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激突四駆バトル(アイレム・1989年)
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プレイ時期:1990年ごろ
ソフト入手:親の知人にもらう
クリア状況:エンディングまで
おすすめ度:★★★★
*
タイトルからはタミヤの「ミニ四駆」を連想し、またゲーム内に登場する車名もほぼそのまま(頭に「BATTLE」が付いてるだけ)だが、タミヤのライセンス商品ではない。ブームにあやかって勝手に出した模様である。プレイヤーが自由に操作できるので、設定としてはミニ四駆というよりはラジコンのバトルなのだと思われる。
機体の種類は無駄に豊富。性能差はスピードとブレーキ性能とサスペンション(ダート減速防止)の有無しかないと思うのだが。さらにステージ開始前にカラーリングを自由に選択できる(性能は変化なし)という妙なこだわりがある。
本作は、技術的な意味でファミコンの限界に挑戦した知られざるソフトである。ファミコンマニアの間ではFF2や3の飛空艇の高速スクロールが有名なのだが、本作ではそれに匹敵する速度で自機が8方向に動く(ふっとばされた時はさらに微妙な角度でも動く)上に、同じ画面内には最大4体の敵が出現(もちろん別個に動くし当たり判定もある)し、さらに自機と敵機の動きをリアルタイムで表示するレーダーまで表示される。
ゲームとしては割と地味である。見下ろし型視点で、ひたすら湧いてくる敵を規定量倒せばクリア。全8面(+ボーナス3面)で周回などの要素はなし(エンディングで終了)。攻撃方法は体当たりのみで、壁にぶつければクラッシュしてダメージ発生。単純明快である。ただし前述したような驚異的なスピード感が独特の味を生み出している。
ゲームとしても単調で、当時は適当にクリアして終わった気がする(外縁部を回って敵を引き付けて反転攻勢するワンパターン戦術でいける、というか終盤はそうしないとかなり厳しい)のだが、このゲームの本当のすごさに気づいたのはしばらく経ってからである。インターネット上でFF3の飛空艇を動かすプログラミング技術とやらがもてはやされて、改めて確認してみたのだが、「それより遥かにすごい実例があるじゃないか!」と思ったのが本作である。
基本的にファミコン時代のゲームに詳しくなればなるほど、このゲームのヤバさが理解できるようになっている。スピードもそうなのだが、例えば『バンゲリングベイ』では、元々のパソコン版についていたレーダー表示をファミコンへの移植では技術上の理由でカットしたという話だが、本作はそれよりも遥かに高度なゲーム内容とレーダーを両立している(容量の違いなどは当然あるにせよ)。
技術的な観点からファミコンに興味を持ったのであれば、絶対にプレイすべき作品である。プログラマー(「HIRO SAITO」とクレジットされているが他の経歴は不明)の本気というものが理解できるはずだ。知名度こそ低いが、間違いなくファミコンの限界に挑んだマスターピースの一つである。フレーム数の落とされたプレイ動画では真価を確認しづらい。ぜひ自分の目で見て、自分の手で動かしてみるべきだ。
一応、やりこみとしてもスコアアタック(エンディングまでに獲得可能なスコアは有限)や、最初のマシンで全面クリア(理論的に可能なのかは知らない)といった遊び方はできる。全体的には丁寧な作りになっているし、何かのきっかけで注目されれば評価が化けそうな作品という気はする。全面クリアでも30分かからないので、競技種目にも向くのではなかろうか。
ソフト入手:親の知人にもらう
クリア状況:エンディングまで
おすすめ度:★★★★
*
タイトルからはタミヤの「ミニ四駆」を連想し、またゲーム内に登場する車名もほぼそのまま(頭に「BATTLE」が付いてるだけ)だが、タミヤのライセンス商品ではない。ブームにあやかって勝手に出した模様である。プレイヤーが自由に操作できるので、設定としてはミニ四駆というよりはラジコンのバトルなのだと思われる。
機体の種類は無駄に豊富。性能差はスピードとブレーキ性能とサスペンション(ダート減速防止)の有無しかないと思うのだが。さらにステージ開始前にカラーリングを自由に選択できる(性能は変化なし)という妙なこだわりがある。
本作は、技術的な意味でファミコンの限界に挑戦した知られざるソフトである。ファミコンマニアの間ではFF2や3の飛空艇の高速スクロールが有名なのだが、本作ではそれに匹敵する速度で自機が8方向に動く(ふっとばされた時はさらに微妙な角度でも動く)上に、同じ画面内には最大4体の敵が出現(もちろん別個に動くし当たり判定もある)し、さらに自機と敵機の動きをリアルタイムで表示するレーダーまで表示される。
ゲームとしては割と地味である。見下ろし型視点で、ひたすら湧いてくる敵を規定量倒せばクリア。全8面(+ボーナス3面)で周回などの要素はなし(エンディングで終了)。攻撃方法は体当たりのみで、壁にぶつければクラッシュしてダメージ発生。単純明快である。ただし前述したような驚異的なスピード感が独特の味を生み出している。
ゲームとしても単調で、当時は適当にクリアして終わった気がする(外縁部を回って敵を引き付けて反転攻勢するワンパターン戦術でいける、というか終盤はそうしないとかなり厳しい)のだが、このゲームの本当のすごさに気づいたのはしばらく経ってからである。インターネット上でFF3の飛空艇を動かすプログラミング技術とやらがもてはやされて、改めて確認してみたのだが、「それより遥かにすごい実例があるじゃないか!」と思ったのが本作である。
基本的にファミコン時代のゲームに詳しくなればなるほど、このゲームのヤバさが理解できるようになっている。スピードもそうなのだが、例えば『バンゲリングベイ』では、元々のパソコン版についていたレーダー表示をファミコンへの移植では技術上の理由でカットしたという話だが、本作はそれよりも遥かに高度なゲーム内容とレーダーを両立している(容量の違いなどは当然あるにせよ)。
技術的な観点からファミコンに興味を持ったのであれば、絶対にプレイすべき作品である。プログラマー(「HIRO SAITO」とクレジットされているが他の経歴は不明)の本気というものが理解できるはずだ。知名度こそ低いが、間違いなくファミコンの限界に挑んだマスターピースの一つである。フレーム数の落とされたプレイ動画では真価を確認しづらい。ぜひ自分の目で見て、自分の手で動かしてみるべきだ。
一応、やりこみとしてもスコアアタック(エンディングまでに獲得可能なスコアは有限)や、最初のマシンで全面クリア(理論的に可能なのかは知らない)といった遊び方はできる。全体的には丁寧な作りになっているし、何かのきっかけで注目されれば評価が化けそうな作品という気はする。全面クリアでも30分かからないので、競技種目にも向くのではなかろうか。
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