私が遊んだファミコンソフト

矢木羽研

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忍者ハットリくん(ハドソン・1986年)

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 プレイ時期:1990年ごろ
 ソフト入手:おもちゃ屋で買ってもらう
 クリア状況:1周クリア
 おすすめ度:★★

 *

 記憶が確かならば、今はなきハローマックで買ってもらった思い出。発売から数年は経過していたので安かったはず。アニメは本放送をリアルタイムでは見てないと思うのだが、再放送で見る機会はそれなりにあったと思う。あと映画版のビデオがあったのでよく見ていた(おそらくテレビでやったのを録画したもの)。

 スーパーマリオと比べるとジャンプが弱く、慣れないうちは影走りや高跳びを使わないとまともに穴を飛び越せなかった。無敵のおばけによるハメ殺しとか、触るだけで即死のカエルが怖かった。

 とはいえ、忍法をちゃんとストックして使うべきところで使えば割と簡単に突破できるように作られている。クリアできるようになったのはスーパーマリオよりも後だった気がするが、当時感じていたよりも難易度は高くないと思った。

 また、BGMも面白い。アニメ版の主題歌をベースに、クラシックの「アルルの女」「天国と地獄」をリミックスしたような曲だ。これは権利的な問題を回避するために原曲の小節を部分的にのみ使用せざるを得なかったためという話だが、妙に馴染んでいて、むしろアニメ主題歌を歌おうとするとこちらが侵食してくるという方も多いのでは。

 ただ、忍法を集めるためにはどうしても同じ場所にとどまってメカ忍狩りをする必要があるのはやっぱりテンポが悪い。それ以外の入手手段は隠しアイテムしかないというのも辛い。マリオのように何度も遊びたくなったりはせず、一度クリアしたらもういいやと思ってしまった。

 このゲームにはやたらと裏技が多く、特定の場所でジャンプや攻撃をするといろんなことが起こったりする。ただ全体的に脈絡もない上に覚えにくくて、攻略本前提という気がしてあまり好きにはなれなかった。

 とはいえ、久々にプレイしたら隠しアイテムなどほとんど出さなくても割とあっさりクリア。初回こそ忍法集めをサボったので息切れしてしまったが、ステージごとにしっかり集めれば驚くほど簡単にクリアできてしまった。フルーツを集めて「力」でこまめに回復し、水グモとムササビをケチらないのがポイントか。

 後に、このゲームは「最も売れた版権もののファミコンソフト」だと知り、びっくりした覚えがある。クソゲーというわけでもないが他に面白いゲームはいくらでもあるし、なんなら同じハドソンかつ藤子不二雄原作の『ドラえもん』のほうが、ゲームとしても原作知名度としても遥かに上なので不思議に思った(しかもそちらは年末発売)のだが、当時は他のソフトとの兼ね合いで十分な生産・出荷が出来ないことがままあったというのを聞いて無理やり納得した。

 そもそも「ハットリくんよりドラえもんのほうが有名」というのも後世の価値観なのかも知れない。世に出たのはハットリくんのほうが先だし、親世代には実写版の馴染みもあっただろう。21世紀以降は他の藤子アニメも地上波から姿を消して「ドラえもんだけが突出して有名になった」だけなのだろうか。
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