。[話自体は消えません]
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


⚠️作品を使用する際の注意点をまとめました⚠️
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
エッセイ・ノンフィクション
プロフィールが書ける箇所の文字数が少なすぎるので、こちらに私の作品を使用する際の注意点をまとめてみました。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる