私が遊んだファミコンソフト

矢木羽研

文字の大きさ
上 下
19 / 57

ミッキーマウス 不思議の国の大冒険(ハドソン・1987年)

しおりを挟む
 プレイ時期:1995年ごろ
 ソフト入手:親戚にもらう
 クリア状況:エンディングまで
 おすすめ度:★★

 *

 本体ごとくれたのとはまた別の親戚から、古いゲームをまとめて引き取ったもの。題材が題材だけあって人気ソフトだったので、それ以前でも友人宅などでプレイする機会は何度かあったはずである。特に女の子に人気だったような覚えがある。

『不思議の国のアリス』をベースに、『魔法使いの弟子』『ピーターパン』あたりが混ざったような世界での横スクロールアクション。お供のミニーは足手まとい(ミニーが穴に落ちると、後を追ってミッキーが落ちてミス扱いになるのが怖い)に見えて、武器を手に入れると活躍。攻撃に対しては無敵なので一部のボスは一方的に倒せたりする。思うように動かせないことが障害になる場面もあるが、それを前提としたゲームバランスなので理不尽さはない。

 全体的な印象としては、同社の『ドラえもん』みたいなバラエティ豊富なものを作ろうとしたけれど予算や日程が足りずに力尽きた感じがひしひしと漂ってくる。一応ステージは5つあるが作り込みの度合いが全然違う。特に4面の海賊船、独立させる必要ある?

 1面の出口から海が見えて、次のコースが海になるのだが、2面以降にはこのような繋がりが見られない。むしろ海→森→海賊船という非常に不自然な構成になる。素直に海の後に海賊船を持ってくるのでは駄目だったのだろうか。このあたりも無理やり要素を詰め込んだ感じがする。

 ランダムで出現する隠しアイテムの中にはお邪魔キャラがおり、ミニーを拉致されると救出するまでクリア不可能になる。しかも救出にはランダム出現のボーナスステージで、これまたランダムで当たりを引く必要があって非常に困難。リセットしたほうが早いくらいである。「画面に残っているうちにエリア切り替え」で無かったことに出来るのが救いなのだが。

 一方で、妖精を取って無敵になるとボスでさえ一撃で倒せるのが爽快。最終面はまともにクリアしようとするとボスラッシュがかなりきついが、運良く妖精を引けば体当たりでラスボスをも倒してあっという間にクリアできる。現代の感覚ではかなり大胆というか大味な印象を受けるだろうが、ゲームが苦手な子でも運次第でクリアできるという意図的な調整だろうし、キャラゲーのスタンスとしては個人的には正しいと思う。

 裏技でステージセレクト可能。ただしこの場合はミニーが丸腰になるので難易度が上がり、さらにラスボスを倒してもエンディングにならない(これも『ドラえもん』と一緒)。3面のループ脱出パターンを覚えるのにはちょうどいいか。

 1987年のハドソンは、ファミコンとPCエンジンを合わせて10本ものソフトを発売しており、開発現場はかなり過密なスケジュールだったと想定される。せっかくのディズニーという題材なので、もう少し時間をかけて作れば名作になれたかも知れない。なんとも惜しいゲームである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

令和の中学生がファミコンやってみた

矢木羽研
青春
令和5年度の新中学生男子が、ファミコン好きの同級生女子と中古屋で遭遇。レトロゲーム×(ボーイミーツガール + 友情 + 家族愛) 。懐かしくも新鮮なゲーム体験をあなたに。ファミコン世代もそうでない世代も楽しめる、みずみずしく優しい青春物語です!  第一部・完! 今後の展開にご期待ください。カクヨムにも同時掲載。

バーさん コンロと語る

はまだかよこ
エッセイ・ノンフィクション
76才のバーさん。やむなく新しいコンロを購入。このコンロがやたらうるさいのです……

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

リアル男子高校生の日常

しゅんきち
エッセイ・ノンフィクション
2024年高校に入学するしゅんの毎日の高校生活をのぞいてみるやつ。 ほぼ日記です!短いのもあればたまに長いのもだしてます。 2024年7月現在、軽いうつ状態です。 2024年4月8日からスタートします! 2027年3月31日完結予定です! たまに、話の最後に写真を載せます。 挿入写真が400枚までですので、400枚を過ぎると、古い投稿の挿入写真から削除します。[話自体は消えません]

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

昨日19万円失った話(実話)

アガサ棚
エッセイ・ノンフィクション
19万円を失った様とその後の奇行を記した物

⚠️作品を使用する際の注意点をまとめました⚠️

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
エッセイ・ノンフィクション
プロフィールが書ける箇所の文字数が少なすぎるので、こちらに私の作品を使用する際の注意点をまとめてみました。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...